イラクが中国の対空ミサイルを買うのは何故?

 そりゃ安いからだろ、と思いますがね。ちなみにこの記事、事情は分かりませんがいつものサイトでは削除されてるんで別のサイトの同一内容の記事を探しました。

http://mil.news.sina.com.cn/jssd/2016-12-02/doc-ifxyiayq2062935.shtml


イラクは何故中国の紅旗-9ミサイルを購入するのか:トルコ戦闘機を国境内に入れなくさせる

国産のFD-2000対空ミサイルはイラクに空があっても防備がない苦境を終わらせるのを助ける

(頑住吉注:原ページのここにある1枚目の画像のキャプションです。「国際市場で成功を基礎にさらに成功を重ねた国産FD-2000中・遠距離対空ミサイルシステム」 続いて2枚目。「トルクメニスタンが装備するFD-2000対空ミサイル」)

11月30日「週刊ジェーン安全保障業務」は、イラクはすでに中国と商談を終え、金額25億アメリカドルの契約につき協議達成に近づき、その中には中国のFD-2000中・遠距離対空ミサイルが含まれ、これはトルクメニスタンの成功に続く、国産対空ミサイルのさらなる成功である、と報道した。

イラクにとって、FD-2000の導入は国土の防空能力を増強し、他国の実戦機のイラク領空への侵入を有効に防御でき、イラクの現在における空はあっても防備がない局面は根本的な逆転を得る。

今世紀初めのイラク戦争の後、元々のイラク空軍は全体的に解散させられ、しかも元々いた人員が新政府入りして職を就くことも許されず、イラクの防空任務は実際上駐イラク米軍に与えられて担当された。イラクをコントロールする目標を達成するため、アメリカはずっとイラク軍を弱体化させた。2004年には新たなイラク空軍が組織されたが、当初は100人未満でしかなく、少数のヘリが配備されて石油パイプラインのパトロールのような任務を執行するだけだった。しかもこの後の相当に長い一定の時間内、イラク空軍は小型作戦機を装備して、対ゲリラ/暴動作戦任務を執行するだけだった。

(頑住吉注:原ページのここにある1枚目の画像のキャプションです。「成立当初のイラク空軍はこのような小型機に頼って任務を執行した」 こりゃいくら何でもひどい、第一次大戦時の戦闘機に勝てるかどうかも不安ですな。続いて2枚目。「やってくるのが遅いイラク空軍のF-16戦闘機」 続いて3枚目。「イラクは止むを得ずロシアやイランから中古のスホーイー25を導入して応急措置とした」)

アメリカがイラクから身を引くのと共に、アメリカはやっと限度はあるがイラク空軍に対する制限を解除し、2011年にアメリカとイラクは協議を達成させ、イラクに向けF-16戦闘機を販売したが、数はたった18機だった。これは国土の面積が40万平方kmを超えるイラクにとっては(ある情報はイラク空軍はF-16戦闘機の数を36機まで増加する準備をしているとしているが依然)数が不足で、しかも飛行機の引き渡しも比較的緩慢で、最初の一定数の飛行機は2015年になってやっとイラク空軍に引き渡され、イラクに危機が出現した時、イラク空軍には何と使用できる機がないことになり、止むを得ずロシアとイランから中古のスホーイー25戦闘機を導入した。

イラクにとって、戦闘機の規模が限られているため、国土全部に対するカバーを完成し難く、このようだと広大な領空に空はあっても防備がない苦境がもたらされる。イラクの隣国の例えばトルコ、サウジアラビアは比較するといずれも強大な空中作戦能力を持つ。トルコは200機あまりのF-16戦闘機を装備し、サウジアラビアは150機を超えるF-15SA戦闘機、72機のEF-2000戦闘機を持ち、こうした戦闘機は比較的完備された航空電子システム、正確制御誘導武器を装備しており、強大な空戦能力を持つだけでなく、さらに比較的強い対地攻撃能力を持ち、昼夜全天候の条件下で地上目標に対し正確打撃が行え、こうした全てはイラクに対し強い防空の圧力をもたらしている。

