殲ー15とF-35の比較

 そもそも世代が違うわけですが。

http://military.china.com/important/11132797/20130828/18019477.html


解放軍の艦載機、F-35と比べただけでも半世代遅れている

今月(頑住吉注:記事は8月28日付)、アメリカのF-35B型戦闘機は第500回目の試験飛行を成功させ、F-35C型も海上試験飛行を開始した。同じ時期、中国の遼寧艦は殲ー15(J-15)戦闘機の多数回の演習を行った。一方の戦闘機はアメリカの未来の主力、一方の戦闘機は中国軍事マニアの空母の夢を乗せている。この2機種の先進的戦闘機を比べると、どんな優劣があるのか? 本期があなたのために解読する。

全体技術

F-35が半世代先んじる

F-35戦闘機は米軍が1990年代中期に研究開発を開始したものだ。現在3種のタイプに分かれ、すなわち陸上基地型のF-35A、垂直離着陸型のF-35B、艦載型のF-35Cである。F-35Aは2006年12月に初めて試験飛行した。現段階の計画によれば、この機種は米軍に2,000機余り装備され、同盟国は1,000機近く装備することになる。将来この機種は全世界で6,000機以上が配備される可能性があると考える見積もりもある。F-35は第4世代戦闘機に属し(ロシア基準によれば第5世代)、比較的強いステルス機能、先進的航空電子設備、超音速巡航速度を持つ。

J-15戦闘機は我が国の沈陽飛行機集団が殲ー11B(第3世代機)を基礎に、スホーイー33などの機種を参考にして研究開発した先進戦闘機である。単座のJ-15の初飛行は2009年8月だった。その後さらに複座のJ-15S戦闘機が研究開発され、2012年に初飛行した。現在J-15はすでに「遼寧」号空母上に配備されている。だが全体的に言えばまだ試験段階にある。J-15は「第3世代半」戦闘機に含めるべきであり、全体的技術から言ってF-35に比べると半世代の隔たりがある。そうではあっても、我が国の「後発が追いかける」中では、J-15は依然重要なマイルストーンである。

ステルス性能

F-35のステルス性は強い

いわゆる「ステルス」とはすなわち外形設計、塗料層の最適化によって敵サイドのレーダー、赤外線探知計測によって発見されるリスクを減少させることである。これは近代化された戦争の「超視距離打撃」の中で極めて重要であり、第4世代戦闘機の標準的な要求でもある。F-35の他、アメリカのF-22、ロシアのT-50、我が国のJー20などもステルス機能を持つ。相対的に言って、第4世代の前の戦闘機は決してステルス性能を第1位には置いていない。この方面において、J-15はF-35と比べて世代の差がある。

F-35はステルス方面において、機体全体の形状、構造などに対し総合的設計を行い、かつ電波吸収材料をもって最適化を行っている。しかもその武器システムにも内部搭載が採用され、レーダー反射面積の増大を避けている。テストによれば、全幅10m余りのF-35の正面のレーダーに対する反射面積は0.065平方mしかない。これに比べ、J-15も全体設計、材料上反射低下の要素を考慮してあるが、結局のところこれは専門のステルス戦闘機ではなく、その正面反射面積は1平方m以上と見積もられる。F-35はさらに多数の赤外線ステルスの設計を採用し、その尾部ノズルの中の中周波数帯赤外線輻射の強度を80%以上軽減しており、したがって敵軍の赤外線探知計測によって発見される、および赤外線制御誘導ミサイルの攻撃を受ける可能性が減少している。

(頑住吉注:これより2ページ目)

航空電子設計

F-35の操作は簡便

アメリカ空軍の電子システムはこれまでずっと先んじた優勢を持っており、F-35の機載電子システムにはAN/APG-81アクティブフェイズドアレイレーダー、光電子分布式開口システム(EODAS)、総合電子戦システム、光電子照準システム(EOTS)が含まれる。このうちEODASは6セットの光電子探知計測装置を含み、F-35の機体に分布し、360度の視野が実現できる。さらに絶妙なのは、獲得された画像を飛行員のヘルメットのバイザー上に投影でき、つまり飛行員は機内に座り、自分の目を使ってバイザー上の画像を見れば、直接機外の広い画像を「見通す」ことと同じなのである。EOTSは高性能多機能システムで、赤外線探知計測も含むし、レーザー探知計測も行える。一方コックピット内では、F-35は伝統的な戦闘機のごちゃごちゃしたコンパス、計器をなくし、1つの大型液晶ディスプレイタッチパネルに換えている。飛行員はまるでタブレットPCゲームのようにこの中に座る。

これに比べJ-15が採用する航空電子技術は国内先進レベルを代表するものでもあり、同時に西側の先進軍事技術(光ファイバー高速データバスを含む)を取り入れ、火力コントロール、ナビゲーション、飛行コントロールという異なる3種の機能を実現できる電子システムであり、火力コントロールコンピュータの計算速度も以前に比べ大いに向上しており、一部の領域はすでにロシアを追い越している。だがF-35と比べるとまだ隔たりが存在する。

