リバレーター フレア プロジェクター .45
http://www.waffeninfo.net/waff_liberator.php

(頑住吉注:この銃に関するページは2ページに渡っており、1ページ目にはまず右側面の画像があり、続いてテクニカルデータが示されています。)

開発者 Inland Manufacturing Division, General Motors Corporation (オハイオ州)
口径 .45ACP
全長 140mm
全高 117mm
銃身長 100mm
重量 0.49kg
ライフリング なし
機能 シングルローダー

(頑住吉注:ページの下にある「HIER GEHT ES WEITER」をクリックすると次のページが表示され、一番上には上から見た画像があります。 http://www.waffeninfo.net/waff_liberator_02.php )

開発と歴史
 アメリカ合衆国は第二次大戦中に100万挺、単発の「リバレーター」を製造した。軍はこの銃を「フレア プロジェクター キャリバー.45」(照明ピストル)としてカムフラージュした。このため「FP-45」と略された。この銃の目標はヨーロッパにおける占領された地域に投下し、抵抗戦士たちに敵の武装を手にする可能性を与えることだった。「FP-45」は1942年にオハイオ州Daytonの「Inland Manufacturing Division, General Motors Corporation」で設計された。このプロジェクトは終了までにたった6カ月しか要しなかった。この普通でない銃はインディアナ州Andersonの「Guide Lamp Division」(General Motors Corporation)において300名の労働者たちによってたった11週のうちに製造された。このため計算によれば製造に要した時間はたった6,652,800秒となる。この迅速な大量生産はプレス部品の使用によって可能となった。このため製造コストも1挺2.10ドルという低いレベルに留まった。開発中この大量生産を秘匿することが試みられた。重要な部品に他の名称を与えることによってである。ファイアリングピンはコントロールロッドとされ、トリガーはヨーク、トリガーガードはスパンナー、バレルはチューブと改名された。

(頑住吉注:原ページにはここに、グリップ下部のプレート状の蓋を除去した状態の画像があります)

技術および操作
 この銃はひっくるめて正確に23個の個別部品からなっている。全ての部品は単純で製造に都合が良かった。バレルはライフリングさえ持たず、スムーズだった。ピストル弾薬.45ACPが発射されたが、スムーズバレルのため最大でもたった8mまでしか効果的でなく、たった3mまでしか精度がなかった。弾丸は安定されず、何mも進まないうちにふらつき始めた。このためそもそもリバレーターは最も不正確な手持ち火器に属する。スムーズバレルはバレル内面におけるすり合わせが非常に正確でなければならないという欠点を持つ。さもないとバレルがわずかに狭すぎる場合、極度のガス圧が銃を破裂させ、あるいはバレルがぎりぎり広すぎる場合ガス圧は弾丸のために
使われず追い抜くことになる。弾薬、バレルの製造公差、そして極端な気候の際の温度による膨張もスムーズバレルの場合やっかいである。しかしこの銃はC.I.P.に対して30%高いガス圧の試射に耐えた(頑住吉注:「C.I.P.」とは何なのか説明がなく不明ですが、文脈上標準的な圧力の弾薬より30%高い強装弾による発射テストに耐えた、というような意味だろうと思います)。

 この銃は製造され、全部で10発の弾薬(全てグリップ内に収納された)および1本の木の棒とともにロウでコーティングされた紙箱内に梱包された。このとき射手にこの銃がいかに機能するかを12の段階で説明した図による取り扱い説明書も同封された。
 装填のためにはハンマーを後方に引き、左に回してひっかける。その後プレートを上に引かなくてはならない。これによりバレルはフリーになり、1発の弾薬を入れることができる。プレートを再び下へ圧し、ハンマーを元のポジションに戻す。これで発射準備状態である。発射後、ハンマーとプレートを再びオープンにしなくてはならない。その後木の棒で空薬莢を押し出すことができる。その後になって初めて新しい弾薬が装填できる。この装填経過は約10秒続く。
 オリジナルの取り扱い説明書には一種の透かしがあり、ない場合は偽物である。

使用
 生産終了後、この銃はOSS(Office of Strategic Services 第二次大戦中の第1の情報機関であり、CIAの前身)に引き渡された。残念ながらこの銃の正確な使用に関する文書は存在しない。2、3万挺がフランスに投下されたとされるが、他の参考文献は全く少ない数を挙げている。だが大部分は中国、フィリピンの日本に占領されていた地域に投下された。
 占領地の部隊に対する士気上の効果は、この銃が持つ火力より効果的であったと推測される。この銃は前線での使用が可能なようにコンセプトづけられてはおらず、敵に忍び寄り、殺し、そしてその銃を奪う抵抗戦士たちに拾い上げられることが意図された。占領地域内に投下された多数の銃が、占領軍兵士の士気に悪影響を及ぼすことが期待された。しかしこの銃が軍の構成員に支給されることは決してなかったのである。

 もう1つのさらなる興味深いピストルが「ディア ガン」である。これは1960年代の始めにCIA用に開発されたもので、リバレーターの後継者である。この銃は9mmルガーを発射し、3発の弾薬をグリップ内に収納できる(頑住吉注: http://home.pacbell.net/rlhag65/dgun.html )。
 戦後たいていのリバレーターピストルは破壊されたが、一部はコレクターの間で取引され、良いコンディションのものは2、3百ドルから1,500ドルの値がついている。

(頑住吉注:原ページにはここに、コッキングピースを引いてひねった状態の画像があります。)


 この銃に関しては皆さんよくご存知でしょうし、さほど目新しい情報はありませんが、画像はネット上にはあまり見られないほど鮮明で細部がよく分かります。コレクター向けの記述と思われますが、イラストのみによる取扱説明書に透かしがあったというのは知りませんでした。また、スムーズバレルにはライフリングのあるバレルより精度が要求されるという記述もちょっと意外な印象です。


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