「梟竜」戦闘機の輸出は成功するか

 そろそろ結果が出つつあるといったところでしょうかね。

http://war.163.com/16/0210/11/BFF6MKN400014OVF.html


中国の梟竜戦闘機の輸出、欧米ロの伝統的兵器販売の版図を奪取へ

原題:中国の梟竜戦闘機の輸出には技術、コストいずれも優勢なし 西側、羊が来た、とする

(頑住吉注:原ページのここにある画像のキャプションです。「資料画像:中国の梟竜戦闘機」)

2016年早々、中国とパキスタンが協力して研究開発したFC-1「梟竜」(パキスタンサイドはJF17「雷電」と称する)戦闘機プロジェクトに良い情報が伝えられた。ナイジェリア政府が3機のこの戦闘機を発注し、「梟竜」初の国外ユーザーとなる。この前後、スリランカ、アゼルバイジャン、ミャンマーが梟竜を導入するかもしれないとの情報も不断に国際的メディアに見られ、スリランカの購入の意向は甚だしきに至ってはすでに最終段階まで進展しているという。ナイジェリアの発注数は多くないが、これはそれでも中国航空軍事貿易の1つのマイルストーンであり、中国を正式に近代化された戦闘機の国際市場入りさせる。しかも多くの国が「梟竜」およびその他の中国の軍用機に対し興味を示し、人々にある趨勢をも見せている。すなわち、中国の製造業のグレードアップと共に、高速鉄道、原発に続き、軍用機が「中国製造」のまた1つの新たなる名刺となる可能性がある。

「梟竜」成功裏に世界に向け「飛ぶ」

「梟竜」戦闘機は1990年代に研究開発され、2003年に初飛行に成功した。中国・パキスタン両国の構想の中では、「梟竜」最初の位置付けは物は良くて廉価な第3世代戦闘機で、殲ー7戦闘機との交換に用いられ、かつ国際市場で多くの第三世界の国のミグー21系列戦闘機に取って代わり装備される、というものだった。研究開発過程で、「梟竜」は多項目の中国が第4世代戦闘機の研究開発で検証した技術を融合させ、例えば航空電子配置などである。この機はさらにアメリカ、ヨーロッパ最新の「第3世代半」甚だしきに至っては第4世代戦闘機でこそ使用されるいくつかのサブシステムの設計理念を採用しており、それを後発の優勢を基礎に「高配置」版小型第3世代戦闘機とさせている。この機の就役後、中国航空軍事貿易企業関係者はかつて、2017年までに300機輸出する目標を実現することを希望する、とした。

だが「梟竜」就役後の若干の年間、まだ決して成功裏に国際的販路を開くことはなかった。相次いで十何カ国かがこの戦闘機に対し興味を示したことがあるが、2015年まで、それはパキスタン空軍の4個中隊に装備されただけだった。パキスタンは「梟竜」戦闘機の合同研究開発サイドであるため、厳密に言えば「梟竜」戦闘機はまだ決して成功裏に輸出されたことはない。その原因には3つの方面があるかもしれない。

まず、中国の伝統的な兵器販売対象の中で、支払い能力もあれば安全に対する圧力もある国に対して言えば、優秀な第三世代あるいは第三世代半戦闘機の選択を希望する。市場の似た選択肢に比べ(例えばF-16の中後期ロット)、「梟竜」の戦術技術指標には決して顕著な優勢はない。同時に、「梟竜」のロシア製エンジンの短い寿命はまた飛行機の就役期間全寿命の使用コストを増加させている。技術上劣勢が存在し、コストの上でもまた顕著な優勢はないことは、「梟竜」が一時富裕な国家の歓迎を獲得し難い結果をもたらしている。

次に、第2ロットの「梟竜」の面市(頑住吉注:検索しても全くヒットしない語ですが字からして市場入り?)と第3ロットの就役計画と共に、その航空電子、レーダー、電子戦、エンジンなどのカギとなる重要システムがさらに一歩のグレードアップを得たが、このようにする代価は「梟竜」の価格に相当な高騰もあるということである。いくつかの決して急迫した防空圧力のない、かつ経済財政状況もまたあまり豊かでない第三世界諸国にとって、このことはいささか彼らを意気込みに力が追いつかなくさせる。2005年から2007年の期間、バングラディシュ、スリランカ、タンザニア、ナイジェリアという4カ国が発注したのは依然殲ー7系列戦闘機だった。別のいくつかの第三世界の国のユーザーは中国のK-8練習機を購入し、かつ改装とセットとなる武器の導入を行い、これでも匪賊掃討や対ゲリラ戦任務に用いることができる。

