ロシア、中国海軍戦力を評する

 何かごく一部を引用した文が話題になってますがその全文です。

http://military.china.com/important/11132797/20130821/18007126.html


ロシア、中国の通常潜水艦は世界でも先進的、とする 米ロの原潜に対抗可能

(頑住吉注:原ページのここにある画像のキャプションです。「中国通常潜水艦部隊の実力は強大」)

【グローバルネット総合報道】 ロシアの週刊「軍工信使」8月21日の報道、原題「中国はさらに20年経過してやっと海上強国になり得る」との一文による。筆者はロシアの地縁政治研究院第1副院長で軍事学博士のコンスタンティン シフコフ。

文章は、中国海軍は約25万人いて、1隻の中型空母「遼寧艦」、3隻の弾道ミサイルを配備する原潜、5隻の攻撃型原潜、約60隻のディーゼル・電池潜水艦、約60隻の駆逐艦および護衛艦、160隻余りの掃海艦および上陸艦、約300隻の各種快速艇を持つ、とする。

文章は、中国人民解放軍海軍の大部分の艦艇は技術が立ち後れ、現在では北京の対外政策や経済拡張の堅実な後ろ盾に充当することはできない、と考える。だが、中国海軍の発展の速度は世界の上位にいて、一連の最新型艦艇が続々装備されている。

潜水艦は世界先進レベルに身を置く

文章は、094型弾道ミサイル原潜は中国海軍核戦力の基礎であり、中国は現在3隻の094型潜水艦を持ち、さらに3隻を建造中である、とする。

これら何隻かの原潜はアメリカ、ロシア、ヨーロッパ本土の目標を破壊できる。だが現在の基準を用いて評価すれば、それらの騒音は大きすぎ、沿岸水域にしか配備できず、さらにそれらが敵潜水艦の攻撃に遭うのを免れるという問題の解決を確保しないわけにはいかない。アメリカの固定および機動の潜水艦捜索設備がすでに非常に高いレベルにまで発展していることを考慮すれば、中国海軍がこの問題を解決するのは非常に難しい。

中国海軍の新式原潜に属する093型攻撃原潜はすでに2隻装備され、1隻は建造中である。中国は2020年までにさらに5隻の093型攻撃原潜の改良型である095型原潜を生産する計画である。

中国国産の通常潜水艦には041型通常潜水艦と039型潜水艦が含まれる。041型および039型潜水艦の技術データはすでに世界レベルに到達し、アメリカの「ロサンゼルス」級原潜やロシアの971型「シャーク」級原潜に有効に対抗できる。

国産潜水艦の他、中国海軍はさらに12隻のロシア製636型および877型「キロ」級潜水艦を装備している。これらの潜水艦は対潜艦艇や海軍航空隊との組み合わせの下に、中国近海で対潜任務を完成させることができる。

全体的に言って、相当に長い一定の時間の後でも、中国海軍の潜水艦の遠洋作戦方面の能力は依然限られる。だが潜水艦の数が非常に多いことにかんがみれば、それらはやはり陸軍部隊や海軍航空隊との組み合わせの下に、味方サイドの重大な損失を代価にすることをもって、中国近海海域で潜在的敵の艦艇に対抗できる。

遼寧号空母の戦力は限られている

中国新型水上艦艇方面では、まず言及すべきなのは空母「遼寧艦」である。その就役は中国空母戦力の建立の開始を示す。「遼寧艦」は全世界で最も廉価な空母で、その前身は2,000万アメリカドルでウクライナから購入した「ワリヤーグ」号空母である。改造建造の過程で、主要な技術設備は中国によって自ら研究開発された。「遼寧艦」は理論上60機の飛行機が搭載でき、これには40機の殲ー15戦闘機と約20機のロシア製Ka-28ヘリを基礎に研究開発された各タイプのヘリが含まれる。

アメリカの専門家を含む外国の分析者は、「遼寧艦」の意義は決して大きくないと考えている。まず、殲ー15は電子システムや武器装備などの主要な性能上明らかにアメリカのF/A-18E/Fに遜色がある。次に、「遼寧艦」には現在まだレーダー、ナビゲーションシステムおよび各種戦闘、偵察武器を装備した実戦機やヘリが配備されていない。このことはその戦闘力が極めて大きく削減される結果をもたらす。最後に、「遼寧艦」にはほとんど自己保全能力がなく、低空飛行する空中目標を攻撃することしかできない。

