ドイツにおけるキンバー製品

 以前、スイスに初めて輸入されたキンバー製品に関する「スイス銃器マガジン」の記事を紹介しましたが、「Visier」2004年10月号には最近ドイツでもキンバー製品が人気を高めているという内容の記事が掲載されていました。


Von Kimbern und Teutonen(頑住吉注:正直毎度毎度の「Visier」特有のわけわからんタイトルは勘弁してほしいです。「Kimbern」、「Teutonen」はいずれもゲルマン人の部族名でそれぞれ「キンベル人」、「チュートン人」などと表記されるようです。たぶん「キンベル人とチュートン人の(銃)」といったニュアンスでしょう。これについてはまた後で触れます。)

キンバーより多くの1911系ピストルを販売する者はもはや誰もいない。ドイツでは従来高価格で成功を得ていたが、そうこうするうちにユーロに対してドルの価値が大きく下落し、そしてキンバー製品の価格も同様に大きく下がった。

年前、アメリカのメーカーであるキンバーは1911系ピストル製造に参入することを予告した。現在キンバーは各製品の良好な手作業で評判だが、本来1990年代半ばにはデラックスな小口径ライフルに特殊化したメーカーであり、まだ決して1挺のピストルも製造してはいなかった。そして1980年代の終わりには倒産さえ宣言したのである。キンバーは同社によれば宣伝効果のみによってブレイクしたのではなく、事実として1911系ピストル生産領域の先端に位置することができるのであり、ニューヨーク州Yonkers所在のこの企業はその新しい経営陣のおかげをこうむっている。

 25年前、Jack Warneは息子のGregとともにオレゴン州にキンバー社を設立した。キンバー氏などという人物はどこにも存在しない。会社名はWarneのオーストリアにある出生地「Kimba」という語をアメリカナイズしたところから生じた(頑住吉注:さて記事タイトルですが、どうやらキンバー社の設立者がオーストリア出身のゲルマン民族であることを示し、「キンバー製品は我々と同系の人間が作った会社の製品である」というようなことを言いたいのではあるまいかなあとおぼろに想像しています。「Kimba」という地は歴史的に「キンベル人」の住んでいた土地なのではないでしょうか。ただ「チュートン人」の意味は全く不明ですし、タイトル全体のはっきりした意味も結局理解不能です)。キンバー社はデラックスな.22口径ハンティングライフル製造に特殊化した。M82シリーズのクラシックでエレガントなストックつき高級小口径銃は、法外な価格にもかかわらず一時期よく売れた。そのときは購入者はひどいラッカー塗装のストックとごつごつした「モンテカルロ」頬当て(頑住吉注:チークピースの形式なんでしょうがどんなものか不明です)を持つ「贅沢」ライフルに満足していた。だが、1980年代半ばにGregおよびJack Warneは小口径ライフル販売の試みに失敗し、ハンティング用センターファイア手動連発銃の販売を始めて小口径ライフル同様(頑住吉注:当初は、ということでしょう)成功を収めた。大口径モデルM84およびM89は本格的に販売されたのだが、出資を再び軌道に乗せるために充分な金を会社の金庫に流し込まなかった。1980年代半ば、Warne親子は会社の持ち分を売却しなくてはならなくなった。何年もしないうちに同社はその小さな門を閉じた。この門は1992年になって初めて再び開いた。息子のGregがLeslie Edelmanと共同でキンバー社を新たに設立したときのことである。Edelmanは当時アメリカ銃器マーケット最大の販売会社に属していた(頑住吉注:どこだか書けっての。コルトのことですかね)。

 Greg Werneはすぐに再び商売から手を引いたが、Edelmanは今日もキンバーの会社オーナーに留まっている。彼は1991系ピストル参入のためチップ マコーミックおよびニューヨーク州Yonkers所在の小さな軍需企業であるJP Manufacturingを訪れた。トップシューターであり、M1911A1用チューニングパーツの開発者でもあるマコーミックは当時JP Manufacturingと、トリガーからスライドに至るまでの1911系パーツ製造のために共同作業していた。しかし1990年代半ば、アメリカの軍需企業JP社に対する下請注文は、社員の生活をかろうじて維持することすらほとんどできない程度だった。そこで同社は民間用銃器領域へと路線転換した。EdelmanはJP Manufacturingを買収し、そしてキンバー社はオレゴン州から東海岸のYonkersへと移転した。

