中国は何故「THAAD」をここまで嫌がるのか

 韓国にも納得いかない人が多いようですが。

http://military.china.com/news/568/20170310/30316124_all.html#page_2


THAAD韓国入りの配備位置は非常に特殊 中国の核反撃能力に脅威

米韓が中国の反対をかえりみず、強行して「THAAD」ミサイル防衛システムを配備することは中国民衆の強烈な反対を刺激して引き起こしている。韓国の「朝鮮日報」は9日それにもかかわらず疑問を呈し、日本、ロシアなどの国もこれまで皆中国に照準を合わせた性質を持つ遠距離レーダーを配備しているのに、何故中国は強烈に反対しなかったのか? とした。日本の「外交学者」ウェブサイト8日の報道は今回の「THAAD」韓国進駐がもたらす異なるところを解剖分析した。それが配備するAN/TPY-2レーダーは中国の二次核反撃能力を深刻に削減する可能性がある、と。

「THAADの目」の脅威は最大

「外交学者」ウェブサイトの報道は、北朝鮮から日本海に向け4発のミサイルが一斉に発射された数時間後、アメリカはもう韓国に向け「THAAD」システムを輸送しかつ配備した、とする。中国はアメリカが韓国に「THAAD」を配備することに対し強烈な反対の態度を持っている。「中国はあるいは『THAAD』が本国の二次核打撃能力を削減することを憂慮しているのかもしれない。」

この報道は次のように考える。中国が今回の「THAAD」配備に強烈に反対するのは解放軍のミサイルが「THAAD」によって迎撃されるのを心配しているからだけではない。「THAAD」の当初設計に照らせば、このシステムは来襲する弾道ミサイルの飛行の末端でのみそれに対し迎撃を行うことができる。「中国が韓国に向け弾道ミサイルを発射することを考慮していない限り(頑住吉注:当然韓国軍や在韓米軍を攻撃する想定と準備はしているでしょう)、『THAAD』は中国のミサイル(例えばアメリカに対し核打撃を実施する大陸間弾道ミサイル)に対し何もすることはできない。」

このため「外交学者」は、中国が「THAAD」に反対する根本原因は「THAADの目」と呼ばれるAN/TPY-2レーダー上に集中している、と推測する。中国外交部長の王毅は2月にかつて、このレーダーは「朝鮮半島防御の需要をはるかに超えている」、とした。報道は、これまでの分析の大部分は、このレーダーはアメリカに空前のチャンスを獲得させることになり、中国大陸の縦深のデリケートなミサイル試験や発展状況を近距離で監視できる、と考えていた。だが技術的角度から分析すると、これはまだ中国がこのように「THAAD」韓国入りを警戒する根本原因ではない可能性がある。何故なら韓国に配備される「THAADの目」は決してアメリカのこの地域における初の遠距離レーダーではないからである。アメリカはこれまでに日本にすでに2基の同類型のレーダーを配備している。また、もし現在の最長の見積もりに照らして計算しても、AN/TPY-2レーダーの探知計測距離は3,000kmで、依然中国西北地域のミサイル試験場に深入りした探知計測はできない。アメリカが台湾に設置した「PAVE PAWS」遠距離探知計測レーダー(探知計測距離は最長5,000kmに達し、内モンゴル、シンキョウなどの地をカバーするに足りる)に比べ、韓国に駐屯する「THAAD」システムはアメリカにより強大な中国に対する「窺い見る鏡」を持たせることはない。

中国の二次核打撃能力を削減?

「外国学者」ウェブサイトは、韓国にあるAN/TPY-2レーダーは米中の戦略核力量の安定を打破することになる、と考える。中国は特に「THAAD」システムが韓国に配備されることによって、解放軍の二次核打撃能力が顕著に削減される結果をもたらすことを心配しているのだ、と。

(頑住吉注:原ページのここにある画像のキャプションです。「資料画像:『THAAD』システムのAN/TPY-2レーダー」)