(頑住吉注:原ページのここにある1枚目の画像のキャプションです。「トルコ空軍のF-16。この機が比較的強い昼夜全天候対地攻撃能力を持つF-16 Block40であることに注意」 続いて2枚目。「作戦能力がより強いF-15SA戦闘機」)

周知のように、イラクの人口はシーア派がメインで、一方トルコ、サウジアラビアはスンニー派がメインであり、宗派の矛盾にその他の方面の問題が加わり、イラクとこの2つの国との関係は比較的緊張したものになる結果をもたらし、特にトルコとイラクは北部のクルド人問題で先鋭に対立し、トルコはその空中の優勢に頼ってしばしば戦闘機を派遣してイラク北部の目標を越境打撃し、まるで無人地帯に入るかのようで、実力が劣勢に置かれたイラクはこれに対し非常に不満だが、空はあっても防備がない苦境に直面してもどうすることもできない。

イラクにとって、外部にはアメリカの制限があり、内部では過激組織によって混乱した状況下にあり、短時間内に強大な空軍を建立してトルコ、サウジアラビアに対抗しようというのは決して現実的ではないと言える。このようにするには大量の先進的な作戦機を購入する必要があるだけでなく、さらに充分な飛行員を養成し、完備された後方勤務体系を建立する必要がある。こうしたことはいずれも一朝一夕にできることではない。いかにして短期間内に領空に対する有効な支配を建立するか。中・遠距離対空ミサイルシステムの導入は明らかに比較的有効な方法である。実際去年ロシアのスホーイー24がトルコによって撃墜された時も、ロシアはシリアにS-400は配置する方法で対抗を行うことを選択した。

関連の資料から見て、アメリカは比較的先進的な戦闘機をトルコやサウジアラビアに販売しているが、カギとなる重要な電子戦、防空制圧能力方面ではやはり比較的多くの制限があり、例えばトルコのF-16戦闘機はHARMミサイルが発射できるが、正確な輻射源位置決定システムが欠けており、S-300、FD-2000のような先進的な中・遠距離対空ミサイルに対抗するのは比較的骨が折れ、このことは何故ロシアがシリアにS-400を配置した後、トルコにさらなる一歩の動作がないかの原因の1つでもある。

(頑住吉注:原ページのここにある画像のキャプションです。「ロシアはシリアにS-400を配置することによってトルコ空軍の行動を抑止した」)

このためイラクにとって、FD-2000を導入すれば、バクダード、バスラなどの大都市付近に迅速に配置し、比較的厳密な、信頼できる防空能力を形成し、現在の大部分の国土に空はあっても防備がない苦境を終わらせることができる。特に北部の戦事が徐々に終わるのと共に、イラクはFD-2000を北に向け配置することができ、このようにすれば防空体系の範囲はイラク・トルコ国境をカバーでき、トルコの作戦機に現在のように無人地帯に入るようにはできなくさせることができる。イラク空軍が発展し壮大になるために時間を勝ち取ることになる。

より深層レベルから言うと、FD-2000対空ミサイルの導入はさらにイラクがアメリカの支配から脱するのに有利である。これまでの事例から見て、アメリカはアメリカ製武器および部隊の訓練を通じて、関連国に親米の将校集団を建立し、これを基礎に関連国に対する浸透と支配を実現する。このためイラクにとって、もし今回のFD-2000導入が成功すれば、武器ソースの多元化を実現し、アメリカ製武器に対する依存を低下させ、したがってアメリカにこれを利用してイラクに対し浸透や支配を行えなくさせることができる。(作者:小飛猪観察)


 こんなことからもアメリカの世界全体における影響力が低下していくんですかね。まあこの理屈からすると日本はさしずめ「浸透と支配を実現」されている模範例でしょうけども。



















戻るボタン