成功への処方箋
 1990年代、コルト、スプリングフィールドアーモリー、パラオーディナンスのような確立された1911系メーカーにおいては、ベーシックモデルの加工クオリティおよび装備と価格との間には明らかに隙間が大きく口を開けていた。多くの銃はあまりにもガタガタのはめあいで工場を去り、そしていくつかのメーカーは購入者の賛同を得難いコスト削減措置に手をつけていた。すなわち、バレルに後からチャンバーをあてがったり(頑住吉注:例えばMP446バイキングがそうでしたが、バレルを一体で作るより、単なるパイプ状のバレル本体とチャンバーを別に作って結合する方が作りやすく、コストも下がるようです)、フレームや小パーツを鋳造したりである。その上大ブランドメーカーはまだ「初心者水準ガバメント」に、非常に少ないすぐに後付けできるチューニングパーツしか計算していなかった。だから小さな銃器メーカーや才能あるピストルスミスが中級品の工場製銃に後から(顧客の希望に応じて)追加装備することによって彼らのパンを稼いだことは不思議ではない。

 これに対しキンバーはスライドとフレームを鍛造した素材から作り、たいていのモデルには自分で選択できるブルーモデルとステンレスモデルがある。同社はオプションとしてスチールフレームの代わりに軽量なアルミフレームを持ついくつかのバリエーションも提示している。コンベンショナルな山と谷のプロフィールを持つ一体で製造されたバレルは、全てステンレススチール製である。フロント、リアサイトは全てのモデルが工場渡しでアリミゾフライス加工にセットされている。Videckiスタイルの調節可能なトリガーストップつき軽量アルミトリガーは、「ハイグリップ」グリップセーフティおよび親指掛けが大型化された片側セーフティレバー同様ベーシックな装備に含まれる。スライドストップの操作面も(控えめに)広げられている。ロングのリコイルスプリングガイドおよび前部のスライドセレーションがM1911A1に本当に必要かどうかは識者が論争しているが、いずれにせよ大型のキンバーピストルの場合は両方持っている。短い「コマンダー」および「オフィサーズ」型(キンバーの場合前者を「コンパクト」または「プロ」、後者を「ウルトラ」と呼ぶ)の場合のみ顧客は前部のセレーションを断念しなくてはならない。だが、ロングのリコイルスプリングガイドはコンパクトピストルでも常に組み込まれている。そしてキンバーはハンディな「ウルトラ」バージョンではさらに、サブコンパクトピストルに特徴的なダブルのリコイルスプリングを装備している。全てのキンバーピストルの外部の角は工場渡しで軽く屈折させられている。面取りされたマガジン挿入口はリロードを簡単にする。これほどまでに広範なベーシック型をもって、キンバーは数年前に定着した、ニューヨークにやってきたニューカマーから生活の糧を奪われないためにそうこうするうちに銀行によってかなりの改善を受けていたライバルを下の階級に追い落とした。すなわちここで例として挙げたのはスプリングフィールドアーモリーの「Loaded」である(頑住吉注:こんなのです http://www.springfield-armory.com/prod-pstl-1911.shtml )。

 市場シェア率1位の企業(頑住吉注:キンバー)もコスト削減措置を盛り込んでいる。これはトリガーメカニズム、あるいはスライドストップのようないくつかの小パーツに見られ、キンバーはこれをMIM製法で製造している。「Metal Injection Molding」は精密鋳造と比べてより均質でより堅牢な結果をもたらすが、たいていの1911系純粋主義者は完全に削り出された、あるいは「funkenerodierte」されたパーツの方を好む(頑住吉注:SIGザウエルGSRの項目でも登場し、そのときは意味不明だった後者の製法は、無理に直訳すると「放電侵食」あたりになり、どうも「放電加工」のことのようです。日本の会社の宣伝サイトですがこんなのが分かりやすそうです http://www.brother.co.jp/jp/machine/wire/ )。だがこれらはかなり高価になる。チェッカリングの入ったプラスチック製メインスプリングハウジングも自慢できない。しかしある程度滑らないその構造部品はその目的を満たし得るし、必要な場合は問題なくより滑りにくいチェッカリング入り金属パーツに交換可能である。キンバーの場合金属製メインスプリングハウジングを大量生産品としてはスチール製マグウェルつき変種にのみ装備している。

