ロシアの専門家、「VT-4は「アーマタ」に勝る」に反論

 冷静に話をしているんですが内心怒っている雰囲気が伝わってきます。

http://military.china.com/important/11132797/20150612/19830934.html


ロシア、中国戦車に突っ込み:冷戦時代レベルのものを製造 信頼性の高いエンジンがまだない

(頑住吉注:原ページのここにある画像のキャプションは同じのが何度も出てきますが、次の2種類だけです。「T-14『アーマタ』戦車のロシア勝利の日閲兵式での初お目見えはすぐさま高度の関心を引き起こしたが、この戦車のサイズに関してはずっと直感的に参照し対比するものがなかった。最近国外ウェブサイトに公開されたある画像はこの疑問に回答した。画像から見て、同様に閲兵に参加したT-90戦車は『アーマタ』の面前では明らかにずっと『小柄』である。」 「ロシアのT-14新型メインバトルタンクの祖国防衛戦争勝利70周年記念閲兵式での初お目見えは人に深い印象を残したが、少なからぬ軍事マニアは見足りないとしている。最近より多くのこの新型戦車に関するディテール画像が公開された。一緒に見てみよう」)

【グローバル軍事報道】 ロシア衛星ネット6月11日の報道によれば、ロシアの「アーマタ」戦車は5月9日の閲兵式で初めて公開されお目見えした。皆がその性能を国外の同類戦車と比較しようとするのはごく自然である(頑住吉注:これと同類の戦車はまだ存在しない、という見方もできるでしょうけどね)。その中で、中国の「兵器」誌上にもこれにつき文章が掲載された。我々はロシアの戦略・技術分析センターの専門家であるワシーリ コーシンに文中の内容に対し評価をお願いした。

この主に中国戦車の優勢に言及した文章は、甚だしきに至っては中国兵器集団(NORINCO)マイクロブログ上にも転載されている。だが業界内の専門家は、この文章の内容には非常に多くの誤りがあるだけでなく、さらに作者が決して中ロ両国の戦車製造業の間にどのような差異があるか理解していないことが見て取れる、と分かっている。

文章は、ロシアには対外的に輸出できる近代化された戦車としてT-90Sしかないと書いている。一方中国には、輸出できる戦車としてVT-2、VT-1、VT-4があるという。文中ではさらに、こうした戦車は「あらゆる顧客の需要を満足させることができる」と強調している。

この世界の戦車市場の分析の中には、2つの重要な内容が欠けている。まず、文章のT-90戦車に対する評価は控えめにすぎる。実はこの戦車の世界市場に向けての供給量は、北方工業のこの3種の戦車の輸出総量より多いだろう。2000年から、T-90戦車はインドとアルジェリア向けの供給量だけでもうすでに中国の同じ時期のあらゆる新型戦車の輸出量よりも多いのである。また、アゼルバイジャン、トルクメニスタンもこの戦車の買い手である。(頑住吉注:一部太字で強調されていますが訳した場合正確に再現できず、また明らかにおかしい部分もあるので省略します)

2番目として、これは決してロシアが対外的に輸出する唯一の戦車ではない。ああした「要求が過酷」でない顧客に対しては、ロシアは維持修繕とグレードアップを経たT-72戦車を輸出できる。技術能力から見て、グレードアップ後のT-72戦車は、中国のVT-2戦車に比べて全く遜色はない。しかもT-72M1戦車はすでにベネズエラに輸出されている。

興味深いのは、「兵器」誌に執筆された文章の中には、ある重要な事実に決して言及されていないことである。すなわち、VT-1戦車はまだウクライナが生産するディーゼルエンジンに依存している。この依存は、かつて中国のペルーに輸出する重要な契約を中断させた。一方ロシアの戦車は、いかなる輸入部品の「束縛」も受けない。VT-4戦車が使用するのは中国が研究開発したエンジンだが、輸出成績を取得するか否かは、まださらに一歩の観察が待たれる。図上の描写、あるいは試験中に見せられた性能は、軍隊に装備した後必ずしも確証は得られないのである。

文章のT-14「アーマタ」戦車に対する説明はさらに人を理解し難くさせる。その中には、T-14はまださらに一歩の研究開発を必要とし、何故なら5.9モスクワ赤の広場の閲兵リハーサルの時故障が出現したからだ、と書かれている。

まず、周知のようにT-14戦車がリハーサルの時停車したのは操縦員の経験不足によってもたらされたことである(頑住吉注:「周知のように」って言ってますが、このテーマの文章かなり紹介してきましたけどそんな内容見たことないすよ)。提示に値するのは、閲兵の中の操縦員がいずれもロシアの普通の兵士だったことである。彼らは非常に大きな精神的圧力を受けたためにミスを出現させたのである。操縦員を交代させた後、この戦車はスムーズに赤の広場を離れた。次に我々は閲兵式で、あるいはその他の場合に、将校あるいは工場の経験豊富な技師でなく普通の兵士がVT-4戦車を操縦するのを目撃する機会がまだない。

