武直ー10墜落事故関連

 相互に矛盾した部分も見られますが関連の記事を3つ紹介します。まず客観的な事実関係の報道から。

http://military.china.com/important/11132797/20140305/18374609.html


武直ー10、尾翼が巨大な音を発した後に墜落 飛行員、病院に緊急搬送される

(頑住吉注:原ページのここにある画像のキャプションは本文の一部を切り取ったものなので省略します。)

中新社西安3月4日電(記者 田進、張一辰) 記者は陜西省渭南市消防支隊から、4日14時36分、1機の軍用ヘリが陜西省渭南市臨渭区境内の巴邑村の北、ハオジア村の南の境界のところの田畑の中に墜落したと知ったばかりである。

記者は、この機の機種が武直ー10型武装ヘリであると知った。事故発生後、機内の2名の飛行員はすでに村民によって安全に救出され、病院に緊急搬送された。

現場の目撃者の言によれば、ヘリは尾翼が1回巨大な音を発し、直ちにコントロールを失って田畑の中に墜落したが、出火燃焼は起きなかった。

渭南市消防支隊は3両の消防車を派遣して救援を行っている

事故原因はまだ調査中である。

(頑住吉注:これより2ページ目。画像のキャプションは本文の一部を切り取ったものなので省略します。なお以後は本来別の記事です。)

4日午後2時36分、1機のヘリが陜西省渭南付近の田畑に墜落した。現場から伝えられた画像は、この機が中国の新型武直ー10武装ヘリの疑いがあることをはっきり示している。「グローバル時報」記者は関連のルートを通じ、このヘリが中国軍には決して属さないことを知った(頑住吉注:自家用機ということはないはずで、メーカーが軍に引き渡す前だった、という意味ですかね)。

目撃者の言によれば、このヘリは飛行過程で尾翼が突然巨大な音を発し、直ちにコントロールを失って墜落した。事故発生地点は陜西省渭南市臨渭区境内の巴邑村の北、ハオジア村の南の境界のところの田畑である。2名の飛行員はすでに安全に救出され病院まで送り届けられた。事故原因はまだ調査中である。

現場写真によれば、墜落したヘリは外形がシンプルで、特に5枚ローターなどの特徴が武直ー10武装ヘリと一致する。空中から墜落したが、この機の機体は基本的に完全で、かついかなる燃焼の現象も出現しておらず、このことも多くのネット仲間の好奇心を引き起こしている。理解されているところによれば、このことは武装ヘリの特殊な抗墜落、エネルギー吸収設計をはっきり示している。

固定翼機とは異なり、ヘリがもし動力を失っても、下降過程でローターが自転する時にも揚力が生み出される。もし操縦が当を得ていたら、操縦員は依然これに頼ってヘリを操縦し安全に緊急着陸させることができる。また武装ヘリに関して言えば、生存性を向上させ、乗員の生命の安全を保護するため、意外な墜落損壊が発生した時も一定の抗墜落損壊能力がある。それらは設計時コックピット、座席、脚、機体、燃料タンクの密封などに対し特殊な措置を取り、墜落時一部の構造の変形と破壊によって大部分の衝突のエネルギーを吸収あるいは転化させ、乗員が受ける衝撃力を最小にさせ、コックピットができる限り完備を保持し、燃料タンクおよび有毒の機体を充填したシステムが破裂して漏れないようになっている。今回の事故は別の方面から中国新型ヘリの抗墜落損壊性をはっきり示した。

(頑住吉注:3ページ目は本文の一部を切り取ったものなので省略します。)

(頑住吉注:4ページ目)事故発生後、警察サイドは迅速に事故発生現場を封鎖した

(頑住吉注:5ページ目)事故現場に到着した消防車

(頑住吉注:6ページ目)病院の救急車もすぐ現場に到着し、傷を負った飛行員を収容した

(頑住吉注:7ページ目)武直ー10は中国初の自ら研究開発した専用武装ヘリである

(頑住吉注:8ページ目)武直ー10の総設計師は、武直ー10の技術は先進的で、総合作戦能力が強大で、各国が使用する同類のヘリの中でベスト3にランクされ得る、と考える


http://military.china.com/critical3/27/20140305/18374565.html


武直ー10の尾翼断裂の原因、謎となる あるいは武直ー10の性能に影を落とすか

陜西ネット3月4日の情報によれば、1機の飛行機が陜西省渭南市臨渭区固市鎮東南方向の巴邑村の田畑に墜落した。目撃者の言によれば、機は飛行過程で尾翼に1回巨大な音が発生し、直ちに飛行機はコントロールを失って墜落した。負傷した機の人員はすでに病院に送られ、事故発生現場はすでに警察によって統制されている。事故を起こした機が解放軍陸軍航空隊の武直ー10武装ヘリであることは確認を経ている(頑住吉注:こちらの情報では軍のヘリになってますね)。

