インドの戦略弾道ミサイル

 日本では比較的注目度の低いテーマだと思いますが、当然間接的に日本にも影響してくる問題でしょう。

http://military.china.com/important/11132797/20150202/19269442.html


インド、2年半で烈火-6ミサイルを作り出すことを欲する 1:40の弾径比、世界を震撼させる

(頑住吉注:原ページのここにある動画のキャプションです。「インド、成功裏に烈火-5ミサイルを試射 射程は中国全土をカバーし得る」 なおキャプションは過去の記事の流用のようで、一部情報が古いようです。)

世界最大の武器輸入国であるインドは同様に武器装備の研究開発を重視している。歴代の政府はいずれも国防工業の自主化推進に力を入れ、特に去年ナルンディラ モーディがインド首相を担当して以来、大きな力を入れて「インドでの製造」を推進し、政策上本土の軍事工業企業に対する支持に入れる力の度合いを強化し、武器装備が輸入に頼る局面からの離脱を極力図っている。モーディ政権の壮大な計画は今後10から12年で、少なくとも半分の武器装備の国内生産を実現するというものである。この政策の刺激の下に、2015年はインドが自ら研究開発する装備が急速に発展する1年となり、一連の「スター装備」、例えば「コルカタ」号駆逐艦、「アリハント」号原潜、AIPシステムを装備したスコルペヌ級通常道力潜水艦、「テジャス」軽戦闘機、「Akash」地対空ミサイル、将来歩兵戦闘車、「烈火」系列ミサイルなどが製造、改良、就役を加速することになる。この中で最も関心を注ぐに値するのは、インドの未来の「核の棍棒」と呼ばれる「烈火-6」大陸間弾道ミサイルである。

烈火雄心 不断に発展する烈火ファミリー

1983年7月、インドは膨大な「総合ミサイル発展計画」を制定し、その中にはもう中距離弾道ミサイルが含まれていた。インドはそれをAgni(烈火)と命名し、Agniとはインドのヴェーダ教とバラモン教の中の双頭の神で、国家の祭祀の火と戦争の火を司り、強大な破壊力を持つ。この名前からはインドのこのミサイルに対する重視ぶりが見て取れる。

先進的なソフトウェア技術と計測制御技術のおかげで、1999年4月に「烈火」系列第1のミサイルである「烈火-2」初の試験飛行が成功して以来、20年の時間にもならず、「烈火」ファミリーは盛んに発展した。現在、試験型を除き、すでにお目見えしている「烈火」ミサイルには全部で5機種あり、このうち「烈火」1、2、3はすでに装備され、「烈火」4、5は試験段階にある。「烈火」が5にまで発展するのと共に、その射程は5,000kmにまで延伸し、全アジアとヨーロッパの半分をカバーしている。理屈から言えばインドはすでにその中距離ミサイル発展計画を完成させていることになるが、ある専門家は「烈火-5」は「烈火」系列の究極型ではないだろう、と指摘した。果たして、2013年2月、インド国防発展・研究機構主席サラスワットはインド航空展で、射程がより長い「烈火-6」がすでに設計を完成させ、製造段階に入っていると明らかにし、かつ自信を持って同機構に「2年半の時間内に製造を完成させる能力がある」ことを保証した。

インドが好んで大陸間弾道ミサイルを発展させるのは、その国家の位置付けと密接に関連している。インド独立当初に早くも、ネールはもう「インドの発見」という本の中で次のように書いていた。「インドはその置かれた地位をもってしては、世界において二等の役割を演じるわけにはいかない。明らかな大国となるか、なりをひそめ姿を消すかだ。」 影響力を持つ世界の大国になることは、インドが1947年の独立以来ずっと追求してきた国家発展の戦略目標であり、そして「烈火-6」はまさに大国の敷居をまたぐための「ドアノッカー」なのである。

鞘の中の利剣 大国のゲームの有力なカード

まだ神秘のベールに包まれているが、すでに明らかにされている資料から見て、「烈火-6」は間違いなく現在の「火神ファミリー」で最も狂猛な1つである。

まず、ミサイルの射程がカバーする範囲がより大きい。厳格な意味から言って、「烈火-5」は遠距離ミサイルとしか評価できない。だが「烈火-6」は正真正銘の大陸間弾道ミサイルであり、改良された三段エンジンを採用し、その射程は8,000〜10,000kmに達し得る可能性が極めて高い。インド国境内で発射して全ヨーロッパ・アジア大陸とオセアニアがカバーでき、北アメリカ、南アメリカ州と南極大陸の一部地域に到達でき、真のグローバル性打撃武器である。この投入力量に頼って、インドの遠距離打撃能力を極めて大きく向上させ、インドを第6の「大陸間弾道ミサイルクラブ」に正式に足を踏み入れる国家とさせ、地域性軍事大国からグローバル性軍事大国に発展変化させる。

(頑住吉注:原ページのここにある画像のキャプションです。「インドの『烈火-5』ミサイル。射程は5,000kmを超え、全長17m、重量50トン、直径2mである」)

次に、より多くの核弾頭が搭載できる。「烈火-6」の設計指標は4〜10発の分離誘導式核弾頭を搭載するというもので、1つの大型都市を完全に破壊するのに足り、しかも相手方のミサイル防御システムの迎撃難度を上げることになる。現役の陸上基地大陸間弾道ミサイルの中で、アメリカの「ニミットマン-3」は通常3発の核弾頭を搭載し、弾薬搭載量について言えば、「烈火-6」はすでに世界の前列に到達しており、比較的強い威嚇能力を持つ。

