中国の運搬ロケットのレベルは

 これも全国政治協商委員がインタビューに答えた、という体裁の記事です。

http://military.china.com/news/568/20140303/18371192.html


梁小虹:中国の運搬ロケット技術は依然アメリカ、ロシア、ヨーロッパおよび日本に立ち後れている

(頑住吉注:原ページのここにある画像のキャプションです。「試験中の長征5号のロケットエンジン(中新ネットの画像」)

中国の運搬ロケットはどのようにして世界に比肩するか?

新華ネット北京3月3日電(記者 任沁沁 王敏) 「中国の運搬ロケットは国家の平和的宇宙開発、利用実現の前提および基礎であるが、世界の航空宇宙強国と比べるとまだ小さくない隔たりがある。」

少し前のある航空宇宙発展内部会議で、全国政治協商委員、航空宇宙科学技術集団中国運搬ロケット技術研究院党委員会書記の梁小虹はこの話題に言及し、会議に出席する科研業務者を深く考えさせた。

事実、1970年4月24日に長征一号運搬ロケットが成功裏に東方紅一号衛星を発射して以来2013年末まで、中国の長征系列運搬ロケットはすでに188回の発射を実施し、成功率は95%以上に達する。産業化時代に足を踏み入れた長征ロケットは、無数の中国人の誇りになりつつある。

「何故今日隔たりを見る必要があるのか?」 梁小虹は3日新華社記者の特別インタビューを受けた時このように語った。中国の航空宇宙は大国から強国に向かって邁進しているが、ロケット強国の使命は我々世代の人に頼って完成される必要があり、「ならば、我々の視野はより広げられる必要があるのであって、過去の成就の上に陶酔していてはならない。」

運搬能力の隔たりは大きい 大型ロケットは「任重くして満ち遠し」

中国の運搬能力は国際的な主流レベルとでは依然隔たりがある。梁小虹は一連のデータを列挙した。大、中型運搬ロケットはいずれも基本的に運搬能力の向上を実現している。アメリカ、ロシア、ヨーロッパのLEO(地球に近い軌道)への運搬能力はいずれも20トン以上に到達済みで、日本も15トンを超えている。GTO(静止衛星軌道)への運搬能力では、アメリカは13トンに到達し、ヨーロッパは12トンに到達し、ロシアは6トンを超え、日本も8トンに到達している。中国の現役運搬ロケットのLEOへの運搬能力は0.3〜9.5トンをカバーし、GTOへの運搬能力は1.5〜5.5トンをカバーする。

「中国は新世代運搬ロケットの研究開発によってLEOへの運搬能力を25トンまで向上させ、GTOへの運搬能力を14トンまで向上させ、国外の主流運搬ロケットの水準と対等になる。」と梁小虹は明らかにする。

運搬ロケットの工業化で依然隔たりがある

近年来、中国の運搬ロケットの工業化には一定の発展があった。だが、梁小虹は次のように指摘する。運搬ロケットの全体的設計レベルの工業化がまだ不充分で、システム組成と設計が相対的に複雑で、コスト、加工、進度、環境保護の総合的考慮が欠け、運搬ロケット工業総体に対する推進、牽引が不足である。基礎工業体系の支えが充分完備しておらず、運搬ロケットの大規模生産が制約を受け、設計、加工プロセスはまだ簡略化を必要とする。運搬ロケットの現有の研究開発模式はまだ基本的に、任務の需要を満たすことを目標とした少量試作の模式にとどまっている。

一方旧ソ連は完備された工業体系に支えられ、設計と加工の2つの方面からプロセスを簡略化し、真に運搬ロケットの工業化された規模の生産を実現した。

困難に挑戦するため、中国運搬ロケット技術研究院は運搬ロケット「百発工程」を身の丈に合わせて作り出し、長征系列運搬ロケットを産業化時代に進入させた。これは中国初の機種をまたいだ運搬ロケット複数の生産投入工程で、長征二号丙、長征二号F、長征三号甲系列のロケットに関わる。

梁小虹は、「多レール平行」の管理模式を通じ、単一機種の縦向きの資源配置、生産組織から、多機種横向き同歩調の資源の統一的計画配案、手配、バランスある生産に発展変化し、さらに一歩運搬ロケット複数機種生産能力を向上させ、製品技術の経済的統一を促進する、とする。

2013年から始まるこれからの8年、中国は一回性の100発ロケット生産組織計画をキャリアとし、市場化の運営模式をもって、全要素、全過程を統一的に計画配案し、資材を用意し、ロットに分けて生産に投入し、順序立てて引き渡し、即時の発射サービスを行う。

梁小虹は、これは現有の生産模式の生産量に関するボトルネックを有効に解決し、数量の集合から大量への発展変化を完成させ、運搬ロケットの大規模生産を実現させることになる、と指摘する。

隔たりはすなわち動力

運搬ロケット技術はある国の宇宙活動能力を計る重要な印であり、世界のそれぞれの航空宇宙強国はいずれも運搬ロケット技術の発展を非常に重視している。

「隔たりはすなわち動力であり、不足を認識するには追いつき追い越す勇気と行動が必要である。」 梁小虹は指摘する。中国が航空宇宙の「大」から「強」への発展変化を実現するには、ロケットの性能、質、コスト、サービス上の隔たりを縮小し、大きな力を入れて低コスト、反応の早い運搬ロケット、大型運搬ロケット、重複使用運搬器および先進上面級(頑住吉注:ロケットの2段目、3段目のことらしいです)を発展させる他、より深層レベルから言えば、さらに隔たりの背後の体制、メカニズム、文化、人材などの問題を解決し、社会化された分業と専業化の協力を用い、「不為所有,但為所用」(頑住吉注:検索すると「〜の原則」という形で無数にヒットしますが意味を説明したページは全く見つかりません。「ある」ためにではなく「用いる」ために、といった意味かと思いますが)を用い、ウィンウィンの理念を実現し、運搬ロケットの進歩を推し動かす必要がある。

梁小虹は、唯一こうしてこそ中国のロケットはやっと世界主流のロケット、先進ロケットの行列に身を置き、中国の航空宇宙は強国に向け邁進する歩みをやっと加速できるのである、と語る。


 体制や背後にいろいろ問題はあるようですが確かに成功率95%以上は凄いなと思います。



























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