殲ー11Dを考える

 途中から話が別の方向に行っちゃいますが。

http://military.china.com/important/11132797/20150503/19619221.html


専門家が分析:中国の殲ー11Dはスホーイー35の複製版か?

(頑住吉注:原ページのここにある画像のキャプションです。「画像はアクティブフェイズドアレイレーダーを装備したアメリカのF-15C『アラスカンイーグル』戦闘機。本文の作者は、殲ー11Dは航空電子システム改良の範囲、改良の深度方面においてこの機より高いだろうと考えている。」)

今週、ネットが中国の沈陽飛行機の殲ー11戦闘機の重大改良機種が初飛行に成功した噂を伝え、その外形から見てこの機は明らかにアクティブフェイズドアレイレーダーを採用し、かつ機体構造を部分的に改修している。そこでこの機とスホーイー35に競争関係が存在するか否かがすぐ皆が熱く議論する話題となった。同様に今週、ロシアメディアはT-50戦闘機の研究開発が面倒事に遭遇したとの情報を伝えた。ここ何年かの中ロ軍事技術協力の中の種々の齟齬を連想させ、明らかに中ロ両国は軍事技術協力方面で親密な関係だが、それにもかかわらず相互に「小心眼」(頑住吉注:検索するとケチという意味だとされているんですがどうも合わない感じですね)を留めている。ならば、この2つのことは一体中ロの戦闘機領域のどのような変化を引き起こすのだろうか。これこそが我々の今日の話題である。

「クヮイズディー」強気のデビュー、「スホーイー35」はいつ南へ飛ぶのか? (頑住吉注:「クヮイズディー」は日本語にない漢字を用いた語で「箸の弟」、意味は本文に出てきます。)

今週、中国のネット上の最もホットな軍事の話題は、疑いなく沈陽飛行機社の殲ー11D型戦闘機の初飛行成功である。殲ー11系列はこれまでずっと中国ネットユーザーから「クヮイズ」と愛称で呼ばれ(このあだ名の由来はそのコードネームの中の2つの「1」である)、一方Dの発音は「弟」と同じで、そこですぐに皆は殲ー11Dを「クヮイズディー」と愛称で呼ぶようになったのである(頑住吉注:クヮイズ兄弟の中の弟分という意味も含めてるんでしょうね)。

ネットの画像から分析すると、これまでに大量部隊装備されている殲ー11B戦闘機に比べ、「クヮイズディー」は主に三大領域に重大な改良がある。

その1、全く新しい電子設備、アクティブフェイズドアレイレーダー、前視赤外線システム、全方向赤外線/紫外線警告システム、新たな電子対抗システムおよび電子システムアーキテクチャを装備し、このワンセットのシステムの技術ランクは典型的第4世代戦闘機に劣らず、これは現在の第3世代半戦闘機共通の特徴である。

殲ー11Dの機首部分のレドームは明らかに「上反り」しており、これはアクティブフェイズドアレイレーダーシステムの典型的な目印である。画像から見てその機首部分の構造バルクヘッドなどは設計し直されているが、空力外形は元々の殲ー11Bに比べて変化はない。

このことは一部の人の疑惑をも引き起こしている。何故なら以前同様にアクティブフェイズドアレイレーダーを採用しているという噂があった殲ー15や殲ー16戦闘機のレドームの外形は、殲ー11系列のその他のより早い時期のタイプに比べほとんど変化がなかったからである。「漢和安全保障業務評論」編集長の平可夫は、かつて殲ー16が依然使用しているのはパルスドップラーレーダーであるかもしれない、と疑問を呈した。

だがちょっと国際的な同類機種を見てみれば、すぐにこの説は実はひどい暴論だと気付くだろう。アメリカのF-15C「イーグル」、F/A-18E「スーパーホーネット」、フランスの「ラファール」、ロシアのミグー29は全てアクティブフェイズドアレイレーダーを装備した改良型だが、いずれも傾斜してレーダーアンテナアレイを装備する方式は採用していない。「上反りした鼻」がないことはアクティブフェイズドアレイレーダーがないことを表すわけではない、ということが見て取れる。

