NASA、中国の科学者の国際会議からの締め出しを撤回、謝罪

 「NASAによる中国人締め出しに科学者が反発?」のその後に関する記事です。

http://military.china.com/news/568/20131020/18099015.html


NASA、中国の科学者のシンポジウム参加禁止につき謝罪のメールを連発

「国家の安全」を理由とする6名の中国の学者の科学会議参加拒絶に関しては、すでに会議参加申請の改めての評価が開始されている

10月5日、NASAは国家の安全を理由に11月4日から8日にカリフォルニア州エイムズ研究センターで開催が決まっている第2回ケプラー科学会議への中国の科学者の参加を禁止した、と明らかにされ一部の有名な天文学者のこの会議に対するボイコットを引き起こした。

今回拒絶された6名の中国の科学者の1人である謝基偉は「法制晩報」記者に、自分は昨日午前会議主催サイドからのメールを受け取り、それは彼らが会議参加申請に対し改めての評価を行っているところであるとし、かつこの前の拒絶事件に対し謝意を表明していた、と教えた。

エール大学天文学教授デボラ フィッシャーも法制晩報の記者に、どんどん多くなる科学者の抗議ゆえに、NASAはすでに元々の決策を改変しており、この会議はすでに改めてあらゆる科学者に向け開放されている、と教えた。北京天文館館長朱進は、事件はおそらく中国の航空宇宙領域の進歩と関連があり、NASAは明らかにアメリカの個別の政治家によってぶれさせられている、と考える。

講述:中国の科学者

アメリカ、かつて外国籍の学者を拒絶 意外にもまだ転機が起き得た


謝基偉はカナダのトロント大学で天文学博士号を取得した直後で帰国を検討しており、母校の南京大学で職に就くことを計画している。彼は法制晩報記者に向け、NASAのエームズ研究センターが開催する第2回ケプラー科学大会は、興味を持ってさえいれば参加申請ができるのだ、と説明する。「申請者は一般にいくつかの国内外の大学の研究者だ。」 彼は、アメリカ本土の申請者と比べると、外国籍の申請者が提出する資料にいくつかパスポート、ビザなどの身分証明が含まれているだけだ、と語る。

主催者サイドが発した拒絶のメールを受け取った時、謝基偉は決して非常に不思議だとは感じなかった。彼はこれを「予想していたことだ」と語る。このため彼は決して主催者サイドに連絡を取って拒絶された原因を質問することはなかった。彼は、中国の学者は国外で間違いなく一部の制限を受けており、特に天文、通信など先端科学領域ではそうで、これはその技術が軍事工業領域に用いることができると考えられているからで、こうした制限はよりはっきりしてきている、と考える。

彼を不思議に感じさせたのは逆に、あんなにも多くの業界の有名な科学者がNASAの行為に対しボイコットを発起し、また事情にこのような転機が起きたことである。「以前にも外国籍の学者がアメリカのいくつかの会議によって拒絶された状況があったが、中国の科学者のようにこんな関心を集めることは決してなかった。」

回答:エールの師

エール大学天文学教授デボラ フィッシャーの実験室の中の中国国籍の博士号を持った研究者王吉も拒絶された6名の中国国籍科学者の1人である。

今年年初に開催された第221回アメリカ天文学年会において、エール大学、オックスフォード大学の「惑星ハンター」プロジェクトグループは15の居住に適した巨大惑星を発見したと宣言したが、王吉は関連の論文の第1の作者である。王吉は本来この団体と一緒にこの時行われた天文学会議で同業者たちに向け彼の研究成果を報告するはずだった。だが、彼は国籍問題ゆえに会議への参加を拒絶された。

王吉が拒絶されたことを知った後、王吉の師であるフィッシャー教授は直ちに委員会に向けメールを発して原因を質問した。相手方は、NASAはいくつかの特定の国の科学者がその施設に入ることを禁止している、と説明した。

王吉はフィッシャーの見るところでは天分ある学者であり、ずっとケプラーデータの分析と研究に力を尽くしてきた。「彼はまるで我々の親兄弟と同じだ。もし彼が参加できないのなら、我々のチームのあらゆるメンバーは今回の会議に参加することはない。」 王吉が拒絶された原因を知った後、フィッシャーは直ちに自らの会への参加計画を取り消した。その後、チーム全てのメンバーがボイコットの行列に加入した。

だがフィッシャーは決してNASAの今回の挙動が差別視に関わっているとは考えておらず、安全条項の下での「誤爆」だと考えている。彼女は、今回の問題の重要なカギは、主催者サイドが今回の会議の地点をNASA所属の建築物内に選択したことにある、と考える。何故ならこのようにすればいかなるコストも費やす必要がないからだ。だが彼らはアメリカの法律の制限により、会議の地点をここに選択することが中国国籍、甚だしきに至ってはその他の国の科学者に影響を生じさせるとは意識していなかったのだ、と。

