ロシアの次世代駆逐艦

 現在では海軍の主力とも言われますがロシアはずっと新型を開発していなかったんですね。

http://www.hinews.cn/news/system/2014/11/14/017112551.shtml


ロシア、新世代駆逐艦研究開発へ 未来の空母戦闘群を建設

10月21日のタス通信社の報道によれば(頑住吉注:記事は11月14日付です)、ロシア国防省はロシア海軍新世代駆逐艦「領袖」級の研究開発計画を批准した。

「領袖」級は多用途ミサイル駆逐艦で、汎用型垂直発射装置を装備し、対艦、対地、対空、対潜ミサイルが搭載、発射できる。

「領袖」級の研究開発作業は2015年に展開され、ロシア大中型水上艦艇の主要な研究開発機構である北方構造設計局によって引き受けられる。2018年に建造に着工され、第1号艦は2023〜2025年に引き渡され、12隻の建造が計画され、北方艦隊と太平洋艦隊がそれぞれ6隻配備する。

ロシア海軍には駆逐艦が深刻に欠乏している

海軍最重要の戦闘水上艦艇である駆逐艦は最も広範でまた多様化された任務を執行することができる。だが現在のロシア海軍は、ちょうどまさにこの艦種が最も欠乏しているのである。

ロシア海軍現役唯一のミサイル駆逐艦のクラスは「現代」級である。このクラスの艦は1970年代に研究開発され、1980年代に大量建造され、全部で17隻が建造され、現在9隻が就役している。

「現代」級は多用途ミサイル駆逐艦であり、搭載する超音速、大威力の対艦ミサイルはこのクラスの艦のために「空母キラー」の称号を勝ち取った。

「現代」級は蒸気動力を採用し、これは現代の駆逐艦の中では比較的珍しい。蒸気動力は出力が大きく、信頼性が高いが、ガスタービン動力に比べ、同等の出力の下で占用する体積と重量がより大きく、非常に大きく艦内スペースを圧迫し、こうしたスペースは本来ならより強大で先進的な武器や電子設備の搭載に使えるものであり、しかも艦員の作業や生活の快適性も比較的大きな影響を受ける。

1980年代以来、西側の海軍の駆逐艦、護衛艦などのクラスの大、中型水上艦艇は普遍的にガスタービン動力を採用し、海軍水上艦船の「完全ガスタービン化」はすでに趨勢となっている。現在、空母というこの種の超大型水上艦艇と原潜を除き、蒸気動力は基本的に海軍の動力「ファミリー」から退出している。

「無畏」級大型対潜艦はソ連とロシアの海軍に独特の艦種で、全部で13隻建造された。対潜ヘリを除き、「無畏」級はさらに2基の4連装の、核弾頭が搭載できる遠距離対潜ミサイルを装備し、これはこのクラスの艦の顕著な特徴でもある。

ソ連解体後、若干隻の「現代」級と「無畏」級は前倒しで退役し、その他も長期にわたり充分な維持保護保障は得られず、航行中である率は高くない。2010年以後、ロシア海軍は世界の大洋で日増しに活躍し、「光栄」級や「キーロフ」級ミサイル巡洋艦同様、「現代」級と「無畏」級の使用強度と頻度も非常に大きくなっている。

実際には、上述の4つのクラスの艦の他に、ロシア海軍には基本的にその他の使用可能な戦闘水上艦艇はない。「光栄」級と「キーロフ」級はそれぞれ4隻と1隻しかなく、このため「現代」級と「無畏」級がロシア海軍水上戦力の中核となっている。

上述の4つのクラスの艦はほとんど全て1980年代に建造されたものである。今後10年内、こうした軍艦は30年の就役期間満期後の退役のピークを迎える。「領袖」級の大量建造と共に、「領袖」級が上述の4つのクラスの艦に取って代わり、ロシア海軍水上艦艇部隊の中核となる。

