パキスタンの梟竜戦闘機、李克強首相専用機を護衛

 中国とパキスタンが共同開発した梟竜戦闘機に関する記事を2つ紹介します。

http://military.china.com/important/11132797/20130524/17852141.html


パキスタンの梟竜飛行員、航路護衛を語る:完璧を追求して1週間の苦しい訓練

(頑住吉注:原ページのここにある画像のキャプションです。「『梟竜』は全世界で性能:価格比最高の第3世代戦闘機の1つである」)

中国の首相李克強を出迎えるため、パキスタン空軍は22日、「梟竜」(パキスタンのコードネームはJF-17「雷電」)戦闘機を出動させ、まず6機の随伴飛行、航路護衛の高規格礼遇をもって歓迎し、その後さらに飛行場において編隊低空通場(頑住吉注:低空飛行で通過する儀礼的行為のようです)方式をもって機から降りたばかりの中国の客人に向け敬意を表した。このように厳かな儀礼は、中国・パキスタン合同研究開発による「梟竜」戦闘機の大きな見せ場も作った。「グローバル時報」記者は23日に電話で、今回の航路護衛に参加したパキスタン空軍「梟竜」中隊長ルオナード中佐にインタビューした。

敬意を表し、航路護衛戦闘機は武器を搭載せず

初めて中国での「梟竜」換装訓練に参加したパキスタン飛行員の1人として、ルオナードの「梟竜」操縦時間はすでに4年を超えている。彼は「グローバル時報」記者に、自分と仲間はおよそ1週間前に上級の知らせに接し、航路護衛編隊を組んで中国首相専用機を出迎える準備をした、と教えた。ルオナードは回想し、この光栄な任務を知らされた時、彼らは非常に大きなプレッシャーも感じた、と語った。この任務を完璧に執行するため、選ばれたパキスタン飛行員たちはわざわざ集中的訓練を行い、主に高空編隊と低空通場の練習を行った。ルオナードは、彼はかつて2010年に機を操縦して来訪する中国の当時の首相温家宝を護送したが、あの時は航路護衛の6機の戦闘機のうち2機しか「梟竜」はなかったが、パキスタン空軍が今回の任務のために配備した6機の戦闘機は全てパキスタンが研究開発に参与した「梟竜」であり、このことも彼らに非常に誇らしく感じさせた、と語った。

ルオナードは次のように描写した。中国首相機がパキスタン領空に入った後、6機の「梟竜」戦闘機が航路護衛、随伴飛行を開始した。彼は、専用機が数万フィートの高空を飛行したため、安全を確保するために随伴飛行する戦闘機は機動性能のデモンストレーションを行うことはなかった、と語った。今回の飛行の安全を保証するため、パキスタン軍はさらに飛行ルート付近の空域に対し厳密な監視を行った。ルオナードは、この種の状況下でさらに中国の客人への敬意を強く示すため、6機の「梟竜」戦闘機はいずれもいかなる武器も搭載しなかった、と語った(頑住吉注:それでは護衛にならんような気もするんですが、国際的にはこれ普通にあることなんですかね)。随伴飛行は約17分間続き、李克強首相がヌール・カーン空軍飛行場で専用機のドアから歩み出た時、パキスタンサイドは21発礼砲を鳴らし、ルオナードと仲間たちは6機の「梟竜」戦闘機を操縦し500フィートの高度を編隊で低空通場して敬意を示した。

(頑住吉注:これより2ページ目。画像のキャプションは「李克強首相専用機のために航路護衛を行ったパキスタン空軍の『梟竜』の編隊」です。)

パキスタン空軍の「梟竜」に対する賛辞絶えず

パキスタンのベテラン飛行員として、ルオナードは相前後して中国の殲ー6、殲ー7、フランス製「ミラージュ」、アメリカのFー16など多種の戦闘機で飛んだことがある。彼の「梟竜」戦闘機に対する評価は非常に高く、それを「自分が飛んだいかなる戦闘機にも負けず、いかなる現代空軍の必要も満足させられる」と称した。ルオナードは、「梟竜」戦闘機は操縦性が非常に良く、傑出した格闘および対地攻撃能力を具備している、と強調した。彼はさらに、中国の特色にあふれた言葉を使って次のように締めくくった。「この戦闘機はパキスタン空軍のために、多様化された軍事任務の執行能力を提供した。」

