中国の先進ヘリ2題

 先日のヘリ展示会に模型などの形で登場した未来のヘリに関する短い記事を2つまとめて紹介します。

http://military.china.com/important/11132797/20130916/18049005.html


中国の先進ヘリ、アバターのようだと賞賛される 解放軍が最強となるのを助ける

(頑住吉注:この記事の画像のキャプションは本文の一部を切り取ったものなので基本的に省略します。)

【グローバルネット総合報道】 イギリスの「週刊ジェーン安全保障業務」ウェブサイト9月6日の報道によれば、中国航空工業集団社傘下の中航工業ヘリ研究所ウェブサイトは最近研究開発中の3つのプロジェクトの詳細情報を発表し、その中で映画「アバター」の中に出てきたような先進的ヘリの概念を挙げた。

文章は、「藍鯨」回転翼機は4つのティルトローター構造を採用し、搭載荷20トン、時速538km、作戦半径815kmだとする。この機は垂直離着陸能力を持ち、かつエンジンが機能を失った状況下で予備配電装置を持つ(頑住吉注:短距離ならバッテリーでローターを回して緊急着陸できる、ということですかね)。このヘリは複合材料による製造を採用し、先進的な光(頑住吉注:ファイバーによる?)動力飛行コントロールシステムを持ち、さらに「スマート」航空電子システムは飛行員の作業量減少の助けになる。

報道は、このヘリは人に今はすでにあまり見られないアメリカのベル社とボーイング社が合同研究開発したV-44ティルトローター機を想起させる、とする。これはサイズがC-130固定翼輸送機に相当し、固定翼機のように飛行もできるし、また垂直離着陸能力も持つ回転翼機である。後にアメリカ陸軍が実施する未来作戦システムと共に、この研究開発プロジェクトへの愛着は徐々に失われ、最終的に2009年に取り消された。

中航工業ヘリ研究所が発表した第2のプロジェクトはK800垂直離着陸無人機である。このプロジェクトは未来の高速ヘリの研究開発に着眼したものである。K800の離着陸重量は800kgに達し、設計上の速度は時速450kmである。

この研究所が発表した第3のプロジェクトは「クリーンエネルギーヘリ」の概念で、この垂直離着陸無人機は先進的なリチウムイオン電池を使用することになる。

文章は、中国の先進回転翼機研究開発プロジェクトは、中国人民解放軍陸軍の航空兵力を世界で技術が最も先進的な作戦部隊の1つにする可能性が高い、と考える。

(頑住吉注:5ページ目)新概念高速ヘリ、「絶影-8」

(頑住吉注:6ページ目)「絶影-8」無人飛行機は中航工業ヘリ所が研究開発中の新概念高速ヘリで、レイアウト上共通軸ダブルローター+前部の牽引プロペラという形式を採用する。

(頑住吉注:7ページ目)「絶影-8」無人飛行機は戦場偵察、攻撃、パトロール、航空写真撮影など多種の軍用、民間用任務執行能力を持つ。


http://military.china.com/important/11132797/20130915/18048469.html


香港メディア、中国が世界最速ヘリを作る、とする 航行速度は米軍のオスプレイを40%超える

南華朝刊:中国が世界最速ヘリを作る

香港の新聞は、過去10年のうちに中国は初の空母を就役させ、初の宇宙飛行士たちを宇宙に送り込み、しかも非常に多くの先進国をうらやましがらせる高速鉄道を建造した、とする。中国の技術者や科学者たちのこうした成就の非常に多くは、他国が開発した技術の改造や応用によって取得されたものである。現在、彼らは世界最速のヘリを製造することによって全く新しい天地を切り開くことを希望している。

香港の「南華朝刊」ウェブサイトは9月13日、このうち最も意気込みにあふれたものは4つの回転翼を持つヘリ「藍鯨」で、これは中国ヘリ設計研究所の研究プロジェクトである、と指摘する。この研究所の言によれば、4つの回転翼を水平位置から垂直位置に回転させることによって、このヘリの飛行速度は時速700kmに到達することが望める。世界最速のティルトローター機になり、ボーイング社のV-22「オスプレイ」よりさらに40%速い。

研究開発人員は、「藍鯨」の巡航速度は時速538kmで、20トンの貨物を搭載でき、1回の給油で3,100km飛べる、とする。その実用上昇限度は8,615mで、これも「オスプレイ」を超える。

報道は、現在多数の通常ヘリの飛行速度は時速200kmを超えるべきではなく、一定の速度を超えるとローターブレード間の気流がヘリがバランスを失う結果をもたらし、さらにエンジンと機械部分に巨大な圧力が作り出され、その故障あるいは破壊がもたらされる可能性がある、とする。

(頑住吉注:これより2ページ目)

何十年か前から、ヘリの設計者たちは非常に多くの方法でこの速度の限界を打破することを試みた。例えばボーイング社のCH-47「チヌーク」ヘリの2つの回転翼はその回転方向が逆であり、もって相互に相手方の作り出す乱流を打ち消す。一方試験的性質のユーロコプター社のX-3には1つの通常の回転翼があり、その他に固定翼上にさらに2つの推進回転翼がある。6月にその飛行速度は時速486kmに到達した。

「藍鯨」のようなティルトローター機は固定翼上に回転翼コンパートメントを装備する(短艙と称する)。回転翼が水平位置にある時は揚力を提供し、機が空中を飛行している時は回転翼は垂直状態にあり、推力を提供する。

報道は、中国政府は本国の高速ヘリプロジェクトのために非常に大きな支持を提供しており、これは中国人民解放軍がより近代化された、機動性もより強い軍隊を作り出す計画と密接に関連している、と指摘する。

だが、中国のヘリ設計研究所が5年の期間内に機能が完備された「藍鯨」原型機を製造できるか否かに疑いを持つ人もいる。4ローター設計は独特の問題に直面し、その中の最も主要なものは、いかにして飛行過程で前の回転翼が後ろの回転翼にもたらす乱流を打ち消すかである。

業界には、中国が通常ヘリ領域でも依然力を尽くして先進国を追いかけているという時に、高速ヘリを開発する必要があるのか? との疑いを持つ人もいる。

報道は、中国のあまり先進的でない国産ヘリは海抜の高い地域で飛行できない、とする。こういう時に「藍鯨」が重要な作用を発揮する。だが、中国ヘリ設計研究所は、「藍鯨」研究開発は主に軍事目的に用いる、としている。


 前進翼の殲ー20艦載バージョンの想像図のように、ちょっと浮かれすぎの感はどうしても否めません。しかし先先を読んで研究開発に力を入れるのは大事なことですし、無人機のように成功している分野もあります。また意図しているかどうかはともかく、「オスプレイよりはるかに高速で搭載量の多いヘリがあと5年で登場!」と吹かすことによって、大金がかかるオスプレイの導入を検討しているどこかの国にその価値があるのかと不安を抱かせる効果もあるでしょうね。


















戻るボタン