殲ー31はF-35の販売に影響しない?

 同じクラスの戦闘機とも考えられていますが。

http://www.hinews.cn/news/system/2015/11/29/017964729.shtml


専門家:殲ー31が中国軍に装備されることはあまりありそうにない 主に輸出に用いられる

(頑住吉注:原ページのここにある画像のキャプションです。「11月8日〜12日、中航工業最新世代戦闘機『鶻鷹』殲ー31の模型が初めて国の門を出て、ドバイ国際大型総合航空展に姿を現し、今回の航空展唯一の第4世代機となった。殲ー31は零距離で国際軍事貿易市場に接触し、当然国内外の強烈な関心を引き起こした。」)

殲ー31、国際市場にデビューし、中国軍事輸出のモデルチェンジを推し動かす

「鶻鷹」初の国際的披露は、この機を借りて外国顧客を捜し当てることができるだろうことの他、さらに3つの方面の重大な意義がある。第1は中国航空工業の新たなる成就をはっきり示したことである。ステルス能力を持つ第4世代として、殲ー31は中国航空工業の現在の最高水準を代表する。2014年珠海航空展から今回のドバイ航空展まで、1年の時間しか過ぎ去っていないにもかかわらず、飛行機の性能、プラットフォームとシステムなど多くの方面でいずれも非常に大きな最適化を獲得し、実質的飛躍があった。飛行機の外形はほとんど新規設計が行われ、台形の垂直尾翼は後退角のついた垂直尾翼に改められ、かつ角を切り落とす処理がなされた。この機はさらに一体式キャノピーに改められ、内部埋め込み武器コンパートメントの構造が最適化され、エンジンさえも中国自ら生産する先進中型エンジンに改められている。国産化されたRD-93エンジンである。こうした全ては中国製造の実力向上と国民経済の急速な発展をはっきり示し、かつ世界に向け中国航空工業の技術創新と技術レベルがすでに世界最高水準に近づいていることを表明している。

第2は中国の国際的影響力を高めたことである。中国は国際市場で自らのハイエンド戦闘機を展示し、中国のために第4世代戦闘機を研究開発できる強国のイメージを樹立した。このことは極めて大きく中国の国際的影響力と世界軍事貿易市場での地位と発言権を向上させることになる。今回の展示はさらに一歩我が国と「一帯一路」に含まれる国と地域とがより高いランクに上がることを促進し、技術の連動と経済の相互のつながりを実現し、我が国が国外ユーザーの思想と使用、維持保護経験に接触し、設計思想を広げ、我が国の戦闘機の研究開発レベルの大きな向上の実現に有利である。

第3は中国軍事輸出のモデルチェンジを推し動かしたことである。人々の心の目の中で、中国の軍事輸出は元々ローエンド製品をもってメインとし、顕著な「簡易廉価」の特徴を見せている。殲ー31が今回中東地域に出現したことは、再度「鶻鷹」戦闘機の国際知名度を向上させ、中国国産ステルス戦闘機が正式に輸出段階に入ったことを象徴的に示し、中国のハイエンド武器装備の「出て行く」戦略のために光彩を添えた。このことは中国がハイエンド商品供給および協力能力を具備したことをも説明し、航空武器装備輸出は伝統的市場構造を打破し、国際ハイエンド航空装備軍事貿易の場に向かいつつある。

殲ー31が国際市場に向かっても、あまり多くのアメリカ戦闘機ユーザーを奪い去ることはないだろう

殲ー31が国際市場に向かえば、必然的にF-35などの第4世代戦闘機とのセールス競争関係が存在する。しかし、第4世代機はまだ成熟した競争市場を形成する状況下にはなく、殲ー31は自らの独特な輸出競争の優勢がある。

1つ目は独特の機能と作用を持つことである。殲ー31の国際市場における最大の優勢とポテンシャルは、それが取って代わり得ない、唯一無二の位置付けを持つことにある。周知のように、技術的秘密を保護する需要から、多くのステルス戦闘機は国際市場に出現することが全くあり得ない。たとえば、アメリカはすでに立法を行い、F-22をいかなる国に輸出することも厳格に禁止している。このため、現在国際市場で買えるステルス戦闘機は、F-35と間もなく量産される殲ー31だけしかない。

F-35は対地攻撃能力の強化に重点を置き、そのため体型がひどく太り、高速機動性能や空戦能力が相当にまずく、かつ価格が非常に高い。F-35が近距離戦闘試験の中でF-16に何度もの打撃を受けていることは、まさに非常に良い説明である。殲ー31は設計上空戦を偏重し、この機には巨大な弾薬コンパートメントや内部燃料タンクはなく、比較的良い超音速機動性能を持ち、その空戦能力はF-35より優れている。このためF-35と殲ー31は見たところやや似ているが、それらは2種の異なる製品なのである。この種の位置付け上の差異は殲ー31に独特の競争の優勢を持たせている。

