中国の空母戦闘群に対する見方

 「軍情視界」もこのテーマを取り上げています。

http://military.china.com/zh_cn/jqsj/048/


遼寧艦戦闘群は実験の性質のみ持つ

中国空母の試験、新たな段階に入る

イントロダクション:11月下旬、中日の防空識別圏をめぐって展開される新たなゲームが非常に多くの人の注意を引きつけている時、同じくらい大きなニュースが「静かに」国内外の各大メディアに現れた。中国初の空母遼寧艦が複数隻の随伴艦艇の航路護衛の下に一路南下し、南海の三亜に到達して訓練に参加したのである。これが遼寧艦初の空母戦闘群の形式をもっての世の人の面前への出現であり、かつ航行ルートが多くのデリケートな海域を通過したため、非常に多くの外国メディアはこの行為を当然に関係あるものと考えた。事実は果たしてこうなのか?

中国初の空母戦闘群

(頑住吉注:原ページのここにある画像のキャプションです。「遼寧艦隊の南下、広い関心を引き起こす」)

遼寧艦隊の南下しての訓練、アメリカ、日本の「野次馬見物」を引き寄せる

遼寧艦は11月26日に青島某軍港の埠頭を離れ、ミサイル駆逐艦沈陽艦、石家庄艦、そしてミサイル護衛艦烟台艦、ウェイファン艦ら艦艇の随伴の下に一路南下し、台湾海峡を経て南海の三亜軍港に到達した。これは遼寧艦の就役後初の海区をまたいでの試験と訓練であり、目的は遼寧艦の装備の性能を検証することである。遼寧艦が中国海軍に引き渡されて1年余り以来、すでに相次いで艦載戦闘機制動着艦、スキージャンプ発進、駐艦飛行、短距離スキージャンプ発進、艦載機最大重量発着、複雑な気象条件下での連続発着、艦載戦闘機飛行員と着艦指揮員の成功裏の空母資格認証のパスなどの試験と訓練を完成させた。中国軍は明確に、遼寧艦隊の今回の航行と訓練活動は計画を根拠になされた正常な手配だとしているが、アメリカや日本などの国はそれでも高度に緊張している。アメリカ人がニミッツ号とワシントン号という2隻の空母戦闘群を南海に配備したのと同時に、日本のかの排水量が1.8万トンに達するいせ号ヘリ空母もフィリピン海域に駆けつけ、「野次馬見物」した。

(頑住吉注:原ページのここにある画像のキャプションです。「遼寧艦戦闘群、ひとまず戦闘力を持つ」)

空母艦隊は最大の「ハイライト」

遼寧艦南下のタイミングと航行ルートはすこぶる関心を持たれたが、051C型駆逐艦と054A型護衛艦によって構成される航路護衛艦隊こそが真のハイライトなのである。何故ならこれは中国初の空母戦闘群の誕生を示すからである。その「2隻の駆逐艦+2隻の護衛艦+空母」の艦隊は規模の上でアメリカの空母艦隊のスタンダードよりやや小さいが、それでもこれは1つの標準的空母戦闘群であると言える。この編成を根拠に、我々は遼寧艦戦闘群の任務の分業をおおよそ推測できる。遠距離防空は空母自体の殲ー15艦載機によって担当され、2隻の051C型駆逐艦は中距離防空を担当し、海紅旗-16を配備した2隻の054A型護衛艦は近距離防空および対潜任務を担当する。対艦作戦任務の分業から見ると、空母戦闘群は艦載機の打撃能力をメインとし、同時に航路護衛艦は鷹撃-83対艦ミサイルを装備しており、このためその全体的攻撃力も見くびることはできない。また、駆逐艦上の艦載ヘリは防空と対潜任務を担当できるだけでなく、艦対艦ミサイルなどの最終段階の誘導に対し作用を果たし、艦艇の防御範囲を拡大、延伸することもできる。

依然「すり合わせ」の段階にある

防空と対潜の問題がひとまず解決されるにつれ、遼寧艦は前倒しで戦闘力を形成した。しかし、「ひとまず雛形を備えた」という言葉を用いて現段階の遼寧艦戦闘群を形容するのがやはり比較的適切である。結局のところ、現在空母艦隊の中の航路護衛艦の数は少な目で、かつ原潜、補給艦、早期警戒機、対潜機の随伴がなく、かつて高い期待を寄せられたイージス艦すら051Cによって取って代わられている。しかも遼寧艦の航続能力の不足、航路護衛艦艇が少な目、遠距離無人機が欠けているなどの方面に基づき、これが「西側諸国とではまだ非常に大きい隔たりがある」との結論を出す人もいる。こうした問題は確かに客観的に存在している。だが我々は、現段階の遼寧艦は依然濃厚な実験の性質を持っていることも見るべきである。まさにある専門家が言うように、我々はまず2隻のミサイル駆逐艦と2隻のミサイル護衛艦を揃え、その他の艦は次なる一歩で配備するかもしれない。言い換えれば、これは「検証、すり合わせ、改良、向上」の過程なのである。

