中国国産大型旅客機C919関連2題

 少なくともある程度の商業的成功は納めるでしょうが‥‥

http://military.china.com/important/11132797/20151102/20673273.html


C919の軍事的意義:高新工程に取って代わり対潜機に変身できる

(頑住吉注:原ページのここにある画像のキャプションです。「国産C919大型旅客機」 なおこの記事の画像のキャプションは全てこれと同じです。)

2008年末のプロジェクト始動の後、C919の非常に長い「懐胎」は終始中国人の熱心な期待の視線の下に置かれた。だが、この機のサブシステムは、最も重要なエンジンおよび各種飛行コントロール、ナビゲーション、通信など電子設備を含め、絶対多数がアメリカ、フランス、カナダなどから輸入され、さらに加えて進度の遅延は、それを国内においていくつかの批判に遭わせた。

C919のエンジンには、アメリカ・フランス合資のCFMインターナショナル社のLEAP-Xが採用され、先進的なのは先進的なのだが、それにもかかわらず軍用機には用いることができない。非常に多くの人はこれにより、自主知的財産権を持つC919の「軍への参加」の前途の見通しに対し疑いを表明している。

だが、この「心臓」にはすでにより良い選択肢がある。

ある分析者は、これは他ならぬ中国が渦扇-10「太行」を核心機として自ら研究開発する渦扇-20エンジンであり、主に運ー20に用いられるものだ、と考える。

カナダの「漢和安全保障業務評論」の推測によれば、渦扇-20の推力は13〜14トン、全権限デジタルコントロール(FADEC)技術を採用している。もし総重量200トンの運ー20に4台の渦扇-20を用いるならば、80トン級のC919に2台の渦扇-20を用いるよう改めれば、動力は使用に充分である。

外国メディアの推測によれば、渦扇-20は今後5〜7年内に使用に投入され、中国をアメリカ、ソ連、イギリス、フランスに次ぐ第5の独立して高バイパス比高性能ターボファンエンジンを研究開発した国とさせる。

また、2012年の珠海航空展では、国産長江-1000Aエンジンが展示され、C919に用いられるとされる。だが渦扇-20に比べ、このエンジンの進展はまだ不明朗である。

事実、国産の機体の一部が具備する先進性能は、特殊軍用機に対しても突出したハイライトである。

C919大型旅客機の機体構造は全長38.9m、全幅35.8mで、主に機首、機体前部、機体中部、中央翼、機体中後部、後部機体前部、後部機体後部、垂直尾翼、水平尾翼という九大部分と関連部品からなり、機体前部と機体中部のドッキングは総組立の第一歩である。

C919は大量の新技術を採用しているとされ、これには次のものが含まれる。先進空力レイアウト、新世代超臨界主翼(現役の同類飛行機に比べより良い巡航空力効率を達成)、先進金属材料および複合材料が20%以上の構造重量を占め、重量軽減効果が顕著、C919のキャビン内騒音は60デシベル以下に下がることが望める(現役同類機は80デシベルである)、先進的なフライバイワイア操縦およびアクティブ制御技術(飛行機の総合性能を高め、快適性を改善する)、先進的な維持修理技術および方法を採用し、維持保護のコストを低下させている。

「高新工程」に全面的に取って代わることができ、現在の状態は対潜哨戒機に変身するに足りる

現在中国海空軍「高新工程」系列特殊飛行機、例えば高新1号電子支援機、高新4号電子偵察機、高新5号(すなわち空警ー200)早期警戒機、高新6号対潜哨戒機、高新7号心理戦飛行機、高新9号海上警戒機などは、全てターボプロップエンジンの運ー8、運ー9をもってプラットフォームとし、性能は比較的立ち後れている。

イギリスの「週刊ジェーン安全保障業務」の見積もりによれば、運ー9の総重量は65トン、航続距離5,000km、巡航速度はたった550km/h、巡航高度も8,000mでしかない。総重量78トンのC919は、より高くより遠く飛べ、経済性、快適度が良く、「高新」プラットフォームに取って代わるのに明らかに非常に適当である。

先日海南島に接近して我が海軍航空隊のスクランブルに遭った米軍のP-8哨戒機は、まさにC919の競争相手であるボーイング737から改装されたもので、見たところC919の現在の状態はもう哨戒機に発展できるものである。

もしC919が機体を延長し、より強力なエンジンに換え、総重量を110から130トンまで高め、航続距離と内部容積を非常に大きく増加させたら、早期警戒機、甚だしきに至っては給油機の使命を果たすことができるようになる。

(ソース:銭江夕刊)


http://military.china.com/important/11132797/20151102/20675066.html


中国のC919、技術封鎖に遭遇:アメリカの会社、YESあるいはNOだけ回答

(頑住吉注:原ページのここにある画像のキャプションです。「初の国産大型機C919が正式に生産ラインを降りる」 なおこの記事のキャプションは全てこれと同じです。)

2015年11月2日、中国の国産大型旅客機C919が上海の中国商飛社が新たに完成させた総組立製造センターで公開されお目見えし、ここに至り、7年の設計と研究開発を経て、C919大型旅客機の第1号機は正式に生産ラインを降りた。

C919大型旅客機は先進的な空力レイアウト、構造材料、機載システムに照準を合わせて102項目のカギとなる重要技術の難関攻略を計画し、これには飛行機とエンジンの一体化設計、フライバイワイヤ飛行コントロール率設計、アクティブ制御技術などが含まれる。先進材料が初めて国産機に大規模に応用され、第3世代アルミ・リチウム合金材料、先進複合材料の用いられる量はそれぞれ8.8%および12%に達する。ARJが応用する量はたった1%で、しかも力を受け入れない構造に用いられた。一方C919は機体後半部分および水平尾翼など力を受け入れる構造部分に使用し、我が国の複合材料領域における応用水準の突破と発展を代表する。

