解放軍少将、プーチンを評する

 ロシア国内で支持率が上がっているプーチンですが、中国でも「プーチンの強硬さに学べ」という声が高まっています。

http://military.china.com/important/11132797/20140528/18528911.html


専門家:ロシア、中国の拡張を恐れる 中国に販売する武器はいつも10年余りの優勢を留保

(頑住吉注:原ページのここにある画像のキャプションです。「解放軍のスホーイー27戦闘機(資料画像)」)

王海運少将特別インタビュー

プーチン、中国と手を携えることが必須であり、それでやっとロシアの復興が実現できることを非常に深く感じる


グローバル時報:プーチンというこの指導者の中国に対する態度をいかに認識されていますか?

王海運:プーチンは中ロ関係の積極的推進者で、彼は中国と全面的協力パートナーシップを発展させることを希望しています。プーチンは中国と手を携えることが必須であり、それでやっとロシアの大国としての地位を安定させ、ロシアの復興が実現できるのだと非常に深く感じています。しかも、プーチンは中国が急速に発展するチャンスを利用し、アジア太平洋地域のスピードの速いバスに乗る必要があり、中国と協力を強化するしかなく、この点を彼は非常にはっきり分かっています。この方面から、プーチンの対中国関係回帰は良いことです。

プーチンの個性、特徴は我々にとっても良いことです。プーチンは思い切って物事を行い、それに責任を負う大国の指導者であり、危険な状況の中で勝利を得ることに長けています。こうした特徴はいずれも我々が賞賛し、また学ぶに値するものです。結局のところロシアは何百年もの世界の大国であり、かつては両極構造の中のスーパー大国で、大国のゲームをプレイすることに関して我々よりずっと爛熟しています。我々が学ぶ必要のあるものは非常に多く、我々は謙虚である必要があります。

ですが話を戻して、プーチンの中国に対する疑念は依然存在しています。彼は何年か前に話をした時、いくつかの問題を提示したことがあります。これは主に中国の移民問題、中ロ貿易構造の不均衡問題、中国の拡大の中央アジアに対する影響の問題です。こうした問題は確かに存在していますが、彼は深刻に見過ぎており、しかも自身に原因を探したことは全くありません。ロシアは中国という勃興する存在に対し不適応で、問題を憂慮しています。両国の地位の転換、過去の小さな弟が今日の兄貴に変わったこと、過去の貧しい国が富める国に変わったことに不適応で、彼は中国に行って援助を探し求める必要がありますが、心の中では非常に苦しく、ねたましいのです。おそらくこの種の心理はまだ相当長い一定の時間持続するでしょう。何年か前、ロシア人は中国が発展してきていることを認めたがりませんでしたが、現在は認めています。ですが今度はまた中国の発展が速すぎると心配しています。強大化する中国はロシアに対し脅威を構成するのか否かに関し、彼には確かな見通しがありません。彼らの中国に対する見方はある時にはあまり客観的ではありません。当然、主要な原因は彼らの中国に対する理解に限りがあり、理解が深まるにつれていくつかの奇説怪論はある程度変わる可能性があるでしょう。

2005年、私は「グローバル時報」上に「ロシアは中国に矛盾した扱いをしている」との文章を発表し、これはロシアの対中国戦略思想を語ったものでした。これは「看重、借重、懐疑、防範」という8文字です。看重とは、中国が自分で自分を見るよりさらによく見ようとするもので、中国は大変だ、世界一になろうとしている、ということです。借重とは、中国の助けを借りてロシアの戦略的目的を達成することが必須だと強調することで、これは中国と協力連携しようとすることを意味しています。懐疑とは、中国がその他の大国と共にロシアをのけものにすることを心配し、中国が発展してくると、以後ロシアに対し領土要求を提出するだろうことを心配し、中国がロシアに対し人口拡張を行い、ロシアを中国の経済的属国に変えることを心配する、というものです。防範とは、中国が将来ロシアに対し脅威を構成することを避ける、ということです。ロシアが中国に売る軍事技術装備は、いつも10〜15年の技術的優勢を留保しようとしています。軍事演習、軍事力配備でもまだ中国に照準を合わせた成分があります。このため、中ロが軍事的相互信頼を建立することは非常に重要です。我々がこの方面でしていることはまだ非常に小さく、大きな力を入れて強化することが必要です。中ロが合同軍事演習をすることは非常に良いことです。ですが単に軍事演習だけではまだ不十分で、さらにより多く軍事戦略的意志疎通を行うべきです。アメリカの戦略的抑止に対応する問題の上で、中ロは互いに「両雄並び立つ」を勝ち取り、相互にコンビネーションするべきです。対日闘争の問題の上では、ロシアが「どちらの側に立つか選択せず」の消極的やり方を改変するよう力を入れて促し、対日統一戦線を組成することを勝ち取るべきです。軍事技術領域では、戦略的大型プロジェクトの協力を展開するべきです。