(頑住吉注:これより2ページ目)

最後にフィッシャーは記者に、全世界から来る科学者が自由に科学会議に参加することは科学研究に対し非常に重要だ、と教えた。「私は今回の会議が改めてあらゆる人に対して解放されたことを喜んでいる。」と彼女は語る。

事件の進展

ある「禁令」が引き起こした大きなもめ事は謝基偉が予測しなかっただけでなく、世論からの圧力はさらにこの禁令の「言い出しっぺ」である議員フランク ウルフとNASAを処置が間に合わない状態にさせた。そこでウルフは10月8日にそのウェブサイトで、NASA長官チャールズ ボールデンにあてた公開のメールを発表し、率先して責任をNASAに押しつけた。

世論の圧力の下で、10月10日、ボールデンは現状が「人をして遺憾に感じさせる」ものであると表明した。彼はすでにNASAに中国の科学者から来た会議参加申請を評価し、かつアメリカ政府が「停止」した後(頑住吉注:例の予算問題です)、直ちに彼らと連絡を取って、彼らが再度申請を行うのを許すことができるか否か検討するよう指示している。

北京時間17日夜、アメリカ政府は16日を隔てて再始動した。18日朝、謝基偉は連続して2通の会議主催者サイドからのメールを受け取った。第1のメールは大会組織委員会が朝5時30分に発したもので、組織委員会はメールの中で次のように書いていた。「政府が再始動したため、我々は大変喜ばしいことに、あなたに大会が原計画通り行われることを通知します。我々は楽観的にあらゆる外国の応募者が大会開始前に評価をパスできると見込んでいます。評価がパスし次第我々はすぐにあなたに向け通知を発します。」

3時間後、謝基偉はもう1通の大会組織委員会連合主席、科学委員会メンバーのドーエン ゲリノーからのメールを受け取り、彼は謝基偉が何週間か前に受け取った、大会が発した拒絶のメールに対し謝意を表明していた。「我々は非常に喜ばしくもあなたに、あなたの会議参加拒絶の決定がすでに撤回され、現在あなたの申請が改めて審査、評価されているところであることを通知します。私はあなたが我々と共にこの会議に参加できることを希望します。」 ドーエンはメールの中でこのように書いていた。

別の解釈

今回科学大会主催者サイドが中国国籍科学者を閉め出したことに対する説明は、安全に関する考慮から出たことだ、というものだった。だが北京天文館館長朱進は、「これはたぶん中国の近年における航空宇宙領域の進歩と関係がある。」と考える。この点に関しては、謝基偉も同意を表明する。

朱進は法制晩報の記者のインタビューを受けた時、天文学は実は最も国境のない科学であり、中米の天文学者の間にはずっと非常に良好な交流と協力がある、とした。「この事はやはりアメリカの個別の政治家がアメリカ政府をぶれさせて起きたことに違いない。」と彼は言う。

一方これまで今回の会議ボイコットに参加した少なからぬ著名な科学者も同様の視点を持っている。「南方都市報」の報道によれば、ケプラー大会科学委員会連席主席ブーズ アレンは、ケプラー大会は科学者たちの自由、公開して科研成果の交流を行うことを奨励するものであり、この国籍に基づいて排除を行う性質の法規は開放的な科学研究にマイナス面の影響をもたらした、と考える。「公衆はきっぱりと意見を表明し、当局にああした『不必要』な禁令を緩めるよう促すべきである。」

近年ノーベル賞の有力候補と考えられているカリフォルニア州バークレー大学の天文学教授ジェフ マーシーも明確に、「今回の会議が主に討論するのは数兆マイル離れた惑星であり、いわゆる国家の安全には全く関わらない。」とする。彼は会議組織者にあてたメールの中で、「この禁令は完全に恥ずべき不道徳なものだ。私の良識から、私はこの種の蔑視の性質を持った会議に参加することはできない。」とした。


 この問題は非常に難しい問題を含んでいますが、ともあれ中国は科学者を送り込むことができるようになり、他の国の科学者が拒絶された時にはこんな大騒ぎにならなかったのに今回こんなことになったのは中国の影響力が大きいからだ、アメリカが拒絶しようとしたのは中国の宇宙領域の急速な進歩に焦りを感じているからだ、と誇り、さらに今回のことは一部の悪い政治家がアメリカ政府を動かしたに過ぎない、と余裕まで見せ、完全勝利と言っていいでしょう。




















戻るボタン