さらに、より速くより正確に打撃できる。将来の「烈火-6」ミサイルは多種の搭載具を採用して発射されることになるだろう。陸上基地車載機動式発射模式を採用することもできれば、海上基地水中発射模式を採用することもできる。同時に、より成熟した冷発射技術を採用し、ミサイルを一定の高度まで(頑住吉注:圧搾空気などによって)投射してさらに点火し、発射時間を短縮し、発射地点の隠蔽性をも増強することになる。

前途いまだ占えず 非常に苦しい突破の道が充満

射程を5,000kmから10,000kmにまで延伸することは、単に何段かのエンジンを増加するだけというような簡単なことではない。希望通り2015年に「烈火-6」を作り出したければ、インドにはまだ非常に苦しい行かねばならない道があり、非常に多くの技術的ボトルネックが解決を必要とし、その難度は1つの新型ミサイルを研究開発するのに劣らない。概括的に言って、「烈火-6」はまだ以下の3方面からの改良を必要とする。

エンジンの推力を高める。世界で現在就役している大陸間弾道ミサイルから見て、アメリカの「ニミットマン-3」、ロシアの「トーポリM」はいずれも固体燃料ロケットである。一方「ジェーン戦略武器年鑑2014〜2015」が明らかにする資料によると、「烈火-6」は「烈火-5」の3段固体推進剤設計を放棄し、最初の2段は固体燃料エンジンを使用し、最後の1段は液体燃料ロケットを使用するよう改め、ミサイル発射準備時間が延長され、装備の維持保護の難度も増大している可能性があり、唯一合理的な解釈は、大推力固体燃料ロケットエンジンの推力が不十分で、推力がより大きい液体推進剤を採用し、これにより8,000km以上の射程に必要な推力を獲得するしかなかった、というものである。「烈火-6」はまだ潜水艦基地発射を実現する必要があることを考慮すると、三段固体燃料推進に改良することが必須で、このためエンジンが「烈火-6」が飛躍することの1つのボトルネックになる可能性がある。

寸法規格を縮小する。一般的状況では、大陸間弾道ミサイルの径と長さの比は1:10前後に統制するべきで、アメリカ、ロシアなどミサイル大国でこうしていないものはない。だが「烈火-6」の径は1.1m前後で、長さは約40mと、比は1:40近い。つまり15階建てのビルの高さの図体にたった1mの腰回りということで、このような構造のミサイルは安定して立つことさえ非常に困難で、極めて容易にミサイルが折れる事故を発生させる。「烈火-6」は陸上基地、海上基地いずれでも発射できるミサイルとして設計されているが、陸上基地発射について言うと、「烈火-6」の発射重量は55トンで、発射筒を加えると60トンに達し得ると見られる。これは世界最大の陸上基地ミサイルである「トーポリM」に比べてもまだ重く、インドには現在まだ相応の輸送ツールはない。海上基地発射について言えば、インドは現在「アリハント」号潜水艦を考慮しているが、「烈火-6」を半分に縮小する必要があり、それでやっと「アリハント」号に搭載でき、ミサイルと艦がマッチしない問題は長期にわたってインド軍を困らせることになるだろう。

制御誘導能力を増強する。インドの基礎工業は薄弱なので、ミサイルの核心技術の1つである制御誘導技術はまだ基本的に国外に依存し、このことは「火神」が随時目隠しされるかもしれないことを意味している。核心が人の制限を受けては、自給自足は実現できないのである。「烈火-5」を研究開発している時、かつてロシアが遅れず制御誘導システムを引き渡せないために、ミサイル実験の遅延がもたらされる事態が発生した先例がある。ここ何年か、インドは地縁戦略の優勢に頼って、米ロという2つの大国の間でどちらにもいい顔をしてうまく立ち回っている。しかし「烈火-6」の脅威は、必然的に米ロの警戒心を引き起こし、異なる程度で技術的制約を受けるだろう。ひとたびアメリカ、ロシアが制御誘導設備の輸出を制限したら、その制御誘導性能は大いに割引になる。(筆者の機関:国防大学)

(頑住吉注:3ページ目)「烈火-5ミサイルはインドの核弾頭が搭載できる最遠距離ミサイルとなり、かつインドに同一のミサイルを用いて多数の核弾頭を発射する技術を持たせることになる

(頑住吉注:4ページ目)「烈火-5」型ミサイルはさらに改装して小型衛星発射に用い、甚だしきに至っては軌道上の敵サイドの衛星撃墜に用いることができる

(頑住吉注:5ページ目)2012年4月19日、同国が自主研究開発した遠距離弾道ミサイル「烈火-5」が当日初めて試射に成功し、かつ目標に命中した

(頑住吉注:6ページ目)インドメディアが明らかにするところによれば、烈火-4ミサイルの射程は4,000kmで、核弾頭が搭載できる

(頑住吉注:7ページ目)「烈火-4」は重量1トンの核弾頭を搭載して中国の奥地に到達し得る

(頑住吉注:8ページ目)「烈火-2」はインド陸軍の「烈火」系列弾道ミサイルの重要な機種である。このミサイルは全長約20m、重量約16トン、射程は2,000kmを超えることができ、通常弾頭あるいは核弾頭が搭載できる。

(頑住吉注:9ページ目)「烈火」系列弾道ミサイルはインドの最も威力ある地対地弾道ミサイルで、機種には「烈火-1」、「烈火-2」、「烈火-3」および「烈火-5」が含まれる


 ロシアも中国にはスホーイー35しか売らないのにインドとはT-50インド版を共同開発するように現状ではインドがもう少し力をつけて中国に対抗し得るようにさせた方がいいと考えているようですし、増してアメリカは中国が無害になった後でインドが新たな脅威になる危険まで考えている余裕は現時点ではないはずです。

















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