価格下落
 Visierは2000年12月号で最初のキンバー製1911系輸入品をテストした。そのマッチモデルカスタムターゲットおよびより高価なゴールドマッチの装備はほとんど完璧だった。加工クオリティおよび射撃成績は良好だったが、ペーターシュタールあるいはLes Baer PremierUのレベルに完全には達しなかった。当時は残念ながらこの成績には価格相応の価値がなかった。すなわち、簡素なベーシックモデルであるカスタムターゲットは2050ドイツマルク(頑住吉注:通貨がユーロになる前の話です)、高い光沢のブルーモデルであるゴールドマッチは3440ドイツマルクという価格にさえなったからである。これはあまりにも高価すぎた。そうこうするうちに銃器商およびシューターはドル為替相場下落によって利益を得た。すなわち、新しいキンバー製品の輸入元Oberland ArmsはカスタムターゲットUの価格を980ユーロと算出している。ゴールドマッチUの価格としては1360ユーロが見込まれている。価格は2000年当時のそれの20%以上下に位置している。このためキンバー製品への興味は再び増している。全てのアメリカ製銃器が2、3年前より目下売れ行きが良いわけではないし、ヨーロッパ製ライバル製品はすでに全く低調である中でこの意味は特に大きい。

オールニュー
 Oberland Arms(頑住吉注: http://www.oberlandarms.com/index.php )から、ひっくるめて9挺のピストル入りの包みが編集部に届いた。荒い加工上の問題を示した銃はなかった。全ての銃がむらなく加工された表面によりポイントを稼いだ。外観的に邪魔になる問題点は些細なことに過ぎず、その上全てのピストルに見つかったわけでもない。この問題点というのはすなわち、スライドセレーションの間の谷部がいいかげんに外にはみだしていること、リアサイト前縁とスライドのフライス加工との間に細かい隙間があること、スライド後面が100%フレームおよびエキストラクターと同一平面上に揃って終わっていないことである。全ての銃はスライドとフレームの間に軽いサイド方向の遊びを見せた。しかしスライドはその誘導レール上をタイトに走った。これは例えばたいていのモダンなプラスチックフレーム装備の西ヨーロッパ製公用ピストルの標準よりもタイトである。閉鎖状態で親指の圧迫によって感じられるほどチャンバーが凹んだ銃はなかった。メーカーはバレルリンクとスライドストップ軸、ブリーチ前面と「バレルフード」と呼ばれるチャンバー後方の数ミリの突起のはめあいに多くの労力を注いだように見える。マズル領域でもバレル誘導に批判の余地はわずかである。すなわち、5インチバージョンのマズルブッシングはスライドにタイトにセットされ、ブッシングのバレルに対するはめあいも同様に適正である。

 短い「プロ」および「ウルトラ」バージョンの場合も、バレルは着脱可能のブッシングを断念しているにもかかわらず閉鎖状態でガタなくスライド内に横たわっている。全ての5インチピストルにおいてブッシングはタイトであるにもかかわらず素手でも取り外せる。ただし、例えばテストされたElipseターゲットUのようないくつかの銃では、ブッシングがあまりにもタイトにセットされているため、適したブッシングレンチを使う方が爪にも神経にもやさしい。