2つ目は特定のユーザー対象を持つことである。市場の需要から見て、殲ー31はF-35戦闘機の販売に対し大きな挑戦を構成しないだろう。何故ならF-35を購入するのは全てアメリカの盟友だからである。こうした国は指揮、ナビゲーション、通信などの方面で、すでに相互に連携できる完備された体系を形成しており、さらに異なる体系の戦闘機を購入することはあり得ない。また、戦闘機の異なる価格帯と性能は、その適応する対象も異なることを決定づける。F-35を買える国は、多くが金のある先進国である。一方対外販売に用いる殲ー31は顕著な価格の優勢を持ち、ああしたアメリカの輸出禁止を受ける、あるいは高価な飛行機は買えない国に比較的適合する。例えばパキスタンおよび中東、南米のいくつかの国である。このため、殲ー31がより多くアメリカの戦闘機ユーザーの市場を奪い去ることはないだろう。

3つ目は大規模改良のポテンシャルを持つことである。殲ー31は将来多種の改良型に設計される可能性がある。買い手は自らの意図や要求を根拠に、殲ー31の多くの部分、例えばコックピット、垂直尾翼、火力コントロール・飛行コントロールシステムなどに対し調整、改修を行い、もって飛行機の速度、ステルス性能などに対する異なる要求を満足させることができる。もし伝統的な武器の寸法と殲ー31の弾薬コンパートメントがマッチしなかったら、さらに弾薬コンパートメントの寸法を改修することができる。ユーザーは自らのレーダー、武器システム、通信システムを用いて殲ー31をオーダーメイドすることができるだけでなく、さらに殲ー31の関連技術を購入することができる。このことは購入国が殲ー31に対し大規模改良を行い、できる限り早く本国戦闘機のグレードアップ世代交代を実現するのに非常に有利である。このため、パキスタンはかつてこのような話を用いて中国の武器を称賛した。もしあなたが必要とするなら、中国人は駱駝を鷹に変えることができる。このことは我が国の販売する武器に対し高度に責任を負う態度を説明するだけでなく、中国製品が他の多くとは異なる実用性能を持つことをも説明している。

国外に輸出されることが殲ー31の主要な用途で、解放軍も少数装備するかもしれない

コストパフォーマンスの高い中型多用途戦闘機として、殲ー31は先進的なレーダーを配備し、マルチスペクトルの(頑住吉注:多くの周波数帯での、の間違いでは)低い探知計測可能性およびずば抜けた電子対抗性能を持ち、超視距離多目標攻撃および大きく軸角度を離れた全方向攻撃が実現でき、その戦場生存力、態勢感知能力、情報総合能力はいずれも非常に強い。殲ー31は比較的強い外部搭載能力を持ち、中国あるいは国外の多種の先進的な空対空、空対地武器が搭載でき、小直径爆弾、各種制御誘導および非制御誘導武器が搭載できる。研究開発の位置付けや上述の性能から見て、殲ー31は将来主に対外兵器販売に用いられることになるが、解放軍が少数装備する可能性は排除されない。この2種の用途に対しては、簡単に「1+1」と概括することができる。

1つ目は対外兵器販売に用いられる。殲ー31は沈陽飛行機集団の自己資金、自主研究開発による新型戦闘機で、軍の指定する購入製品では決してない。このため、設計開始からもう対外販売の要素を考慮していた。今回殲ー31が国の門を出た、その目的は非常に明確で、輸出に他ならない。航空展で表示された正式機種名は「FC-31」であって、「殲ー31」ではなかった。FC系列の機種は我が国の対外貿易特有の機種で、このことはこの戦闘機が対外貿易市場に照準を合わせた戦闘機であることを明確にしている。「殲ー31」は「鶻鷹」戦闘機の国内で広範に流れ伝わる非正式な俗称でしかない。国外への輸出が殲ー31の将来の一大主要用途であることが見て取れる。

2つ目はその他の戦闘機とハイローミックスを形成することである。ハイローミックスし、共同で作戦任務を完成させるのは非常に多くの国の空軍の伝統的やり方である。アメリカのF-22とF-35は第4世代戦闘機の同世代コンビネーション方式を採用している。ロシアはT-50とスホーイー30、スホーイー35のコンビネーションを行い、採用するのは異なる世代のハイローミックス方式である。殲ー31はすでに国際市場にプッシュされており、中国の飛行機を購入する国にとって、世代をまたぐ組み合わせ方式採用してハイローミックスを実現する可能性が高いと言える。例えば、殲ー31と殲ー11などでハイローミックスを行うのである。どんな種類のコンビネーション方式を採用するかは完全に、異なる国の異なる選択によって決まる。

戦闘機の性能から見て、将来殲ー31は殲ー20とハイローミックスを形成し、我が国を世界で第2番目の第4世代機の同世代コンビネーションができる国とさせることができる。電磁カタパルト技術の不断の成熟につれ、殲ー31は殲ー15とコンビネーションし、空母艦載機となる可能性もある。だが、我が国は国土が非常に広く、沿海地域や沿海海域が広大で、殲ー31の大量装備は決して最善の選択ではない、と考える一部の専門家もいる。作戦の需要から言えば、殲ー20は空軍の攻防兼備の戦略的需要をより満足させることができる。こうした専門家は、殲ー31が輸出型である以上、中国軍に装備される可能性はあまりないと考える。もし少数装備しても、空母艦載機の標準装備となる可能性はあまりない、と。(張礼軍 李偉 作者の機関:後方勤務学院国防大学)


 ドバイで展示されたのは単なる模型のはずですし、殲ー31の性能はまだ全く分かっていないにもかかわらずよくここまで言えるなと思いますけど、確かに輸出が視野にも入らない遠い将来になりそうな状況なら模型の展示すらしないかもしれません。











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