優勝しなくてよかった‥‥?

 戦車競技に関するちょっと変わった評論です。

http://tuku.military.china.com/military/html/2014-08-22/225641_2531955.htm#pic


ロシアの戦車兵大会で中国の96Aが優勝を奪取しなかったことは良いこと

資料画像:中国の96式戦車の高画質の画像集が最近明るみに出た。ロシア軍戦車と共に水たまりに突撃し競技している

(文章の作者:陳虎) ロシアの戦車兵大会はすでに終わり、ロシアチームが優勝を手にし、中国チームは第3位を手にした。この第3位をめぐって非常に多くのネット仲間が非常な不快を感じ、一部のネット仲間はネット上で発言し、甚だしきに至っては一部メディアもこうした発言を引用し、多くの各種各様の評価を口にしている。例えばロシアが大会をやったのは戦車を売るためだ、競技は不公正、規則の設定が不合理だ等々である。

(頑住吉注:2ページ目)資料画像:4.5マイルの長さの競技ルートには高速路段階、射撃場、および各種の障害が含まれ、例えば地雷原を通過するルート、2つの上り坂、1本の対戦車壕、1つの障害と機動場地、いくつかの土の丘、2カ所の段差、2カ所の浅瀬、1つの機動橋の模型である。

こうした視点に対し私は言いたい。

第1に、戦車兵大会は戦車大会ではない。

ロシアが開催した競技であるが、それに冠された名前は戦車兵大会であって、決して戦車大会ではない。はっきり言えば、それが真に競ったのは戦車兵の技能であって、戦車技術レベルの高低ではない。このため我々はこの大会の中で、各競技参加チームが使用した装備が、ほとんどロシアのT-72一色だったのを見たのである。ということは中国だけが自ら96Aを持ってきたのである。

(頑住吉注:3ページ目)中国の96A式戦車が競技する画面 (頑住吉注:画像のキャプションが同一の場合は省略します。)

この角度から言うと、T-72だろうと96Aだろうと、実際上基本的に同じ技術レベル上にある。この角度から言うとこの大会が競ったのは戦車兵の技能であり、非常に多くの部分は装備技術のレベルの高低には関わっていない。

(頑住吉注:4ページ目)以前ある戦車兵連隊長とこの件をおしゃべりしたことがあるが、当時彼に問うて、1人の老戦車兵として、あなたが戦車で最も重視しているのは何か? と言った。彼は私に次のように言った。自分が最も重視しているのは信頼性だ。別の言い方をすれば動力の信頼性で、つまり最も関心があるのは動くことができて立ち往生してはいけないということだ。

(頑住吉注:5ページ目)火砲の貫通能力について言えば、それは私の関心を持つところではない。何故なら私には制御できないからだ。戦車の防御能力、防護がどんな程度かに私は感心がない。それは私には制御できないのだ。私が感心があるのは2つの項目だけだ。1つは動力システムで、特にその信頼性だ。もう1つは火砲の射撃が正確か正確でないかだ。

(頑住吉注:6ページ目)実際我々は、ロシアの戦車大会でも、まさしくこの2項目が競われたのを見た。1つは機動性、1つは誰が正確に撃てるかである。このためこの角度から言うと、我々はこれが正真正銘の戦車兵大会であって、多くの人が理解している戦車大会ではないのだ、ということが理解できる。

(頑住吉注:7ページ目)

第2に、大会は戦車を売るためではない。

あるメディアも一部のネット仲間も、ロシアは大会の中で至る所に戦車を売りたいという心情を体現し、きっと優勝を手にしようとし、きっと自らの戦車の優勢を体現しようとし、このようにしてこそ兵器市場で良い広告ができるのだ、と言っている。

(頑住吉注:8ページ目)

実はこの説はロシアに対し、確かにいささか冤罪気味とも言える。それには広告の要素があったのかなかったのか? これは絶対に排除できない。だがもし大会は戦車を売るために他ならないのだと言ったら、ロシアは確実にいささか濡れ衣を着せられていることになる。

(頑住吉注:9ページ目)

大会の項目は、戦車の火力、防御等々の方面に関わり、機動性を含む多くの項目は、ここではいずれも体現されない(頑住吉注:この部分ちょっとおかしいです。書き間違いですかね)。本当に戦車を売ろうとするなら、戦車を買うのもきっと玄人であり、単純にこのような大会の項目を用いて、すぐ他人に自分の戦車を買わせようと思うのは、やや幼稚すぎるのを免れない。この大会で、ロシアは自らの最新の輸出製品を持ち出さず、依然中程度の比較的適度なT-72改良型を用いたのだからなおさらである。

(頑住吉注:10ページ目)