未来の空母戦闘群建設の需要

ロシア海軍が新型空母を開発する決心はすでに下され、空母の研究開発と建造はすでに日程に上がっている。2012年7月、ロシア海軍総司令チャーコフは、すでに新型空母研究開発のために資金が割り当てられているとした。10月、ロシア連合造船集団は、将来空母方案はすでに確定し、2023年に完成する計画である、と言明した。

未来の空母戦闘群を建設するため、ロシア海軍は新型艦載機、護衛艦艇、新型空母の研究開発と建造を同時進行させている。

2011年、ロシア連合造船集団総裁テロチェンコは、2016年から6隻の対空対ミサイルおよび対宇宙作戦能力を持つ新型ミサイル駆逐艦の建造に着工し、北方構造設計局によって設計され、北方造船工場とバルト海工場によって建造され、未来の原子力空母戦闘群の護衛艦艇として計画し、このため新型駆逐艦は原子力動力を使用する計画である、とした。現在見たところ、テロチェンコが言う新型駆逐艦こそ「領袖」級である。

提示しておくに値するのは、「領袖」級がロシアの新世代S-500対空ミサイルの海上基地型を装備することである。S-500はロシアの将来の対空対宇宙防御システムの中核で、中、低空から宇宙までのあらゆる類型の飛行目標を迎撃する能力を持ち、性能はロシア軍が現在主に装備するS-300改良型やS-400をはるかに超える。このように、「領袖」級は水上艦艇艦隊、空母戦闘群のために防空対ミサイル能力を提供できるだけでなく、戦闘区域ミサイル防御システムの海上の節目となるポイントでもある。

ロシア海軍は「領袖」級に原子力動力とガスタービン動力の2つのタイプが存在することを要求し、相応に排水量はそれぞれ9,000〜10,000トンおよび12,000トン〜14,000トンである。原子力動力型は主に空母戦闘群の航路護衛艦艇としてより強い防空対ミサイル能力を持つ。ガスタービン型は主にパトロール、航路護衛、前線のプレゼンス、危機への反応など最も広範な任務に用いる。

ロシア連邦の「2011〜2020年国家武器開発要綱」によれば、2020年までにロシア海軍が建造する戦闘水上艦艇は主に22350型および11356P/M型大洋級護衛艦で、この2つの型の艦はいずれもソ連時代に設計が開始され、主に間もなく就役期間が満期になる同種の機種に取って代わるのに用いられる。

22350型と11356P/M型護衛艦はすでに大量建造され、かつ続々と引き渡されているが、まず配備されるのは黒海艦隊で、次がバルト海艦隊であり、一方「現代」級と「無畏」級は主に北方艦隊と太平洋艦隊に配備され、このように2つの大洋艦隊のミサイル駆逐艦欠乏の局面は日増しに厳しくなる。

新型海軍戦闘艦艇の開発は、技術が密集し、工程が複雑で、研究開発と建造の期間が長く、資金の消耗が巨大なシステム工程であり、国家レベルの中長期的艦艇建造計画で保障する必要がある。

「2011〜2020年国家武器発展綱要」の中に、「領袖」級と新型空母の建造はいずれもまだ入れられていない。2013年11月、ロシア副首相ロゴージンは、ロシアは「2016〜2025年国家武器発展綱要」制定の研究を開始し、その時には新型空母と新型駆逐艦が含められ、相応にロシア海軍の新たな艦艇建造計画も公布されることが有望である、とした。

(筆者の所属機関:海軍工程大学)


 「現代」級は中国にも販売されて中国国産駆逐艦の原型となり、中国はどんどん改良された新型を登場させているのにロシアは取り残されてしまっていたわけで、次世代駆逐艦が中国の最新型に比べどの程度のレベルになるのか気になります。1つのクラスみたいに言われてますが9,000〜10,000トンのガスタービン動力タイプと12,000トン〜14,000トンの原子力動力タイプでは全く別のクラスでは。


















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