新型の運ー30中型輸送機

 まだ模型しか公開されていないのに注目度が高いようです。

http://military.china.com/topic/vision/11138177/20141216/19112978.html


「新中運」、解放軍戦術空輸のラッパを鳴らす

導入の言葉:運ー30輸送機は2014年珠海航空展で明るみに出た最新型輸送機である。この機は模型の外観から見て4発のターボプロップ中型輸送機である。運ー30の模型の出現は、中国軍上層部が軍用機の製造と解放軍の戦略機動性の向上にどんどん関心を注いでいることを表している。

(頑住吉注:原ページのここにある画像のキャプションです。「中航工業は、『新中運を展示した目的は、国内外に運ー9輸送機と研究開発中の大型輸送機の間を介するプラットフォームに対し興味を感じる人がいるかいないかを見てみることだ』とする。」)

イギリスの「週刊ジェーン安全保障業務」ウェブサイトは少し前ある文章を掲載し、題名は「中国航空展2014:中航工業、新たな中型輸送機を展示」で、ここで指しているのは中航工業が先月の珠海航空展で初公開した新概念中型輸送機である。イギリス人の眼中では「新たな中型輸送機」(略称「新中運」)(頑住吉注:中国語で輸送機は「運輸機」)はエアバス安全保障業務・航空宇宙社のA400M多用途輸送機にすこぶる似ており、同様に4台のターボプロップエンジンと6枚羽のプロペラを採用しているが、現在依然新中運が実際の研究開発状態にあるのか否か確定できない。注意を必要とするのは、中航工業が「我々が新中運を展示した目的は、国内外に運ー9輸送機と研究開発中の大型輸送機の間を介するプラットフォームに対し興味を感じる人がいるかいないかを見てみることだ」としていることで、その中からは新中運プロジェクトが輸出に傾く可能性があることが見て取れる。もし運ー9プラットフォームと運ー20との間にギャップがあることを考慮するならば、このため新中運は我が軍のまた1機種の主力輸送機となることも有望である。

(頑住吉注:原ページのここにある画像のキャプションです。「『新中運』は中航工業輸送機展示台の後方に位置し、そばにはさらに数種の輸送機の1/20サイズの模型がある」)

中航工業の「ダークホース」

「新中運」プロジェクトが外界に知られたのは2014年珠海航空展からで、中航工業輸送機展示台の上には我が軍が装備する各種輸送機の模型がいっぱいに並べられていた。展示台のまさに中央にあったのは皆が注目する運ー20「鯤鵬」大型輸送機で、西安飛行機工業(集団)有限会社によって研究開発され、縮尺は1/8で、機体前部には非常に目立つ20001のコードナンバーがあった。運ー20の実物は今回の航空展に何度も出現し、かつ飛行デモンストレーションを行い、今運ー20の画像はすでにどこでも見られるものとなってもいる。運ー20のデビューは非常に目を引くが、中航工業輸送機展示台のダークホースは隅に身を隠した機体のコードナンバー8316の「新中運」であり、ある噂はこのプラットフォームのコードナンバーは運ー30かもしれない、とする。

「新中運」は中航工業輸送機展示台の後方に位置し、そばにはさらに数種の輸送機の1/20サイズの模型があった。例えば中航工業陜西飛行機工業(集団)有限会社の運ー9輸送機で、さらには野戦迷彩塗装の運ー8C輸送機があった。運ー9は運ー8の拡大版で、その原型はソ連時代のアントノフ設計局が研究開発したアントノフー12である。外観から見て、「新中運」は輸送機の主流である高翼単葉、T字型尾翼の構造を採用しており、動力装置は4台のターボプロップエンジンで、こうしたディテールから「新中運」は最大離陸重量が運ー20より軽いが、運ー8系列戦術輸送機よりは重い戦術輸送機に属すはずである、と初歩的に推測できる。離陸重量は「新中運」が運ー20の低ランクのパートナー(頑住吉注:ハイローミックスのローの方)となり、主に戦術空輸を執行することが有望であるとも決定づける。

(頑住吉注:原ページのここにある画像のキャプションです。「『新中運』の全体性能は米軍のC-130輸送機を超え、現在主流の中型輸送機の範疇に到達する」)

「新中運」はヨーロッパのA400M輸送機をもって模範とする

我が軍の中型輸送機の更新世代交代の作業はずっと推進中であり、現在戦術空輸任務は主に運ー8系列に任されている。運ー8は我が国で装備数最多の中型多用途輸送機で、この系列は半世紀の風雨の過程を経てきた。1968年航空工業部が運ー8輸送機の研究開発任務を下達して以来、運ー8はすでに多種のタイプを発展させ、例えば運ー8Aはブラックホークヘリを搭載でき、また運ー8Jレーダー早期警戒機、運ー8X海上哨戒機などの各種プラットフォームである。さらに運ー8を基礎に研究開発された運ー9プラットフォーム、高新6号、KJ-200などがあり、この出自がアントノフの手による戦術輸送プラットフォームに中国でまた第2の春を迎え、膨大な運ー8ファミリーを形成させた。

運ー8は就役期間が比較的長いプラットフォームで、何度も改良を経ているが、それでも更新世代交代の問題に直面しようとしている。早い時期の設計理念はすでに新しい時期の軍隊の軍事装備に対する要求に適応できない。特にいくつかの航空強国が続々と新世代の中型輸送機の試験飛行、装備を開始している。例えばヨーロッパのA400M輸送機、日本の川崎重工社のXC-2、ブラジルのEmbraer航空工業社が研究開発するC-390輸送機、およびロシアとインドが合同研究開発するMTA輸送機などであり、このため新世代戦術輸送機の研究開発は必然でもある。

(頑住吉注:これより2ページ目)