事故現場の画像から見て、この武直ー10はほとんど廃棄処分に近く、尾翼が折れて断たれた痕跡がはっきりしており影も形も見えない。見たところ事故原因はここにある。またこれは目撃者の、尾翼に非常に大きな音が発生したとの描写と一致する。墜落損壊した機の外形と塗装から見て、武直ー10の初期型に属すに違いない。武直ー10ヘリの尾翼は何故断裂したのか、原因はまだ知り得ない。だが中国陸軍航空隊の最新装備として、この事故はやはり武直ー10の全体性能に暗い陰を投げかける。

筆者は、ある主力機種の装備には研究開発から就役まで必ず厳格かつ過酷な審査過程があり、中国の現有の2機種の新型武装ヘリ、直ー19と直ー10(頑住吉注:武直ー10の表記違いですが正式にはむしろ直ー10が正しいようです)がすでに部隊に大量装備されている以上、その全体は相当に難関を突破してきているはずである、と考える。このため今回事故を起こした武直ー10ヘリは個別の例に過ぎない可能性が高い。だが安全の見地から、軍はしばらくあらゆるこの機種の機を飛行停止にし、原因が調査され明らかになるのを待つはずだと見積もられる。

もしヘリがコントロール可能な状態(ローターが上向き)で墜落する時は、飛行員は動力を切り、ローターを自転させて墜落速度を下げることができる。(頑住吉注:以後の墜落対策の措置は上の記事と同一なので省略します。)

事故を起こしたヘリの現場の画像から見て、機体はすでに深刻に損壊しているが、決して大面積で解体する状況は出現しておらず、飛行員の状況はひどく悪くはないはずだ。このことは中国の武直ー10ヘリが設計上抗墜落損壊能力を考慮済みであり、最大限度乗員の生命の安全を保証していることを説明している。解放軍が装備するロシア製ミルー17ヘリや国産の直ー9系列ヘリに比べると、武直ー10の安全にはより保障がある。またこの機の飛行員がテイルローター断裂後に科学的な応急処置をなした可能性があることを説明している。

陸軍航空隊は空の騎兵と讃えられ、米軍のイラク戦争の中での科学的戦術使用を通じて、その現代の戦争の中での地位はより突出したものに変わっている。武装ヘリは陸軍の精鋭打撃利器であり、特に敵の装甲目標に対する打撃手段としては不可欠である。直ー10と直ー19という2機種の武装ヘリの装備は中国陸軍が真に世界の先進グループ入りする重要な印である。また使用中に問題や事故が出現しても、これはごく正常な現象である。これはアメリカをトップとする世界軍事強国でも避け難いのである。


http://military.china.com/critical3/27/20140306/18378738.html


陜西の武直ー10墜落損壊から見るその真実の性能は一体どうなのか

(頑住吉注:報道が引用されていますが内容はほとんど同一なので省略します。)

筆者による:機は墜落してしまったが我々はまた作ることができる。解放軍飛行員が無事でさえあればこれこそが不幸中の大きな幸いである。損壊状態の画像から見て、飛行員は大事ないはずだ。

一、垂直尾翼が断たれているようだ。だがメインローターは完備され機体にはとりあえず擦った傷は見られない。しかも周囲の土地はメインローターに打たれていない。このことは機体が転倒していないことを説明する。左の脚は完備されており、自転は発生していないはずだ。以上の条件を根拠に分析を行うと、最も可能性のある事故は次のようなものだ。メインエンジンが空中で停止し、再始動できなかった。あるいは伝動軸に問題が出現して揚力が失われる結果がもたらされた。理由は以下の通り。

