中国国産空母をめぐる6つの問題 その2

 続きです。

http://military.china.com/important/11132797/20170426/30461423_all.html#page_2


見える改良の他、さらに少なからぬ一般の人には容易に発見できない小改良も国産空母の作戦効能を重大に改変することになる。機格納庫を例にすると、機格納庫がより多くの艦載機を搭載できるか否かは空母の戦闘力水準を決定する。国産空母は設計過程の中で、ロシア製空母の時代の発展に符合しない設計を取り去り、さらに一歩機格納庫の面積を拡大した可能性が高い。同時に、衛星画像から見て、新たな空母の艦橋の寸法は遼寧艦に比べ少なからず短縮され、こうした設計上の小規模な調整は発進区域、着艦区域、駐機区域の面積をいずれも一定程度増加させ、このことは搭載機の数および実戦機の出動効率の大幅向上をもたらすことになる。

駐機区域の面積が増加すると、甲板上で出動を待つ実戦機の数が増加し、出動効率がさらに一歩増加するだろう。同時に、空母のスキージャンプ甲板の角度の調整により、弾薬搭載量と燃料搭載量をより多くさせ、単一の機の作戦能力が向上する。空母専門家である李傑の見積もりの計算によれば、この変化は空母艦載戦闘機の搭載数を8〜10機、甚だしきに至ってはさらに多く増加させる可能性がある。遼寧艦に比べ、国産空母の戦闘力向上は少なくとも3割以上かもしれない。

国産空母の意義はどこにある?

少し前アメリカの新世代原子力空母の航海試験が外界の広範な関心を引き起こした。アメリカが研究開発した新型原子力空母に比べ、中国初の国産空母は何故見たところ技術性能が決して最新の空母技術の発展方向を代表しない遼寧艦の「姉妹艦」を建造しようとしたのか? この種の「重複」にどれだけ大きな意義があるのか?

この重複の意義は非常に大きい。インド海軍を例にすると、インド海軍が空母を持つおよび使用する歴史は中国軍に比べはるかにより長いが、インドが国産空母「ヴィクラント」号を研究開発する時間は十年あまりの長きに達し、今に至るも依然就役しておらず、建造を請け負うコーチン造船工場の見積もりによれば、2023年になるのを要してやっとインド海軍に引き渡すことができる。

(頑住吉注:原ページのここにある画像のキャプションです。「インドの『ヴィクラント』号空母」)

李傑は次のように言う。中国には空母を建造する完備された図面もなければ、空母を設計した経験もなく、さらに大型戦闘艦を建造する方面の工程人員が欠乏し、このため国産空母は設計から、部品の生産加工、それぞれの分段の組立、建造プロセスなどあらゆる方面を最初から開始する必要があった。遼寧艦を基礎に「重複」して1隻の国産空母を建造することは、中国が空母というこの巨大システムの設計、建造の全過程をよく飲み込むのを助けることができる。

これより、中国は自らのワンセットの空母建造図面、設計方案およびコンピュータ上のデータモデルを持つ。

現在全世界で、真に自らに頼って中型、大型空母建造の全過程を完成させることができるのは、アメリカ、イギリス、フランスなど少数のいくつかの国しかないことでもあり、ロシアを含め現在まだ独立してこの過程を完成させる能力はない。

李傑は、「しゃがむのはより高くジャンプするためだ」と強調する。中国初の国産空母の建造は単純な重複ではなく、中国が空母建造プロセスの中で落とした何十年の必修課目の補習である。この過程は非常に豊富で、詳細正確なデータバンクを構築したし、さらには大型主戦艦艇を設計建造する人材の「黄埔軍校」(頑住吉注:民国時代に孫文が作った陸軍士官学校。ここではエリート養成学校くらいの意味でしょう)を作り出した。こうした全ては中国が第2隻目、第3隻目の空母を建造する技術的起点を極めて大きく高めることになる。

さらに重要なのは、初の国産空母就役後、中国初の真の意味での作戦任務を執行する空母となることである。中国は率先してアジアで2つの中大型空母戦闘群を持つ国となる。その時が来たら、2大空母がそれぞれ1つは北、1つは南の2大空母基地に配備され、かつ東海、南海などホットなポイントたる海域に対し定期巡航、海上演習訓練を行い、あるいはいくつかの非戦争軍事任務を行うかもしれない。

李傑は、その時中国空母は応用がより柔軟で、戦法戦術もより多様さを加え、単一の空母艦隊がパトロールに出ることもできれば、同時に2つの空母艦隊をいずれも同一海域に派遣して任務を執行させることもでき、例えば南海である、と考える。

何故我々は低調が必須か?

ある外国メディアは次のように言う。001A型空母はアメリカの「ニミッツ」あるいは「フォード」級とではまだ相当に大きな隔たりがあるが、イギリスの「クイーンエリザベス」級やフランスの「ドゴール」号に比べれば戦闘力はむしろやや勝っている可能性がある。一方ロシアの「クズネツォフ」号とインドの「ヴィクラント」号と比べると、より大きく勝っている。

李傑は、この種の「賞賛」に直面し、きっと冷静である必要がある、と提案する。フランスの「ドゴール」号はトン数は4万トン前後しかないが、それは原子力動力システム、カタパルト発進方式を採用し、さらに固定翼早期警戒機を装備する。しかも搭載する「ラファール」戦闘機は第3世代半戦闘機と評価すべきで、このため001Aはまだライバルと単純な比較は行えない。イギリスの「クイーンエリザベス」級空母はトン数は中国空母に近く、やはり通常動力、スキージャンプ甲板による発進を使用しているが、将来それはF-35戦闘機を採用するだろう。技術方面の他、さらには英仏ロなどの海軍強国の空母応用方面の歴史的蓄積を見る必要がある。結局のところよそ様はすでにあんなにも長年使っており、しかも何度もの空母の実戦経験がある。

国産空母進水は、中国空母建設の第一歩でしかない。「いたずらに尊大にもなるな、さらにはいたずらに自分を卑下するな」、これこそ客観、冷静に中国空母の発展を扱う有益な態度かもしれない。

国産空母というこの堅実な段階があり、中国空母の発展は持続的に向上するだろう。李傑は、次の一歩で、中国はトン数がより大きく、ステルス性がより良く、カタパルト技術を採用した空母を自主的に設計、建造する可能性があり、さらに次の一歩では電磁カタパルトシステムを採用し、レールガンなどの新概念武器を装備する可能性がある、とする。

中国海軍出身の馬偉明院士はかつて言った。「中国の電磁カタパルト技術はアメリカに負けず、甚だしきに至ってはさらに先進的である」。この角度から見て、中国は空母を持続的に発展させささえすれば、英仏を超越するのは時間の問題である。10年後の中国の原子力空母はアメリカの「フォード」級と力比べをし、中米の空母はオセアニア、インド洋で邂逅し、共に甲板上でバスケットボールの試合をし、互いに見学してちょっと学習する、これも決して単なる中国人の勝手な想像ではない。


 少し楽観的過ぎる気はしますが今の流れで行けば大筋そうなるかなという感じは確かにします。その時日本はどういう立場になっているでしょうかね。
















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