中国の全翼ステルス無人機「利剣」

 「中国のステルス無人機間もなく初飛行か」との重複部分もありますが、より詳しい記事です。

http://military.china.com/news/568/20130514/17831337.html


「利剣」鞘を出る 中国全翼ステルス無人機研究開発を解読

(頑住吉注:原ページのここにある画像のキャプションです。「画像の出所はネット」)

中国の全翼ステルス無人機「利剣」鞘を出る

アメリカ、ロシア、イギリス、フランスなどの国、競争で無人機を研究開発


あるいは非常に多くの人の記憶にまだ新しいかもしれないが、2011年1月11日、殲ー20が突然出現してから1ヶ月にもならない2月4日、アメリカは高い調子でX-47B無人機の初飛行を宣言し、まるで殲ー20に対する一種の示威のようだった。

今、中国にも自らの全翼レイアウトのステルス無人機があり、そのコウモリ式の外観はX-47B同様SF的である。

「グローバル時報」の報道によれば、最近西側メディアは集中的に「利剣」と呼ばれる中国初のステルス無人機が5月6日に地上滑走テストを終えたとの情報に関し報道した。もし早期に初飛行すれば、中国はアメリカ、フランスに次ぐ第3の大型ステルス無人攻撃機を試験飛行させた国となる。

はるか遠くから相呼応して、5月4日、アメリカのノースロップ・グラマン社はXー47Bの初の制動による着陸テストに成功し、これはこの機が陸上でのカタパルト発進と艦への搭載適応試験に成功したのに続く最新の進展である。

現在世界の航空装備の、無人化、ステルス化、スマート化、正確化の趨勢は遮ることのできないものであり、アメリカ軍はすでに無人機を戦場に投入し、各国は競争で無人機を開発している。このうち全翼ステルス無人機は「重点中の重点」と呼ぶに耐える。Xー47B、「ニューロン」、「利剣」、「レイ」、「Taranis」‥‥大変な勢いである。

「利剣」の長所および短所

敵の後方に深く入り込んで敵の首を取る

赤外線ステルスはまだ努力を必要とする


「中国航空報」などの専門メディアの報道によれば、「利剣」無人機は3年の試験を経た後、2012年12月に江西の某飛行機製造工場で完成して生産ラインを降り、その後集中的な地上試験が行われた。

世間では普遍的に「利剣」の設計理念はXー47B原型機に似ていると考えている。

資料および画像によれば、「利剣」の全幅は14m前後で、外形レイアウトとしてはX-47Bに似た全翼無尾翼レイアウトを採用し、良好なステルス能力および戦場生存能力を持っている。「科技日報」の報道によれば、この機の機体には複合材料による製造が採用され、機腹部の弾薬倉は特殊設計を経ており、しかも自動追跡および偵察機能を持ち、自主知的財産権を掌握している。

またこの前公開された画像および情報から見て、「利剣」無人機はブレンデッドウィングボディの全翼レイアウトを実現し、各種の複合材料と新技術を大規模に使用しており、これら全ては「利剣」のレーダー反射信号特性が非常に低いことを決定し、したがって敵後方の縦深の高価値地上目標に対し正確な打撃が行える。いわゆる「万軍集まる中から大将の首級を取る」である。この「奥の手」は中国の現役有人実戦機が持たないものである。

だが、ネット上の画像から見て、「利剣」無人機の尾部噴射口の設計にはステルス化処理が採用されておらず、直接外部に露出している。こうすると尾部噴射口の高温が敵の赤外線センサーによって発見される確率の増加がもたらされる。一方試験飛行中のXー47Bと「ニューロン」の尾部噴射口はいずれもステルス設計を採用している。

国産殲ー20および殲ー31ステルス戦闘機の尾部噴射口にも同様にステルス設計が行われていないことと関連付けると、このことは動力技術が比較的立ち後れた中国航空工業は航空機エンジンの赤外線ステルス方面でさらにより大きな努力を必要とする、ということを説明している。

(頑住吉注:これより2ページ目。画像のキャプションは1ページ目と同じです。)