C919はボーイング737に比べより先進的な全時間全権限フライバイワイヤ操縦システムと先進的なアクティブ制御技術を採用している。この技術は総合度が高く、安全性が高く、複雑度が高いカギとなる重要な機載システムの1つで、その中の多くの項目は民間機研究開発の核心技術に属し、アメリカ政府が明確にこの技術は輸出禁止技術であると命令しているものでもある。

ARJの研究開発模式とは異なり、中国商飛は自ら飛行コントロールシステムの核心技術を研究開発し、すなわち飛行コントロール律のアルゴリズムである。ハニーウェル社は飛行コントロールシステムの供給商だが、アメリカの法律の制限を受けてこの技術を提供することができず、中国商飛によって自主研究開発されるしかなかった。研究開発過程の中で、ハニーウェルは中国商飛が設計を終えた計算法や方案に機能の実現を行うことだけに責任を負った。毎回、プログラム設計が適するか否かに対し、ハニーウェル社はYESあるいはNOだけ回答し、故障の原因は中国商飛自ら場所の特定と修正を行う必要があった。こうした研究開発模式の改変は全て中国商飛の大型商用旅客機核心技術における突破を代表する。

人を慰めるのは、現在中国商飛に飛行コントロール律設計方面に重大な突破があり、初飛行の需要を支持できるだけでなく、さらに後続の一定段階の試験飛行作業を支持できることである。

C919は設計の初めにもう国内航空システム供給商を向上させる責任を負っており、このため全世界に向け機載システム供給商を入札で募集した時、国際的な供給商と国内企業が合同会社を成立させて製品セットを提供することも奨励した。

(頑住吉注:これより2ページ目)

ARJ21-700がコリンズ社の成熟した製品を直接採用したやり方とは異なり、中国商飛は今回ボーイング787と同等の先進的な航空電子システムを選択し、技術的難度を増加させ、しかも多くのシステムの供給商は中国航空企業由来で、彼らは普遍的に民間機の複雑な電子ハードウェアやソフトウェア開発の技術能力が欠け、しかも中国は機載設備の航行適正審査作業に対しても成熟した経験が欠けていた。

この種の状況下で、中国商飛はC919の航空電子システムの設計と集成の自主研究開発を選択し、当然リスクを引き受け、メイン製造商のカギとなる重要な能力に対する挑戦とも見なされる。

後期に重大な設計の反復や構造の調整が出現するのをできる限り避けるため、C919は前期に全部で何百項目もの研究開発試験を計画した。例えば2014年6月には間もなく(頑住吉注:ここまで読んで気づきましたがこの部分は過去の記事の流用ですね)メイン発着架コンパートメント内タイヤ爆破試験が展開され、この試験の検証方法はARJ21-700が5年の時間を用いて中国当局と協同で確定したもので、かつ5月20日に成功を獲得した。C919機は直接その成果を参考にすることができる。

当然、真に市場運営に進入する過程で、C919はきっと順風満帆ではないだろう。最大の難度は、C919の航行適正審査の基礎が最新の航行適正基準で、ARJ21-700に比べ30項目近い審査試験試験飛行科目が増え、こうした科目の検証方法はC919が自ら探索する必要がある、ということころにある。例えば、飛行機の燃料タンクの爆発によって引き起こされる事故を避けるため、アメリカ民間航空局は2008年7月に125号修正案を発表し、新たに研究開発される飛行機は飛行機燃料タンク不活性化システムを採用するよう要求している。C919はこの全く新しい装置を採用している。このシステムは国内で初採用なので、関連の技術領域は全くの空白で、ボーイングやエアバスなど主要な飛行機工場もまた関連の技術を厳格に封鎖し、中国商飛が自主的に探索し、多くの時間を費やしてシステムの性能を検証する必要がある。

これより3ページ目

C919の設計の目標は現在運用される同類飛行機に比べ12〜15%燃料が節約されるというもので、このことはボーイングとエアバスが急ぎ現有のボーイング737およびエアバス320に対しエンジンを交換する策を打ち出すことを促している。ボーイング社と直接の競争を構成すると見なされるC919がFAAの航行適正ライセンスを獲得できるか否か、依然まだ解けない謎である。

C919がFAAの航行適正ライセンス申請を提出するのと同時に、FAAはかつてARJ21-700を放棄し、直接C919の航行適正審査を始動するよう提案した。この条件は、明らかに中国商飛が受け入れられないものでもあった。

時7年を経て、中国はついにC919が生産ラインを降りる時を迎えた。商用旅客機の研究開発の規律に関して言えば、生産ラインを降りることは後の初飛行や航行適正ライセンス取得に対し、相対的に重みの軽い節目となるポイントと言えるはずである。だが、中国の商用旅客機研究開発領域の発展に対してということで言えば、これは非常に価値ある、また堅実な一歩であり、出航を夢想する節目となるポイントである。(劉済美)


 この機が途上国を中心に良く売れることは間違いなさそうですが、読んで分かるように国外の一流メーカーもノウハウを全て渡しているわけではなく、経験の乏しい中国メーカーが自ら「探索」した部分が多く、思わぬ不具合が発生する可能性が高く、少なくとも初期には乗るのをなるべく避けた方が賢明だろうなと思いますね。



















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