インドのミグ‐29艦載機

 外国メディアの報道を紹介しつつキャプションは必死で反論するというパターンはおなじみですが、この記事は余りに極端でちょっと笑ってしまうほどです。

http://military.china.com/important/11132797/20130511/17827452.html


インド空軍、ミグー29Kに高い期待を寄せる 中国海軍との勝負を欲する

(頑住吉注:原ページのここにある画像のキャプションです。「試験飛行中のロシアのミグー29KUB戦闘機」 パイロットと比較して比較的小型の戦闘機だということがよく分かりますね)

2013年4月26日に「週刊ジェーン安全保障業務」が発表した文章は、インドが発注した16機のロシア製の新たなミグー29K艦載機が今年5月11日に正式に就役し、インドがロシアから購入した中古の「ヴィックラマディヤ」号(元「ゴルシコフ海軍上将」号)空母のために奉仕することになる、としていた。「ヴィックラマディヤ」号は今年11月に就役し、その排水量は44,750トンで、24機のミグー29艦載機を搭載できる。その時、インド海軍の作戦力量は極めて大きな向上を果たすことになる。

ミグー29Kに対し特別の感情あり

ミグー29Kはロシアのミグ飛行機社がインド海軍専用に作り出した改良型戦闘機である。実際2004年1月に「ゴルシコフ海軍上将」号空母の入手を決定した時、インドはもうミグー29Kを非常に重視していた。当時インドは果断に「ゴルシコフ海軍上将」号空母の本来の艦載機であるYak-38垂直離着陸機を放棄し、戦闘力がより強い艦載機の購入を選択した。ニューデリー政府は一気に12機のミグー29K単座艦載機と4機のミグー29KUB複座艦載戦闘練習機を購入した。ミグー29K艦載機は空中の編隊のために防空能力を提供することもできるし、海上攻撃任務執行に用いることもできる。

(頑住吉注:これより2ページ目。画像のキャプションは「航続距離の短さはミグー29K系列戦闘機最大の不足になる」です。)

また、2010年1月、インドはまた15億アメリカドルを費やしてロシアから29機のミグー29K艦載機を追加購入した。この29機の戦闘機は2015〜2016年にインド海軍に装備されることになる。

2012年5月17日にはインド国防大臣アンソニーは議会に向け、将来持つ新たなロシア製ミグー29K艦載機は「ヴィックラマディヤ」号空母上に配備されることになる、と報告していた。2012年7月中旬、ロシア北方造船工場は1機のミグー29K複座海軍戦闘機がすでにインドの「ヴィックラマディヤ」号空母上で初の快速降着を成功させたとした(頑住吉注:快速降着というのはたぶん垂直離着陸機の降着と比較して普通の降着のことを指しているんでしょう)。この空母は当時バレンツ海で航海試験を受けていた。このミグー29K戦闘機の試験飛行員は数回空母の方向に向けて低空接近飛行を行った後、最終的にその初の快速降着を成功させた。

「ヴィックラマディヤ」号空母の前身はロシア海軍の「ゴルシコフ海軍上将」号空母で、この空母はミグー29K戦闘機の空母上での「短距離発進、補助回収」能力を実現させるため(頑住吉注:補助回収というのは制動による着艦のことでしょうか)、大規模改装を受け、同時に新型防空システム、通信システム、ナビゲーションシステムを装備した。

2012年11月、ミグ飛行機社理事長セルゲイ コロトコフは、インド軍はすでに16機のミグー29K型戦闘機およびKUB型練習機を引き取り、しかも「これらの戦闘機はずっと良好な運用状態にある」とした。このことはインド海軍が今後より多くのミグー29K艦載戦闘機を引き取ることのための良好な基礎を固めた。

(頑住吉注:これより3ページ目。画像のキャプションは「ミグー29K戦闘機の改良ポテンシャルは重戦闘機に及ばない」です。)

中国海軍との勝負に着眼

ミグー29K艦載機がインド海軍に歓迎されるのは、この機自体の優勢と密接な関係がある。

ミグー29K艦載機は非常に強い探知計測能力を持つ。これは主にこの機に先進的機載設備が装備され(更新幅は80%に達する)、かつ完備された総合航空電子システムが装備されているからである。例えば、ミグー29Kが配備する「ビートル」-ME多機能パルスドップラーレーダーは同時に空対空、空対地という2種の模式で作動できる。完全デジタル化信号処理機を採用しているため、このレーダーは同時に20の目標を追跡し、かつその中で最も脅威となる4つの攻撃を誘導できるだけでなく、さらに全く新しい地形追跡および目標キャッチ能力を持つ。このため、ミグー29K艦載機を空母に装備していれば、緊急状態下で空母がより良く目標を発見するのを助け、かつ目標を定めて迅速に反応することができる。

ミグー29Kはずば抜けた高亜音速機動性能と高い敏捷性を持ち、近距離空中格闘能力が強い。また、新たなミグー29Kはさらに現在の成熟した技術を結合させ、一部にステルス措置を採用し、例えば機体表面のカギとなる重要な位置にレーダー波吸収塗料が塗られ、前から見たレーダー反射断面積を約2平方mに到達させ、本来のミグー29に比べ75〜80%減少している。

(頑住吉注:これより4ページ目。画像のキャプションは「インドのミグー29K戦闘機の性能は未来の需要を決して満足させることはできない」です。)

