ロシア軍用機が事故を多発させる背景

 戦略爆撃機の墜落事故で死者を出すというのは物騒ですが。

http://military.china.com/critical3/27/20150717/20027187.html


ロシア空軍の最近の墜落率は人に驚き言葉をなくさせる 対米威嚇効果が大きく割引に

タス通信社は14日、当日ロシア空軍の1機のツポレフ-95戦略爆撃機が極東で墜落損壊し、2人の死亡がもたらされた、とした。これはすでにここ1ヶ月以来ロシア空軍第6回目の重大事故である。ロシア国防省スポークスマンは、飛行機の墜落損壊は技術的原因で、機上の4台のエンジンが全部作動を停止した、とした(頑住吉注:これもかなり珍しいケースでしょう)。ロシア空軍司令は、暫時この機種のあらゆる飛行を停止すると宣言した。これはすでにツポレフ-95のここ1ヶ月来第2回目の事故である。ロシア空軍のこの前の最も近い事故は7月6日に発生し、スホーイー24戦闘爆撃機が訓練時に墜落損壊し、2名の飛行員が死亡した。先月には2機のミグー29戦闘機、1機のスホーイ-34戦闘爆撃機、1機のツポレフ-95戦略爆撃機が事故を起こした。報道は、ロシア空軍は2010年から徐々に正常な戦備パトロールを回復し始め、墜落事故が毎月1機にまで増える結果をもたらしている、とする。もしそうでも、最近の損失率はそれでも人に驚き言葉をなくさせる。

ロシア空軍は本当に老いすぎか? 専門家は欧米の青壮年空軍に戦略的に対抗することはすでに気持ちはあっても力がないものに変わっている、と考える

ロシアの専門家は、ロシア空軍の飛行機事故が絶えないという結果をもたらしている主要な原因は、こうしたソ連時代に生産された飛行機がすでに就役期間を超過していることだと考える。「安全保障業務ニュース」も、ロシア軍用機が最近頻繁に墜落する咎を古い飛行機の過度な使用に帰している。特に2014年のウクライナ内戦以来、ロシア空軍の活動は非常に大きく強化された。2014年以来NATOはすでにのべ400機を越えるロシア軍用実戦機にスクランブルをかけており、前年に比べ50%増加し、冷戦のピークの時期に回帰して比較するに堪える。アメリカの専門家は、ロシア軍機の事故頻発は、ここ1年半以来の活動の強度の増加と直接の関係があり、しかも事故率はまだ上昇の趨勢を呈している、と考える。

またロシアの専門家はさらに、ロシア国防工業の困った状況もロシア軍機故障率上昇の原因の1つであると考える。多くの国防装備メーカーはすでに破産し、軍用から民間用に転じ、あるいは身を国外に置いている。またソ連時代に軍代表によって装備の質が監督された制度も存在しなくなっている。現在ロシア空軍には古い飛行機が多く、在庫の予備部品も全て古く、若い世代の維持保護人員は大部分が不合格である。また多くの新たな部品の生産量も不足している。例えばロシアは毎年10台のツポレフ-95のエンジンしか生産できない。しかしロシア空軍の持つ60機を超えるこの4発機は就役中なのである。

メディアの分析を総合して見ると、飛行機が古く、使用が過度で、維持保護の努力が足りないなどは間違いなくロシア軍で最近墜落が頻繁な原因である。ソ連解体およびロシア初期の混乱と経済崩壊は、ロシアの正常な軍事建設を断ち切り、装備更新世代交代に断層を出現させ、大量のソ連製の古い機が依然ロシア空軍の表玄関を支えている。軍人の社会的地位と福利待遇はソ連解体以後すぐ急転直下し、軍隊に質の高い人材を募集しまた引き留め難くさせてもいる。