現在中航工業は「新中運」に関し詳細な資料を公開しておらず、模型とスポークスマンのいくつかの説明しかない。「新中運」の基本パラメータに対し外界にはまだ確実なデータがないが、我々は模型の縮尺によってその基本的な状況を推測できる。「新中運」の寸法、サイズはそばの運ー8Cに比べやや大きいようだが、機体の長さはやや短く、いささか太くて丸みを帯びているのが目立つ。運ー8に取って代わるという位置付けの戦術空輸プラットフォームとして、「新中運」の離陸重量は80〜100トンである可能性があり、上限はヨーロッパのA400M輸送機を参考にできる。運ー8プラットフォームの輸送搭載能力は20トンで、中型輸送機の中で小さめのクラスに属するので、「新中運」の輸送搭載能力としてはより強大な輸送搭載能力、より長い航続距離、より優秀な野戦飛行場降着能力を持ち、全体性能は米軍のC-130輸送機を超え、現在主流の中型輸送機の範疇に到達することが必要で、例えばヨーロッパのA400M輸送機である。

現在主流の中型輸送機の研究開発状況からも「新中運」のいくつかの性能を窺い見ることができる。日本のXC-2の最大輸送搭載能力は30トンに達し、最大離陸重量は140トンを超える。ヨーロッパのA400M輸送機の輸送搭載能力は20〜37トンで、最大離陸重量はやはり140トンに達し得る。ロシアとインドが合同研究開発する中型輸送機の輸送搭載能力も20トン級に達し得、この中から「新中運」は輸送搭載能力において25トンから30トンの範疇に統制できるとも推測できる。新たなプラットフォームはより強力な動力を必要とし、現在運ー8と運ー9プラットフォームが使用する改良型ウォジャン6(頑住吉注:日本語ない漢字が使われ「ターボプロップ」の意)エンジンはポテンシャルの掘り起こしがすでに最大化に近づいており、「新中運」が20トン以上の輸送搭載能力とずば抜けた飛行品質を獲得しようとすれば、より大きな推力のターボプロップエンジンを必要とし、出力は7,000馬力を超え得るが、ヨーロッパのA400Mが使用するPT400-D6エンジンに比べると依然いささかの遜色があるだろう。

(頑住吉注:原ページのここにある画像のキャプションです。「ヨーロッパのA400Mの貨物室の幅は4mで、装輪式戦闘車両やヘリなどの装備の搭載の上でより柔軟であることが目立つ」)

ZBD-09歩兵戦闘車と武装ヘリが空輸できる

戦術空輸は強大な武装力量が快速配備および作戦を実現する重要な支えであり、米軍は湾岸戦争の中で60万の作戦人員のために後方勤務保障を提供し、1日平均の補給能力は数千トンだった。戦術輸送機の空輸能力は戦略輸送機に及ばないが、煩雑な前線補給任務が担える。米軍のC-130は戦術輸送機の中の模範と称するに堪え、極めて強い野戦能力を持つ。全く疑いなく「新中運」はC-130を全面的に追い越す対象に列することになり、飛行の品質の上でC-130を超えるだけでなく、より重要なのはより強大な戦術空輸能力を持つことである。戦術空輸能力向上の重要なカギはその貨物室のスペースにあり、「新中運」の模型からは、その機体の直径が運ー8Cに比べ一回り大きいようだということが見て取れ、このことは「新中運」は運ー8Cが空輸できない装備の空輸を実現できることを意味している。

真っ先に挙げられるのはZBD-09歩兵戦闘車だろう。この車両はすでに各種口径の火砲を搭載した装輪式戦闘車両ファミリーを派生させている。注意に値するのはZBD-09歩兵戦闘車の全体重量が21トン、全幅3mだということで、一方運ー8Cの貨物室の幅も3mであり、明らかに運ー8Cは新時代の戦術空輸任務という任に堪えない。これは「新中運」が存在する必要性の1つでもある。比較すると、ヨーロッパのA400Mの貨物室の幅は4mで、装輪式戦闘車両やヘリなどの装備の搭載の上でより柔軟であることが目立つ。「新中運」第2の空輸対象は我が軍の新型武装ヘリである。米軍がC-130を使用して「ブラックホーク」を輸送し前線の作戦を支援したことは人に深い印象を残した。我が軍の運ー8も「ブラックホーク」ヘリを輸送したことがあり、武直ー10、武直ー19および10トン級汎用ヘリの相次ぐお目見えと共に、「新中運」の戦術任務の1つは武装ヘリを前線まで輸送し、陸軍航空部隊の快速配備を実現することなのである。

飛行品質という角度から見ると、「新中運」は超低空飛行での空中投下技能を持つことが有望で、米軍のC-130のそれが持つ戦術的価値はすでに言わずとも明らかである。A400M輸送機は5mに満たない地面に張り付くような飛行高度で作戦装備が空中投下でき、作戦部隊の快速反応能力を非常に大きく増強した。航空電子技術に長足の進歩がある我が国航空工業に関して言えば、「新中運」は野戦生存能力および信頼性の上でいずれにも比較的大きな突破があるだろう。全液晶スクリーンの設計、先進的な飛行コントロールは飛行員が空中投下を行う時の飛行の安全を向上する助けになる。これは先進戦術輸送機が持つことを必要とする基本性能でもある。


 「新中運を展示した目的は、国内外に運ー9輸送機と研究開発中の大型輸送機の間を介するプラットフォームに対し興味を感じる人がいるかいないかを見てみることだ」というのを素直に解釈すれば、模型を展示してみて興味を感じる人が多そうなら開発するし少なそうなら止める、という意味と思われ、まだ本格的な開発には入っていないはずですが、確かにこのクラスの輸送機の需要は中国軍にもありそうで、実現可能性は高いかもしれません。
















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