インドの国防関連2題

 まず全体的な武器輸入関連です。

http://www.hinews.cn/news/system/2015/04/30/017527289.shtml


インドの兵器輸入、3年で100億アメリカドル費やす 増加幅50%を超える

中新ネット4月30日電 中国国防科学技術情報ネットの報道によれば、インド国防省が発表したデータによれば、インドは過去3年内に全部で8,380億ルピー(131億アメリカドル)を費やして武器装備を輸入し、増加幅は50%を超える。

インド国防大臣マノハール パリカールは4月24日、国防省の「外国の入札参加業者に与えた発注額」は2011〜12年度、2012〜13年度、2013〜14年度それぞれ2,246億ルピー、2,631億ルピー、3,508億ルピーで、増加幅は56%、年度平均の増加は25%である、とした。

輸入装備は主に飛行機、ロケット、ミサイル、戦車、シミュレーターを含み、一方海軍艦船やその他一部飛行機、レーダーは主に国内で生産された。パリカールはインド工業連盟(CII)が組織したある活動に参加した時に上述の発言をした。彼はさらに、国防省はインド国防調達プロセス(DPP)の改良を研究中で、6月に評価が完成する、とした。改修後のDPPは主に現有のプロセスの透明度と効率を高めることに力を尽くし、同時に国防工業の研究開発や生産の中への私営部門の参加の程度を促進する。これはニューデリーが最近大きな力を入れて推進する「インド製造」運動にも符合し、もって輸入製品への依存を低下させる。(尹常g)


 中国がそうであるように国産化が進めば輸入は減り、技術は進歩し、輸出によって利益も得られるわけですが、近い将来インドの武器は中国のライバルになり得るんでしょうか。どうも問題が多いらしい調達プロセス改善の成否も気になるところです。次は無人機関連です。

http://www.hinews.cn/news/system/2015/04/30/017528128.shtml


インド国防省、2020年までに1,500機の無人機購入を計画

(頑住吉注:原ページのここにある画像のキャプションです。「インドのDRDO組織が研究開発する『ルストム』中型無人機」)

インドメディアの最近の報道によれば、インド海軍は50機の艦載無人機を購入し、情報収集、海上監視、偵察任務執行に用いる計画である。あるインド軍の情報通の人物は、こうした海軍艦載無人システムは、全長少なくとも50mの艦船によってコントロールされ(ヘリ発着甲板があろうとなかろうと)、しかも夜間偵察能力を持つものになる、とする。事実、インド三軍にあまねく分布する無人機はすでに一種の「力量倍増器」となり、有効にインド軍の作戦能力を向上させている。

自らによる研究開発は成り難く、外部の援助を探し求める

インドの軍用無人機事業について語り始めるならば、1982年にインド国防省が始動させた「自主無人監視プラットフォーム」概念研究までさかのぼることができ、1988年に正式にプロジェクトが立ち上げられ、国防研究・発展組織(DRDO)によって担当される「曙光」無人偵察機研究開発プロジェクトに変わった。だがDRDOの技術的蓄えは不足で、「曙光」無人機の研究開発が長年を経るも成果がはっきりしないという結果をもたらし、インド陸軍は最終的にしぶしぶ10セットあまりの「曙光」を調達し、訓練や教学に用いた。

1999年、インドとパキスタンは海抜5,000mあまりの氷結したカーギル川で交戦を発生させたが、インド軍は偵察能力の不足ゆえに敵情を掌握し難く、結果として損失が悲惨、重大だった。戦後、インド国防省は無人機開発を重点プロジェクトに列すると決定した。DRDOに期待し難い状況下で、インド国防省は直接「無人機強国」のイスラエルから完成品を購入し、さらに「市場を技術と交換する」(頑住吉注:イスラエルに市場を与える代わりに技術をもらう、といった意味ですかね)の方式を通じて科研能力を養成することを決定した。そこでインドは連続してイスラエルから「捜索者」、「青鷺」など一連の無人機を購入し、素早く部隊に装備し、かつ積極的にイスラエルとの技術協力を推進した。2005年のバンガロール航空展では、インドのDRDO組織はイスラエル飛行機工業社(今では航空宇宙工業社に改組されている)と協定を成立させ、協力して3種の異なるトン数の無人機を開発した。