外観の特徴

J-15は一回り大きい

F-35は単発単座戦闘機であり、その機体の長さは15.67m、全幅は10.7m、全高は4.33m、主翼面積は42.7平方mである。一方J-15は双発大型戦闘機であり、その機体の長さは22.28m、全幅は15m、主翼面積は64平方m、全高5.92mである。つまり、J-15は各項目の長さおよび主翼面積いずれにおいてもF-35に比べ50%前後大きく、その空虚重量は17.5トンと約30%多い。全体的に見て、J-15はF-35に比べ一回り大きい。

飛行機(および同類の海軍艦艇)にとって、より大きいサイズはより多くの動力設備、武器設備、航空電子装備などを搭載し、より多くの戦闘力に有利な要素を増加できることを意味する。これは通常大型戦闘機が中型戦闘機に比べ戦闘力がより強いことの原因でもある。この方面から言うと、J-15はF-35に比べ優勢を持つ。速度、巡航距離の比較の中でJ-15が獲得する優勢は、非常に多くがこの何トンか多い重量を占めることに頼ってのものである。

機動力

J-15は速度で優勢を占める

戦闘機は高空、高速の兵器であり、機動力は1つの重要な指標である。この方面ではJ-15の翼面積がF-35に比べ20平方m余り大きく、またエンジンが2基あり、燃料搭載量もより多いため、優勢を占める。F-35のエンジンの推力は12.5万ニュートン(約12.3トンの物体の重力に等しい)、アフターバーナー使用後は19.1万ニュートンに達し得る。一方Jー15のエンジン単体の推力は11.8万ニュートンに達し、2台合わせると20万ニュートン余りである。このように、最大速度の上でJ-15はマッハ2.4(時速2,938km)に達し得、F-35のマッハ1.6(時速1,958km)に比べおよそ50%の優勢がある。

最大航続距離では、F-35は2,200km余りであり、一方J-15は3,500kmである。最大上昇高度では、J-15は20,000mで、やはりF-35の18,000m余りに比べ先んじている。だが、F-35の3タイプの中で、F-35Bは垂直離着陸の機能を持ち、この1点はJ-15に比べ融通が利く。

武器装備

互いに長所と短所がある

この2種の戦闘機が装備する空戦武器は、機関砲の他、J-15には12のミサイル搭載ポイントがある。一方F-35はサイズがJ-15より小さいだけでなく、しかもステルス性能確保のため採用するのは内部に置かれたミサイルコンパートメントであり、4発のミサイルを搭載する。

ミサイルの性能では、中国の霹靂-12空対空ミサイルは長さ3.58m、重量180kg、射程80km、速度マッハ4(時速5,000km近い)である。一方アメリカのAIM-120空対空ミサイルは全長3.65m、重量157kg、射程75km、速度マッハ4である。両者はいずれも慣性、データリンク制御誘導、アクティブレーダー制御誘導の結合である。

総合性能と実戦でのプルーフ方面ではアメリカのAIM-120空対空ミサイルがやや勝るが、J-15の弾薬搭載量はF-35の3倍である。当然、もしF-35がステルス性能を犠牲にして外部搭載ミサイルを追加搭載したら、火力の強度の上で少なからず向上させることができる。

(頑住吉注:これより3ページ目)

空中の対決

それぞれに高低がある

2種の先進艦載機として、もし空中で交戦したらどちらが優勢を占め得るのか? 空戦は相当に複雑な対抗の過程であり、双方の武器装備の質と量が試されねばならないだけでなく、双方の機動能力、偵察および対偵察能力、ロックオン能力、ないし飛行員自身の素質と勇気とも密接に関係する。現有の技術データから見て、J-15は最大飛行速度、上昇高度、弾薬搭載量などの方面で全面的にF-35に先んじている。しかもJ-15Sは複座機で、2人の飛行員が協同で操縦を支持し、緊急状況下での突発事態対処に対しより余裕がある。さらに加えてソ連・ロシア製飛行機に一貫した機動力の高さ、敏捷な旋回があり、J-15に近距離空戦の中でF-35より優位を占めさせる可能性が高い。

だが、もし超視距離での交戦に変われば、双方の優劣は逆転する。J-15はステルス方面に劣勢があるため、超視距離での敵サイドに対する偵察と追跡がいずれも立ち後れている。F-35のAIM-120ミサイルがとっくにJ-15をロックオンするが、J-15はまだ敵を発見できていないということになる可能性が高いのである。この時、突然襲撃する方が当然非常に大きな優勢を占める。もし双方がいずれも遠距離でミサイルを互いに発射したら、F-35は対レーダーおよび対赤外線能力を持つため、やはり霹靂-12ミサイルの命中率に対し比較的大きな影響を構成する。

このため、双方の直接空戦の優劣はおよそ次の通りである。近距離格闘ならJ-15の勝算が大きく、遠距離作戦ならF-35の勝率が高い。当然、我々はF-35自体米軍の戦略の中での「ローエンド第4世代機」に含まれ、その目的の1つ目は同盟国への提供、2つ目に対地、対艦の多面攻撃への参加である、ということを認識することが必須である。制空権奪取に関しては、米軍の計画の中では本来F-22が主力となるべきなのである(頑住吉注:記事タイトルの「F-35と比べただけでも」は、F-22との比較ならもっと劣勢、という意味かと思います)。