 これら諸バージョンは原則としてそのクオリティに本質的な差はなく、装備と価格が違うだけである。TLE(タクティカル ロー エンフォースメント)バリエーションは本来グリップ前面の1インチに30ラインのチェッカリングと、自己発光するトリチウムサイトのみによってノーマルなキンバーカスタムUと区別されるだけである。後者の場合トリチウムサイトを装備するには約100ユーロの追加料金がかかる。表面をカバーするキンバーのチェッカリングは手作業で行われているが、名工の手によって刻まれたチェッカリングのクオリティには完全には達しない。だが例えばペーターシュタール、SIGザウエル、S&Wパフォーマンスセンターによる工場製(頑住吉注:機械加工の?)チェッカリングより外観上、またグリッピング上勝っている。チェッカリングのための追加料金は約100ユーロと控えめに留まっている。特にドイツでは高い金を積んでも、全てのライフルメーカーがキンバー程度のクオリティの加工の場合であっても手作業によるチェッカリング加工を行うとは限らない。プレミアムモデル ゴールドマッチUあるいはEclipseの2ホールトリガーが達成するものは、本質的には低価格シリーズのVidecki製3ホールトリガーのそれと異ならない。

 しかし、プレミアムトリガーつきの銃の場合、キンバーはトリガープルを1500〜1600gと、スタンダードモデルの1700〜1900gよりいくらか軽く設定している。大部分のトリガーはドライに作動したが、小型のウルトラキャリーUのメカニズムのみ前段階にいくらかのひっかかりがある。

シューティングレンジ-コントロール
 初心者用競技モデルであるカスタムターゲットU、EclipseターゲットU、軽量なアルミフレームを持つハンディなウルトラキャリーUの3挺をマシンレストにかけてテストした。EclipseはIMI製185グレインセミワッドカッターで2回の送弾不良を起こし、毎回マガジン内の最終弾がチャンバー上面に突き刺さるように停止した。ウルトラキャリーUのマガジンはマガジンキャッチボタンを押しても落下しないことがあった。これらをのぞけば3挺とも問題なく機能した。マガジンにホローポイントや鉛セミワッドカッターを装填した場合にもである。命中精度に関してはEclipseは1911系「2部リーグ」(頑住吉注:「Oberliga」。以前も出てきましたがマッチ関係だろうという以上のことは分かりません)に完全に入ることはできなかった。Les Baer、ペーターシュタール、Dlask(頑住吉注: http://www.dlask.com/ )の.45口径は通常適した弾薬を使ってグルーピングが25〜30mmになり、ときどきはさらに小さくさえなる。一方キンバーの高級マッチモデルであるEclipseターゲットUは(頑住吉注:最も結果が良かった)フェデラル ハイドラショックを使ってもそれ弾のないグルーピングが35mmにしかならなかった。これでも少なくとも理論上は全弾を10点圏にあてるためにまったく充分である。より安価なカスタムターゲットUは、公用またはセルフディフェンス用としては非常に満足のいく射撃結果だったが、より高いEclipseよりわずかに精度が悪かった。これらは2000年における最初の比較テストと全く似た結果である様子なので、キンバーはバレルブッシングのはめあいにおいて、高価なシリーズであるゴールドマッチやEclipseに、より単純なカスタムシリーズよりいくらか多くの労力を注いでいるのではないかという疑いがふくらむ。ウルトラキャリーUはワルサーP99cと平行して5mからのラピッドファイアテストも試験的に行った。主観的に、ミニ.45口径はワルサーの小さな9mmパラベラムピストルよりも、いくらか長く、滑りにくいグリップフレームによって射撃時によりよくコントロールできるようだ。ベスト時でも20cm以内に5発命中させるのに、P99cの1.4秒に対し1.9秒かかった。.45ACP仕様のコンパクトピストルは、「純血種の揺すり木馬」であることが分かった。リコイルとマズルジャンプが苦痛なわけでは全くないが、それでも9mmパラベラム仕様の(より軽量な)P99の場合よりはるかに強い(頑住吉注:「揺すり木馬」というのは幼児が乗る下面が逆アーチ状になったあれで、要するに苦痛ではないが動揺が抑え難いということをこう表現しているわけです)。

