「アーマタ」に関する議論続く その1

 関連の記事を2つ紹介します。

http://military.china.com/critical3/27/20150615/19840438.html


中国・ドイツ・アメリカを圧倒? ロシアのT-14はいかにして「陸戦の王」となるか

ロシアがT-90メインバトルタンクを装備した後、ロシアはずっと努力して現在と作戦の需要に適し、作戦性能がより高い新世代メインバトルタンクを作り出しつつある。20年余りの努力、および「ブラックシャドー」戦車やT-95戦車の夭折を経た後、ロシアはついに実質的な性質の進展を取得した。先月のモスクワ赤の広場の閲兵で、ロシアのT-14「アーマタ」メインバトルタンクが初めて公開されお目見えし、外界に向けロシア最新の軍事的実力を見せつけた。この後「アーマタ」メインバトルタンクの開発理念、作戦能力、生産コストなどが各大メディアが関心を注ぐ焦点となっている。

最近「アーマタ」メインバトルタンクの設計師であるアンドレイ ジェリコフが初めて外国メディアのインタビューを受け、この西側に15ないし20年先んじているとされる戦車の秘密を明かした。また「アーマタ」メインバトルタンクの首席設計師はAP通信社の記者に向け、「より先進的な無人ロボットの研究開発(ああいった自動作戦ができるロボット方面を含め)において」、「アーマタ」は決定的な一歩を踏み出した、とした。ロシアメディアはこの戦車は全世界で初めての第4世代戦車と称するに堪え、その作戦性能はT-90戦車に比べ大幅な向上があると考えている。

汎用プラットフォームの開発、モジュール化設計および螺旋発展理念の採用。ロシアは「アーマタ」汎用装甲プラットフォームを基礎にメインバトルタンク、自走砲、歩兵戦闘車など一連の大型装備を研究開発しつつあり、その方式は内部レイアウトの調整により、このプラットフォーム上に各種武器、軍事装備、防空システム、火砲システム、工程装備、機械保障設備を装備するというものである。一方汎用プラットフォーム採用の目的はまさに戦車と随行する作戦プラットフォームの間の関係を簡略化するためである。汎用プラットフォームを同時に採用すれば最短時間内に維持修繕が完成する。また「アーマタ」プロジェクトはモジュール化設計・螺旋発展理念を採用している。モジュール化設計はその基礎の上に戦車、防空部隊が使用する車両など多種の車両タイプを設計することを許す。こうした車両が使用するレーダーおよびプラットフォーム自体はモジュール化設計を採用し、組成部分は互換でき、もって短時間内に電子設備の維持修繕を完成させるのに便とする。「アーマタ」プロジェクトの実施過程でロシアはまず汎用プラットフォームを研究開発し、一方車両電子、作戦モジュールなどのサブシステムは成熟後にモジュールとして技術挿入を行うことを選択した。

「アーマタ」メインバトルタンクの構造レイアウトも独自の特色を持つ。この戦車は全体重量65トンとアメリカのM1A2戦車と同等で、ロシアの現役のT-72戦車に比べると、その技術戦術性能指標は3倍近くに高められている。「アーマタ」戦車は無人砲を採用し、125mmスムーズボア砲を装備し、配備する自緊および一部メッキ砲身システムはあらゆる現有の機種の砲弾から研究開発中の新型の弾薬種類まで発射でき、強大な作戦機能を持つ。

戦車にとって砲塔は急所たる部位の1つであり、砲弾あるいは対戦車ミサイルによって命中を受けると乗員の死傷がもたらされる。このため「アーマタ」戦車は無人砲塔を採用し、このことは極めて大きく乗員の戦場での防御力を向上させている。

また「アーマタ」戦車はさらに全く新しい乗員防御技術を採用している。具体的には特殊鋼、独立したセラミック装甲部品および多層装甲などが含まれる。防御能力の大幅増強は「アーマタ」の一大ハイライトで、主な功労は隔離コンパートメント化設計から来ている。その3名の乗員は全て装甲コンパートメント内に配置され、内部で縦向きの配列を呈し、燃料および弾薬庫から遠く離れている。しかも乗員の役割は相互に互換でき、このようにすると車長に車両全体をコントロールできるようにさせる。