新たなミグー29Kの機内最大燃料搭載量は増加しており、採用された新型ターボファンエンジンの推力はより大きく、このため航続距離はより長く作戦半径はより大きい。新たなミグー29Kの機内最大燃料搭載量は5,240kgに達し、初期のミグー29系列や旧型のミグー29Kに比べそれぞれ49%および14.9%増加し、同時に燃料消費もさらに一歩減少している。その最大航続距離は3,000kmに達し、作戦半径は1,000kmを超える。エンジンのアフターバーナー全開時の推力は9,000kgに達し、機が最大離陸重量をもって長さ195mの空母甲板からスキージャンプ発進することを保証できる。

改良後のミグー29Kは依然従来の機体を採用しているが、機体はより軽く、インドが提出した最大限空母甲板のスペースを利用するとの要求を貫徹するため、新艦載機は主翼を折りたためば機体の寸法がより小さくなる。また、新たなミグー29Kの主翼折りたたみ回転軸は内側に向かって移動しており、主翼折りたたみ後の全幅をより小さくし、かつ機首のレドームと尾翼も折りたたむことができ、機が占用する甲板のスペースをさらに一歩減少させる。

また、機載武器の種類が多いため新たなミグー29K艦載戦闘機はより広範な任務が執行できる。新たなミグー29Kには8つの外部吊り下げポイントがあり、空戦任務執行時8種類の典型的外部吊り下げ方案を採用することができる。主要な武器は中距離ミサイルと近距離格闘ミサイルである。対艦、対地攻撃任務執行時は25種の典型的外部吊り下げ方案を採用する事ができ、主要な武器には対艦ミサイル、対輻射ミサイル、制御誘導爆弾が含まれる。また、火力コントロールシステムはさらに西側諸国の対空、対艦武器が共用できる。

新たなミグー29Kが、インドの2隻の空母、すなわち「ヴィックラマディヤ」号と「ヴィラート」号の主力艦載機に列せられれば、ずっとインド洋ないし太平洋に野心満々なインド海軍は2つの空母戦闘群のもたらす威嚇力を借りて、中国海軍と全力で勝負することになる。

(頑住吉注:5ページ目)インドのミグー29K戦闘機の性能は凡庸である

(頑住吉注:6ページ目)インドのミグー29K戦闘機の性能はかろうじて第3世代半の基準に達し得る

(頑住吉注:7、8ページ目)インドのヴィックラマディヤ号空母


 ロシアは中国にもミグ‐29を推薦したが中国は拒否してスホーイ‐33を希望したとされており、一方インドの空母はサイズ的にスホーイ‐33の運用は難しいとも見られ、だとするとスホーイ‐33の中国版である殲‐15の方が優位である可能性が高いように思われますが、ミグ‐29も進化を遂げており、また中国戦闘機の品質には疑問もあり、現時点でどちらが強いかは決め難いでしょう。

 もう1つ関連記事を紹介します。

http://military.china.com/news/568/20130515/17835473.html


インドメディア、ミグ-29K戦闘機はインドがインド洋を主導するのを助ける 中国に匹敵

【グローバルネット総合報道】 インドの「フォーラム報」ウェブサイト5月14日発表の文章は、インドは本国の海上戦力拡張に努力しているところであり、インド洋地域の安全の主動的役割となることを追求し、かつ中国と対等に競うことを追い求めている、とする。ミグ-29Kはインドがこの目的を実現する「切り札」となる。

文章は、第1陣全部で18機のミグ-29K艦載機は今週ゴア州で引き渡されて使用に入り、これらの戦闘機は「ゴルシコフ海軍元帥」号(インドは「ヴィックラマディヤ」号と改名)空母上に装備されることになり、この空母は今年の年末に改装が完成し、引き渡されて使用されると見られる、とする。

文章はさらに、ひとたびミグ-29Kが空母に配備されれば、インド海軍の空中戦隊はより速い速度をもっていまだかつて関わったことのないより広い区域に到達する能力を持つことになる、とする。ミグ-29K戦闘機はより強大な陸、海、空目標に対する打撃能力を持ち、その戦力は30年以上前に就役した「ハリアー」艦載機の能力の4倍を超える。

インドは45機のミグ-29K戦闘機の導入を計画しており、費やされる費用は24億アメリカドルになると見られる。「ヴィックラマディヤ」号および8月12日に進水すると見られるインド国産空母はいずれも1個中隊のミグ-29Kを配備することになる。

インド西部海軍司令部のシェカール シンハ上将は、「ミグ-29Kはインド洋で切り札の役割を演じ、インド空軍により長い飛行能力とより良い監視能力を持たせることができる。インド海軍のインド洋における軍事的影響力は今まさに強化され得るのだ。」とした。

「フォーラム報は、ロシアのミグ-29K戦闘機は「第4世代+」戦闘機と見なされる、とする。この戦闘機は敵軍の飛行機およびレーダーの偵察を避けることができる。レーダー方面ではミグ-29Kはデュアルナビゲーションシステムを持ち、これにはGPSとロシアの「GRONASS」システム(頑住吉注:アメリカのGPSや中国の北斗システムに対応するもの)が含まれる。この機は2台のRD-33MKエンジンを装備し、空母上での短距離離陸に必要な強大な推力の要求を満足させるため、エンジンはすでに改装を経ている。

報道はさらに、ミグ-29Kは去年9月に「ヴィックラマディヤ」号空母上で試験飛行に成功している、とする。この空母上には少なくとも24機のミグ-29K戦闘機と8機のKa-31ヘリが配備できる。(実習編集翻訳:楊紅成、原稿チェック:仲偉東)


 来年にはインドの空母上のミグ-29Kがひとまずの戦力を持つことになるんでしょうか。中国の殲-15が同等の能力を持つのはおそらくもうしばらく先になると思われますが。

http://tuku.military.china.com/military/html/2013-05-13/215710_2347476.htm

 インド海軍のミグ‐29KUB飛行隊の画像集です。












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