ロシア空軍シリアでの戦訓 その2

http://military.china.com/jszmt/02/11173748/20160822/23348825.html


シリアでの作戦行動中にロシア軍は、アメリカ人が1990年代に広範に高精度武器を使用した時に遭遇した問題に遭遇した。甚だしきに至ってはKAB-500Sのような単純な弾薬さえも全く安くないのである。1発の砲弾の価格は高級車と同等で、また備蓄が少なく、このため用いる時は精密な計算を必ず必要とするからなおさらである。シリアで空中打撃を行う過程で、1回の出動で1発以上のKAB-500S爆弾の使用を必要として依然破壊が確保できる目標は非常に少なかった。

ロシア国防省が恨み言を言ったのは1回に止まらないかもしれない。彼らにはまだJDAMに似た物がない。比較的低いコストをもってロシアの大量のFABおよびOFAB弾薬を高精度武器に改装するフルセットのユニットである。特に人を悩ませるのは、この技術がすでに単に技術先進国だけが所有するものではないことである。トルコや南ア共和国といったような第二梯隊の兵器製造国もすでにこの種のシステムを掌握している。より有効に普通の殺傷武器を高精度武器に改造するのは言うまでもなく、例えば翼とエンジンの追加装備によって旧式爆弾を敵の遠距離目標が破壊できる高精度弾薬に改装するのである。

力の及び得る限りの負荷

ロシアのシリアにおける軍事行動の中で最も象徴的性質を持つ事件の1つは海上基地および空中発射巡航ミサイルの使用である。発射された巡航ミサイルの正確な数は分からない。ロシア国防大臣セルゲイ ショイグが去年11月20日に会議で行った報告によれば、当時までに遠距離航空兵と海軍は全部で101発のミサイルを使用した。もしこの報告の中の数字とロシアの軍・政治指導者が披露した数字を加えれば、海軍だけでシリア国内の目標に対しもう少なくとも46発の「クラブ-NK」巡航ミサイルを使用した。人の注目を引くのは、以前は試験中でも演習過程でも、このような規模の最新型巡航ミサイルの一斉射撃が行われたことは全くないということである。

当然、決してあらゆるミサイルが全て目標を打撃するに至ったわけではない。だが標的を外れた比率は2003年のイラク戦争の中でのアメリカの巡航ミサイルや、「デザートストーム」行動の中での「トマホーク」ミサイルの指標と同等、10〜16%だった。ロシア海軍は距離数百および数千kmの目標に対し高精度非核打撃能力を持ったのであり、このことは国境を遠く離れた地域で力量を投射する能力を顕著に強化した。

海軍が海上基地巡航ミサイルを大量使用する背景の下、Kh-555および最新型Kh-101ステルスミサイルのシリアでの成功裏の使用はほとんど人によって注意されなかった。当然、ロシア遠距離航空兵が持つこうした航空殺傷武器およびその能力は必ずしも秘密ではない。だがこうしたミサイルに関して言えば、シリアはそれらの試し斬りの場所だった。

人を遺憾に感じさせるのは、遠距離航空兵の大部分の戦闘出動を完成させた改良型ツポレフ-22M3さえも依然非制御誘導爆弾のみ使用したことで、非合法武装勢力の陣地に対し打撃を行った一部のこの機種の飛行機はそのために専門に修正し、普通の自由落下爆弾に高精度を賦与できるSVP-22計算サブシステム(「火神」社)を装備したものの。空中給油を行わない状況下では航続距離が限られるため、およびできる限り附帯損失を減少させるため、ツポレフ-22M3の爆弾搭載荷は非常に大きく減らされた。シリアで採用された12発の250kg爆弾という典型的配置は、戦術機に対しより典型的と言った方がよい。だがもしそれぞれ全てがKAB-500Sのような制御誘導爆弾だったら、ツポレフ-22M3の重要な面積目標(潜在的敵の石油加工工場、軍事基地、飛行場)にとって重大な脅威になると言える。

実際上、NATO諸国のあらゆる空中行動は、イラクでもリビアでもアフガニスタンでも、全て空中給油機を使用し、空中給油機の使用強度は往々にして攻撃機、戦闘機、爆撃機の数倍だった。一方ロシアの空中給油機のシリアでの出動は非常に限られ、主にツポレフ-160やツポレフ-95MSミサイル爆撃機のために給油した。我が国の戦闘機、前線爆撃機や低空攻撃機は、去年の秋のロシアからシリアへの場所移動でも、今年春の軍の撤退過程でも、空中給油は行っておらず、サブタンクの使用だけに限られた。

