ミャンマー軍機が中国領内に爆弾を落とし死傷者が出る その3

 今回紹介するのはちょっと今までとは視点その他が違う記事です。

http://military.china.com/important/11132797/20150316/19385316.html


中国・ミャンマー国境の弾坑を解析:どんな弾薬が中国住民を爆死させたのか

(頑住吉注:原ページのここにある画像のキャプションです。「弾坑の直径は1m未満らしい」)

中央テレビ局ニュースセンター公式ブログによる 中央テレビニュースは3月15日13時09分に一組の画像集を発表し、ブログの文字は次のように説明している。今日記者は許可を得てミャンマー軍機の爆弾が落ちた雲南省臨滄水桑樹村に入った。村民の死傷をもたらした爆発地点では、束ねられたばかりのサトウキビがまだその地に置かれて運び出されておらず、弾坑からの距離5m未満の石の上には血痕があり、もう1つの爆発地点付近では、1両の農業用トラクターの風防ガラスが破砕され、車の後ろの2層の薄い鉄板も弾片によって撃ち抜かれていた。

筆者はこの大きからぬ、直径1m前後の弾坑を見て眉をひそめるのを禁じ得なかった。ミャンマー空軍の武器庫の中の各種爆弾を回顧すると、あまり合わないようである。この前視察者ネット専門コラム作者の施洋などの人とおしゃべりした時、我々もずっと航空爆弾が我が国境内に飛び込み、威力が比較的大きな航空爆弾が少なからぬ住民の死亡をもたらしたのかもしれないと思った‥‥だが今回中央テレビニュースが報道した弾坑はやや小さすぎる。中国製の武器を使用する国であるミャンマー空軍の武器庫を探すのは難しくはない。

(頑住吉注:原ページのここにある画像のキャプションです。「弾片が車両に作った破口」)

(頑住吉注:これより2ページ目。)

50kg航空爆弾を例にすると、ネット上にはイギリスが破壊して処分する第二次世界大戦時のドイツのSC-50 50kg航空爆弾の動画と画像がある。この50kg航空爆弾は年代がずっと前で、爆破による排除処理(砂袋などの障害物を設置して爆発の衝撃波や弾片の拡散を制御している)を行う状況下で、そばのイギリス軍軍人に比べ、弾坑はそれでもより大きい。イギリスのウェブサイトpillbox.org.uk(pillboxはトーチカの意)は石灰質の土を利用して各種爆弾が作る弾坑に対し調査を行っているが、この調査は50kg航空爆弾の弾坑の直径は2.4〜3.6m、弾坑の深さは0.6〜1.5mだということを示している。明らかに中央テレビの報道が示す弾坑は、実際の試験で生じたデータと処分された爆発物が生じさせた結果と比べてはっきりした差異がある。

(頑住吉注:原ページのここにある1枚目の画像のキャプションです。「イギリス軍が第二次世界大戦のドイツ軍が残した50kg航空爆弾を排除して残された弾坑。このイギリス海軍士官の体格と比較すると、中国・ミャンマー国境の弾坑に比べずっと大きい」 続いて2枚目。「爆破による排除前の第二次世界大戦におけるドイツ軍のSC-50航空爆弾。こうした処理は弾坑のサイズを制限するが、それでも中国・ミャンマー国境の弾坑に比べずっと大きい」)

ならば我々は威力がより小さいが、爆発により弾坑と破片を作れる武器を選択しよう。例えば57mmロケット弾である。だが資料を収集する時にあいにくいくつかの問題に遭遇した。何故ならロケット弾は通常蜂の巣状ランチャーから発射され、1回の射撃がいつも一団で、攻撃効果はまるで「地面を鋤で耕す」ようだからである。国際的にホットなポイントたる地域を捜索範囲とすると、リビアは比較的多くの57mmロケット弾を使用しているが、単発のロケット弾の爆発が作った弾坑を探し出すのは非常に難しく、1枚のそれらしき画像があるだけである。一方米軍がベトナム戦争中に遭遇した122mmロケット弾の攻撃が作った弾坑、およびウクライナ内戦の各種200mm以上のロケット弾が作った弾坑に依拠すると、ロケット弾の弾片が非常に多く、威力が比較的大きいが、弾坑はそれにもかかわらず比較的小さい。このため見たところ、周辺車両の比較的小さい弾坑の体積、およびこの弾坑のサイズは、いかにも57mmロケット弾がコースをそれて我が国国境内に撃ち込まれてもたらされたようである。

(頑住吉注:原ページのここにある画像のキャプションです。「米軍がベトナム戦争の期間に122mmロケット弾の攻撃を受けてできた弾坑。決して非常に大きくはない。」)

(頑住吉注:これより3ページ目。)