実はアクティブフェイズドアレイレーダーの装備形式は、主に戦闘機の「正面のレーダー反射面積削減」と「改装コスト低下」という両者のバランスによって決まるのである。

上向きに傾斜して装備されたレーダーは、主に傾斜した外形によって機首方向のレーダー反射断面積を減少する。何故なら機首のレドームはレーダー波に対して「透明」であり、もしフェイズドアレイレーダーが垂直に装備されたら、すぐ強い反射源を形成するだろうからである。コックピットに対してさえメッキ皮膜を採用してレーダー反射面積を小さくする必要があるステルス戦闘機にとって、当然これは受け入れられない。

だが旧式飛行機の改装に関しては、フェイズドアレイレーダーアンテナを傾斜させて装備するために一部機体構造を設計し直すことは明らかに充分引き合わない。さらに加えて非ステルス戦闘機にとって、そのドップラーパルスレーダーアンテナは元々強い反射源に他ならず、垂直方向の一枚の板に改めても、何ら差異はないのである。

(頑住吉注:これより2ページ目。画像のキャプションは「ネットに伝わる殲ー11D戦闘機の画像。本文の作者は、ロシアのスホーイー35に比べ、殲ー11Dのレーダーシステムは原理上より先進的で、もしスホーイー35のいわゆる400kmの探知計測距離という説が信じられるとすれば、殲ー11Dの性能は明らかにより良いだろうと考える。」です。ちなみにレドームが「上反り」しているというのに首を傾げましたが、この画像を見るとレドーム自体ではなく取り付け基部が垂直ではなく傾斜していることを指しているようですね。)

この点から観察すると、殲ー11Dには一定のレーダー反射面積を減少させる考慮があるに違いない。別の方面では、我が国の2つの主要戦闘機フェイズドアレイレーダー企業のレーダー取り付け方式はそれぞれ異なり、この傾斜して取り付けられたフェイズドアレイレーダーはそのレーダー研究開発機関の情報を漏らしているという可能性もある。また、殲ー11Dの前視赤外線システムも初期の殲ー11の機能が単一な赤外線システムに比べ先進的で、新世代の多用途戦闘機に関して言えば、これは不可欠な装備でもある。

総合的に見て、殲ー11Dの航空電子システム方面の改良の範囲と改良の深度は、アメリカのフェイズドアレイレーダーに換装したF-15C「アラスカンイーグル」より高いだろう。ロシア製スホーイー35に比べると、殲ー11Dのレーダーシステムは原理上より先んじており、もしスホーイー35のいわゆる400kmの探知計測距離という説が信じられるとすれば、殲ー11Dの性能は明らかにより良いだろう。

その二。殲ー11Dは機体構造をグレードアップしているが、最も顕著な点はこの機の主翼下に殲ー16戦闘機同様一対の重搭載架が追加されたことである。試験機の外表面の異なる色の塗装から見て、この機はアルミリチウム合金、複合材料の使用比率を増加させている。このことは沈陽飛行機製造社がスホーイのオリジナル技術を進歩させたことを反映している。ネットの軍事マニアはしばしば沈陽飛行機が殲ー11Bを研究開発した時のある文書の中の話を引用し、沈陽飛行機は「向上心がない」と嘲り皮肉る。「オリジナルの設計の改修には慎重の上にもまた慎重であろうとする」というのである。共青城飛行機製造工場のスホーイー35に対するほとんど「新規まき直し」の改良に比べ、殲ー15、殲ー16、殲ー11Dの構造上の改良の幅はやはり比較的小さく、少なからぬ設計はスホーイー30MKKなどロシア製戦闘機にルーツが探し出せる。だが沈陽飛行機が充分「大胆」でないことにはそれなりの原因もある。結局のところ構造の改修は長時間の試験に関わり、戦闘機の生産の「時間は厳しく、任務は重い」の圧力の下で、最も妥当な方法はできる限りすでに検証を経た設計をそのまま用いることである。対比として、去年ロシアの共青城工場は、中国がスホーイー35戦闘機購入に対し提出した改良項目と引き渡し速度をもってすれば、同工場は生産計画を完成させることが全くできず、何故なら単にスホーイー35の電子システムと外部吊り下げ搭載武器を変更し、これと中国国産武器との兼用性を持たせるだけで多くの試験飛行を必要とし、1、2年の時間を消耗し、増してや全く新しい基準に照らして大量生産を組織することは論じるにも及ばない、としていた。

その三。注意して飛行機の尾部噴射口を観察すると、明らかに国産「太行」エンジンを採用している。前述の機体構造強化により、この機の重量はある程度増加し、このため推力が増加した新型エンジンを採用したと推測される。だがこの機の空気取り入れ口の外形は決して変化しておらず、このため新たなエンジンが去年珠海航空展で明らかにされた「14トン太行」である可能性はあまりない。