ロシアに比べ、NATOの集団防衛部隊の空中力量の水準はずっと高いだろう。NATOの「集団防衛」部隊はアメリカ駐ヨーロッパ空軍を主力とする。アメリカ駐ヨーロッパ空軍司令部はドイツのRamsteinに設けられ、それが管轄する部隊には主にドイツのSpangdahlem空軍基地に駐屯する第52戦闘機連隊とRamstein空軍基地に駐屯する第86空輸連隊があり、現在各種軍用機500機あまりを持ち、基本的にいずれもNATOの青壮年戦闘機群と呼ぶことができる。もう1つの空中力量は1980年代初めに成立し、同盟軍最高作戦司令部の指揮に直属するNATO空中早期警戒部隊で、現在全部で早期警戒機20機あまりを有し、ドイツのGeilenkirchen空軍基地とイギリスのワディントンロイヤルエアフォース基地に駐屯する。ロシアのツポレフ-95と同世代の米軍のB-52爆撃機も最近ヨーロッパ配備を回復し、かつNATOの対応性実戦演習に参加している。ロシア空軍の現在の墜落率に照らせば、NATO連合軍に対抗しようというのは間違いなく気持ちはあっても力はないというやつである。

ロシア空軍の最近の墜落率はインドとの比較に堪え、プーチンのNATOに対する威嚇戦略を大きく割引にさせる

軍事評論員の高峰は、インド空軍の非戦争破損率は世界最高で、しかもインド空軍の主力実戦機はロシアのそれをメインとする、と指摘する。インドがロシアの実戦機の信頼性低下に不平を言う時、ロシア航空企業および当局はいずれもその咎をインド空軍の使用、メンテナンスおよび飛行員の質の問題に帰した。現在ロシア空軍が連続的に高強度でパトロール飛行を行っている環境下で、大強度の使用という前提の下での信頼性の隠れたリスクを完全に暴露した。この前米軍のB-52爆撃機も老朽化が原因で安全の隠れたリスクが存在する問題を暴露したが、最近のロシア空軍のようにこんなにも深刻な結果を出現させたことは決してない。

(頑住吉注:これより2ページ目)

ウクライナ危機の前、プーチンはかつて大規模なロシア軍戦略復興計画を意気込みに満ちて打ち出した。その中にはロシア空軍各種実戦機の更新という任務が含まれた。だがウクライナ危機がもたらした西側の制裁および石油天然ガス輸出契約の減少と価格の下落は、ロシア空軍の装備更新計画の資金を一定の状態に到達させ難くさせた。プーチンが重点的に推進するツポレフ-160戦略爆撃機拡充計画であっても非常に茫漠たるものに変わっている。特に前述のロシアが自ら暴露した航空企業内部の問題は、ロシア空軍将兵を震え上がらせるかもしれない。

結びの言葉:米ロが戦略的に対抗する態勢が出現した当初、ロシア空軍のツポレフ-95戦略爆撃機はずっと前線のスターの役割を担当し、かつ大西洋、ヨーロッパ大陸の沿線、西太平洋の日本列島およびアメリカのアラスカ州周辺の威嚇巡航飛行を維持した。ルールに照らせば、ツポレフ-95爆撃機の連続的墜落事故があれば、原因が探し出されかつ問題が徹底して解決されるまであらゆるこの機種の飛行を停止すべきであり、その後でやっと任務が回復できる。だがこのようにすれば、ロシアには最も重要なNATOが兵員を派遣移動しロシアを威嚇することに対する有効な対抗手段が欠乏する。心理的震撼の強度の上で、見ることができる巨大な戦略爆撃機の暗い影は、見えないミサイルの威嚇に比べより人を恐怖させる。このためもしロシアがツポレフ-95を飛行停止にしたら、プーチンのNATOや欧米に対する威嚇戦略の効果は大きく割引になるだろう。


 そもそも戦略爆撃機を持っていない中国にこんなことを言われるのもどうかと思いますが、この状況では当然新世代の戦略爆撃機の開発もそう簡単にはいかないでしょうね。















戻るボタン