韓国、無人機武装ヘリを装備へ

 そういえば武装無人機は大いに活躍していますが武装無人ヘリはあまり一般的ではないようですね。

http://www.hinews.cn/news/system/2015/11/06/017916345.shtml


韓国の多種の武装無人機が明るみに アパッチとの協同作戦が可能

10月20日午前、ソウル国際航空宇宙および安全保障業務展(ADEX 2015)が京畿道城南市に位置するソウル空港で開幕し、多くの国から来た軍用機や先端武器が続々登場し、アメリカ空軍のF-22戦闘機が初めてアジア太平洋地域で目もくらむばかりの超機動性を公開でデモンストレーションした。ホストとして韓国空軍はKF-16、F-15K、FA-50など多種の現役装備を展示し、著名な「黒鷹」特技飛行デモンストレーション隊は8機編隊をもって空中で腕前を見せた。屋内展示区では、大韓航空社が技術導入によって研究開発したKUS-VH無人ヘリが初めて明るみに出、すぐに外界の関心を引き起こした。

ボーイングの技術を参考にする

KUS-VHは「大韓航空無人操縦システム-ヘリ」の英語の略で、就役してすでに久しいMD500ヘリを基礎に改装されたものである。1976年には早くも、大韓航空社の航空宇宙事業部(KAL-ASD)はアメリカのヒューズヘリ社のライセンスに照らしてMD500ヘリの製造を開始し、その後10年間およそ500機のMD500ヘリを生産し、韓国飛行機輸出の先鞭を付けた。これと同時に、KAL-ASD社は相次いで韓国陸軍に向け180機のMD500ヘリを重要な陸軍航空隊装備として引き渡した。

月日が流れてゆくにつれ、当時生産されたMD500ヘリはすでに日増しに老化し、元々あった作戦能力が充分に発揮できなくなり、徐々に退役状態に近づいた。近年来KAL-ASD社はボーイング社の「リトルバード」ヘリに対する無人化研究と試験作業に関心を注ぐに至り、そこでこの方式を参照し、またカギとなる重要技術を導入して本国のMD500ヘリを改装し、快速で効果の高いルートにより、機隊の任務執行能力を拡大し、古い装備の再生を極力求めることを考慮した。

改装の商機を探し求めるため、KAL-ASD社はわざわざボーイング社が研究開発した無人操縦原型機のために輸送サービスを提供し、本国で現場におけるデモンストレーションを行った。2012年12月13日、韓国国防省当局者は韓国の忠清南道論山陸軍航空学校においてその目でH-6U「無人リトルバード」(ULB)の飛行デモンストレーションを目撃した。当日午後、この無人ヘリは陸軍航空学校の滑走路から離陸し、周辺上空を25分間自主飛行した後安全に着陸し、成熟した無人操縦能力をはっきり示した。

H-6U無人ヘリはMD500を基礎に発展した完全自主無人操縦型で、自動操縦装置、無人機通信システムなどを配備し、改装コストが低くまた維持保護がしやすい特徴を持つ。この機は出色の垂直離着陸能力に頼り、非常に強い機動性と柔軟性を持ち、情報、監視、偵察(ISR)などの任務執行に用いることができる。

伝統的なヘリと異なり、H-6Uは無人操縦飛行が行え、さらに一部人為コントロールあるいは完全手動操縦方式の飛行が採用できる。こまでに、この無人機はすでにISR、貨物輸送など多項目の陸上基地任務試験を完成させ、かつ2012年夏には海上着艦試験を行った。アメリカとフランスが行ったデモンストレーションの中で、H-6U無人ヘリは行進中の艦船上で何度もの自主発着を完成させた。

改装作業始動

KUS-VHプロジェクトの始動は韓国がAH-64E武装ヘリを導入する契機を充分に利用した。2013年4月17日、韓国国防省は第66回防衛事業促進委員会会議で、36機のボーイング社が生産したAH-64E武装ヘリを購入し、韓国陸軍の大型攻撃プラットフォームとして、現役装備が老化して出現した空白を埋め、したがって北朝鮮装甲部隊が韓国のソウル地域に対しもたらす「脅威」に有効に対応するよう決定した。

現在韓国陸軍は全部で175機の現役MD500ヘリを装備しており、このうち130機は偵察任務に用いられ、その他の45機は軽攻撃任務を担い、BGM-71「TOW」式対戦車ミサイルを配備する。計画によれば、韓国陸軍がAH-64Eヘリを受領した後、この中の一部分のMD500ヘリは続々退役する。このため、KAL-ASD社にはボーイング社と協力し、無人化改装により、韓国陸軍のためにもう1種の選択を提供し、古い装備の危険な環境下での任務執行能力を充分に発揮させる意志がある。