今週もう1つネットの関心を引き起こした情報は、ある複座双発戦闘機が全権デジタル化改良を経た新型エンジンを装備して最近初飛行を行い、この新型エンジンの設計定型は2014年10月だった、とした。このエンジンに関する1つの推測は、これはFADEC技術を運用した「デジタル化太行」が殲ー16戦闘機に装備されて初試験飛行したということだ、というものである(当然、報道はこれに言及しているものの詳細ではないので、その他のエンジンや機種の可能性も排除できない)。FADEC技術のエンジンがあってこそ「飛行・火力・推力」が一体化した航空電子システムが実現できる。ロシア製99M1エンジンはまさにFADEC技術を採用したがゆえに、推力は国産「太行」推力増加型に及ばないものの、それにもかかわらずまず殲ー20戦闘機に装備されたのである。「飛行・火力・推力一体航空電子システムが先進的な航空電子システムの1つの必然の方向であることを見て取るに足りる。

現在殲ー11Dの初飛行が「デジタル化太行」を採用してのものだったのか否かは知り得ないが、少なくとも我々は将来殲ー11Dはこのエンジンを装備するはずであると推測できる。

某ウェブサイトが殲ー11Dについてコメントする文章の中で語った一言は、その動力システムの改良を総括するのに用いるのに非常に適している。すなわち、「エンジンは下限を決定する」である。現代の条件下では、動力システムと機体構造は飛行機の「下限」を決定する。別の言い方をすれば最も基本的な生存能力である。20世紀末や21世紀初めのイラク上空の「飛行禁止区域」作戦の中で、イラク軍のミグー25戦闘機は、強大なエンジンを除いて1つもいいところがないと言えたが、それにもかかわらず何度か能動的に多国籍部隊の「飛行禁止区域」に挑戦し、米軍による「一流の生存力、四流の攻撃力」との評価を得た。飛行機の「下限」決定方面におけるエンジンの重要性を見て取ることができる。

当然、弾薬搭載量、航続距離など攻撃力と密接に関係する要素もエンジンの性能によって決まってくるだろう。だが戦闘機の攻撃能力や作戦機能を決定し、その「上限」の高低を決定するのは、依然航空電子および武器システムである。前述のイラクのミグー25は作戦中、逃げ延びることを除き何もできなかった。明らかに「下限」だけあるのでは意味がないのだ。航空電子および武器システムに頼って「上限」を引き上げることが必須で、それでやっと優秀な戦闘機が得られるのである。

殲ー11Dの動力システムは現在スホーイー35に及ばないが、殲ー11Dの航空電子設備や武器システムはスホーイー35より強い。これについても多くを語る必要はない。ならば、2機種の飛行機の実際の作戦機能は一体伯仲しているのか、それともどちらが上か下か直ちに判断できるのか。あるいは未来の演習の場で我々は結論を見るかもしれない。

冷静に言って、スホーイー35はロシアのスホーイー27の「究極改良型」で、中国が研究するに大いに値する。特にその飛行コントロールシステムと航空電子システムにはすこぶる独自に到達したところがあり、完全に参考にするに値する。他のことを言わなければ、中国や西側に立ち後れた少なからぬサブシステムや部品を用いて重要な技術パラメータ上の実力伯仲を達成できる。この表現された強大な整合能力が学ぶに値するということである。一方先進的なベクトルノズルや空力面整合の飛行コントロール技術経験はさらに我が国の模索の時間を非常に大きく節約でき、未来の更新型戦闘機にこの技術を使用することに対し非常に大きな価値がある。

(頑住吉注:これより3ページ目。画像のキャプションは「WS-10『太行』エンジンの最新改良型はすでにFADEC技術を運用しているとされる。殲ー11Dはこのタイプのエンジンを採用して攻撃を発動する可能性がある。」です。)

当然、もし技術的参考だけを語るならば、我が軍が相当数のスホーイー35導入を計画している現状を説明することはできない。筆者は以前にはかつて、短時間内には我が国の先進的な戦闘機の生産能力が不足するからかもしれないと考えたが、現在見たところこの説は決して完全には正しくない。あるいはこのように言うべきかもしれない。我が軍は換装圧力が大きいという状況下で、今後相当に長い時間内、異なるソースの先進戦闘機に対する実際の態度は実は「来るものは拒まず」である‥‥相手の価格が適し、性能が基準に達してさえいれば。

もしスホーイー35が我が軍の要求に照らしてグレードアップ改造できるなら、不要とする理由はない。中国にとって、軍事衝突は依然切迫した脅威であり、部隊に先進的な飛行機を獲得するチャンスがある状況下で継続して「七爺」、「八爺」(頑住吉注:年老いた殲ー7、殲ー8という意味でしょう)の寄せ集めを使用させることは全くできないではないか?

