「遼寧艦」南シナ海へ

 初の遠洋航海試験に関する分析です。

http://military.china.com/important/11132797/20131127/18178695.html


中国空母艦隊が初めて南海に赴いた原因を明らかに デリケートな海域を通過せず

(頑住吉注:原ページのここにある画像のキャプションです。「中国空母艦隊の想像図。防空型駆逐艦、護衛艦はその標準配置である」)

新華社の報道によれば、昨日午前(頑住吉注:記事は27日付)、中国初の空母遼寧艦は出航して南海付近海域に赴き、就役後初めて組織される海区をまたいでの長時間航行訓練を展開する。

以前と異なるのは、今回の遼寧艦の航海にはさらに2隻の海軍ミサイル駆逐艦沈陽艦、石家庄艦、そして2隻のミサイル護衛艦烟台艦、ウェイファン艦が随伴することで、これは中国初の空母戦闘群が正式に編成されたことをも示している。

新華社の報道によれば、今回の遠洋航海の目的は遼寧艦の装備の性能を検証することである。現在、遼寧艦は依然科研および訓練段階にある(頑住吉注:というか訓練艦とされてるはずなんですがね)。今回の南海に赴いての試験は遼寧艦の試験および訓練の計画内で正常に手配されたものである。

去年9月より我が国初の空母遼寧艦は正式に就役した。以後この艦は頻繁な海に出ての訓練を経てきた。艦載機制動着艦とスキージャンプ発進、駐艦飛行、短距離スキージャンプ発進、艦載機最大重量発着、複雑な気象条件下での連続発着、こうした訓練全てが、1つ1つ成功を取得してきた。

今年4月、中央テレビは、「遼寧」艦は今年年内に初の遠洋航行を実現することになる、と報道し、外界の関心を引き起こした。国防部スポークスマン楊宇軍はかつてこれに対ししゃれた回答をし、空母は「引きこもり」ではなく、常に軍港内に留まっていることはあり得ず、このため将来空母はきっと遠洋航海する必要がある、とした。だが、いつ遠洋航海するか、どの海域に行くか、どんな種類の艦隊を組むのかは、各方面の状況を根拠に総合的に考慮する必要がある、と。

焦点

艦隊はいかに組成されるか?


当局の報道によれば、中国海軍初の空母戦闘群は初めて海に出、2隻の駆逐艦+2隻の護衛艦の艦隊を組成した。これには2隻の051C級ミサイル駆逐艦沈陽号と石家庄号、および2隻の054A型護衛艦烟台号とウェイファン号が含まれる。

海軍軍事学術研究所の研究員李傑は昨日南都の記者に対し、規格から見て今回の訓練の艦隊は比較的小さい、と分析した。空母艦隊の規格は作戦任務、海域の環境などの要素によって異なる。真の作戦時、艦艇の配備はあるところに重点が置かれ、例えば対潜作戦任務執行時には、より多くの対潜戦闘艦を配備する必要がある。

国が異なれば海軍の発展程度にも大きな差異がある。アメリカを例にすると、初期のそれぞれの空母戦闘大部隊には1隻の空母、8〜12隻の水上艦艇、2隻の攻撃型原潜が含まれ、総数は12〜15隻に保持された。海軍技術装備の発展、作戦艦艇、特に保障艦艇の性能向上と共に、アメリカ艦隊が用いる艦艇の数は徐々に減少しつつあり、現在の基本編成は1隻の空母、1隻のミサイル巡洋艦、2〜3隻の駆逐艦、1隻の攻撃型原潜、および1隻の快速支援戦闘艦である。

海軍装備技術部元部長で少将の鄭明は南都の記者に対し、空母戦闘群の訓練時、それぞれの艦艇が本艦をうまく操縦するのと同時に、内部のその他の艦・機と高い効果で協同する必要があるが、「中国には過去の経験が比較的少なく、初めて明るみに出た後、我が艦隊の配備はさらにすり合わされ、ステップに分けて調整されることになる」とした。

(頑住吉注:原ページのここにある画像のキャプションです。「以前ある外国メディアは、中国空母艦隊には2隻の051C型ミサイル駆逐艦、2隻の054A型護衛艦、1隻の補給艦が含まれる、と報道した。今日公表された遼寧艦の艦隊から見て、外国メディアの推測は完全に正確だった。」)

何故釣魚島ではなく南海に行くのか

今年4月に中央テレビが、「遼寧」艦が今年年内に初の遠洋航海を実現すると報道した時にある専門家は、あるいは釣魚島海域または沖縄海域に行って訓練を展開するのではないか、と推測した。だが昨日の情報の発表と共に、この推測はすぐに否定された。何故訓練地点は南海海域付近に選択されたのか?