ならば航空機関砲の砲弾の可能性はあるかないか? 航空機関砲の砲弾がもたらす弾坑のサイズはこれと似ているようだ。だが航空機関砲の攻撃は主に急降下しての掃射がメインで、着弾点は通常比較的密集し、しかも航空機関砲が攻撃を発起するプロセスゆえに、飛行員は通常目視で目標を識別した上で攻撃を発起し、サトウキビ畑に対して1発の砲弾による航空機関砲攻撃を発起するというのはほとんど決してあり得ない。だが各国の軍隊の質は同じではなく、もしミャンマー空軍飛行員が飛行中にトリガーに誤って触れて砲弾が撃ち出される、という可能性も完全には排除できない。

ある情報は、ミャンマーの軍事費は比較的逼迫し、ミャンマー軍には82mm迫撃砲弾を飛行機に搭載して航空爆弾として使用する状況もある、とする。そこで筆者は80mm級迫撃砲の砲弾が作った弾坑を探しに行った。ある2008年に南オセチアの広場の地面に落ちた82mm迫撃砲弾の弾坑は、中国・ミャンマー国境の弾坑に比べやや小さいようだ。

(頑住吉注:原ページのここにある画像のキャプションです。「2008年南オセチアの衝突の中で1発の82mm迫撃砲弾の爆発が作った弾坑。だがそれはセメントの地面の上に落ちている。」)

だが中国・ミャンマー国境の弾坑はサトウキビ畑に落ち、セメントの地面の上ではない。ある外国のウェブサイトは興味深い実験を行っている。その名は「トーチカ対81mm」で、堅固な構築物を模したものを迫撃砲で攻撃し、「トーチカ」の砂や土を主とする頂部に体積小さからぬ弾坑を作っているが、中央テレビニュースが見せた弾坑に比べ少なからず大きく、明らかにこれも合わない。

(頑住吉注:原ページのここにある画像のキャプションです。「『トーチカ対81mm』実験の中で81mm迫撃砲弾がトーチカの頂部に命中して作った弾坑。中国・ミャンマー国境の弾坑に比べずっと大きい。」)

(頑住吉注:これより4ページ目。)

だが迫撃砲弾の情報は、筆者にひらめかせたかもしれない。この前のある情報は、ミャンマー北部の戦事は頻繁で、しばしば不明の勢力の武装人員が中国国境内に向け砲弾を発射し、意図は中国を巻き込むことだ、としていた。「航空爆弾」が中国に飛び込み中国住民を爆死させた事件に直面し、ミャンマー政府は弁解して、「敵が故意に襲撃を製造し、我が方と中国サイドとの間の誤解を作り出すことを企図した可能性がある‥‥我々は中国大使と面会する時、彼らに向け説明をする。」と言明した。

80mm級迫撃砲に比べ小さい迫撃砲は60mmである。ならば60mm迫撃砲が作った弾坑はどのくらい大きいのだろうか? 米軍がベトナム戦争中に攻撃を受けた画像がまた筆者に参考を提供した。中央テレビニュースの中で、我が国のサトウキビ畑が遭った攻撃で生じた弾坑のサイズは、ベトナム戦争中の60mm迫撃砲弾が作った弾坑とサイズが似ている。

(頑住吉注:原ページのここにある画像のキャプションです。「ベトナム戦争中に米軍を攻撃した60mm迫撃砲が爆発により作った弾坑」)

ブログ主@科羅廖夫がグーグルアースのソフトウェアを利用して行った推算によれば、国境から攻撃を受けた水桑樹村までの距離は約1.13kmである。中国の輸出量が比較的多い63式60mm迫撃砲を例にすると、その射程は1,490mである。つまり、もし攻撃者がこの旧式迫撃砲を利用して中国国境内の水桑樹村に対し攻撃を発起したら、ミャンマー国境内何百mかに隠れて発射することができる。一方国際的には、アメリカのM224 60mm迫撃砲の射程は3,490mに達し、中国の先進的なPP93式60mm迫撃砲の射程は5,564mに達する。もし砲弾の攻撃だったら、解放軍の防空が無力だと文句を言う言論は問題にならなくなる。

(頑住吉注:原ページのここにある画像のキャプションです。「この距離は旧式な63式迫撃砲の射程内である」)

現場の画像は、ミャンマー空軍の攻撃だろうと、その他の勢力の武装人員が発動した攻撃だろうと、攻撃してきた弾薬の威力は決して以前考えられていたように大きくはなく、作られた破片も多いとは評価されないことをはっきり示している。筆者は、多くの住民が死傷したのは、サトウキビ畑の中でサトウキビを収穫する労働を行っている時、住民が比較的集中し、だからこそ今回の惨劇がもたらされたのかもしれない、と推測する。


 面白いことは面白いんですけど、どうも全体的に方向性がずれているような感じがするんですが。












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