現在のロシアサイドの共青城工場の生産シフトの状況、スホーイー35導入の談判の進展状況、沈陽飛行機の殲ー11Dの進展から見て、我々がスホーイー35と殲ー11Dが将来同じくらいの時間に我が国空軍への装備が開始されるのを見る可能性が高い。この2種の異なる考え方の筋道、異なる背景の下で発展した似た飛行機が将来ぶつかり合ってどのような火花を散らすのか、我々は継続して刮目して見よう。

金ですぐ解決できる問題は問題にあらず だが問題は金がないこと

今週ロシアメディアは、経費不足により、ロシアのT-50戦闘機は「災難性の削減」に遭遇する可能性があり、その元々計画された2020年までに57機生産するという数字は12機にまで削減されるだろう、と大げさに言った。またロシアメディアはさらにこの中ではインドがラファール購入が原因で出資を取り消したことが主要な原因の1つであると暗示した。

しかし我々は皆知っていることだが、ロシアメディアはこうした問題の上でいささか信用できない。T-50を困らせているのはやはり本当には金だけではない‥‥だが突き詰めればやはり金なのである‥‥

インドはT-50プロジェクトの上に少なからぬ金を投入したが、仔細にちょっと計算してみればインドは「大株主」にはほど遠い。現在ロシアメディアが報道するいわゆるインドの180〜200億アメリカドル投資という数字は、実は将来インドがFGFAを大量購入する総コストを算入しており、しかもその中の50億はロシアメディアが提示するロシアサイドがインドにつけた値である。現在まで、T-50プロジェクトの資金は主にはやはりロシア国防省とスホーイ社自ら出資したものである。インドメディア自らの報道によれば、インドが実際上支払った資金は2億アメリカドルあまりのはずである。それでも少なくはないが、T-50研究開発作業に必要な100億アメリカドル以上と比べれば、このちょっとの金はやはり全く何でもない。このためインドがT-50研究開発への協力から退出しても、インドとロシアいずれににとっても何ら実質的な損失とは評価されないのである。

言い換えれば、まさにインドが「気持ちよく」金を出さないからこそ、ロシアは双方の「協力」の中でインドに対し冷淡な態度を取り、長期にわたってインド人にT-50原型機に接触させなかったのである。去年になってやっとインド人に近距離で見せると回答したが、結果としてあの時のT-50は不甲斐なくも火災事故を発生させ、1機が焼けて損傷したのである。

現在T-50原型機はすでに5機製造され、1機は焼けて損傷し、残る4機が試験飛行を行っている。だが試験飛行の速度は比較的緩慢で、しかもこれらの機がメイン武器コンパートメント開閉などの試験を行ったことがあるという情報が事実確認されたことは全くなく、逆にまず武器外部吊り下げ搭載試験が行われた。ステルスをもって本質的特徴とする第4世代機の中で、試験初期段階でまず外部吊り下げ搭載武器を試験する、T-50はやはり本当に斬新である。この種の緩慢な製造、改良、試験飛行の進度自体、T-50プロジェクトが間違いなく金欠だということを説明している。

(頑住吉注:これより4ページ目。画像のキャプションは「インド人目の前で、T-50は焼けてこのような様子になっった‥‥」です。)

だがT-50の金欠は、ロシアの軍事費投資の上での力の入れ方の度合いが不充分だからなのだろうか? それも違う。

ロシアは徐々にT-50に対する投資を緩めているが、これはむしろこの機が技術的障害に遭遇したからのようで、しかもすぐには克服できない。ならばこの時それに継続して追加投資するよりも、一定の投資を維持し、スホーイにゆっくりと問題を解決させた方がいい。何故ならロシア空軍のここ何年かの主要な危機は、やはり先進的な第4世代戦闘機が欠乏していることではなく、1980年代、90年代初めに製造された主力機種はすでに継続して間に合わせに使っていくことができず、更新世代交代を早急に必要としていることなのである。