第3に、中国が優勝しなかったのは良いことでもある。

ここ何年か以来、我が軍はしばしば出国していくつかの各種各様の合同演習などの活動に参加している。外国軍と一緒になる以上、皆全力勝負の過程では、勝つのが常に負けるより好ましいし、特に競技参加チーム、競技参加者にとっては、いつも勝つことを希望する。だが過度に勝ちを願い、負けを恐れるのは、ある軍隊にとって決して良いことではないと言える。

(頑住吉注:11ページ目)

実は私は中国軍が国境を出てこうしたPK、競技、合同演習に参加するのに行う必要がある第1のことは、自らの隔たりを見ること、続く第2は他人から何かを学ぶことであると思う。実を言えばロシアチームが優勝を手にしたことは実益も名誉も手にしたはずである(頑住吉注:慣用句の意味はこう説明されてるんですが、文脈からしてここでは「順当な結果」に近い意味ではないかと思います)。戦車を大規模に運用したのは、つまり第二次大戦中真に戦車を最高度に運用したのは2者に他ならない。1つはロシア、1つはドイツである。

(頑住吉注:12ページ目)

ドイツは第二次大戦後、この伝統を保持していくことができず、何故ならドイツは敗戦国だったからである。だがロシアに関して言えば、この伝統は今に至るもずっと継続されている。つまり戦車の使用技能と戦術方面においてである。ロシアには自らの長所があり、自らの優勢があるはずである。この角度から言うと、ロシアが優勝を手にしたのは、決して何ら意外な事柄ではなく、さらには地の利があったからなおさらである。

(頑住吉注:13ページ目)

中国チームに関して言えば、私は優勝するか否かは決して第1位の大事ではなく、第3位を手にしたというこの成績ですでに我々を満足させるに足りると思う。さらに重要なのは我々が出て行って、世界最先端の戦車兵と同じ場でPKし、我々の隔たりがどこにあるのか、どのくらい大きいのかを見てみた、ということである。より大きいのは他人から何かを学び、ちょっと自分に有用なものを学ぶことであって、これが我々にとって最大の収穫で、その意義は優勝を獲得するよりずっと大きいのである。

(頑住吉注:14ページ目)

逆に、もしごく簡単に優勝したら、甚だしきに至っては種々の渉外手段によって優勝を手にし、帰ってきてメディア上で大騒ぎし、ネット仲間の言葉で言えば吹出翔来(頑住吉注:検索すると無数にヒットするのに意味を説明したページは全く見つからない慣用句)できるが、これは実際には損害で、決して利益の獲得ではない。

(頑住吉注:15ページ目)ロシア軍戦車浅瀬に突撃

実はこの点に関して言うと、我々の軍隊だけではなく、我々のメディア、我々の軍事マニア、我々のネット仲間も恐らく同様にいくつかの自らのこの種の情緒を改変する必要がある。ここまで語って、私は2日前に見たインド最新のイージス駆逐艦「コルカタ」号進水の情報を連想した。このことはインド人にとって1つの大した成就と言え、このためインドの首相は自ら進水式に参加したのである。

(頑住吉注:16ページ目)

我々のネット仲間、我のメディアのより多くは他人の問題点を探し出し、他人のこの船にはミサイルが配備されていない、曳航ソナーが研究開発されていない、戦闘力形成にはまだ数ヶ月、甚だしきに至っては数年を必要とすると言っている。実を言えばこのような心理を我々は理解できる。だがこの種のけなしが一定の範囲を超えると、そのもたらす効果は脚にマイナスになる。

(頑住吉注:17ページ目)

実はインド海軍も決して弱者ではない。インド海軍には多くの我々が学習を必要とするものもある。結局のところインドが空母を持ったのは我々に比べずっと早かったのであり、結局のところインドは少なからぬ海戦を行ったことがあり、かつ海軍が重大な戦争の中でかつて作用を発揮したことがある。

(頑住吉注:18ページ目)水を出た後の戦車

競技であろうと、他人の成就や発展を見ることであろうと、軍事演習等々への参加であろうと、我々はいつも学習の心的態度を持つべきであり、いつも他人に追いかけられ加速を必要とするという心的態度を持つべきなのである。あるいはこれは我々のメディア、我々の軍事マニア、我々のネット仲間、我々の軍隊も、徐々に調整し、徐々に適応し、徐々に形成すべき心的態度と思考の習慣なのかもしれない。

(頑住吉注:19ページ目)ロシア軍戦車坂を上る

(頑住吉注:20〜23ページ目)対戦車壕を越える

(頑住吉注:24、25ページ目)インド代表チームも今回の競技に参加した

(頑住吉注:26ページ目)競技の中にはさらに模擬爆発のポイントがあった


 そうすねー、日本にも中国軍の実力を極端に低く評価する人がいますが、度を越すとやっぱ有害だなと思いますな。

















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