台湾のグレードアップ後のF-16V戦闘機の実力は?

 あくまで中国による評価ですが、F-2の今後のグレードアップの参考にもなるかもしれません。

http://military.china.com/important/11132797/20151022/20610551.html


アメリカが台湾のために研究開発したF-16V戦闘機が初飛行 殲ー10Bを超越と称する

(頑住吉注:原ページのここにある画像のキャプションです。「台湾は現有のF-16のバージョンに対しすでに充分な自信がない」)

アメリカのロッキード・マーティン社は21日声明を発表して、そのF-16戦闘機の最新改良型であるF-16Vはすでに今月16日に初飛行した、と称した。

このF-16V機はAN/APG-83アクティブフェイズドアレイレーダーを装備し、その機体構造は米軍のF-16A/B Block 15型のSLEPグレードアップ方案に照らしてグレードアップされたとされている。この改良型は台湾方面の求めに応じて研究開発されたもので、将来は韓国、シンガポールのF-16C/D戦闘機もAN/APG-83レーダーを使用する可能性がある。AN/APG-83レーダーはアメリカがアラブ首長国連邦向けに販売したAN/APG-80レーダーの簡略化型とされ、その研究開発費用は元々アメリカ、韓国、シンガポール、台湾によって分担されると定められていた。だがシンガポール、韓国、アメリカ空軍が中途で退出したため、台湾メディアはあらゆる費用が実際には全て台湾当局によって支払われる、とする。台湾の現有の140機あまりのF-16A/B戦闘機は58億アメリカドルを費やしてF-16V基準にグレードアップされると見られ、比較すると韓国の150機あまりのF-16C/Dのグレードアップ費用はたった25億アメリカドルである。

10月21日、ロッキード・マーティン社は声明を発表し、最新型F-16V戦闘機はすでに10月16日に初飛行を完成させた、とした。この戦闘機にはノースロップ・グラマン社が研究開発したAN/APG-83型アクティブフェイズドアレイレーダー(AESA)が装備され、このレーダーはまたの名を「Scalable Agile Beam Radar」(SABR)という。

F-16Vの中のVは「VIPER」(注:アメリカ空軍の飛行員はずっと密かにF-16系列戦闘機を「VIPER」とし、一方この機の公式なニックネームは「ファイティングファルコン」である)を表し、この飛行機はコックピットのモニターを更新し、近代化された任務コンピュータ、ファーストイーサネットをベースにした機内ネットワークデータセンター、および多くのその他の新型任務システムを装備する。こうした改良は非常に大きく戦闘機の作戦能力を向上させることができ、もって今後数十年内の戦場環境に適応する。

「今回の飛行はF-16発展史上のマイルストーンである」 ロッキード・マーティン社副総裁で社長のロッド マクリーンは、「新たなF-16V構造タイプは多くの改良を含み、設計の目的はF-16を国際安全領域の前線に置くことを保持し、その世界で最もよく、実戦の検証を経た第4世代戦闘機としての地位を強固にすることである。」と語る。

ロッキード・マーティン社はツイッターでも同時にF-16V戦闘機の簡単な紹介を更新し、その中でF-16Vは全く新しく生産することもできれば、現役のF-16戦闘機をグレードアップすることもできる、と言及している。台湾当局はすでにその145機のF-16 A/B Block 20型戦闘機をF-16V基準にまでグレードアップすることを選択している。

F-16Vの研究開発計画は2012年から開始され、当時アメリカ空軍はF-16グレードアップ計画を提出し、その装備する旧式なF-16 A/B Block 40/42およびBlock 50/52系列戦闘機にグレードアップを行い、新たな電子設備とレーダーの装備によってその一部の性能を最新型のF-16 Block60の水準に近づけようとした。このプロジェクトはすぐに台湾、韓国、シンガポールの注意を引き起こし、米軍に「便乗」することによって自らの手元のF-16初期型をグレードアップするコストを下げることを希望したのである。

しかし、2014年になると、アメリカ空軍は経費の大規模な削減に直面し、F-16戦闘機に対し相対的に簡単な寿命延長グレードアップだけを行うことを決定し、これをSLEPプロジェクトと称し、このプロジェクトはすでにアメリカ空軍の将来何年かの予算の中に入れられ、SLEPプロジェクトは新型レーダーへの更新には関わらない。台湾とアメリカの少なからぬメディアはかつて報道し、米軍は自らのF-16戦闘機のためにAN/APG-83レーダーを装備するつもりがないため、このレーダーの研究開発費用は全部台湾の頭上にのしかかるだろう、とした。だがこの情報は事実確認を経ていない。

(頑住吉注:これより2ページ目)

2015年7月、ノースロップ・グラマン社は、韓国空軍はすでに同社と協議を達成させ、25億アメリカドルを費やして同国の150機のBlock 52型に相当するKF-16戦闘機をF-16Vの基準にまでグレードアップすると言明した。このことは韓国が依然この方案に参与していることを説明し、事実韓国は非常に大きな一部分の経費を負担する可能性がある。

台湾方面の情報によれば、台湾の145機のF-16 Block20型戦闘機グレードアップ費用は約58億アメリカドルで、これは主に台湾のF-16が韓国のそれに比べて古く、レーダーや電子設備取り付けの費用の他、さらに寿命延長グレードアップ、エンジンの交換などの項目に関わる必要があるからである(注:台湾メディアの報道によれば、台湾はその現役のF-16のF100-PW-220型エンジンをF100-PW-229型に交換し、推力を20%前後向上させる可能性がある)。

(頑住吉注:ここにURLありますけど「404 Not Found」です。)

F-16Vプロジェクトは基本的にSLEP方案に照らして寿命延長と一部の設備の更新を行い、さらに新型AN/APG-83レーダーとガラス化コックピットを装備するものと見ることができる。

AN/APG-83レーダーは比較的先進的なアクティブフェイズドアレイレーダーであり、その技術の出所はAN/APG-80レーダーで、これは一部のF-22やF-35のレーダー技術を運用して研究開発されたもので、捜索距離はF-16が元々使用していたAN/APG-68レーダーの2倍に到達し、アラブ首長国連邦に販売されたF-16 BLOCK60に装備された。しかしこのレーダーは非常に高価で、アメリカ空軍でも大量装備できない。現在もう1種しかないAN/APG-80を装備する計画の戦闘機方案はインド向けにかつてセールスされたF-16IN「スーパーバイパー」である。

ロッキード・マーティン社はF-16Vを「最新で、最も先進的なF-16」と称するが、この飛行機の開発の来歴を見てみれば、すぐにそれがアラブ首長国連邦に販売されたF-16 E/F Block 60が高価すぎるがゆえに開発された「ダウングレード」版戦闘機であることが分かり、F-16 E/F Block 60が装備する大推力エンジン、APG-80レーダーなど先進的な設備はF-16Vでは相応の「簡略化版」に変わっている。このためロッキード・マーティン社のこの言い方は商業的手管に過ぎない。

このように「簡略化」された後のF-16Vが某一部の人が吹聴するように「殲ー10Bを横なぎにし、殲ー20に挑戦」できるのか否かに関し、ここではもうくどくど述べる必要はないと信じる。


 考え得る限り最高のものではない、というのは本当かもしれませんが、だからといって殲ー10Bより大幅に強くないとは言えないのでは。


















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