ロシア軍の新しい機の引き渡し速度から見て、ロシアがここ何年か以来新型実戦機製造に投入する経費は実は少なくない。報道によれば、ロシアは現在すでに共青城工場側が初期に提出したスホーイー27SM(90年代以後中期寿命延長改造を行ったスホーイー27S戦闘機で、現在まだロシア空軍の主力機種)戦闘機にスホーイー35のレーダーと電子設備を装備し、スホーイー27SM2に改造する提案を拒絶しており、資金を新型戦闘機製造に用いるよう集中させている。現在ロシア軍は重点的に2つの機種を購入しており、イルクーツク工場が輸出型スホーイー30MKIをベースに研究開発したロシア軍が自ら用いるタイプのスホーイー30SMと、名高いスホーイー35戦闘機である(共青城工場がスホーイー30をMK2ベースに研究開発したスホーイー30M2は基本的にもはや購入されない)。

現在共青城とイルクーツクという2つのスホーイー27系列戦闘機の主要生産工場は、現在生産、販売とも活況を呈する状態にあり、このうち共青城工場はすでにロシア国防省が2009年に命令を下した48機のスホーイー35の注文をほとんど完成させており、2013、2014年とも12機を引き渡し、2015年は15機の引き渡しを計画している。この工場は同時期内さらにロシア軍に向け12機のスホーイー30M2複座型戦闘機を引き渡した。イルクーツクは2012年にロシア軍が命令を下した発注を完成させつつあり、2016年までに60機のスホーイー30M2型戦闘機を引き渡そうとしている。輸出用の発注を合算すると、この2つの工場の生産能力はすでにいっぱいに占められている。現在スホーイー30SMとスホーイー30M2はすでにロシアと西側の闘争の最前線に出現している‥‥クリミアである。

上述のこうした価格が非常に高い新たな飛行機を見てみると、ロシアの空軍を再興させる投資に入れる力の度合いが大きくないとは言えないことを実感する。ロシアが現在すでに西側との直接対抗の第一線に立たされ、その投資の重点はすでに形をなし大量生産できる戦闘機であって、まだ何年も必要としてやっと生産に投入できる次世代戦闘機ではない、というだけである。

ロシアの総軍事投資の頻度については2015年以後ルピーをもって計算した価格に爆発的増加が出現したが、それでも使い放題の程度には到達しない。中国とは異なり、ロシアの軍事費の多くはその膨大な核武器庫の維持保護に費やす必要があり、さらには言うまでもないがウクライナ東部とシリア政府に対する支持を維持する必要がある。こうなると、ロシアの軍事費はすでに世界第3位に到達しているが、当時のソ連の威風を再興しようというのは、明らかにまだ夢である。

T-50であるが、実は率直に言って、もしこの機が中国あるいはアメリカの手中にあったら、出た問題は大きくはなくなる。もし一段と力を入れて試験飛行し、充分なデータを収集し、しかる後にさらに投資して新たな原型機を製造し、設計を改修し、問題が解決されるまでさらに試験飛行を継続すればである。問題は、このような「金を湯水のように使う」模式は現在のロシアにはできないということである。金があったら、スホーイー35を何機か多く買う方がいい。

このような方式を用いて問題を解決することができない以上、スホーイ社はやはり継続して手元の4機の原型機を用いてゆっくりとデータを収集し、ゆっくりといかに解決するかを研究し深く討論するしかない。問題解決の自信ができる時まで待って、さらに現有の原型機に改良を行い、かつその効果を試験する‥‥このようになれば、研究開発進度は必然的に非常に大きくスローダウンする。

実はこのような模式に中国は辛い記憶があり、しかもまだ苦しめられている。1969年に初飛行し、1980年にやっと定型に至った殲ー8戦闘機は原型機不足に苦しめられた。殲ー8I戦闘機の研究開発の中ではさらにこれしかなかった原型機が焼けて損傷したことがプロジェクトの1年余りの遅延をもたらした。当然、スホーイ社の能力とレベルをもってすれば、10年の時間は用いずにもう問題は解決できる。もしこうなれば、2020年までにさらに12機のT-50が生産されるが、おそらくこれでもやはり比較的楽観的な数字である。


 私は個人的に現時点でもまだ戦闘機をオリジナルで作った経験の豊富なロシアのT-50の方が殲ー20より早く確実に戦力化される可能性が高いと思っていますがどうなりますかね。
















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