中国の専門家「いずも」を語る

 非常に気になる存在のようですが。

http://military.china.com/news2/569/20150403/19474811.html


専門家:いずも号は最大で12機のF-35を搭載 空母と戦って勝つというのは単なる神話

(頑住吉注:原ページのここにある画像のキャプションは本文の一部を切り取ったものなので省略します。)

3月25日、日本海上自衛隊最大の戦闘艦である「いずも」号がハイテンションで就役し、国際的に広い関心を引き起こしている。ロイター社はそれを、日本が海外軍事作戦能力を拡張する「高度に目を引くシグナル」であると称する。軍事関係のウェブサイト「Konas」は韓国が「いずも」号戦闘群の武力での独島奪取に対抗できないことを心配している。

「いずも」号は果たしてこのように高い武力を持ち、空母戦闘群を制圧できるのだろうか? 我々はやはりデータに語らせようではないか。

「いずも」号は12機のF-35Bと4機のヘリを搭載できる

「いずも」号戦闘艦がヘリ空母だろうと軽空母だろうと、その作戦能力は主に搭載機の数で決まる。「いずも」号の搭載機の数に関しては諸説紛々ということができる。日本メディアは、「いずも」号は9機、最多で14機のヘリを搭載し、将来はF-35Bステルス戦闘機も搭載できる、とする。

カナダの「漢和安全保障業務評論」はかつて、「いずも」号は20機余りのF-35Bステルス戦闘機を搭載できると推測した。

いかなる戦闘艦の搭載機数もそのトン数の大小と直接的に関係があることを知る必要がある。スペインの「ホアン カルロス1世」号戦略投入艦とイタリアの「カブール」号軽空母の満載排水量はいずれも2.75万トンで、いずれも8機のAV-8B戦闘機、12機のNH90ヘリあるいは12機のAV-8B戦闘機、4機のNH90ヘリが搭載できる。

「いずも」号戦闘艦の満載排水量は「ホアン カルロス1世」号および「カブール」号よりやや小さいが、日本の造艦能力はスペインやイタリアよりも強いだろう。「いずも」号戦闘艦は8機のAV-8B戦闘機と12機のヘリを搭載する能力を持つ。F-35BとAV-8Bの外径寸法が近いことにかんがみれば、将来「いずも」号はスキージャンプ甲板を追加装備した後、8機のF-35Bステルス戦闘機と12機のヘリを搭載する可能性がある。制海作戦実施時は、12機のF-35Bステルス戦闘機と4機のヘリを搭載する可能性がある。上陸作戦実施時は、さらにMV-22「オスプレイ」ティルトローター機が発着できる。

世界で最も新しく、最大で、最も先進的な「アメリカ」級強襲揚陸艦の満載排水量は4.5万トン余りで、制海作戦時は23機のF-35Bと8機のヘリを搭載することができる。「いずも」号戦闘艦の満載排水量は「アメリカ」級よりはるかに小さく、「漢和安全保障業務評論」が言うように20機余りのF-35Bを搭載できるということはあり得ない。

「いずも」号艦隊の兵力編成は「八・八艦隊」


中、高強度の作戦の実施時、「いずも」号艦隊の基本的な形式は「いずも」号、2隻の防空駆逐艦、5隻の多用途駆逐艦からなる8隻の護衛艦群である。「いずも」号艦隊の8隻の戦闘艦は2つの機動作戦ユニットから編成され得る。すなわち、1つは「いずも」号を核心とし、1隻の防空駆逐艦、2隻の多用途駆逐艦を配し、主に対潜作戦任務を担う。もう1つは「こんごう」級を核心とし、3隻の多用途駆逐艦を配し、主に弾道ミサイル防御任務を担う。

将来、「いずも」号艦隊が拡張される可能性はあるのか否か? 1978年、日本はかつて3種の兵力編成方案を提出した。1つは5つのそれぞれ1隻の軽空母(8機の「シーハリアー」式垂直離着陸戦闘機と3機の対潜ヘリを搭載)、1隻の大型防空ミサイル駆逐艦、2隻のミサイル駆逐艦、6隻の多用途駆逐艦による10隻の護衛艦群の建立である、2つ目は6つのそれぞれ1隻のヘリ搭載駆逐艦、1隻の大型防空ミサイル駆逐艦、6隻の多用途駆逐艦による8隻の護衛艦群の建立である。3つ目は4つのそれぞれ1隻のヘリ搭載駆逐艦、2隻のミサイル駆逐艦、5隻の多用途駆逐艦と8機のヘリによって編成される「八・八艦隊」である。

(頑住吉注:これより2ページ目)

反復した論証を経て次のことが分かった。3隻以上の駆逐艦が対潜を行うと、撃沈確率が非常に大きく増大するが、8隻を超えた後は確率がそれ以上はほとんど上昇しない。8機のヘリがミサイルを装備した原潜に対応する時、非常に大きく交換率を改善でき、実は最良の選択である。2隻の防空ミサイル駆逐艦の配備は艦隊のために防空を提供する最低限の要求である。最終的に日本は第3の方案を選定して実施した。「いずも」号艦隊はすでに対潜作戦に限定されておらず、まさに多機能という方向に発展しているが、主に戦闘艦の構造の最適化と搭載機数の増加によってその多機能を実現し、8隻の艦によって編成される基本形式が変化することはないだろう。