航空宇宙軍代表は「軍工信使」に対し、空中給油機の数およびその戦術技術性能は暫時ロシアの打撃飛行機の遠距離有効使用に保障を提供できない、と認めた。空中給油機は必要量の燃料を搭載運搬する必要があるだけでなく、滞空時間も充分に長い必要がある。暫時希望をボロネジ航空工場で改装を行いつつあるイリューシン-96-400TZに寄せることになるかもしれない。まだ組織の問題がある。現在空中給油機は遠距離航空兵司令部に隷属する。空中給油機はまずその作戦業務のために保障を提供し、前線爆撃機や戦闘機のための給油は剰余の原則に照らす。

無人機試練耐心 (頑住吉注:「耐心」は「我慢強い」などの意味ですが3つの語相互の関係、つながりが不明です。)

シリア政府軍の重要な戦績が非常に大きな方面でその功を特殊航空旅団に帰すべきであることは否認できない。スホーイー25とミルー24Pはほとんど絶え間なく地上部隊に向け火力支援を提供した。

だがもし武装ヘリが不断に事件発生地点で各種ビデオによって撮影されたとするならば、非制御誘導ロケット弾と航空爆弾をを用いて非合法武装組織の陣地に打撃を行った低空攻撃機は3つの短いフィルムの中だけにあった。スホーイー25のシリアの天空における出動強度は非常に高く、ある時には毎昼夜のべ5〜6機だったにもかかわらず。

ついでに指摘しておく必要があるのは、ミルー24Pヘリがミサイルを使用することは非常に少なかったことである。それが選択した武器は依然非制御誘導ロケットで、シリアにおけるこの武器は固定目標の打撃に用いられただけでなく、さらに移動目標の打撃に用いられ、これには装甲技術装備が含まれた。遺憾なのは、もしロシア航空宇宙軍にとってシリアにおける固定目標の破壊が問題でなかったというならば、移動目標、武装ピックアップや小規模武装分子の打撃は依然として非常に困難で、しかも飛行員がリスクを冒す必要があったことである。何故なら敵が携帯式対空ミサイルや小火器を使用する状況下で低空飛行する必要があったからである。

現在のテロ分子打撃と反乱鎮圧行動の世界の経験は、最も良い方案はミサイル、ある時には制御誘導爆弾を装備した武装ヘリだということを示している。これは最小の附帯損失をもって機動目標を殲滅できる真の高精度武器である。

シリアと隣り合うイラクは中国製、甚だしきに至ってはイラン製の武装無人機を使用しているが、類似のロシア製品はまだ試験段階にある。これはおそらく現在我が国の航空宇宙軍の最も薄弱な部分である。

武装ヘリは無人機の空白を埋めることができていない。ミルー35M武装ヘリは数が少なすぎ、一方発達した照準/スキャンシステムを装備した最も先進的なミルー28NとKa-52は登場したばかりだが、確かにすでに戦闘に投入されている。だがもしそれらでも正確なミサイルの使用は節約する必要がある。

我が国のヘリが装備するミサイルは装甲技術装備や自動車を打撃するのに用いるには完全に有効だが、寸法に制限があるため、その温圧型および殺傷-爆破型の威力はアメリカのAGM-114「ヘルファイア」ミサイルより顕著に小さい。これだけではなく、ロシア航空宇宙軍はこの製品の備蓄の建立を開始したばかりである。

同時に、イラクおよびそのごく小さな空軍が「イスラム国」を打撃する過程の中だけで毎月もう数百発の温圧型および殺傷/爆破型「ヘルファイア」ミサイルを消耗する必要がある。1つの事実を指摘するするだけでいい。今年アメリカ国務省はすでにイラクに向け5,000発のこのタイプのミサイルを販売することを批准した。間違いなく、そのうち一部は対戦車型となる。


 自衛隊がアメリカから実戦経験に基づくいろいろなものを伝授されるように、こうしたロシアの経験は合同演習などを通じ中国に伝えられるはずです。またここで不足とされているいくつかの分野では少なくとも中国の言い分では中国の方がロシアより勝ってもいるとされています。














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