全翼ステルス無人機

遠くまで飛べ、発見しにくい

各国は切り札と見なして競争する


「利剣」の他に、アメリカのX-45、X-47B、ロシアの「レイ」、フランスが主導する「ニューロン」、イギリスの「Taranis」と、現在開発中の注目の無人機は1つの例外もなく全翼レイアウトを採用している。「全翼」レイアウトを採用したステルス無人機が、各大国の特別に重視するものとなり、先端無人機発展の主要な方向の1つであることが見て取れる。

ブレンデッドウィングボディの全翼レイアウトを大型無人攻撃機に用いることは特別有利と言うべきである。これは全翼式レイアウトは現在公認の、ステルスと航続距離という2つの大きなカギとなる重要性能を合わせ配慮することのできる空力レイアウトだからである。

垂直尾翼と水平尾翼は通常レイアウトの機にとって主要なレーダー波反射源である。全翼レイアウトには垂直および水平尾翼が全くなく、同時に機体断面がまるで主翼のようで、機体と主翼の間にははっきりした境界はなく、一体として融合し、表面は平滑、スムーズで、はっきりした突起、隙間はなく、機に突出したステルス性能を持たせる。

航続距離方面では、全翼は亜音速飛行時の抵抗が比較的小さく、機体の利用可能なスペースが大きく、同じ「体重」の普通の飛行機に比べより多くの燃料と弾薬が搭載できる。

このため、全翼機は突出したステルス性に頼って敵の後方に深く入り込める。Bー2戦略爆撃機は評判が最も高く、最も成功した全翼ステルス機である。

だが、全翼ステルス無人機を設計、製造することは想像するように簡単なことではない。

飛行機の対レーダーステルスの重要なカギは外形にあり、いかにレーダーの探知計測をかわすかを考慮する必要もあれば、空力特性を考慮する必要もあり、製造上非ステルス機に比べはるかに難しい。例えば、外皮の継ぎ目の隙間は頭髪よりさらに細い必要があり、これらはいずれも世界公認の難題である。

また、全翼レイアウトの機には垂直尾翼がないため機の方向転換の制御が非常に困難で、電気伝動操縦システムに頼るしかない。全翼式飛行機を研究開発できることは、まさに中国がすでに飛行コントロールソフトウェアなどの方面で難関の突破に成功したことを説明している。

(頑住吉注:これより3ページ目。画像のキャプションは「画像は『天弩』無人機。この無人機と我が国のステルス無人機には密接な関係があるとされる。」です。)

軍情助読

「利剣」は一体どのくらい鋭利なのか


世界の潮流に順応し、全翼ステルスレイアウトを採用した「利剣」は、戦場で用いた時一体どのくらい鋭利なのか? こうしたことは、公開されているメディアの報道を根拠に、我が国の業界がすでに掌握している各種の関連技術によっていくらか理解される。

「科技日報」の報道によれば、中国はすでに新型飛行コントロール、ナビゲーション技術、無線電信によるデータリンク技術、無人機専用の動力技術、無人機発着技術、特殊任務搭載荷技術などを含む無人機のカギとなる重要技術の問題を解決している。無人機の自動発進、自主ナビゲーション、対地正確制御誘導攻撃の自動執行、自動帰投と着陸などの強大な機能を実現している。

同時に、近年来我が国は無人作戦機にセットされるシステム方面における発展も大変な勢いである。高解像度リモートセンシング衛星に頼ってカギとなる重要地域の高精度デジタル地図が獲得でき、これに基づき無人作戦機に対し正確な任務計画と航路計画を行うことができる。北斗衛星ナビゲーションシステムの全面ネットワーク化は、無人機のナビゲーションおよび正確制御誘導の問題を解決した。

また、有人操縦機と比べ、無人機の弾薬搭載能力は限られており、体積が小さく、精度が高く、発射後の操作が必要ない対地打撃武器を必要とする。最も適した武器はアメリカのSDBの小直径正確制御誘導爆弾のようなものである。珠海航空展で我が国は多くの機種の小直径制御誘導爆弾を展示し、北斗ナビゲーションシステムに頼って「指さすところを打撃」できる。特にCM-506滑空射程延長小直径制御誘導爆弾は最終段階がアクティブ自動誘導の制御誘導方式を採用し、射程は130kmに達し得る。