ルオナードの視点は同様にパキスタン空軍上層部にも認められている。パキスタン航空連合体主席スオハイアー中将がパキスタン空軍プロジェクト進行主任ジャウェイド少将と23日に「グローバル時報」のインタビューを受けた時、同様に「梟竜」戦闘機のパフォーマンスに対する賛辞が止まなかった。ジャウェイドは、多用途戦闘機として「梟竜」は空対空および空対地任務を軽々と完成させることができる、と語った。彼は、戦闘機の性能を簡単に比較することはできず、目的性をもって戦闘機が必要を満足させられるか否かを見る必要がある、と考えている。パキスタンにとって、「梟竜」戦闘機は最先端の戦闘機に属し、このことはすでにパキスタンサイドの当初における戦闘機設計、研究開発の目的を実現している。スオハイアーは、パキスタン航空連合体は毎年16〜18機の「梟竜」を生産することができ、将来この数字は30機にまで増加することが有望だ、と明らかにした。現在パキスタンには第16、第26という2つの「梟竜」戦闘機中隊があり、間もなく3つ目の中隊が建設される。彼はさらに、非常に多くの国が「梟竜」に対し濃厚な興味を示しており、パキスタンサイドに関連の諮問を提出した国のリストは長いものになり、これにはアフリカや南米の国が含まれる、と明らかにした。スオハイアーは、遠くない将来発注契約を締結できることを希望する、とした。

(頑住吉注:これより3ページ目。画像のキャプションは「『梟竜』は基本的に第3世代戦闘機の技術レベルに到達している」です。)

ステルス版「梟竜」が出現することはない

スオハイアーは「グローバル時報」記者のインタビューを受けた時、パキスタンが受領した第2ロットの「梟竜」戦闘機には重大な改良が行われており、主に航空電子システムに集中し、もってより先進的な武器の搭載に便としている、と明らかにした。また、パキスタン軍の「梟竜」は将来空中給油能力を持つことになる。

「梟竜」戦闘機の総設計師楊偉は23日「グローバル時報」記者のインタビューを受けた時、「梟竜」の将来におけるグレードアップのより多くの細目を提供した。楊偉は、空中給油能力を備えた「梟竜」は1〜2年以内にパキスタン空軍に引き渡されることになる、とした。一方より重要な改良の方向は情報感知の向上と体系融合などの方面に集中する。彼は、弱点と見られるエンジンの問題でも、中国航空工業の発展と共に相当大きな成績が取得されており、将来「梟竜」はさらに複座型など派生機種を発展させることになる、と説明した。だが外界が推測するステルス版「梟竜」に対しては、楊偉は「梟竜」は第3世代戦闘機の中でサイズが比較的小さく、さらに加えて設計時すでにもう主翼、S字型空気取り入れルートなどの部位にステルス機能を考慮してあり、この機は将来いくつかの低コストのステルス技術を採用するかもしれないが、通常の意味でのステルス戦闘機に発展することはない、とした。

(頑住吉注:4ページ目)「梟竜」戦闘機の高い性能:価格比はその最大の優勢に他ならない

(頑住吉注:5ページ目)「梟竜」戦闘機はパキスタン空軍の好評を得ている

(頑住吉注:6ページ目)「梟竜」戦闘機の全体的実力は少なくともアメリカのF-16A/B戦闘機に相当する

(頑住吉注:7ページ目)李克強首相専用機のために航路護衛を行うパキスタン空軍の「梟竜」の編隊

(頑住吉注:8ページ目)「梟竜」戦闘機は一度パキスタン空軍のF-16戦闘機の有力な補充になった


 まあ社交辞令も含めてかもしれませんがクラス的に近いF-16を含めた多くの戦闘機に登場した経験のあるパイロットの評価は興味深いです。しかし「基本的に第3世代戦闘機の技術レベルに到達している」などの記述やコストパフォーマンスの良さを強調するあたり、無条件で最高の性能、というわけでは決してないことがうかがわれます。また、この機はF-16と比較されることが多いですが、パキスタンの立場からして今後はインドのラファールと比較されることが多くなっていくと思われます。

http://military.china.com/important/11132797/20130523/17850860.html


パキスタン、すでに3カ国が梟竜を発注していることを事実確認

(頑住吉注:原ページのここにある画像のキャプションです。「『梟竜』戦闘機は中国とパキスタンによって合同で研究開発された。」)

