アメリカの日本批判を過大評価するな

 「チャンスだ」という論調を戒める記事です。

http://military.china.com/news/568/20140219/18349013.html


香港メディア:米日の亀裂は大きくない 中国は理性的にアメリカの日本批判を取り扱うべき

第二次大戦の戦勝国として、アメリカは当然日本の歴史問題における翻案(頑住吉注:中国語では覆すといった意味で、ここでは歴史認識を根底から変更することを指しています)に対し不快だが、日本軍国主義が復活しつつあるとの視点にアメリカが賛同することはない。アメリカが日本をちょっとこらしめるのは何故かと言えば、その主要な考慮はやはり日韓関係の心配であって、中国の反応ではない。

中新ネット2月18日電 香港の「南華朝刊」中文ネット18日掲載の文は、アメリカはその盟友である日本に対し、靖国神社などの問題上不満を表明しているが、米日関係の亀裂は想像するように大きくはなく、アメリカの反応はまさしく、日本を含む東アジアの同盟体系を強固なものにするというアメリカの企図を反映しているのであって、日本の軍国主義の勃興を心配しているのではない、ということを中国ははっきり認識すべきである、と指摘した。

文章を以下のように要約する。

安倍の靖国神社参拝以来、中韓などの国が日本に対し激烈な批判を行っただけでなく、日本の忠実な盟友アメリカの心にも不満が生じている。アメリカ政府は安倍参拝後「失望」を公然と表明しただけでなく、今回ケリーの東アジア訪問でも日本を飛び越えてこれに含めなかった。

中国にとって、これは疑いなくアメリカと連合して日本を孤立させる良いチャンスである。国際社会の上で世論攻勢を発動することによって一定程度上、自らが東海防空識別圏を宣言した後の外交局面をも逆転させた。

だが中国は、歴史問題に対する認識ではなく、国家利益こそが国家の行為を決定する最も主要な要素である、ということをはっきり認識することも必須である。米日には多くの重要な戦略的問題の上で利益の一致が存在し、両国にもし靖国神社参拝問題の上で食い違いが生じても、この種の食い違いは絶対に中国人が期待するように大きくはない。

米日両国の最も根本的な戦略的利益の一致は、中国の勃興に対しバランスを取るというところから来る。アメリカは現在の全世界の覇権であり、一方中国はアメリカの覇権に最も挑戦する可能性がある国と考えられており、いかにして中国の勃興がもたらす影響とバランスを取るか、これがアメリカの戦略の中の根本的問題である。そして日本はアメリカによって、中国とバランスを取る最も有利な武器と考えられている。

日本は特にその経済総量が中国によって超越された後、焦慮が疑いなくより突出し、アメリカとの連盟を求めており、これが日本の最も現実的で有力な選択なのである。米日両国はこれにより根本的利益の一致を得ている。

第二次大戦の戦勝国として、アメリカは当然日本の歴史問題の上での翻案に対し不快だが、日本軍国主義が復活しつつあるとの視点にアメリカが賛同することはない。

アメリカから見て、日本は主にやはり成功裏の改造を経た「民主国家」であり、日本は内心から、および現実、いずれからも自らの輝かしい歴史の「業績」を否認したくない。しかも、もし日本に本当に軍国主義に回帰する可能性があっても、それは比較的長期の未来に発生するのであって、一方中国の勃興とバランスを取るのは、アメリカが現在早急に必要とする戦略的任務なのである。

アメリカが日本をちょっとこらしめる、その主要な考慮はやはり日韓関係への心配であって、中国の反応ではない。日韓はいずれもアメリカの同盟国で、いずれもアメリカの東アジアにおける戦略の支柱である。もし両国が不和だと、アメリカの東アジアにおける同盟体系に重大な亀裂が発生し、またこの種の不和は中国の勃興のためにより大きな空間を提供し、しかも中国をこの機を借りて争い得ない地域の指導者とさせるだろう。そしてこれこそアメリカが真に心配するところである。まさにこのために、ケリーは韓国訪問時積極的に韓日の矛盾に言及し、かつ「オバマ大統領があの一歩(韓日の矛盾に対し仲裁を行うことを指す)を必要とする程度までに状況が発展するのを座視することはできない。」と直言したのである。

当然、アメリカは中日関係の急速な悪化が、アメリカが巻き込まれることを望まない大国の衝突を引き起すこと、および中国の北朝鮮核問題における作用の発揮に影響することも心配するが、これらはいずれもアメリカが利益と政策の天秤の上で日本側でなく中国に偏向することを示すわけではない。

このため、アメリカの今回の日本批判に対し、中国には一人で得意になる理由はない。米日の亀裂は想像するように大きくはなく、アメリカの反応はまさに、日本を含む東アジア同盟体系を強固なものにするというアメリカの企図を反映しているのであって、日本の軍国主義の勃興を心配しているのではない。中国は国際的に継続して日本の間違った歴史観を批判し、道義上および世論上の主導権を勝ち取るべきであるが、アメリカの反応に対し高すぎる期待を持ってはならない。(李開盛)


 中国人に読ませるための文章ですけど、非常に冷静かつ論理的で、日本の一部にある「動揺」を鎮めるにも役立ちそうな感じがします。


















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