現在インド軍が装備する各種無人機は全部で200機あまりあり、このうち陸軍は100機あまりを持つ(これには80機の「捜索者-1」小型無人偵察機が含まれる)。インド海軍は10機の「青鷺」中型無人偵察機と少数の国産「ラクシヤ」無人標的機を持ち、2個無人機中隊を組成する。インド空軍は15機の「青鷺」と65機の「捜索者-2」無人偵察機を持ち、混合編成の方式をもって5個無人機中隊、一個無人標的機中隊、1校の無人機技術養成学校、1カ所の専用飛行場(西ベンガル州ドゥアズに位置する)を建設済みである(頑住吉注:個人的には最近における無人機の急速な発達よりはるか以前から存在する無人標的機は別物と考えた方がいいのではと思いますが)。

厚積薄発、志向遠大 (頑住吉注:前者は蓄積は多いが出すものは少ない、後者はそのまま遠大を志向する、という慣用句です。)

イスラエルの援助のおかげで、インド軍はごく短い10年あまりの間に迅速に戦術レベルの無人機偵察能力を建立し、陸上の国境や海岸線に対するリアルタイムの監視支配能力は大いに増強した。だが、大多数のインドの軍用無人機の任務半径は200kmを超えず、実用上昇限度は6,000mを超えないため、縦深の近く浅い区域しか偵察できず、戦略偵察能力や対地攻撃能力を持たず、実際の応用の中では多くの制限が存在する。インド軍の最も先進的な「青鷺」無人機の任務半径は3,000kmに達し得るが、飛行速度は比較的遅く(巡航速度は時速150kmでしかない)、かつステルス設計がなく、危険な区域に深入りしての偵察任務は担い難い。

これだけではなく、インド軍無人機部隊の現有の規模は依然それぞれの戦略方向の軍事の需要を満足させることができない。インド軍の発展計画に照らせば、陸路の国境に対する日常監視を維持する必要がある他、さらにインド洋を監視範囲に収める必要がある。このように非常に長い「戦線」に直面して、たった200機あまりの無人機は焼け石に水と同じである。

これにかんがみ、インドはイスラエルとの協力を強化し、協力して新型無人機を研究開発しつつあり、現在外界がすでに知っている機種は3つある。それぞれ「ルストム」中型無人機、「パーワン」小型無人機、「ゲーゲン」小型無人機である。このうち「ルストム」無人機の空力レイアウトと内部構造は「青鷺」に似ているが、より多くインド本土の部品が応用されている。「ルストム」の実物大模型はかつて2009年のバンガロール航空展にお目見えし、2010年10月に試験飛行に成功した。DRDO当局者が明らかにするところによれば、「ルストム」の基本型は依然無人偵察機だが、これを基礎に開発された「ルストム-H」はインド初の打撃能力を具備した無人機となり、アメリカの「プレデター」無人機のように「斬首攻撃」任務を執行できるようになる。

インド国防省はすでに「2020年までの軍用無人機発展青写真」を計画しており、2020年までに約1,500機の無人機を購入するつもりであり、これには530機の4,300m以下の高度を飛行できる無人機、150機の6,700m以下の高度を飛行できる無人機、および無人ヘリなどが含まれる。もし計画が実行され得たら、インド軍は将来規模が非常に大きく、任務領域が多元化され、高高度・中高度・低高度をカバーする多くのレベルの無人機体系を持つことになる。(蕭蕭)


 インドも日本よりはるか先を行っているわけですね。日本の基礎的な技術は無人機開発にも本来は有利なはずですが、ここまで差が開いたらたとえこれから多くの投資をしても短期間内に挽回するのはまず無理でしょう。

















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