梟竜/FC-1機は中国とパキスタン双方が共同で投資し、中国航空工業第一集団社所属の成都飛行機工業(集団)有限会社、成都飛行機設計研究所、中国航空技術輸出社などの組織が研究開発し、市場経済の規律に従って運営され、パキスタン空軍が開発に参与した全天候、単発、単座、多用途の軽戦闘機である。

武器システム:高度総合化

航空電子システム:全状態航空電子システム

救命システム:微爆索穿蓋弾射救命システム(頑住吉注:少量の爆薬でキャノピーを破壊して座席を射出する、というような意味ではないかと思います)

マン・マシンインターフェース:コックピット総合ディスプレイ設備

コックピットの視野:一体円弧風防およびバブルキャノピー設計

操縦モード:デジタル式電気伝導と機械の混合システム総合設計

電力供給、分配システム:自主研究開発によるデジタル式電源コントロールボックス

全体空力レイアウト:超音速性能を非常に大きく向上

斬新な技術:先進的S字型空気取り入れルート、複雑な薄壁部品多孔精密加工など総合製造技術

(頑住吉注:これより2ページ目。画像のキャプションは「FC-1梟竜戦闘機は全天候、単発、単座、小型の超音速戦闘機である。」です。)

「梟竜」研究開発年表 

1998年、中国・パキスタン両国政府、協力して超七飛機を開発する原則的協議を成立させる。(頑住吉注:「超七飛機」はこの機の別名で、「スーパー殲-7M」みたいな意味らしいです。結果的に別物になりましたが出発点はこれで、殲-7Mのメーカーも成都飛行機です。)

1999年、中国・パキスタン、協力して超七飛機を研究開発する契約を締結。

2001年、中国航空工業第一集団社、超七飛機の01号機の航空電子システムに「簡略化方案」を採用し、まず機本体を開発することを明確にする。

2001年9月、「梟竜」01、03号機の技術状態を凍結、詳細設計を行う。

2002年10月、「梟竜」戦闘機の詳細な設計図が完成、8大試験台を建設、関連の試験を開始。

2003年8月、「梟竜」01号原型機、初飛行に成功。

2004年4月、「梟竜」03号原型機、初飛行に成功。

2004年6月、中国・パキスタン、「梟竜」戦闘機の完全状態航空電子開発および技術移転契約を締結。

2004年7月、超七飛機、正式に改めて「梟竜/FC-1」機と命名され、パキスタンサイドはこれを「JF-17雷電戦闘機」と呼ぶ。

2005年1月、「梟竜」戦闘機の04号構造詳細設計図が完成、同年3月システム詳細設計図が完成。

2005年11月、「梟竜」戦闘機の04号機、組み立てに入る。

2006年4月上旬、「梟竜」戦闘機の完備された航空電子システムの研究開発が完成し、これを装備した機が引き渡される。

2006年4月28日、完全状態の「梟竜」04号戦闘機、初飛行に成功。

(頑住吉注:これより3ページ目。画像のキャプションは「試験機構がテスト中の『梟竜』戦闘機」です。)

「梟竜」の研究開発過程

梟竜機の中国サイドの名称はFC-1、パキスタンサイドの名称はJF-17である。

1992年5月、中国、パキスタン双方の専門家チームはプロジェクトの実行可能性論証を開始し、双方は「スーパー7」機の作戦上の要求の討論を開始した。10月、パキスタン国防・生産担当者マリクと中国航空工業部副部長王昂は覚書に署名し、双方は協力して「スーパー7」機を研究開発する希望を表明した。このプロジェクトは両国間で共同のリスクを冒す協力プロジェクトということができる。

(頑住吉注:これより4ページ目。画像のキャプションは「『梟竜』04号戦闘機」です。)

パキスタン空軍参謀長、梟竜04号戦闘機の完全状態での試験飛行を見る。

2006年5月10日午後13時42分、エンジンの力強い轟音と共に、中国航空工業第一集団社の会社ロゴがプリントされた銀灰色の梟竜、完全状態の04号機は、成都の温江飛行場で青空に飛びあがり、10分の飛行の後に平穏に着陸した。このことはその場にいたパキスタン空軍参謀長タンウェアー、モハメッド アーメド上将など国内外の100人近い貴賓の熱烈な拍手を勝ち取った。

中国航空工業第一集団社社長劉高倬はこの時、中国国産の梟竜完全状態機の初飛行が成功し、梟竜機の大量生産のために堅実な基礎を打ち立て、このことは中国航空工業の自主的に新しいものを作り出す能力に新たな向上があり、かつ新世代先進戦闘機研究開発の新たな飛躍を実現したことを示す、とした。彼は、梟竜機の航空電子および武器システムは世界先進レベルに到達している、と強調した。