そして、かつてある中航工業の専門家は無人機と無人機の間の空中給油技術に言及した時、この技術は「難題ではない」とした。もし空中給油の問題が解決されたら、未来の無人機は数日連続で飛行することさえできるようになり、その作戦機能は必ずや倍増することになる。

この種の大環境の中で国産無人作戦機が出現したことは当然のことである。

高いステルス能力、長い航続時間、低いコストなどの優勢を持つ「利剣」は、高リスク区域において隠密な偵察、監視任務を行うのに適することが想像でき、さらに「発見即打撃」が行え、「偵察・打撃一体化」の先端無人機となる事が有望である。(屠晨マ 李小健)

(頑住吉注:4ページ目)画像は「天弩」無人機

(頑住吉注:5ページ目)資料画像:RQ-4B「グローバルホーク」無人機

(頑住吉注:6ページ目)資料画像:X-47Bの寸法は小さくなく、完全に小型戦闘機と評価できる


 「全翼式飛行機を研究開発できることは、まさに中国がすでに飛行コントロールソフトウェアなどの方面で難関の突破に成功したことを説明している。」と言ってますが、それは自由自在に使いこなした段階で言えることで、現時点ではまだ言えないはずです。本文にも頻繁に登場したX-47Bに関する短い記事をついでに紹介します。

http://military.china.com/news2/569/20130518/17840522.html


アメリカの専門家、X-47Bは中ロなど強大な相手への対応に適すると暗示

(頑住吉注:原ページのここにある画像のキャプションです。「X-47B、初めて空母上からカタパルト発進」)

アメリカのX-47B艦載ジェット式無人機がアメリカの現地時間5月14日午前、アメリカの「ブッシュ」号空母からのカタパルト発進に成功した。アメリカの「Wired」誌ウェブサイト5月15日掲載の文章は、あるアメリカの専門家が、X-47Bは「プレデター」無人機より優れており、アメリカの潜在的な強大な相手により適している、と暗示し、これは暗に中国とロシアと勝負を行うことを指している、とした。

このアメリカメディアは直接的に次の疑問を提示した。「海軍のこの新たな無人機という刺客はテロ分子を狩り殺すためのものか、それとも中国と対戦するためのものか?」 文章は、X-47Bはアメリカ海軍の前線無人機に新たな選択肢を加えた、と考える。すなわち「プレデター」か、あるいはX-47Bかである。

文章はこの2機種の無人機の対比を行い、ジェット推進式無人機はミサイル発射場、飛行場、司令部など守備が厳密な軍事目標を強力かつ迅速に爆撃するのに最も適している、と考える。これとは違い、低空飛行するプロペラ推進式無人機は長時間の作戦に適している。こうした機は長時間にわたって装備が比較的劣る武装分子を監視し、その後小型ミサイルで打撃を発動することができる。まさに「プレデター」のイラクやアフガニスタンでの行動のようにである。

「Wired」誌の文章はさらに、X-47B無人機は「第三次世界大戦」を除くあらゆる衝突に適合し、一方「プレデター」無人機は小規模な戦争、対テロ、反乱平定に用いるのに適している、とする。

またコスト方面では、1機のジェット推進式無人機は約1,500万ドルであり、一方「プレデター」無人機のコストは400万ドルでしかない。

「Wired」誌の文章は、アメリカ海軍元副部長で現在アメリカのシンクタンク「新アメリカ安全センター」の専門家であるボブ ウォーカーは、ジェット式無人機はより安全な選択である、何故ならそれはアメリカの潜在的な強大な相手に対する作戦により適しているからである、と暗示する。ウォーカーは名を挙げていないが、この「強大な相手」がロシアと中国を指していることは非常にはっきりしている。何故なら現在この2カ国は力を尽くして新型ミサイル、ステルス戦闘機、甚だしきに至っては自らの無人機を研究開発しているところだからである。


 中国のステルス無人機が仮に成功しても、アメリカのそれより早く実戦化されたり、より優れたものになることはまず考えられませんが、日本もこの方面の研究には力を入れるべきだと思います。

http://tuku.military.china.com/military/html/2013-05-18/215925_2350578.htm

 5月17日、X-47Bがタッチアンドゴーに成功した、という画像集です。








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