つまり、錯綜し複雑な国際的形勢の下で、プーチンが権力を握っていること、思い切って事を行いそれに責任を負うという大国であることは、中国の戦略的パートナーとして非常に重要です。ですがプーチンがまず考慮するのはロシアの国益であり、プーチンが中国のために大きな犠牲を払うことをひたすら当てにすることはできません。(インタビュー、整理:王京涛 ジャイヤーフェイ)

(頑住吉注:2ページ目)中国空軍のイリューシンー76大型輸送機

(頑住吉注:3ページ目)解放軍のスホーイー30戦闘機

(頑住吉注:4ページ目)ロシアから購入した現代級駆逐艦

(頑住吉注:5ページ目)解放軍のS-300防空システム

(頑住吉注:6ページ目)キロ級通常潜水艦

(頑住吉注:7ページ目)中ロのスホーイー35に関する談判はまだ進行中である

(頑住吉注:8ページ目)ラダ級通常潜水艦


http://military.china.com/important/11132797/20140528/18528443.html


少将:プーチンが中国のために大きな犠牲を払うことをひたすら当てにすることはできない

(頑住吉注:原ページのここにある画像のキャプションです。「王海運少将(画像)はかつて中国駐ロシア大使館の武官の任にあった。ロシアに対しては深入りした研究がある。」)

王海運少将特別インタビューシリーズその4 プーチンが中国のために大きな犠牲を払うことをひたすら当てにすることはできない

グローバルネット:プーチンは我が国のインターネット上で多くのファンを勝ち取っていますが、あなたはいかにこの人物をいかに評価しますか?

王海運:私のプーチンに対する評価は次の通りです。

第1に、プーチンには強烈な使命感があります。彼にはある名言があります。すなわち、「私に20年くれ。そうすればあなたに強大なロシアをやろう」で、強国の理念が言葉にみなぎっています。これはピョートル大帝の言葉で、彼の抱負はいわば「第2のピョートル大帝」になることです。

第2に、彼には強烈な大国意識があります。彼はロシアが地域国家であると思ったことは全くなく、弱くはなってもやはり世界の大国であり、やはり世界の大国としての影響力を発揮する必要もあるのだと思っています。彼の目標はロシアを多極化した世界の中で重大な影響力を持った世界クラス力量の中心に作り上げることです。

第3に、彼には大国の領袖としての胆力と意志があります。あえて責任を負い、あえて手を出し、あえて引き受けるのです。これは非常に学ぶに値します。何故ならこうしてこそ国家の硬軟の実力をうまく用いることができ、それでこそより多くの国益を勝ち取ることができるからです。

第4に、彼は超越的に高い大国のゲームの技巧を持っています。硬であるべきなら硬、軟であるべきなら軟と、「四両で千斤を動かす」ことに長けています。彼のウクライナ問題でのパフォーマンスはまさにこうで、まず西側の大国の策動が原因でウクライナが劇的に変化して受け身に陥りましたが、クリミア問題で一手に出、すぐに形勢を逆転し、アメリカなど西側がかえって受け身に陥りました。

第5に、彼には雄々しさがあり、一人前の男としての個性があります。ロシアの非常に多くの女性は「嫁ぐならプーチンのような人に」と言っており、これは彼に対する崇拝です。彼が話をするスタイルも非常に鋭いものです。

要するに、プーチンは民族主義者で、ロシアの利益のために戦っています。他の方面では、プーチンは限りある国家の実力をもって大国関係をテコを使って動かし、その国力の数倍の大国としての影響を生じさせています。一定の程度上、これは西側の愚かなやり方が彼にチャンスを与えたのでもありますが。


同時に、プーチンは完全無欠にはほど遠く、ロシアが極端な民族性の路線を好んで行くことは、彼の身上にも突出した現れがあります。ある時には間違いなく人に無鉄砲、あえて死にものぐるいでやる印象を与えます。このようにすることのメリットは「隘路で行き会えば勇者が勝つ」ですが、もたらされる危害もある時には小さくないのです。あなたは凄い、皆があなたを避ける、となったらあなたは孤立しませんか?