「アーマタ」メインバトルタンクはA-85-3ディーゼルエンジンを採用する。このエンジンは研究開発時間が20年にも達し、研究開発への投資は250億ルーブルにも達する(頑住吉注:20年前に基本的コンセプトが決まったら、その後新しい技術を盛り込んだにしてもコンセプト自体が古くなったりしないもんなんすかね)。資料がはっきり示すところによれば、A-85-3ディーゼルエンジンは液冷4ストロークタービン増圧エンジンで、作動容積は34.6リットル、12のX字型分布で、回転速度は毎分2,000回転である。このエンジンの定額出力は1,500馬力で、加速時の出力は最高2,200馬力に達し得る。これまでのエンジンの機種に比べ、このディーゼルエンジンの1つの突出した特徴は交換に便利なことで、最速で何分間か以内に交換が終わる(頑住吉注:ちょっと信じがたいですがこう書いてあります)。

優秀な戦車はその防御能力が極めて重要である。「アーマタ」メインバトルタンクが採用するアクティブ防御システムは「アフガン石」アクティブ防御システムである。このシステムは戦車のために空中からの打撃を含む各種打撃を防御することができる。敵サイドの車両からからの距離15〜20mで砲弾やミサイルを迎撃するすることができる(頑住吉注:自分の車両からの距離の間違いでは)。アクティブ防御は戦車の前半部をカバーし、重要な戦車のユニットに対し防御が行える(頑住吉注:後方からの攻撃は防御できないんすかね)。このシステムが採用するレーダーの周波数帯はミリメートルクラスで、サブキャリバー徹甲弾の最大速度1700m/sで迎撃ができる。2014年1月、ロシアメディアは「アーマタ」は、スホーイ設計局がT-50第5世代戦闘機のために研究開発したアクティブフェイズドアレイレーダーを採用している、とした。一方ロシア工業・貿易省の技術任務書によれば、「アーマタ」戦車はKa周波数帯のアクティブフェイズドアレイレーダーを装備することになり、そのアンテナアレイは低温セラミック技術での製造を採用する。

(頑住吉注:これより2ページ目)

戦場管理システム方面では、ロシア連合計器製造社は「アーマタ」戦車のために「汎用プロセス-技術システム」という名の戦場管理システムを研究開発した。このシステムの採用後、戦車の大多数の作戦任務は自動方式をもって完成でき、乗員の作業負荷を顕著に軽減し、かつ戦車を統一された戦術ネットワーク指揮システムに納入することになる。ロシアの「衛星」ニュース通信社は、「アーマタ」は今後あるいは無人操縦の自動作戦戦車にグレードアップされるかもしれない、と考える。

全体的に見て、「アーマタ」メインバトルタンクの性能は比較的ずば抜けているが、未来に目をやると依然いくつかの解決が待たれる問題が存在する。現在ロシア国内では「アーマタ」戦車の製造コストが高すぎるがゆえに論争が引き起こされている。ロシア国防省装甲車両管理総局の元第一副〜(頑住吉注:変換ミスのようで変な言葉に変わってます)ユーリ ケワリャンコは、T-90A戦車の製造コストは約7,000万ルーブル、アメリカの「エイブラムス」の価格は2.17億ルーブル、ドイツの「レオパルド」2の価格は1.67億ルーブルで、一方「アーマタ」メインバトルタンクの現在の価格は4億ルーブルと、ミグー29戦闘機の価格に近い、とする。この問題に対し、現在唯一の解決方案はシステムを簡略化し、かつ需要があまり切迫していない技術指標を放棄することである。

ロシア陸軍が制定した武器発展計画に照らせば、2020年までに2,300両のこの戦車が装備されることになる。この戦車が各方面においてロシア陸軍の未来の需要を満足させられるか否かは、依然訓練、演習の中で検証を得る必要がある。また「アーマタ」戦車は操作使用、構造原理、技術戦術性能方面においてその他の戦車と異なるので、これと相対する人員の編成、ポスト配分、制度体系にも適当な調整をすることになる。人と装備の有機的な結合を促進してのみ、やっと「アーマタ」戦車の作戦機能が最大程度発揮されることが確保でき、世界で最も先進的な「陸戦の王」となるのである。


http://military.china.com/important/11132797/20150615/19841521.html


ロシア:中国が「アーマタ」を必要とする理由はまったくもって充分!