もしテイルローターが故障したら、ヘリが自転状態に入るのは必定である。簡単に言えば機体とローターが一緒に回り、接地後慣性により脚は断裂するだろう。慣性により側転が発生する可能性もあり、側転時メインローターは接地し、この時メインローターには依然運動エネルギーがあるため(あるいは依然回転中)地面を打撃することによって断裂し、地上はローターに打撃されて塵や土が**(頑住吉注:何故か伏せ字)。だが画像からこれは明らかに事実に符合しないことがはっきり示される。このためテイルローターの故障はとりあえず排除される。

コントロールを失って接地した説:もしコントロールを失ったのなら、メインローターとテイルローターは依然高速で回転し、機はバランスを失ったため地面に向け突進するだろう。最も良い状況は機体が依然バランスを保持し、ローターの回転速度低下を利用して平穏に着陸する、というものである。このようなら機体が断裂し脚が完備されているという解釈が通るが、この種の最も良い状況の発生確率はごくごくわずかである。

純粋に個人の分析であるが:この状況と最も近いのはエンジンの回転停止である。

二、武装ヘリがひとたび故障に遭遇しあるいは戦損したら、まず考慮するのはローターの自転を利用して沈下速度の低下を勝ち取ることである。だが武装ヘリはしばしば超低空を飛行し、飛行員が取れる措置と時間は非常に限られている。武装ヘリの設計の難点と重点は、抗墜落措置を総合的に採用することである。例えば最新の「アパッチ」AH-64Eのエネルギー吸収能力のある脚はAH-64Dに比べ比較的大きな改良があり、2段式に分かれており、コンピュータによって機構内の液体の流速がコントロールされ、もってさらに一歩墜落のエネルギー吸収の目的が達成される。武直ー10は同様にエネルギー吸収能力のある脚を採用している。

機体構造設計方面では、武装ヘリはできる限りコックピットの構造を強化し、墜落損壊時、機体など二の次に重要な部位を犠牲にすることによってエネルギーを吸収し、重点的にコックピットの完備性を維持する。コックピットのスペース、容積を縮小する、あるいは破壊が一定の範囲内でありさえすれば、機載設備が飛行員に対し生じさせる可能性がある圧迫の傷害を低下させることができる。飛行員の座席も普通の飛行機の座席と非常に大きな差異があり、多くは液圧支柱が装備され減震、エネルギー吸収措置も採られている。あらゆる手段の主要な目的はヘリ本体を保護することをめぐってのものではなく、飛行員を保護するのである。

武直ー10の機関砲設備は前寄りで、意図的に前部座席飛行員の位置を避けている。これはヘリが墜落損壊した時、機関砲がコックピットを貫通して飛行員に対し傷害をもたらすことを避けるためである。

だが注意が必要なのは、ヘリの抗墜落措置は飛行員の生存確率を上げることはできるが、あらゆる状況下で飛行員が生還できることを保証することはできない、ということである。

現場の画像から見て、この墜落した武直ー10の脚はすでに崩壊を経ており、すでに作用を発揮したことを事実確認する。コックピットの変形は決してはっきりしたものではなく、武直ー10の機体構造設計が現在の先進ヘリの思想に符合することを事実確認する。

三、機体設計はやはり成功している。新しいものには全てすり合わせの時期があり、問題が発見されればすぐ改良される。新型機が部隊入りすれば、多かれ少なかれ問題が出現する。出現した問題を遅れず補い改正しさえすれば(さらに現在は戦時ではないからなおさらである)、1機が墜落しても残りは同様の問題によって事故を起こすことはない。またこのことは陸軍航空部隊の訓練強度が比較的高いことも充分に反映し得る。努力また努力である。中国頑張れ!


 目撃者が「尾翼から巨大な音がした」と言っているようですが、まさか数mの距離にいたはずもなく、機体のどこから音がしたかなんて分からんでしょう。たぶん轟音と共に尾翼部分から部品が飛び散ったのを見てそう思ったのだと思われます。最後の記事の分析は現にテイルローターがなくなっているという事実に反しているようです。しばらく前、アメリカのアパッチに不具合が見つかって台湾のアパッチも飛行停止になったというニュースがありましたが、アメリカは比較的細かい不具合を検査により発見して事故を未然に防いでおり、これだけで判断はできませんけどやはり安全性に対する姿勢には差があるのかなという気がします。












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