(頑住吉注:これより2ページ目。画像のキャプションは「中ロが戦略的パートナーとなることは、両国の国益の方向性が同じであることの自然の結果である。だが王海運少将は、ロシアサイドは中ロが同盟を結成することを非常に期待している、と語る。」です。)

もう1点あり、プーチンの性格はややせっかちで、ある時には功を焦ります。例えば何年か前、彼は2010年に経済を倍増させるという目標を提出しましたが、実は全く不可能でした。このように高い目標の提出は必然的に経済的決策のミスをもたらします。プーチンがロシアを強大な国にすることを急ぐのは理解できますが、効果はある時には反対の結果になります。

「ユーラシア連合」はソ連あるいは帝政ロシアの復刻版ではない

グローバルネット:プーチンの最終目標はロシアをどんな程度まで持って行くことなのですか?

王海運:彼の目標は非常に明確です。それは強国強軍、強大なロシアの建設です。

プーチンがロシアのために設定した目標は世界の一大力量の中心となることです。実現するルートには全面近代化戦略の提出、東部地域の開発、アジア太平洋地域の経済発展の利用、急速な発展の実現の他、地縁戦略上は「ユーラシア連合」建設の計画をも提出しており、もって独立国家共同体構成国をまとめ、ロシアを核心とし、ロシアが主導する地縁政治力量を建立するのです。当然、ユーラシア連合が将来もし超国家連合体となっても、ソ連の復刻版となることはなく、帝政ロシアの復刻版となることもなく、最大であり得るのは主権国家の連盟です。

主権国家が統一した中央と地方の関係を形成することはあり得ません。各主体の経済的関係はより密接になり得ますが、政治上の独立性ではカザフスタンでもベラルーシでも大きな譲歩をすることはあり得ず、これは譲れない最低ラインです。カザフスタンは素晴らしく発展し、外交の計画も非常に成功し、「大国のバランスがとれれば、多方が利益を獲得する」という外交戦略の運用が非常に柔軟です。同国がユーラシア連合に加入する勢いは必然で、同時に同国は中国との関係の発展も非常に重視しています。何故なら中国は同国の最大の貿易パートナーだからです。同国は西側諸国とも協力関係を発展させ、西側の大国が同国を非難することはごく少ないのです。

ロシアがもし過去のソ連あるいは帝政ロシアを作ろうとしたら、成功することはあり得ません。何故なら時代が変わっているからです。各大国が容認することはなく、独立国家共同体構成国は主権が独立した地位を非常に重視しています。ですがロシアを核心とする一体化されたメカニズムを構築するのにはやはり希望があります。道は非常に困難かもしれません。何故ならロシアがこうした小国を平等に扱うことは非常に難しく、ロシアのこうした国に対する輸血能力も非常に限られているからです。

(頑住吉注:3ページ目)プーチンの個性は鮮明で、彼の一連の行動の核心は全てロシアの国益の維持保護にある。

(頑住吉注:4ページ目)画像は2013年6月、オバマとプーチンのG8サミットの期間の会談。

(頑住吉注:5ページ目)画像は今回の中ロ東海軍事演習の中での、海上の人質救出合同演習。

(頑住吉注:6ページ目)画像は今回の中ロ東海軍事演習の中での、ロシアの「ワリヤーグ」号巡洋艦の副砲の対空射撃

(頑住吉注:7ページ目)画像は今回の中ロ東海軍事演習の中での、中ロ艦艇の合同防空演習

(頑住吉注:8ページ目)画像は今回の中ロ東海軍事演習の中での、ロシアの「ワリヤーグ」号巡洋艦の主砲の海上目標に対する射撃。


 プーチンはあるいはスターリン以来最も重要なソ連・ロシア指導者になるかもしれません。評価がプラス、マイナスいずれの方向になるかは不明ですが。中ロが「対日統一戦線を組成する」ことはロシアにとってメリットがなさそうで、現状では考えにくいと思われますが、欧米との関係の推移によっては全くあり得なくもないですかね。
















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