第3に、国際軍用品市場には特殊性があり、いくつかの製品以外の要素が存在し、このこともいくつかの本来意向があった国に最終的に契約締結できなくさせた。

また、「梟竜」はさらに優秀な第3世代機の退役転売後の中古市場の競争圧力に直面している。2014年秋、中国航空軍事貿易企業のある高級幹部はかつて、「国際軍事貿易市場において、F-16などに代表される成熟した第3世代機が間もなく退役し、かつ我が伝統的市場領域に向け投げ売りされる可能性があり、我が航空軍事貿易のニッチ市場において残された小さな分け前で満足したよい光景はもはや存在しなくなる。」とした。その後、中国サイドも「梟竜」の展示と推薦紹介作業を強化し、相次いで多くの国と中国サイドは交渉を行った。今回のナイジェリアの購入契約は、「梟竜」輸出の容易ならざる素晴らしい業績と評価できる。

中国の軍用機輸出には独特の優勢がある

全体的に見て、中国の航空装備は国際市場において多くの優勢がある。例えば相対的に低廉な価格(装備価格も含めば、訓練やサービス費用も含む)、比較的良いロシア系やアメリカ系サブシステムとの互換性、相対的に低い維持保護の要求、柔軟な交易方式、政治的付加条件を設けない、部品が欧米の禁輸の影響を受けない等々である。

サービスで言えば、航空軍事貿易が飛行機を売るように簡単であったためしはない。中国の初期の軍事貿易輸出の例で言えば、当初エジプトに向け殲ー6戦闘機を販売することができたのは、やはり相手方が中国の豊富な使用、維持保護経験、成熟しかつ膨大な生産体系を信頼したからである。今、中国航空軍事貿易企業はとっくにアフリカに技術支持事務室を設け、専門の海外保税倉庫があって航空材料の支持を担当している。実力が比較的強く、装備数の規模が大きなユーザーに対しては、中国はさらに海外維持修理ラインを建立し、全方位のサービスさえ提供する。

装備とのセット方面では、国防産業のチェーン状の連なりの全体的グレードアップ、装備の体系化の程度の向上と共に、中国の軍用品の対外販売はより体系化、セット化の趨勢を呈し、例えばパキスタンが「梟竜」を装備した後、中国はさらにそのためにSD-10中距離空対空ミサイル、PL-5E近距離空対空ミサイル、対艦ミサイルおよび「雷石」、「雷霆」系列レーザー制御誘導爆弾をセットした。輸出機種の増加、特に早期警戒機、無人機、防空レーダー市場のシェアの増加と共に、中国航空軍事貿易がユーザーのために完備された空中力量体系を建立する能力は強化されつつある。

現在、中国の軍用機輸出は第2世代機から第3世代機に移行し、有人機から有人機と無人機のコンビネーションへと発展変化し、固定翼機を基礎にヘリまで拡張展開し、単純な完成機の輸出から完成機と生産ラインのコンビネーションの輸出に発展変化し、製品が核心から製品とサービスの並行しての重視に向けて発展変化しつつある。

「梟竜」プロジェクトおよび中国軍用機対外販売の議題に対し、西側の態度は基本的に「狼が来た」と「羊が来た」の間で揺れ動いている。いわゆる「狼が来た」とは中国の科研と軍事工業が進歩し、欧米ロの伝統的兵器販売の版図を奪い占めることになる、と考えることである。いわゆる「羊が来た」とは中国はずっと前から、かつ予見できる未来もずっと単なるローエンド市場の参与者であって、中国航空工業の発展は依然として模倣とパクリをメインとし、自主創新と研究開発能力が欠乏している、と考えることである。この2種の視点は、少なくとも現在の中国航空軍事貿易の形勢から見ていずれも偏っている。

軍用機対外販売の版図は拡大することが有望

中国の軍用機の技術進歩と共に、中国が軍用機を対外販売する対象はまださらに一歩増加する可能性があり、しかも軍用機輸出の種類もより豊富になることが有望である。

現在、中国の軍用機およびセットされる設備の海外ユーザーは依然アジア、アフリカ、ラテンアメリカの「古い友達」がメインである。受注の時期から評価すると、過去10年で中国の軍用機を購入した国にはエジプト、バングラディシュ、ミャンマー、ナイジェリア、パキスタンなど約20の国が含まれる。このうちパキスタンとエジプトはそれぞれ戦闘機と練習機プロジェクトの上でライセンス生産権を獲得している。