遼寧艦およびその守護神

遼寧艦戦闘群、ひとまず戦闘力を持つ

051C型駆逐艦は空母艦隊の中距離防空を担当する

054A型護衛艦は近距離防空および対潜を担当する

遼寧艦戦闘群の特殊な使命

遼寧艦戦闘群の南海での訓練参加の重大な意義

遼寧艦隊がデリケートな時期にデリケートな水道を通過した時、日米などの国のひとしきりの「驚きの叫び」を引き起こしたが、それが行くことを欲した目的地が明らかにより深い検討に値する。周知のように、南海自体非常に広い海域を持ち、また我が国と隣国とで争いある面積が最大の海域の1つでもある。これまで、中国空軍は年を通じて南海地域の正常なパトロールを保持することができていない。中国空軍最新装備の殲ー11戦闘機を例にすると、その航続距離は3,790kmあり、第3世代機の中で比較的遠くまで飛べると評価される。しかし南沙群島は海南島からの距離が3,000km近い。この距離は中国空軍の現役主力戦闘機にとって間違いなく比較的重荷である。もし空中給油によって南海の最も遠いところである南沙群島付近に到達しても、主権を宣言するのがせいぜいで、正常なパトロールや有効な領海の安全保障を達成することはできない。だがこのまずい状況は空母戦闘群の出現と共に改善される。何故なら空母自体が攻防兼備であり、「海上の飛行場」として随意に移動し、このよう打撃とパトロールの距離を延長できるからである。この意味から言って、南海は空母を必要とする!

未来の空母戦闘群の展望

遼寧艦空母戦闘群が試験的性質を持つからといって、その現在の状況を根拠に未来の空母戦闘群の規模をちょっと想像してみることは妨げられない。正常な状況下では、空母艦隊は2〜3隻の052C/D型防空ミサイル駆逐艦および3〜4隻のミサイル護衛艦を持つことになる。1〜2隻の攻撃型原潜が配属され、さらに1〜2隻の1万トン級大型駆逐艦を艦隊の核心として持つ可能性がある。また、空母戦闘群の海空戦力の融合体としての作用を発揮するには、さらに空母艦隊が衛星など宇宙基地システム、各種早期警戒偵察システムとの密接な協調を確保し、空中の実戦機、水上艦艇、潜水艦との互いの密接なコンビネーションを確保し、人と武器の有機的結合を確保し、各システムの通信、指揮コントロール、データリンクの情報伝達などの方面におけるシームレスな連結を確保することが必須である。もしこれらの配置が最終的に実現できたら、アメリカの空母戦闘群に近づく。当然、この前にまだ次のような問題を解決する必要がある。まず、米日など潜在的相手の水中戦力に照準を合わせ、できるだけ早く艦隊の対潜能力を向上させ、さらに油、弾薬の搭載船、冷蔵船を含む後方勤務保障船隊を増加させる。

各方の声

李傑:空母艦隊の規格は時によって代わる

空母艦隊の規格は作戦任務、海域の環境などの要素によって異なる。真の作戦時には艦艇の配備にやや重点が置かれ、例えば対潜任務執行時はより多くの対潜戦闘艦の配備を必要とする。

さらに多くの声

外国メディア、中国空母艦隊に何故原潜がないのかを解読

香港メディア:遼寧艦の第2の家は極めて軍事的価値を持つ

台湾軍:遼寧艦南下のルートの意味は尋常でない

戴旭:中国空母実験、第3段階に入る

今回の遼寧号空母艦隊の南海に赴いての訓練は中国空母の試験が、空母が海に出る、艦載機着艦発進試験という2つの段階の後、正式に第3の段階に入ったことを示す。

より多くの声

アメリカメディア、遼寧艦には深刻な欠点がある

ロシアメディア:中国、2020年に原子力空母を建造へ

日本メディア:遼寧艦は「張り子の虎」だと事実無根のことを言う

ネット仲間の調査

あなたは遼寧艦戦闘群をどう見ますか?

すでに一定の戦闘力を具備している 17.69% 189票

依然非常に多くの問題が存在している 7.21% 77票

国産空母戦闘群のために経験を少しずつ蓄える 56.88% 608票

アメリカの空母艦隊とでは差が大きすぎる 9.36% 100票

日本に対しては充分である 7.3% 78票

はっきり言えない 1.6% 17票

総票数 1,069票

空母戦闘群

空母を核心とし、海軍航空隊、水上艦艇と潜水艦を一体に集めた、空中、水上、水中作戦戦力が高度に連合した海空一体化機動作戦部隊である。機動が敏捷、総合作戦能力が強い、威嚇効果が良いなどの特徴を持ち、軍事基地を遠く離れた広い海上で全天候、大範囲、高強度の連続作戦が実施できる‥‥

結びの言葉

実力が強力なアメリカ空母戦闘群に比べても、未来の国産空母戦闘群に比べても、遼寧艦隊には非常に長い通らねばならない道がある。しかし、遼寧艦艦隊の建設にはやはりマイルストーン的な意義がある。中国初の空母艦隊の戦力化は、決して単なる1隻の空母の改装に過ぎないわけではなく、多くの駆逐艦、護衛艦、補給艦、原潜、艦載機の開発、生産と同じ歩みで展開することも必要であると知らねばならない。このため、遼寧艦隊の登場が体現するのは中国の造船能力、科学技術研究開発能力、ないし全体的国力の進歩なのである。


 南シナ海で戦闘力、威嚇力を発揮するまでにはまだ相当の時間がかかるということでしょう。逆に言えば中国本土から近いため尖閣問題への影響は相対的に小さいということになるんでしょうか。



















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