李傑は、南海海域の面積は大きく、海の状況、気象などの条件が複雑で、海水温が高く、湿度と塩分が高く、また周辺の状況が比較的複雑なのも南海海域の一大特徴で、これら全てはこれまでの遼寧艦が熟知する黄海、東海海域とは異なる、と考える。ここでは、戦闘群は単一に作戦を考慮することはできず、このことは空母の戦闘力をさらに一歩向上させるために基礎を固める、と。

鄭明は例を挙げ、1960年代にかつてある海軍部隊は東海における作戦で厳しい試練に耐えてきたが、南海に到達し、異なる海域条件に遭遇した時、絶対多数の船員が船酔いに遭遇した、とする。このため、決して熟知していない南海までの遠洋航海、訓練は空母にとって特に必要と言え、艦艇の作戦能力を審査する方式でもある、という。

ルートはいかに選択されたのか?

空母が南海に赴くルートも、軍事マニアの関心を集めた。軍事マニアたちは、空母には選択できる2本の航行ルートがあり、すなわち台湾海峡とバシー海峡だ、と推測した。ある分析は、もし空母がバシー海峡を経由して南海に進入したら、東海の日本周辺のデリケートな海域を突っ切ることが必須だ、と考える。

海軍システムのある人物によれば、実際に昨日空母が選択したのはもう1本のルート、すなわち台湾海峡だった、とする。

どういった訓練を行うことになるのか?

遼寧艦艦長張崢はメディアのインタビューを受けた時、次のように語った。今回の海区をまたいでの試験と訓練は、1つには長時間の海区をまたいでの航行によって、装備の性能に対し、連続作動状況下での試練を与える。2つ目に部隊の訓練レベルに対し試練を与え鍛錬を行う。3つ目に異なる水文、気象条件下での装備の性能に対しさらに一歩の試験を行い、後続の装備試験と訓練任務のためにより良好さを加えた基礎を打ち立てる。

「過去と異なり、遠洋航行はあまり良く知らない海域においてであり、戦闘群は適応できるのか否か? プログラミングは適しているのか否か? 安全に帰れるのか否か? こうした全てに実践を通じての試練が必要である。」 李傑は、試験と訓練の最も重要な任務はすり合わせと調整であり、この過程は1〜3ヶ月とまちまちかもしれない、と考える。

(頑住吉注:これより3ページ目。画像のキャプションは「『ストラテジー ページ』は、空母戦闘群の中で051C型ミサイル駆逐艦は主に防空を担当し、その排水量は7,100トン、最高航行速度は時速48kmで、配備される船員は290人である、とする。」です。なお時速はこの場合分かりにくいので換算すると約26ノットで、動力に問題を抱えているだけあって駆逐艦としてはやや遅いですね。)

航行の意義はどこにあるのか?

今回の南海に赴いての遠洋航海に対しある分析は、中国南海の主権が脅威を受けている時、これはあるいは外界に向け軍事力と空母発展の決意をデモンストレーションするチャンスかもしれず、したがってより良く中国の海洋権益を維持保護するのだ、と考える。

鄭明将軍は、将来、数量の増加から技術の向上まで、中国空母の発展は順を追って一歩一歩進む過程である、と考える。

新華社の報道によれば、今年のやや早い時期、海軍副参謀長宋学は、中国が持つ空母は1隻に留まらず、次の空母はより大きく、寄り多くの実戦機を搭載でき、戦闘力がより強い、とした。

李傑は、中国の空母発展は順を追って一歩一歩進む過程であり、数量の増加、システムの支配から技術の向上まで、これら全ては徐々に向上すべきものだ、とする。そして向上の過程は不断の訓練とすり合わせに頼る。「いかに艦隊を組成すればより良く作戦任務を執行できるのか、いかにして良く知らない海域の環境に適応するのか、これら全てに試験と訓練が必要であり、一定の時間を必要とする。」

関連のニュース

中国海軍の多数の実戦機

東海演習の空戦対抗


南都情報 中央テレビの報道によれば、最近中国海軍東海艦隊航空隊某飛行連隊は大強度多課目飛行訓練を行った。訓練の目的は高強度の条件下で戦闘機の性能、地上勤務保障能力、飛行員の連続作戦能力を検証することだった。