一方輸出の種類方面では、K-8練習機が数の上から言って依然市場の主力である。過去10年内、12カ国がK-8練習機を購入した。K-8とよりハイエンドなL-15練習機(ザンビアとタンザニアの発注を獲得)は共同でサハラ以南のアフリカの80%近い練習機機隊を占拠している。その改装ポテンシャルと装備汎用性に頼り、K-8は非常に多くのアフリカおよびラテンアメリカの国によって主力対地攻撃機として用いられている。誇張なく言って、「中国製造」はすでにこうした国の飛行員のゆりかごとなっている。

殲ー7は中国航空軍事販売の「常緑樹」で、過去10年、バングラディシュ、スリランカ、タンザニア、ナイジェリアといった4カ国が殲ー7系列戦闘機を購入し、かつそれに「霹靂」系列空対空ミサイルを配備した。

中型輸送機、ヘリはずっと国際軍用機市場の重要な組成部分である。過去10年、中国の運ー8、運ー12、新舟-60および直ー9ヘリは13カ国において販路を開き、今後既存の版図を強固にすることに問題はないはずである。

また、新興の無人機領域では、中国航空企業にはすでに成熟した製品があるだけでなく、中国の航空宇宙企業は国境を越えて成熟した製品を提供してもおり、しかもすでに国外で実戦に投入されている。「大彊」無人機の民間市場における状況からは、中国の産業の特徴は無人機領域に特有の優勢があり、例えば生産能力が大きく、技術が成熟し、装備やセットが完備しているなどであることが分かる。軍用無人機領域で、中国は同様に成果を上げることができる。

今、中国軍用機輸出は時代が賦与したチャンスに直面している。伝統的なアジア、アフリカ、ラテンアメリカのユーザーを含め、多くの国の空軍が装備グレードアップ世代交代の需要に直面しており、この市場空間は極めて広い。だが、このパイの分け前を手にするのは、決して簡単にできることでもない。

例えば、政治方面では、中国はずっと兵器交易を政治と過度に深くからめるのを避けることを企図している。だがこの問題は確かに回避し難い。多数の買い手が兵器販売を通じて売り手の行為に影響する、甚だしきに至っては拘束することを希望しているだけでなく、買い手もしばしば武器輸入と引き替えに売り手の政治的保証を得ることを希望する。実際上、中国の軍用機販売方面の柔軟な態度はある時には第三者から一種の政治的保証とも理解され、例えば欧米が制裁する国に対し政治的条項を加えないなどである。

また例えば、業界の発展水準方面では、中国は習慣と文化がもたらす挑戦に直面している。中国の軍用機の維持保護理念は世界最新の理念と依然隔たりがあり、例えば定時維持修理の習慣は非常に多くの顧客に対し一種の負担と言える。また、中国の軍用機の維持修理基準は第三者の維持修理の展開に影響し、その中で関わる維持修理基準と方案のプロセスはいずれも国際軍事貿易市場では通用していない。

中国の軍用機輸出のそれぞれの一歩の発展の背後にあるのはいつも航空および関連業界人員の苦労に満ちた代償である。海外の第一線業務人員は非常に苦しい作業環境、甚だしきに至っては人身の安全への脅威に直面する必要がある。国内の企業労働者は残業を重ね、努力して遅れず製品を引き渡す必要がある。科研人員は技術の進歩やユーザーの需要を根拠に不断に製品を改良する必要がある‥‥だがこれはまさに近年来の「中国製造」ハイエンド製品の海外進出の縮図なのである。中国の産業グレードアップの発展、および産業ブランドが徐々に強化されるのと共に、中国の軍用機産業の海外での天地は必ずやより広いものになる。


 ルーブルの下落でロシア製軍用機が買いやすくなる、インド、韓国などが途上国向け軍用機販売に力を入れるようになるなど中国の軍用機輸出に不利と思われる要素もありますが、全体的に見れば発展する傾向になるでしょうし、輸出が増えれば中国の航空産業や軍用機の現在のレベルが実際どうなのか推測しやすくもなるでしょうね。















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