文章のもう1つの見方も斟酌に値する。作者は、T-14戦車は製造コストがアメリカのM1A2戦車同様非常に高く、「ユーザーがどうして技術がすでに成熟し、それにもかかわらず価格がずっと低い中国戦車を考慮しないことがあるだろうか?」と書いている。だが問題は、T-14の現在の生産量が極めて小さく、軍の中でテストに用いられているだけだ、というところにある。その価格は当然大量生産に比べずっと高いだろう。

この文章はさらに、中国戦車は世界レベルを備えた火力コントロールシステムを装備しているが、ロシアの「アーマタ」戦車にはない、と指摘している。実はこの比較には全く意味がない。まず、「アーマタ」戦車の火力コントロールの情報を理解している人は非常に少ない。次に最新型のT-90、T-90AMに比べても、中国戦車には何ら特別な優勢はない。

まだあり、「アーマタ」は予備として多チャンネルの武器照準システムを使用しており、クルーはいずれもそれに対し操作を行うことができる。しかも、必要な状況下ではこの戦車は無人操縦の状況下で行進することができる。

中国戦車はソ連の改良型である125mm火砲を装備している。文章は、この火砲の性能は「アーマタ」より優れていると書いている。この結論は明らかに非常に不思議である。何故なら後者が現在装備するのもこの種の火砲で、しかもその最適化の過程は中国に比べよりいくらか長いだろうからである。次の段階で「アーマタ」戦車は152mm火砲を装備する計画で、その時にはVT-4と比較を行うことにはいかなる意味もなくなる。

作者はさらに、T-14のエンジンの出力は1,200馬力であると書いている。しかし知っておくことが必要なのは、「アーマタ」が装備するのはロシア製1,500馬力ディーゼルエンジンだということである(頑住吉注:本当かどうかは分かりませんけど過熱を防ぐため出力が制限されているという記述もありましたね)。中国の研究開発人員は、理論上1,500馬力エンジンをVT-4に装備することはできると考えている。だが同様の性能、同様の信頼性、同様の製造コストを持つエンジンを研究開発できるか否かは、しばらくのところまだクエスチョンマークである。

重要なのは、文章の作者が「アーマタ」と中国戦車の間の主要な産別(頑住吉注:検索してもヒットしない語なんですが文脈その他から生まれの違い?)を軽視していることである。中国戦車製造の歴史が見せるのは次のような光景である。「冷戦」の時期に出現した戦車の基礎的構造に対し段階的グレードアップを行う。通常、さらに国外の設計を導入し古い戦車に対し徐々に最適化を行う。

ロシアはすでにこの理念を放棄している。ロシア軍は10年前には早くももすでにもはやT-90戦車を購入していない。現有のグレードアップ版戦車はロシア軍の現在の需要を満足させることができる。また、ロシアは完全に新式の、以前の設計とは全く異なる戦車を努力して研究開発しつつある。その理念は以前の系列の生産とでは本質的な差異がある。例えば、無人砲塔、車両クルー単独装甲ユニット等々である。このようにすると、戦車が損傷を受けた状況下で乗員の安全が保証できる。これと同時に良好な防御システムは飛来するミサイルを打ち落とすことができる。

さらに重要なのは、各系列の戦車、装甲戦闘車を全て統一されたシャーシ上に装備できることである。例えば可陸(頑住吉注:意味不明。誤字? 音訳?)戦闘車(T-15)、大型装甲兵員輸送車、自走砲系列等々である。1970〜80年代の基礎的構造に対し段階的改装を行ってもこの目標を実現することはできない。

現在ロシアは極端に複雑な、ここ何十年誰も完成できていない任務を完成させつつある。当然、「アーマタ」、「クルガン人」、「ブーメラン」系列戦闘車研究開発の過程ではまだ非常に多くの努力と資源を支払う必要がある。だがこうした努力は、将来いかなる競争相手に対しても顕著な優勢を形成するために保障を提供することができる。同時に、現有の装備、例えばT-90やBMP-3型などの系列の装備は、国際市場でいかなる外国(その中には中国の現有装備が含まれる)にも比肩し得る。


 基本的にはこっちの論の方が納得いくんですけど、「図上の描写、あるいは試験中に見せられた性能は、軍隊に装備した後必ずしも確証は得られないのである。」という正しい指摘は当然「アーマタ」にもあてはまり、特に「飛来するミサイルを打ち落とすことができる」がどこまで有効に機能するのかは疑問です。また「アーマタ」の火力コントロールシステムについてまだ分かっていないのだから中国が上とは言えないというのはしごくもっともなんですが、昨年の「戦車競技」で中国戦車(しかもやや格落ちの96系)の命中率はロシアのそれを上回っていたらしいですし、「アーマタ」がその水準から大きくレベルアップしていると推測できる合理的な根拠が今のところ何もないのも確かでしょう。

















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