ロシアの次世代S-500対空ミサイルシステム

 これの目途が立ったからS-400を中国に輸出できるということなんでしょうか。

http://www.hinews.cn/news/system/2015/04/30/017528051.shtml


ロシアのS-500の射程は500kmを超える 宇宙軍を建設してアメリカの攻撃を防ぐことを促す

(頑住吉注:原ページのここにある画像のキャプションです。「ロシア軍の防空対ミサイル部隊作戦指揮室」)

2015年はロシアが新たな国家軍事学説を実行する第1年目であり、宇宙防御領域においてロシア武装力量はさらに速度をますます早める。「今日のロシア」テレビ局が明らかにするところによれば、アメリカが一段と力を入れて東欧や極東に陸上基地イージスおよび対ミサイル迎撃武器システムを配備しているため、ロシアの戦略核打撃力量の有効性に深刻に影響しているが、ロシアも真っ向勝負し、大きな力を入れて宇宙防御能力を持つS-500防空対ミサイルシステムを開発することになる。これだけではなく、ロシア国防省はさらに宇宙防御部隊と空軍防御部隊を合併させ、独立した宇宙軍をを建設し、もって軍隊の編成方面においてS-500防空対ミサイルシステムの作戦の需要に順応するのに便とすることを計画している。

S-500は「古い瓶に新しい酒を入れる」

説明によれば、S-500の外観はロシア軍で現役のS-300、S-400防空システムに似ているが、それはより先進的なX周波数帯アクティブフェイズドアレイレーダーを配備し、探知計測能力がより強いだけでなく、測量精度もより高く、その最大射程は500kmを超え、さらに目標の異なる危険度を根拠に、同時に迎撃弾を誘導して10の最も脅威ある目標を攻撃することができる。ロシア国防省副大臣ユーリ ボリゾフの言葉を借りれば、「S-500は全ての作戦高度内の各種空気動力飛行機や弾道ミサイル目標を全部殲滅し得ることを確保することになる。」 ロシア国防省の計画によれば、ロシア軍は将来10個大隊のS-500(120セットの基本作戦ユニットと480発の迎撃ミサイルを含む)を装備することになる。

公開されている情報は、S-500の研究開発作業は1990年代から始まり、2000年6月に図面設計が完成し、2010年に定型試験が開始され、2011年12月に初の全システム模擬試験が完成し、2014年6月に実戦環境下での標的射撃試験が行われ、成功裏に1発の中距離弾道ミサイルを撃墜したことをはっきり示している。興味深いのは、ロシアのダイヤモンド-安泰科研生産連合体がS-500のコードネームを「プロメテウス」と設定することで、このコードネームはアメリカの「イージス」対ミサイルシステムを連想させる。古代ギリシャ神話の中で、宇宙の神であるイージスとプロメテウスは仇敵同士であり、プロメテウスは火種を盗んで人類に与え、イージスの人類を絶滅させる計画を破綻させた(頑住吉注:ちょっと検索したところではだいぶ違うのではという感じなんですが、まあ本題じゃないんで興味ある人は自分で深く調べてみてください)。

陸上基地機動防空防宇宙システムであるS-500は主に2つの部分からなり、それぞれ「情報、指揮、コントロールシステム」(C4ISR)および迎撃弾発射システムであり、前者は各種早期警戒探知計測センサー(レーダー)、指揮コントロールシステム、通信中継システムを含み、後者は多種の迎撃弾と輸送・発射車を含む。ロシア軍が提出した戦術・技術指標によれば、S-500は射程3,500〜4,000km、飛行速度5,000〜7,000m/sの弾道ミサイルを迎撃できることが必須で、レーダーの目標追跡・探知計測距離は600kmに達し、実際上遠距離防空、非戦略対ミサイル、戦略対ミサイル、極超音速目標迎撃、宇宙目標打撃の能力を兼ね備え、将来は宇宙防御作戦の中で核心たる作用を発揮することになる。