操作に関する批評
 キンバーは現在非常に多くのピストルをフェアな価格で提供している。些細なことが良好な全体印象を妨げている。すなわち、7発マガジン、8発マガジンとも同じであるが、キンバーのシンプルに設計されたマガジンは、ウィルソン、ActMag、チップマコーミックの分解可能な「クリップス」のクオリティには達しない。特に、アルミフレームつきキンバー製品の購入者はすぐに適した「導かれたフォーロワ」つきの代替品の購入を思案することになる。キンバーのフォーロワは簡単に前方に傾くことができ、その際柔らかいアルミニウムのフィーディングランプ領域に引っ掻き傷を残す。第2世代の全てのキンバー製品は、側面のエキストラクターが同時にローディングインジケーターとしての役割を果たすことが意図されている。残念ながら上部にレッド表示の入ったエキストラクターは、チャンバーに弾薬がある際ほとんど見て、あるいは触って感じられるほどスライド面から張り出さない。木製、あるいはラミネートグリップパネルはしゃれた外観だが、滑り防止という点では残余の望みがある(他メーカーの木製グリップと比較した場合でも)。キンバーの簡素なラバーグリップはグリッピングに関してかなりベターである。ひょっとすると(頑住吉注:輸入業者の)Oberland Armsは、将来トリチウムインサートのないEclipseの輸入をメーカーに納得させられるかもしれない。25m射撃の際、マイクロメーターリアサイトに入れられた小さなトリチウムインサートはほとんど邪魔にならないが、フロントサイトの白で縁取りされたグリーンに光るポイントはそうではない。わずかにRLモデルは除き、キンバー製品にはフレームに一体で組み込まれたピカティニーレールが欠けている(RLモデルにはアジャスタブルリアサイトがないので競技には不向きである)。これが問題だというのは、ドイツではレールにライトをマウントすることが許されないにしても、スポーツ射撃団体が許す限り適したウェイトをレールに装着したいと思う「丹念に仕事をする人」がいるかもしれないからである。

世代間紛争(囲み記事)
 新設されたアメリカ海兵隊の特殊部隊Det-1は、キンバーがわざわざDet-1用に作った「MARSOC」をサイドアームに決定した。「MARSOC」は基本的にはスタンダードなキンバー製品とほとんど異ならないが、いくつかの特別な外的特徴だけが加わっている。例えばタクティカルライト装着のためのDawson社製マウントレール、Simonichが作ったG-10グリップパネル「Gunner Grips」、ノバック製トリチウムサイトである。だが、いくつかの特別希望がこの銃を技術面でも最新の第二世代キンバー製品から際立たせている。海兵隊はキンバーピストルの第1ジェネレーションを特別に指定している。第1ジェネレーションの「古い」モデルはジョン・ブローニングによる古き良きM1911A1と共通する2つのディテールを持つ。すなわち、長い、内蔵されたエキストラクターと、ガバメントのクラシックな安全システムである。後者に関しては、グリップセーフティによって機能解除されるモダンなキンバー独特のファイアリングピンセーフティがないということである。海兵隊の特殊部隊では、M1911A1のクラシックな安全システムを落下および操作上の安全面で充分な価値があるとみなしており、それに対しピストル内部の全ての追加部品は潜在的障害ファクターになるだけだとみなしている。

内的安全(囲み記事)
 キンバーは数年前以来第2ジェネレーションの全てのピストルにオートマチックファイアリングピンセーフティを装備している。このシステムは、ファイアリングピンがプライマー方向に動くことを阻む、スプリングでテンションがかけられた安全ボルトによって成り立っている。このファイアリングピンセーフティはビーバーテイルグリップセーフティの圧迫によって初めて機能解除される。使用者が第2ジェネレーションのキンバーを固く手の中で握っていない限り、銃は落下しても安全である。この技術的原理は、コルトの従業員William L.Swartsがすでに1939年にパテント取得している。コルトは数百挺の民間用45口径ガバメント(「C」シリーズナンバー)および2000挺以上の.38スーパーAuto仕様のM1911A1を新しいSwarts安全システムつきで生産した。第二次大戦時、Swartsシステムはコルトにおいて終止符が打たれた。すなわち1941年以後同社は.38スーパーおよび民間用ガバメントの生産を中断し、完全にM1911A1(ファイアリングピンセーフティはない)の軍用生産に集中したのである。だがモダンなコルトピストルは「シリーズ80」以来再びオートマチックファイアリングピンセーフティを持った。しかしこれはトリガーの動きによって機能解除されるもので、そしてこのため(取るに足りないほど)トリガー抵抗を上昇させる。


