イギリスの新たな空母を評価する その2

http://military.china.com/news2/569/20170630/30873247_all.html#page_2


発進方式に関して

何故まだスキージャンプを用いる?


原子力動力同様、今カタパルトによる発進も空母が先進的か否かを評価する核心的指標となっている。もし単純に技術の先進性と作戦機能の発揮という角度から言えば、カタパルト発進は確かに短距離スキージャンプ発進より優れている。ならば、「エリザベス女王」号は何故依然スキージャンプ発進方式に執着しているのだろうか?

主要な原因はやはりカタパルトの研究開発難度が比較的高いことかもしれない。イギリス人はカタパルトを発明したが、それを一層大きく光らせたのはそれにもかかわらずアメリカだった。肯定できるのは、半世紀あまりまともに空母を操作していないイギリス人は、この方面における技術的蓄えが比較的弱いということである。また、ガスタービンと完全電力推進の動力装置を採用しているので、もしカタパルト発進を採用したら、「エリザベス女王」号は電磁カタパルトしか選択できない。イギリスに自ら研究開発を行う能力があるか否かはさておき、単に「フォード」号が電磁カタパルトシステムの上で苦労してることだけで、もう保守的なイギリス人を尻込みさせるに足りる。

金の問題も非常に重要である。もしイギリスがアメリカからカタパルトを購入しても、当時フランスが「ぼったくられた」経歴を再演しないことは保証し難い。加えてさらに同時にカタパルト発進にセットされる装備を購入する必要があり、訓練方式も改変する必要があり、こうした全てはコストの中に考慮する必要がある。手元不如意なイギリス人は明らかにこうした未知の事物のために支払いはしないだろう。

当然、根本から言って短距離スキージャンプ発進は完全にイギリスロイヤルネービーの需要を満足させられる。予見できる未来において、イギリスが大洋上で相手と実力伯仲の海戦をすることは非常にありそうになく、もしやる必要があっても、NATOの合同作戦体系の中でである。このため、空母艦載機が執行するより多くは艦隊の防空であって対艦攻撃任務ではない。ひとたびこのようになるや、艦載機の1回の弾薬搭載量に比べ、持続し安定した発進能力こそより重要となる。

科学的合理的配置の下で、スキージャンプ発進方式は一定時間内艦載機の出動回数をカタパルト発進方式と似たクラスまで高めることができる。イギリスロイヤルネービーの計算によれば、36機のF-35B戦闘機を搭載した状況下で、「エリザベス女王」号は作戦初日の戦闘機出動能力がのべ108機に達する。この数字はすでに「ニミッツ」級空母の1日あたり出動のべ機数に近い。戦時状態に入った5日内、「エリザベス女王」号の最多出動のべ機数は前任の「インビンシブル」級空母に比べ8倍近く高まっており、充分である。

甲板設計に関して

「別種」の直通には何の意味がある?


「エリザベス女王」号の甲板設計もそれをその他の空母と顕著に区別する場所である。一方において、それは「インビンシブル」級空母の「直通甲板+独立したスキージャンプ構造」という設計をそのまま用い、これはロシアの「クズネツォフ」級空母や中国の「遼寧」号空母の一体スキージャンプ構造とは全く異なる。もう一方では、この艦は現代空母が普遍的に使用する傾斜甲板(頑住吉注:空母を上から見た場合に軸線から斜めになっている滑走路を指すようです)を採用していない。

このような「別種」の甲板設計は才能の枯渇か、それとも別に原因があるのか? この種の設計は甲板容量と出動効率のバランスを採った結果と言うべきである。

理論的に言って、甲板上に駐機する飛行機は多いほど短時間内の快速出撃に利する。「エリザベス女王」号の甲板の幅は73mに達し、「ニミッツ」級空母に近い。これによりもたらされる直接のメリットは甲板上により多くの戦闘機が駐機できることである。この艦が採用する直通甲板と独立したスキージャンプ構造が相互に結合した艦首設計は、スキージャンプ滑走路の平行位置にさらに5機の戦闘機を駐機させることができる。

出動効率から分析すると、「エリザベス女王」号が単一滑走路発進を採用するのにはそれなりの道理がある。「エリザベス女王」号の最大単一回数攻撃波の出動数(17機)に照らして計算すれば、ダブル滑走路発進は確かに単一滑走路に比べて時間が節約される。だが前述のように、イギリスロイヤルネービーの空母に対する要求は持続し安定して戦闘機が発進できることであって、短時間内の大機群出動は決して追求しない。このため、上述の時間差は基本的に軽視できる。単一滑走路にはさらに甲板作業の難度と危険性が比較的低いメリットがあるからなおさらである。

傾斜甲板のメリットは発進および降着行為が分離し、両者を相互不干渉にさせ、したがって艦載機の運用効率を向上させることである。だが「エリザベス女王」号が選択使用する垂直離着陸型艦載機F-35Bは降着区域のみ必要とし、降着滑走路は必要としない。このようだと、傾斜甲板は全く存在の必要もなくなる。

老舗海軍強国の空母設計製造の基本が非常にしっかりしていることは否認できない。甲板設計の上で、イギリスは決して人に追随せず、欲張って全てを求めず、取捨選択し、自身の需要を突出させた。ある時にはいくつかの物を捨て、あるいはより大きな収穫を引き替えに得た。この種の「実用」を指導思想とする武器装備発展理念は学習しまた参考にするに値する。(武為)


 この分析が当たっているのか否か全く判断がつきませんが、全体的に現在までに明るみに出ている中国空母より近代的な印象は受けます。ただ数に関して言えば差はどんどん開いていくでしょうね。















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