新たなシステムは新たな能力を持つ

ロシア軍で現役の防空システムに比べ、S-500はいくつかの新たな作戦能力を具備している。

まず、S-500は真に信頼できる宇宙防御能力を持つ。伝統的な対空ミサイルは飛行機と似た原理に頼って飛行方向をコントロールし、大気圏外で有効に弾道ミサイルや極超音速飛行機などの目標を迎撃することはできない。S-500システムの77N6-N迎撃弾は遅延時間が短く、反応速度が速い複合コントロール技術を採用し、大気圏の内外で有効に各種弾道ミサイルや極超音速飛行機を迎撃できる。

次にS-500システムは分布式アクティブフェイズドアレイレーダーシステムを採用し、探知計測距離が600〜1,000kmである。多くのレーダーサブシステム分布式ネットワークを組むことにより、S-500システムはレーダー反射面積が比較的少ないステルス機に有効に対応でき、さらに全システムの情報化の程度や生存能力を向上させることができる。もし敵サイドの対輻射ミサイルが個別のレーダーサブシステムを破壊しても、防空対ミサイルシステム全体は依然正常に働く。

命中精度を向上させるため、S-500システムの迎撃弾は破片戦闘部を配備するだけでなく、さらに「超小型横向きベクトル推力ガス舵エンジン」を配備し、この「空気動力舵面+ガス舵+ベクトル推力」のコントロール方式は、迎撃弾の飛行方向コントロールを極めて鋭敏および正確にさせることができる。この技術の応用によって、S-500は理論上極めて高い末端段階命中精度を持ち、最大「偏移誤差」は3m未満である(運動エネルギー衝突殺傷方式のレベルに近い)。

外部の「宇宙からの襲撃」を警戒

旧ソ連の元帥だったジューコフは、空襲に抵抗反撃できない国家は災厄に直面することになる、と考えた。現在アメリカは一方的に「グローバル即時打撃システム」を積極的に発展させ、他の方面ではまたロシア国境沿いに軍事施設を設立し、ミサイル防衛システムを配備し、ロシアの戦略核力量の有効性を深刻に弱めている。新たに登場したロシア軍事学説は、この2種の「進攻性威嚇」は容認できないものであり、戦略的安定を破壊するカギとなる2大重要要素である、と警告する。

ロシアの軍事専門家であるアレキサンダー ターナイェフは短い言葉ながら鋭く次のように指摘している。軍事闘争の内容にはまさに根本的改変が発生しつつあり、その重心と主要な力量はすでに宇宙領域に移り、「宇宙作戦の成功裏の実施は、陸上や海上の軍事闘争の勝利を取得する基礎であり、アメリカはまさにその宇宙からの攻撃に抵抗反撃する力のない国を軽易に征服できるのである。アメリカはすでに空襲によって旧ユーゴスラビア、イラク、リビアを打ち負かしており、ロシアの執政者は自らが次の目標になるか否かを真面目に考えることが必須である。」 ターナイェフは、ロシアはすでに「我々は2つの盟友あってこそで、それは自らの軍隊と軍事工業総合体であり、それらがあってのみやっと真の安全をもたらすことができるのだ。」と強調する。

まさにこの憂慮に基づき、ロシアは宇宙防御力量の改組と関連の武器の研究開発を加速した。ロシア武装力量は現在規模が非常に大きい宇宙防御部隊を持ち、宇宙司令部、防空対ミサイル防御司令部、宇宙発射場、各院校、訓練センターなどの機関を持ち、毎日3,000名を超える将兵が戦闘当番を担い、こうした力量が未来の宇宙軍の核心となる。

ロシアの「軍事視察」の分析によれば、将来ロシアの宇宙軍は宇宙防御戦役戦略司令部および関連の作戦兵団をその下に管轄することが有望で、その目的は統一した国家宇宙防御体系を建立することで、主要な任務は各クラスの指揮機構のために正確な弾道ミサイル発射探知計測情報を提供し、ミサイル攻撃を早期警戒すること、潜在的敵が国家の重要目標を攻撃する弾道ミサイルを殲滅すること、国家の最高の目標が敵宇宙攻撃武器の攻撃を受けるのを免れるよう保護すること、宇宙船の発射、衛星システム(軍用および軍民両用)をコントロール・利用し必要な軍事情報を獲得することなどである。(羅山愛)


 「宇宙軍」に関しては読んでも現時点ではいまいちピンと来ませんが、アメリカの同じ方面の軍備や技術のレベルに比べてどうなんですかね。











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