(頑住吉注:これより5ページ目。画像のキャプションは「『梟竜』戦闘機」です。)

「梟竜」、パキスタン空軍に装備される

中国航空工業第一集団社社長劉高倬の説明によれば、梟竜プロジェクトは中国の同社とパキスタン空軍が共同で投資し研究開発した先進戦闘機で、この機は01、03号機を基礎に、広範な設計、工程技術人員および研究開発に参加する全ての人員が04号機に対し技術的最適化を行い、自主的に先進的完全状態航空電子・武器システムを研究開発し、さらに一歩総合作戦能力を向上させたものである。成都飛行機社社長羅栄懐も現場で、成都飛行機は中国航空工業第一集団社の指導下で、できる限り早く梟竜機をパキスタン空軍に装備させる、とした。

(頑住吉注:これより6ページ目。画像のキャプションは「パキスタンの青年、『梟竜』戦闘機の前でツーショット写真を撮影」です。)

中国の記者、パキスタンの「梟竜」工場を訪問:中国の元素至る所に見られる

イスラマバード市中心から車で北に向かい、はるばる行くと暗い緑色、茶色などに塗装された建物が連なるのが見える。建物は高くなく、およそ2階建て前後だが、数km続き、一目では見渡せない。

目の前にあるようだが、近づくのは容易ではない。路上には3か所の歩哨所があって検査を行っている。増してや地域に入ると、200mごとにバリケードがあって、高く積まれた土嚢の脇の迷彩服を着て小銃を持っているのはパキスタン兵士である。こここそパキスタン軍事工業の核心、パキスタン航空工業連合体Kamra工場である。中国・パキスタン協力プロジェクトであるJF-17梟竜戦闘機はこの中で製造されている。

(頑住吉注:これより7ページ目。画像のキャプションは「パキスタン国内の梟竜戦闘機組み立て工場。」です。)

工場内には300人の中国人がいる

JF-17戦闘機内部のソフトウェアアッセンブリーとテストを行う建物の中には、中国の元素がほとんど至る所に見られる。レーダーのテスト区と電波分析室では、アスラン准将は歩きながら部品と機器を指さし、「御覧なさい、あれらは全部中国から来たもので、家具もそうです。」と語る。(頑住吉注:工場内にある家具というとちょっと違和感ありますが机や椅子などのことでしょう)

彼は後ろにある1機のすでに完成したJF-17を指さして、このような1機の飛行機の市場価格はおよそ800万アメリカドルで、現在すでにミャンマー、タイ、インドネシアなどの国が発注している、と語る。彼は言う。「全部で300人余りの中国人がこの軍事基地で作業しています。毎年不断に来る人があり、ある時は古い人が去り、新たな人がまた来て、新しい考え方をもたらします。」

(頑住吉注:これより8ページ目。画像のキャプションは「2010年ファーンバラ航空展でのパキスタン空軍梟竜戦闘機の静態展示。」です。)

パキスタン空軍精鋭部隊、梟竜に換装 軍の高官中国に感謝

2011年4月11日、パキスタン空軍第26中隊があるパキスタン空軍基地で装備更新式を開催し、JF-17梟竜戦闘機によってそれまでこの中隊が装備していた中国製A-5III実戦機(頑住吉注:検索しても不明なんですが)を更新した。パキスタン空軍総参謀長は式において中国のパキスタンに対する支持に感謝し、さらに2番目に梟竜戦闘機への換装を開始する部隊は第16中隊であると明らかにした。

(頑住吉注:9ページ目はキャプションなし。10ページ目。)パキスタン空軍の梟竜戦闘機と機載武器の静態展示。

(頑住吉注:11ページ目)資料画像:今年7月(頑住吉注:キャプション適当なとこから流用するんでいつだか分かりません)、パキスタン空軍のJF-17梟竜戦闘機ははるかイギリスに赴きファーンバラ航空展で静態展示を行った。


 インドという共通の敵を持つ中国とパキスタンのつながりは強く、今後はこの機の対外的販売でも協力して利益を得るようになるんでしょうか。しかし自分たちの商売の邪魔になるとしてロシアがエンジン供給を止める、あるいはウクライナが戦車用エンジンを輸出した時のように第三国への転売禁止という条項を契約に含めれば、現時点ではたちまち輸出は頓挫することになるはずです。










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