中国は「核兵器先制不使用」を承諾しており、このため核攻撃を受けた後、幸運にも残存した核ミサイルによって二次核打撃を発動する能力が非常に重要となる。「外交学者」ウェブサイトは、中国がもし米ソの核軍備競争に学びたくなければ、限られた大陸間弾道ミサイルがいずれも信頼性をもってアメリカのミサイル防衛システムの迎撃を突破できることを確保するのが必須である、とする。「THAAD」韓国配備前、中国の大陸間弾道ミサイルは発射時主に日本のAN/TPY-2レーダーの探知計測範囲内に暴露した。だがこれはアラスカの米軍陸上基地中段迎撃システムに対しまだ充分にはほど遠いと言える。だが韓国に第3基目のAN/TPY-2が配備された後は、中国の核弾頭に対するアメリカのミサイル防衛システムの識別能力は極めて大きく向上することになり、大陸間弾道ミサイルが放出するデコイはより容易に見破られ、このことは中国の現有の核ミサイルがアメリカのミサイル防衛システムを突破する成功率を低下させることになる。報道は、韓国に配備される「THAADの目」は唯一無二の位置を占めた、とする。韓国の「京郷日報」は、「『THAAD』レーダーの位置は極めて特殊で、あの位置で中国東北を飛行して通過する解放軍のミサイルの弾頭や尾部を見ることができる。」と明らかにした。

「理論的に言って、日本と韓国の間で三角形の配備をなすAN/TPY-2レーダー群はアラスカのアメリカ陸上基地中段迎撃ミサイルのために充分な早期警戒を提供し、もってより良く中国のミサイルを撃墜することになる」。非常に多くの分析は、中国が最近開発する大陸間弾道ミサイルの多弾頭分離誘導技術は不断に増強される防御突破装置に依存し、「北京はあるいは米韓の挙動は解放軍のミサイル防御突破領域における投資を有効に打ち消すことになると考えているのかもしれない。」と考える。

ならば米韓はいかにして中国の憂慮を解消するべきなのか? この報道は、アメリカは「Green Pine」レーダーあるいはその他の性能が似た、だが探知計測距離がより短いレーダーを配備して「THAAD」の迎撃ミサイルを誘導することが完全にできる、と提案する。「韓国が北朝鮮から来るミサイルの脅威に遭うのを免れさせることに対して、『THAAD』のAN/TPY-2レーダーは決して『Green Pine』に比べより良くはなく、AN/TPY-2の探知計測距離は確かに北朝鮮の領土をはるかに超える。」

「THAAD」の脅威を無限に誇大化する必要はない

ある中国の専門家は、「THAAD」システムは間違いなく中国に対し潜在的な安全の脅威を構成するが、無限にこの脅威を誇大化する必要もない、とした。

この専門家は、中国の戦略核力量は質でも量でも、確かにアメリカにはるかに劣るが、「韓国に1基のレーダーが多く配備されると、もう中国の二次核打撃能力が深刻に削減される」と言おうとするなら、今までこうした仮説は全て信頼できるデータの支持がなく、いずれも当て推量の説である、とする。

この専門家は、もし中米関係が「外交学者」が描写するような互いに核ミサイルを発射しようとするような状態に至れば、韓国、日本のAN/TPY-2レーダーはおそらくとっくに存在しなくなっている、とする。その時、韓日の「THAAD」やAN/TPY-2レーダーは必然的に中国の各種力量の事前打撃対象で、中国のこの種の目標に対応する武器の選択肢リストはおよそ1枚の紙を用いては羅列し終わらせ難い。弾道ミサイルの飽和攻撃、電子妨害、電磁パルス弾のソフト殺傷、ステルス実戦機の防御突破攻撃、遠距離巡航ミサイル、航空兵の大規模打撃‥‥こうした装備と戦術の異なるコンビネーションは、中国が「THAAD」システムを有効に破壊できることを確保する。

(頑住吉注:原ページのここにある画像のキャプションです。「資料画像:THAADシステム」)


 なら結果としてそんなに嫌がる必要ないのでは。それと知識ある人には分かるのかもしれませんが、台湾に配備される探知計測距離が最長5,000kmに達する「PAVE PAWS」が「唯一無二の位置を占め」るという「韓国に配備される『THAADの目』」と同じ脅威を及ぼさない理由がこの記述では素人には分かりません。「現在の最長の見積もりに照らして計算しても、AN/TPY-2レーダーの探知計測距離は3,000km」とされており、韓国と台湾の距離はおよそ2,000kmでしょうからね。




















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