中国は10〜20年後にやっと正真正銘の空母を建造するかもしれない。

(頑住吉注:これより2ページ目。画像のキャプションは「中国は膨大な通常潜水艦部隊を持つ」です。)

駆逐、護衛艦のパフォーマンスは突出

文章は、中国海軍の最も先進的な駆逐艦は2隻の051C型駆逐艦と6隻の052C型駆逐艦だと指摘する。比較的先進的な駆逐艦は4隻のロシア製956型「現代」級駆逐艦で、これらは強大な対艦ミサイルシステムを装備する。

14隻の054型護衛艦は中国海軍で最も先進的な護衛艦である。中国は20隻余りの遠洋作戦能力を持つ艦艇を持つ。これらの戦闘艦の防空武器システムは空中からの攻撃に有効に対抗できる。

これらの戦力に頼り、中国は6つの艦艇戦闘群、あるいは1つの空母戦闘群とこれに加えて2、3の艦艇戦闘群を建設できる。原潜や海軍航空隊との組み合わせの下に、これらは単一のアメリカ空母戦闘群を破壊できるが、代価は中国サイドの30〜40%の艦艇の壊滅である。

現在、中国海軍は遠洋海域でアメリカ海軍に有効に対抗することはできない。ロシア海軍と比べたとしても、中国には少なからぬ隔たりがある。ロシアサイドの潜水艦方面における優勢は非常に大きい。

近海水域では、056型軽護衛艦は中国の近海防御戦力の中でパフォーマンスが突出している。この艦は数組の「鷹撃」-83対艦ミサイル発射機とFL-3000N艦艇自衛防御ミサイル武器システムを装備する。現在、中国には約10隻のこのタイプの護衛艦がある。中国はさらに40隻余りの022型ミサイル艇を装備済みである。

これらの戦力は中国海軍に近海において最多で3つの、敵サイドの潜水艦に対応する捜索・攻撃集群、あるいは最多で10の、敵サイドの水上艦艇に対応するミサイル艇戦闘群を建設可能にする。

海軍航空隊の攻撃力は強い

中国海軍航空隊の中では、攻撃戦力(すなわち水上艦艇の攻撃を旨とする飛行機)が相対的に最も発達している。中国海軍には現在48機のスホーイ30MK2戦闘機およびそのコピー生産品である殲ー16戦闘機、少数の殲ー10A、54機の殲轟ー7A、124機の殲ー8がある。

これらの実戦機は海軍艦艇が本国海岸線から距離400km以内の水域で敵サイドの空中打撃に遭うのを免れるよう保護するに足りる。それらはさらに本国海岸線から距離500km以内の水域に進入する敵サイドの艦艇に対し集群攻撃を発起することができる。

文章は、中国海軍の主要な問題は、国内の無線電信技術、ミサイル、飛行機、エンジン製造など軍事科研および工程設計能力の相対的な立ち後れと関係がある、と考える。こうした問題を克服することは、中国に遠くない将来大量の近代化された水上艦艇と潜水艦を生産させ、全世界の海洋強国のグループに身を置くことを可能にさせる。

文章は、少なからぬ軍事専門家は中ロの海軍戦力を比較する時、中国海軍が圧倒的優勢を占めているとする、と指摘する。だが事実は全くこうではない。ロシア海軍太平洋艦隊は現在中国海軍に対抗するに足りる。だがその前提は太平洋艦隊の艦艇が全て維持修繕を完了していることである。もしも中ロ海軍がいずれも現在の発展の態勢を維持したら、7〜12年後には中国海軍は絶対の優勢を占めることになる。

(頑住吉注:後のページのキャプションは本文の一部を切り取ったものなので省略します。)


 「味方サイドの重大な損失を代価にすることをもって、中国近海海域で潜在的敵の艦艇に対抗できる。」、「これらは単一のアメリカ空母戦闘群を破壊できるが、代価は中国サイドの30〜40%の艦艇の壊滅である。」 こういった書き方は説得力が比較的強いですね。分析の正しさを担保するものでないのは言うまでもないですが。

 短い引用ではまるで一方的酷評のようですが、高く評価している部分もたくさんあり、また発展速度は中国が上回っているのでこの状態が続けば比較的近い将来追い越されるのは確実だ、と認めています。「『遼寧艦』は全世界で最も廉価な空母で」というのは廃品を買って自分で改装したからで、現時点で査定すればタイの空母やスペインが他国に販売しようとしている空母より高価なのは間違いないはずです。











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