(頑住吉注:原ページのここにある画像のキャプションです。「勝利の日閲兵での『アーマタ』戦車」 なおこの記事のキャプションは全てこれと同じです。)

【グローバル軍事報道】 アメリカの隔月刊「国家利益」ウェブサイトが6月11日に発表した「何故インド・中国両国はいずれもロシアの『アーマタ』メインバトルタンクを欲しがるのか?」という題の報道によれば、ロシア大統領プーチンの助手であるウラジミール カーレンはロシアメディアに対し、ロシア軍はこの新型戦車を使用する初の軍隊になる、と語った。モスクワは初めてこの戦車の神秘のベールを開き、これは今年のソ連がナチスドイツに戦勝したことを記念する勝利の閲兵式でのことだった。

ロシアメディアの言によれば、カーレンは「この装備の価格は安くないが、これに対し興味を感じる国は確実にある。それは非常に大きな程度上、我々の伝統的なパートナー、すなわちインド、中国、東南アジアだと言える。」と語った。

報道は、中国が必要とする理由はまったくもって充分だ、とする。中国は基本的に隣国との間の陸上国境の問題を解決済みで、しかも中国の軍隊は恐れを知らぬ近代化の努力を行っているが、依然として有効なメインバトルタンクが欠乏している。日本系の安全保障業務専門家カイル ゴーシャンは5月、「国家利益」誌に文章を執筆して次のように言った。「中国の99式メインバトルタンクは依然旧ソ連の古いT-72メインバトルタンクの派生型で、その設計は1980年代中期にさかのぼれる。」

一方インド陸軍の需要はより高く、特にパキスタンとの領土をめぐる争いに直面した時、またその他さらにスリランカやミャンマーのような隣国もある。インド特殊部隊は最近ミャンマーに対し越境奇襲行動を展開した。

報道は、また両国は長期にわたりずっとロシアの武器を購入しており、その中には他ならぬ戦車も含まれる、とする。まさに言及したばかりのように、中国人民解放軍は依然T-72から派生した戦車をそのメインバトルタンクとして依存している。一方インド陸軍はソ連製T-90式メインバトルタンクを使用しており、この戦車自体T-72の模倣版である。

ニューデリーはその他の戦車も使用中で、例えば本土で製造した「アージュン」Mark-1である。しかしこうした戦車はある時には信頼できないと証明されている。確かに、5月にインドは、その大部分の「アージュン」戦車が技術的問題ゆえに走行を停止した、と言明している。当時インド陸軍のある姓名を明らかにされたがらない当局者は週刊「ディフェンスニュース」に向け、「陸軍の75%近い戦車が止まった」と語った。

インド陸軍退役准将のラフール バンスレイは次のように回想して語る。「輸入部品が原因でもたらされる多くの機能性関連の問題が存在し、こうした問題は『アージュン』 Mark-1戦車をすでに一定の時間困らせていたようだ。報道によれば、こうした技術上の問題はこの戦車群の多数が使用に投入できず、したがってインド陸軍戦車力量に穴が生じる結果をもたらした。」

またインドは118両の国産「アージュン」Mark-2戦車を使用しており、それは「アージュン」Mark-1を基礎に多くの改良を行ったものである。報道によれば、ロシア製T-90戦車と勝負を展開した時、Mark-2のパフォーマンスは良好だった。

しかしT-14「アーマタ」メインバトルタンクはそれでも中印両国の戦車群を非常に大きな程度上グレードアップさせるだろう。

報道は、まさにアメリカのケンタッキー大学パターソン外交・国際商業学院助教授ロバート ファーリーが「国家利益」で指摘したように、「『アーマタ』メインバトルタンクの構造にはいくつかの優勢がある。それは近代化された装甲システム、無人操縦の回転砲塔、敵サイドの最もよく見られる火力の類型を防御できる操縦コンパートメントを持つ、とする。まさに多くの人が注意しているように、戦車乗員に対する保護の重視はロシアが最近の職業軍人保護に対し重点的に関心を注いでいることの一部分である。」

ファーリーはさらに次のように指摘する。「『アーマタ』メインバトルタンクのアーキテクチャーの柔軟性はそのために輸出市場でのチャンスを勝ち取った。異なる顧客には異なる需要があるが、『アーマタ』戦車は多くの問題を解決するポテンシャルを持つ。」


 いくら高い能力を持っていても高すぎて数が揃えられないのでは戦力につながりませんが、中国やインドに輸出して外貨を稼いで資金にする、というのもありですかね。


















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