メーカー:キンバー
モデル:カスタムターゲットU
(頑住吉注:公式紹介ページはここです http://www.kimberamerica.com/custom.php )
価格:980ユーロ
口径:.45ACP
キャパシティ:7+1発
寸法(全長x全幅x全高):220x36x141mm
銃身長:124mm
重量:1092g
型:オールスチール、マットブルーフィニッシュ、延長された片側のサムセーフティ、マイクロメーターサイト、ラバーグリップ、ビーバーテイルグリップセーフティ、ファイアリングピンセーフティ、トリガーストップネジ、リコイルスプリングガイド

弾薬 グルーピング(mm) 初速(m/s) 初活力(J)
federal 185grs SWC Gold Medal 44 240 345
Speer 185grs HP Gold Dot 49 314 591
IMI 185grs SWC 38 304 554
PMC 200grs SWC 43 286 530
WM-Bullets 200grs SWC Silvermoly 57 253 415
Magtech 200grs L-SWC 52 279 504
UMC 230grs VM 38 242 436
Sellier&Bellot 230grs VM 49 247 455
Federal 230grs HP Hydra Shok 44 267 531


メーカー:キンバー
モデル:Eclipse TargetU
(頑住吉注:公式紹介ページはここです http://www.kimberamerica.com/eclipse.php )
価格:1340ユーロ
口径:.45ACP
キャパシティ:8+1発
寸法(全長x全幅x全高):220x36x141mm
銃身長:124mm
重量:1086g
型:ステンレス、黒染めおよびその後一部ポリッシュ、延長された片側のサムセーフティ、トリチウムマイクロメーターサイト、ラミネートグリップ、グリップフレーム前部にチェッカリング、ビーバーテイルグリップセーフティ、ファイアリングピンセーフティ、トリガーストップ

弾薬 グルーピング(mm) 初速(m/s) 初活力(J)
federal 185grs SWC Gold Medal 85 251 378
Speer 185grs HP Gold Dot 68 323 625
IMI 185grs SWC 39 303 550
PMC 200grs SWC 51 294 560
WM-Bullets 200grs SWC Silvermoly 51 261 441
Magtech 200grs L-SWC 81 280 508
UMC 230grs VM 52 249 462
Sellier&Bellot 230grs VM 65 256 488
Federal 230grs HP Hydra Shok 35 274 560


メーカー:キンバー
モデル:ウルトラキャリーU
(頑住吉注:公式紹介ページはここです http://www.kimberamerica.com/ultra.php )
価格:1020ユーロ
口径:.45ACP
キャパシティ:7+1発
寸法(全長x全幅x全高):174x36x127mm
銃身長:80mm
重量:728g
型:アルミフレーム、マットブルースライド、ダブルのリコイルスプリング、延長された片側のサムセーフティ、ブッシングのないコーンバレル、ビーバーテイルグリップセーフティ、ファイアリングピンセーフティ、トリガーストップ

弾薬 グルーピング(mm) 初速(m/s) 初活力(J)
Speer 185grs HP Gold Dot 72 270 437
PMC 200grs SWC 87 255 421
WM-Bullets 200grs SWC Silvermoly 115 224 325
Sellier&Bellot 230grs VM 82 225 377
Federal 230grs HP Hydra Shok 64 242 436



 前回のように本題以外で意外な面白い話にぶつかることもあれば、今回のように長い記事を読んだあげくたいして新鮮な情報にぶつからないこともあります。本当はドイツ人から見た.45ACPの評価や(ドイツ流の考え方からすれば、効力すなわちエネルギー伝達は9mmパラベラムのホローポイント弾と同等かそれ以下で、反動は強く、装弾数は少なくなる.45ACPのホローポイントが禁止された軍用以外への使用は明らかに不合理だということになるはずなんですが)、通常と異なりグリップセーフティによって解除されるオートマチックファイアリングピンブロックの技術的評価といったあたりの記述を期待していたんですが。これはまあしょうがないですね。
 ただ全体に「スイス銃器マガジン」の評価よりはやや辛めになって入る感じで、特に命中精度はトップクラスとは言えず、価格が安くなければ存在意義が薄いといったことはかなりはっきりと指摘されています。また使い勝手など細かい部分には一部なるほどと思う部分もありました。















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