今回の訓練の中には、高強度の空中対抗もあり、対地攻撃、海上超低空深海突撃など高難度の課目もあった、とされる(頑住吉注:辞書には「深海」は日本語と同じ意味しか載っていないんですが、この場合海に深く入り込む、つまり遠海という意味ですかね)。大強度訓練の時間は十何時間を超え、ある軍人は説明し、「それぞれの飛行員、それぞれの飛行機が全て連続出動する必要があり、飛行機に対し、地上勤務に対し、我が飛行員に対し、いずれにも厳しい試練だった」と語る。

訓練当日午前9時、数十機の国産某機種の第3世代戦闘機が続々と離陸し、多数の編隊を組み、異なる作戦命令に基づいて異なる空域に駆けつけた。演習に参加する赤サイドの対抗機群は、地上の指揮誘導の下、密かに予定の空域に飛び、迅速に主導的位置を占め、青サイドの戦闘機を撃墜し、その後赤青双方は近距離空戦状態に入った。

これと同時に、数十分間の超低空飛行を経て作戦区域に到達した編隊は、青サイドの水上艦船に対し波状飽和攻撃を実施し、その後飛行場に戻って給油した戦闘機は役割を交換し、ローテーションを組んで赤青対抗と遠海突撃飛行演習を行った。

訓練に参加した人員と実戦機は満負荷の条件下で技術、生理、心理的試練を受け、あらゆる飛行員の課目完成が「良好」以上に到達した。(頑住吉注:全くとは言いませんが「遼寧艦」遠洋航海試験とほとんど関係なくないですか)

(頑住吉注:原ページのここにある画像のキャプションです。「トン数がやや小さい054A型護衛艦は排水量が4,300トン、最高航行速度が時速49kmで、人員編成は165人である。32ユニットの垂直発射システムを配備している。」)

台号

ミサイル護衛艦


054A型ミサイル護衛艦の第9号艦で、2010年8月24日に進水、2011年7月30日に海軍北海艦隊に加入して就役した。標準排水量は3,900トン、満載排水量は4,400トンである。中国が1990年代に建造した駆逐艦である112、113系列と比べてたった200トン少ないだけで、駆逐艦レベルの能力に近い大型総合護衛艦である。

沈陽号

051C級ミサイル駆逐艦


このミサイル駆逐艦は中国海軍の第2番目のクラスの専門に設計され海上艦隊防空任務を執行するのに用いる大型駆逐艦である。

ウェイファン号

ミサイル護衛艦

054A型ミサイル護衛艦の第15号艦。2012年7月9日に正式に進水し、艦ナンバーは550、2013年6月22日に北海艦隊での就役を開始した。標準排水量は3,500〜3,900トン、満載排水量は4,000〜4,400トンである。

石家庄号

051C級ミサイル駆逐艦


2005年4月12日に完成し、同年7月26日に進水した。2009年4月23日に行われた多国海軍検閲活動の中で、「石家庄」号ミサイル駆逐艦は、閲兵艦として各国貴賓の乗艦を出迎えた。

(頑住吉注:5ページ目)2隻の駆逐艦+2隻の護衛艦+空母という艦隊編成から見て、これは標準的な空母戦闘群の模式であるが、規模の上ではアメリカ海軍の標準戦闘群よりやや小さい。

(頑住吉注:6ページ目)南海の情勢から見て、空母が南海に赴くことがもたらす影響は、宮古水道を突っ切ることがもたらす影響に比べより大きいかもしれない

(頑住吉注:7ページ目)我が国の現在の南海における1つの制約は、航空部隊の航続距離が限られ、南沙水域において長期の実戦機パトロールや威嚇を保持し難いことである。

(頑住吉注:8ページ目)だが空母が南海に到達すれば、この種の形式は完全に逆転することになる! 随時殲ー15戦闘機が離陸でき、半径800〜900kmの範囲内のいかなる我が国領土に侵入する目標に対しても監視と威嚇が行えるのである


 南シナ海に行くのに、随伴する艦は4隻とも北海艦隊所属であるという点がちょっと気になります。何か意味があるんですかね。機種としては051C、054Aはそれぞれ駆逐艦、護衛艦の現役最新最強とされる機種で(052Dは進水していますがまだ試験中で就役していないので)、少数精鋭の護衛といったところでしょうか。





















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