MAS1938サブマシンガン

 昔のマイナーなサブマシンガンつながりでもう少し行ってみます。銃の軸線とバレル軸線がずれているサブマシンガンとしてはヤティマティック(リコイルを抑えやすくするためバレルがやや上を向いている)が有名ですが、今回はそれとは逆にバレルがやや下を向いている奇妙なサブマシンガン、MAS1938を取り上げたページの内容を紹介します。

MAS1938沖鋒槍


フランスの一代の名銃:MAS1938サブマシンガン

MAS1938 7.62mmサブマシンガンはフランス国営のサンテティエンヌ兵器工場(MAS)で1930年代中期に研究開発されたサブマシンガンである。1938年、フランス軍はこの銃を正式に採用すると宣言し、MAS1938サブマシンガンと命名した。MAS1938サブマシンガンは第二次大戦中に少数が使用され、1945〜1954年のインドシナ戦争中に多数が使用された。この銃は1950年代にMAT49に取って代わられた。

MAS1938サブマシンガンはストレートブローバック式作動原理、オープンボルトファイア方式を採用しており、フルオート射撃のみできる。この銃の最大の特徴は、そのバレル軸線とボルト、リコイルスプリングの軸線およびストックの肩付けポイントが同じ1本の直線上にあり、有効にマズルジャンプを抑制できることである。

(頑住吉注:これはおかしいですよね、



どう見てもバレル軸線とその他の軸線に角度がついてます。

http://world.guns.ru/smg/fr/mas-193-e.html

ここではリコイルを減らし、余計な摩擦によってボルトの速度を低下させるためとされてますね。ちなみにヤティマティック同様レシーバーの上面はバレル軸線と平行にされてます)

この他、この銃のコッキングハンドルと関連付けられたサイドプレートはエジェクションポートの防塵カバーを兼ねており、コッキングハンドルが前方位置にあるとエジェクションポートを閉じることができる。射撃時、コッキングハンドルはボルトの前後動に連動せず、ずっと後方位置にある。ゆえにエジェクションポートは開かれた状態である。

(頑住吉注:原ページのここにある画像のキャプションです。「コッキングハンドルと関連付けられたサイドプレートはエジェクションポートの防塵カバーを兼ねている。写真の防塵カバーは開かれた状態である」)

(頑住吉注:これより2ページ目。ちなみに本文はこれだけで終わりで、あとはキャプションのみです。)

「ストックは木製で、左側にはスリング用リング具が設けられている。バットプレートは金属製」

(頑住吉注:3ページ目)

「レシーバー左側には刻印がある。『CAL.7.65L』は口径を表し、『MAS MLE 1938』は機種名を表し、『84998』はシリアルナンバーを表す」

(頑住吉注:4ページ目)

「レシーバー左側には前部スリング用リングが設けられている。スリング用リングを固定するネジはエジェクターを兼ねている」

(頑住吉注:5ページ目)

「フロントサイトはブレード状で、マズル部に固定されている」

(頑住吉注:6ページ目)

「リアサイトは折りたたみ式で、前後2つのピープ式リアサイトからなる。前のピープは200mの射程に対応し、後ろのピープは100mの射程に対応する。下の図は後ろのピープを立てた状態」 (頑住吉注:フロントサイトは中央にあるとしか見えないのに、リアサイトが左にオフセットされているのが妙ですね)

(頑住吉注:7ページ目)

「MAS1938サブマシンガンにはマガジンハウジングのカバーが設けられている。マガジンを外した後、マガジンハウジングのカバーを後方に折りたたんでマガジンハウジングにフタができ、レシーバー内への塵や土の侵入を防止できる。写真ではマガジンハウジングのカバーは前方に開かれた状態」

(頑住吉注:8ページ目。書いてありませんがこれより分解です)

「まずマガジンを外し、チャンバー内に弾薬がないことを確認する」

(頑住吉注:9ページ目)

「ストックにある連結レバーを押し、ストックを90度回すと、銃本体から分離する」

(頑住吉注:10ページ目)

「リコイルスプリングを取り出す」

(頑住吉注:11ページ目)

「発射機構ベースをレシーバーから分離する」

(頑住吉注:12ページ目)

「発射機構ベースの特写」 (頑住吉注:部品名称は左がセーフティバー、右がシアです)

(頑住吉注:13ページ目)

「この銃のセーフティは発射機構ユニットの中に設けられている。トリガーを前方に折りたたむと、セーフティバーが上に突出し、ボルト下面の窪みに入り、ボルトが前方に移動するのを阻止し、セーフティ状態となる」

(頑住吉注:14ページ目)

「レシーバー内からボルトを取り出す」

(頑住吉注:15ページ目)

「MAS1938サブマシンガンはストレートブローバック式作動原理、オープンボルトファイア方式を採用しており、ゆえにそのボルトの構造は比較的簡単である。ボルトは円柱形で、ボルトには閉鎖突起が設けられている。ボルトユニットはボルト、ファイアリングピンおよびエキストラクターを含む」 (頑住吉注:ストレートブローバックですから普通の意味での閉鎖突起はないはずですが、ここでは何を意味しているんでしょうか)

(頑住吉注:16ページ目。)

「不完全分解図」


 バレルをやや下向きにすることでどの程度の効果が得られたのかは定かでありませんが、「誰も真似していない」という事実がある程度物語っていると考えられます。エジェクションポート、マガジンハウジングの防塵も、多くのサブマシンガンはなしで済ませて特に問題とはされておらず、そこまでしなくてもよかったということではないでしょうか。

 スリング金具の固定ネジの先端がエジェクターを兼ねるという大胆な設計には驚きました。エジェクターという部品は金属製の薬莢が連続的に激しく衝突するわけで、強度、ゆるみの発生など問題が生じそうな気がします。

 トリガーを前に回すセーフティは、要するにそのままトリガーを引けばセーフティ解除になって、さらに引けば発射するわけで、セーフティとして成立していないような気もします。グロックなどのトリガーセーフティと違い、細い紐のようなものが引っかかって引かれても発射しないという意味もないわけですし。ボルト閉鎖状態でトリガーを前に回せばボルトがロックされ、後方を下にして落下させた場合などの暴発が防止される、というのなら意味があったと思いますが。ただこの対策の必要が認識されたのはこの銃の設計より少し後のことですね。このデザインではストックの折りたたみも難しいですが、折りたたみストックが流行するのももっと後のことです。

 工具なしで簡単に通常分解できる特徴は当時としてはなかなか気が利いていると思います。
















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