韓国がAH-64E武装ヘリを購入する工業の埋め合わせとして、ボーイング社とKAL-ASD社は当時行ったソウル航空展で了解の覚え書きに署名し、韓国陸軍の一部のMD500ヘリを無人ヘリに改良することにした。ボーイング社は、この了解の覚え書きはH-6U無人ヘリの技術を採用し、韓国の使用にも提供できるし、無人機プラットフォーム構築を助けることもできる、とする。2014年夏、ボーイング社のH-6Uプロジェクトを担当する一部分の研究開発人員は韓国に到着し、KAL-ASD社のMD500改装作業実施を援助した。ボーイング社がKUS-VHプロジェクトのために広範な技術的支持を提供したことが見て取れる。

改装過程の中でKAL-ASD社はMD500ヘリ上の本来あった有人操縦システムを取り外し、無人操縦に必要とされる先進航空電子設備やセンサーを追加装備した。KUS-VHの1つの主要な改良箇所は、本来の後部座席の位置に大型燃料タンクを追加したことで、KAL-ASD社は航空展で、この措置はその航続時間を4時間にまで増加させ、一方MD500ヘリの航続時間は2時間しかない、とした。

H-6U無人ヘリが有人操縦模式を選択可能なのとは異なり、KUS-VHは完全無人操縦模式を採用することになり、その発展の考え方の筋道はノースロップ・グラマン社が研究開発するMQ-8C「ファイアスカウト」に似ている。現場で展示されたサンプル機からは、本来の操縦室の窓部分がいずれも黒色に塗装されていることが見て取れ、今後の大量生産時には完全に密封されることになる。

KUS-VHの実物大模型は機首の下に光電子/赤外線センサーを装備している。もう1つの異なるところは、この機がより多く無人操縦攻撃プラットフォームの役割を演じることにあり、その機体左側には70mmロケット弾を装備したロケット吊り下げポッド1つが取り付けられ、機体右側には発射架が1つ取り付けられ、2発のAGM-118「ヘルファイア」空対地ミサイルが搭載できる。

飛行試験を準備

今回の航空展で、KAL-ASD社はKUS-VH無人機システムは飛行員を必要とせず、このため相対的に低い使用コストを持ち、比較的高いコストパフォーマンスを持ち、しかも比較的多数の無人ヘリが装備できる、とした。この機は単独使用あるいは有人操縦武装ヘリとの協同ができる。衝突の発生時、この機はいくつかの比較的危険な環境内の目標の攻撃に用いることができる。

設計によれば、それぞれのKUS-VH部隊は2〜4機の無人ヘリとセンサー設備、地上コントロールシステム、地上保障システムを配備する。構想によれば、KUS-VHの任務にはISR、攻撃、空中投下、海岸の警戒、上陸支援などが含まれ、さらに応急作戦プラットフォームとしてAH-64Eヘリが支援できる。

現在KAL-ASD社は2機のKUS-VH原型機を研究開発しており、2016年に初飛行を実現し、その後韓国陸軍のために検証を実施すると見られる。計画によれば、飛行試験は今後2年内に3つの段階に分けて実施され、第1段階では無人ヘリの基本飛行性能試験に関心が注がれ、第2段階では計画の中の各項目の模擬任務が含まれることになり、最後の段階では重点的に武器投下・発射能力がテストされる。

現在韓国国防省はまだこのプラットフォームの正式な需要を発表していないが、韓国陸軍の今後10年内に続々と退役するおよそ200機のMD500ヘリを考慮すれば、KAL-ASDはKUS-VH改装のために退役装備を充分に利用する有効なルートを提供することになる、とする。韓国政府は2016年末あるいは2017年初め、無人操縦武装航路護衛ヘリの入札募集に関する要求を正式に提出すると見られる。

またKAL-ASD社は今回の航空展の中でさらにKUS-FT戦術無人機システムを展示し、主にISRや目標キャッチなどの任務を執行する。これは初の航行適正鑑定を獲得した韓国無人機システムで、4機の無人機、1台の発射カタパルト、回収システム、地上コントロールステーション、保障ステーションからなり、すでに韓国陸軍および海兵隊で就役している。だが具体的な数は不詳である。(温傑)


 日本の技術をもってすれば、同時にスタートして同等の資金を投じ同等の規模で開発すれば中国にも韓国にも決して負けない、というかたぶん大きく上回る無人機が作れたはずだと思いますが、現実には多くの途上国以下になってしまっているのが残念です。

















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