「いずも」号艦隊の攻防能力

遠海海域での作戦では、あるいは「いずも」号艦隊が空母戦闘群を大洋で「邀撃」する情景が出現するかもしれない。我々は次のように仮定する。空母戦闘群は水上戦闘艦、攻撃型原潜、艦載機部隊からなる。「いずも」号艦隊は「いずも」級、「こんごう」級、「あたご」級、「あきづき」級、「たかなみ」級、「むらさめ」級など8隻からなり、F-35B戦闘機12機、早期警戒ヘリ4機、対潜ヘリ8〜9機を搭載する。

まずF-35B戦闘機の巡航警戒能力を見る。危険度の高い状況下では、早期警戒ヘリは脅威の方向に100〜200km前進して空中早期警戒、偵察を行うことになり、一部のF-35B戦闘機も200〜300km前進して空中パトロール任務を担うはずである。もしF-35B戦闘機が航行中である率が70〜80%、空中での巡航時間が3時間、それぞれ2機が空中パトロールし、2機が甲板で戦闘待機したとすると、毎日それぞれの機は2〜3回飛び、4〜6時間パトロールする必要があり、加えて甲板での戦闘待機時間があり、毎日の勤務執行は8時間から12時間にも達する。F-35B戦闘機中隊は空中防御の圧力を受け入れ難く、増してや進攻性の作戦行動を実施する力はない。

さらにF-35B戦闘機の対艦攻撃能力を見る。もし護衛艦群によって主要な防御任務が担われ、少数しか残らないF-35Bと早期警戒ヘリが巡航警戒しても、6機のF-35Bが出動して対艦攻撃を行うことができる。双方の艦隊相互の距離が600kmの時、6機のF-35Bはそれぞれ2発のJSM空対艦ミサイル、2発のAIM-120中距離迎撃ミサイルを機内に搭載して出撃し、攻撃目標からの距離180kmのところで、12発のJSM空対艦ミサイルを発射した後帰投する。12発のJSM空対艦ミサイルは50〜60mの高度をマッハ0.9の速度をもって防御突破し、目標からの距離40kmの時、相手方の数十発の艦対空ミサイルに2回にわたって有効に迎撃され、対艦攻撃行動には成果はない。

次にF-35B戦闘機の空中交戦能力を見る。6機のF-35Bが5,000mの高度で隠蔽された防御突破を行い、目標からの距離250kmの時、即相手方の早期警戒ヘリによって発見され、空母は緊急に8機の艦載戦闘機を発進させる。6機のF-35BはJSM対艦ミサイルを発射した後、帰投途中で相手方艦載戦闘機が尾行して護衛艦群を攻撃するのを防御するため、引き返して空中での交戦を行う。双方の編隊相互の距離が80kmの時、6機のF-35Bは12発のAIM-120中距離迎撃ミサイルを発射する。相手方の編隊は察知した後、直ちにアフターバーナーを使用してマッハ2の速度をもって接敵を継続し、30秒飛行した後、50kmの距離に6機のF-35Bを発見し、直ちに30発余りの中距離迎撃ミサイルを発射して反撃を行う。

2008年8月、ランド社は「空戦の過去、現在、未来」レポートの中で歴史的データを用いて、湾岸戦争からコソボ戦争まで、相手に電子対抗や回避機動がない状況下では、AIM-120の視距離外での命中率は実際上46%であって、メーカーの宣伝が称する75%以上では決してない、と指摘した。数秒後、AIM-120は相手方の目標に命中し、4〜5機を撃墜するかもしれない。だが相手方の生き残った飛行機は継続して30発余りの中距離迎撃ミサイルを誘導して6機のF-35Bを攻撃し、最終的に4〜5機を撃墜する可能性がある。双方の戦闘は引き分けである。

最後に「いずも」号艦隊の対空防御能力を見る。双方の艦隊相互の距離400〜500kmの時、相手方の艦隊は10発余りの遠距離対艦ミサイルを発射し、「いずも」号艦隊に対し攻撃を実施する。

艦載レーダーの視距離、ミサイルシステムの反応時間、火力ルートの数、ミサイル発射間隔、連続照射誘導などの条件の制限を受けるため、対艦ミサイルの攻撃目標からの距離が20km余りの時、「あきづき」級、「たかなみ」級、「むらさめ」級そして「いずも」級戦闘艦は相次いで火蓋を切り、30発余りの艦対空ミサイルを発射し、1回の有効な抵抗反撃を行う。「こんごう」級、「あたご」級は距離が近すぎるため抵抗反撃できない。最終的に、数発の対艦ミサイルが護衛艦群の火力による抵抗反撃と電子妨害による防御を突破して目標に命中する可能性がある。

空母戦闘群が「いずも」号艦隊との対抗の中で完勝することが見て取れる。すなわち、艦対空ミサイルは成功裏にJSM亜音速対艦ミサイルを迎撃し、優をもって敵を制する。艦載戦闘機とF-35Bステルス戦闘機の戦いは互角で、多をもって敵を制する。超音速対艦ミサイルは護衛艦群の対空防御を突破し、快(頑住吉注:中国で速いという意味)をもって敵を制する。

明らかに、「いずも」号艦隊が空母戦闘群に戦勝するというのは神話である。(作者 趙軍 機関:海軍装備研究所)


 そもそも現時点では「いずも」にF-35Bを搭載する計画は具体的にはないはずですがそれはともかく、F-35Bが相手に察知される前に敵機を全機撃墜する可能性もないとは言えないでしょうし、日本の対艦ミサイルを中国艦隊が、また中国の対艦ミサイルを日本の艦隊がそれぞれどのくらいの率で迎撃できるかも不明で、こうなると断言できるはずはありません。用語は一応登場していますが電子妨害の効果も考慮に入っていませんしね。














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