受け入れプラットフォーム

空母を概観

艦載機と空母は有機的な全体を組成し、それでやっと大洋を縦横に進めるのである。中国の現役唯一の空母「遼寧」号は旧ソ連の「クズネツォフ元帥級」空母「ワリヤーグ」号を基礎に改造してできたもので、全長304.5m、標準排水量5.5万トン、動力20万馬力、最大航行速度29ノット、航続力7,000海里、紅旗艦対空ミサイルシステム、近距離防御砲、FL-3000N艦載対ミサイルシステム、RBU1200対潜ロケット・妨害弾発射機などを装備する。ロシアメディアの説明によれば、「遼寧」号は46機のJ-15を搭載できるが、この数字には誇張があるかもしれない。

アメリカは10隻余りの世界無双の原子力空母を持ち、1隻の実力でもその他の国の空母をはるかに超える。ニミッツ級「ルーズベルト」号空母を例にすると、この艦は全長333m、標準排水量8万トン、動力28万馬力、最大航行速度35ノット、航続力80万海里、艦載機は100機近い。F-35にとって、このように強大なプラットフォームがあれば、当然さらに戦力が発揮できる。一方新たに建造中の「フォード」級原子力空母は各方面においてさらに一歩進んでいるだろう。また、F-35Bはさらに上陸艦など垂直発着プラットフォームを持つ艦種上で発着ができる。

太平洋地域でもう1つF-35艦載機を装備する可能性があるのは日本である。2013年8月、日本がすでに進水させた「いずも」級ヘリ空母は全長248m、標準排水量2万トン近く、動力は13.5万馬力で、最大航行速度は30ノットである。この艦は全通ヘリ甲板を持ち、F-35B垂直離着陸戦闘機を発進、降着させることができる。「いずも」号は12機のF-35Bを搭載可能とされ、すでに相当に強大な戦闘力を持っている。

戦略的意義

家を守るものもあれば、覇を争うものもある

新式武器の運用は国家戦略計画と切り離せない。J-15艦載機と「遼寧」号の組み合わせは、中国の「空母の夢」の初歩的な実現でもあるし、中国の国家の海洋権益、利益の保障、深い海に向かう重要な1ピースでもある。海口市から長興島(頑住吉注:中国が実効支配するが台湾とベトナムも領有権を主張)までの直線距離は400km余り、曾母暗沙(頑住吉注:中国、台湾、マレーシアが領有権を主張)までは2,000km余りである。「遼寧」号がJ-15戦闘機を搭載して三沙海域中央を巡航する時、最大作戦半径は基本的に三沙の大部分の領土をカバーし、我々の海洋権益の保障、本国船舶の援護、ないし侵入する敵の威嚇、いずれに対しても極めて大きな作用を生じさせることができる。他の方面では、ひとたび戦争が勃発したら、J-15が力を尽くして敵機、敵艦と海上で支配権を争っている時、J-15は本国の海空部隊と第二砲兵部隊の有力な支持を得ることができる。我が国の潜水艦部隊、水上の駆逐艦、護衛艦、上陸艦、および陸上基地の第4世代機J-20、あるいは同様に艦に搭載される可能性があるJ-31、ないし第二砲兵部隊の「東風」ミサイル、全て我が国の領海周囲に有効な戦略防御圏を形成できる。この中で飛び回るJ-15は絶対に1人で戦闘するわけではない。

F-35はアメリカのグローバルな覇権戦略を基礎に発展してできたものだ。一方において、アメリカは比較的先進的(だが核心技術にもまた触れない)武器装備を同盟国に販売し、もって同盟国の安全を保障し、本国の影響力を維持する。他方においては軍事科学技術が全世界に先んじた世界の覇者として、アメリカはその全世界各地に対する奇襲、打撃を行う実力を確保する必要がある。このためこの体系の中で、F-35が担うのはローエンドな多面突撃の作用であり、すなわちF-22に頼って制空権を奪取し、その後F-35を使って対艦、対地打撃を発動するのである。未来の使用過程の中で、F-35はその他の機種の極めて有力な支援を獲得でき、これには非常に大きな空母艦隊、全世界にあまねく及ぶ基地、全天相(頑住吉注:意味不明。検索してもヒットしません)情報システム、電子戦ネットワーク戦システム、さらに巡洋艦ないし戦艦の火力の協同が含まれる(頑住吉注:戦艦はもうないでしょう)。ある意味から言って、F-35の強大さは、強大さがそれ自体の性能にだけあるのではなく、さらにそれが1つの強大な総合戦争体系の中に組み込まれることにあるのである。(楊益)


 接近戦なら殲ー15有利という評価は西側の専門家もそう思うんでしょうか。しかし仮にそうでなかったとしても、機内に収納できるミサイルの数以上の敵と交戦したら当然勝てないですよね。















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