アメリカの銃器専門家による中国5.8mm銃器の評価

 今回は情報的に少し古くなってしまいますが、アメリカの銃器専門家による、最新の95-1系ではなく従来の95式系の評価を紹介したページの内容を紹介します。

http://war.163.com/06/0417/07/2ET4B47H0001123H.html


米軍の銃器専門家、中国の5.8mm新銃器ファミリーを評価する

冷戦時代に成長した世代として、我々にはロシア人がすでに我々の最大の敵ではなくなったと想像することが難しいが、時が流れるにつれ、旧ソ連に関する記憶はすでにゆっくりと淡く消えていっている。現在ロシアは我々の友となり、小火器大国としてロシアは才能あふれる設計者や数十年にわたって蓄積された豊富な経験を持っている。我々は旧ソ連/ロシアの小火器発展の状況について多くを知るのと同時に、別の国にも関心を向けねばならない。すなわち中国である。現在公開されている中国小火器の資料情報は実際のところ少なすぎるので、我々は皆さんのためにこの神秘的国家の小火器研究のベールをはぐことに決めた。

中国は1950年代末には早くも国産小火器の研究開発作業を全面的に開始し、相前後して中国の第1世代(63式と74式)および第2世代(81式と87式)系列の小銃を研究開発した。特に過去20年間は、改革開放開始のため中国は小火器研究領域で人を驚かせる進歩をなしとげ、この爆発的進歩の頂点こそ国産5.8mmx42系列武器の誕生に他ならない。中国は新しい5.8mm小口径武器および弾薬の性能はNATO標準の5.56mmx45 SS109系列や5.45mmx39 7N6系列を超えていると称している。

半世紀近く遡った1958年(頑住吉注:オリジナルの記事が書かれたのは少なくとも2008年以前ですね)、中国は大規模な小火器独自研究開発作業を開始した。当時中国はソ連式および日本製小火器を使用した作戦の豊富な経験を持っていた。特にロシア製7.62mmx25と7.53mm(頑住吉注:は?)と日本の6.5mmである。研究中、中国はソ連が第二時大戦後に発展を開始した7.62mmx39 M43弾薬およびその武器を非常に高く評価した。特にカラシニコフの設計とカラシニコフ式武器の高い信頼性をである。だが中国人は明らかにAK47の射撃精度と人間工学面に対しては高く評価しなかった。このためAKの設計を参考にすることを基礎に、彼らは63式小銃(原注:西側では頻繁にこれを誤って68式と呼んでいる)と74式分隊用機関銃の研究開発を開始した。これは中国第1世代の独自研究開発による小火器ファミリー系統である。だがその後M16小銃の配備とベトナム戦争での経験、教訓は、中国人に63式の設計思想はすでに完全に遅れたものになったと知らしめた(頑住吉注:ちなみに74式分隊用機関銃は「設計定型」に至ったものの問題が多く「生産定型」には至らず、配備されなかったということです http://wqzb.military.china.com/military/html/1644/index.html )。

総括を経て、中国人は改めてより現代の戦争環境に符合する新世代小火器の研究開発を開始した。その成果こそ81式小銃である。81式の設計目標は現代アサルトライフルであり、カラシニコフの高い信頼性とより良好な射撃精度および人間工学性を兼ね備えるというものだった。完成した81式アサルトライフルの外観は平凡だったが、信頼性、耐久性が高かった。ソ連製のAK系列と比べると、81式にはさらにいくつかの斬新な設計があった。これには開式ドラムマガジン、マズルの発射音、発射炎を抑制し制退マズルジャンプ防止機能のあるグレネードランチャー、親指がすぐに届くセーフティ/セレクター、および調節可能なガスレギュレーター等々が含まれた。全体的に81式の研究開発は成功したものだった(頑住吉注:「開式ドラムマガジン」というのは http://www.gunsworld.net/china/rifle/1981/dsc07365.jpg こんな風に後部をそっくり開いて装填できるものでしょうか。別に珍しくないと思うんですが)。

中国人は7.62mmx39仕様の新しい81式小銃に対し満足しており、M16の信頼性や火力持続性にも共感していなかったが、M16小銃がベトナム戦争中に見せたパフォーマンスは中国人を目覚めさせ、小口径小火器が持つ独特のメリットと広い前途に関心をいだかせ始めた。M16のベトナム戦争における実戦経験を参考にし、中国人は簡単にコピーあるいは盗作することなく、これを基礎に研究を開始し、中国軍の需要に符合した小口径武器方案を探し求めた。この設計は中距離(400m)における性能を保証する必要もあり、また長距離における機関銃の火力支援、制圧任務(1000m)にも合わせ配慮する必要があった。中国人のこの時の思想は既存の口径標準に固定されず、要求に最も符合する理想の新口径設計を探し求めるものだった。この理想の共用弾薬は世界の小火器研究がずっと追求してきた目標でもあったが、いかなる最終的に完成した方案もなかった。(訳注:その他の国は現在この問題に対しやはり中距離歩兵武器は小口径、遠距離制圧は中口径、という方法をとっている。例えばNATO標準の5.56mmと7.62mmの組み合わせであり、最良の火力の組み合わせを保証するが、後方勤務の負担も増大する。)

全面的な研究を経て、中国人はこの理想的「共用口径」は5.8mm、6mm、6.2mmに違いないと確認した。このためその後これらの方案に基づき試作品が作られ、大規模な対比試験が行われた。この大規模な試験は我々のSAWプロジェクトの中での5.56mmから7.62mmまでの1000種類の弾薬の組み合わせによる対比試験と似ている(訳注:Squad Automatic WeaponすなわちSAWプロジェクトは、アメリカ陸軍の新世代分隊用自動火器方案だった)。我々の最終的な結果は6mmx45弾薬だったが、後方勤務問題ゆえに採用されなかった。このことから見ると、中米両国のこの方面における研究はいわゆる「違う道を通って到着点は同じ」である。

このようなテストを経て、中国人は5.8mmが最も理想的であり、最も要求に符合する口径方案であると確認し、新しい5.8mmx42口径が誕生した。新系列の弾薬は3つに分かれた。すなわち標準的アサルトライフル弾薬、重量を増加した機関銃弾薬、特殊設計のスナイパーライフル専用弾薬である(頑住吉注:後の2つは同じものでしょう)。

標準的5.8mmx42小銃弾薬は64グレイン(訳注:グレインとはアメリカで習慣的に使われている体系的重量単位で、1グレインは0.002285オンス=0.065gである)のFMJBT(訳注:フルメタルジャケットボートテイル)弾頭と22.6グレインの鉛コアからなり、ベルダンプライマーが使用され、薬莢はメッキされたスチール材料製で(訳注:一説には中国では銅が欠乏しているためスチール材料が選択され、このためスムーズな排莢のため薬莢ボディ部のテーパーが国外の同類弾薬よりきつく、弾薬の長さの増加に直接つながり、マガジンの寸法や湾曲度がこれにつれ大きくなっているという)、弾薬全体の長さは58mm、薬莢の長さは42.2mm、弾頭の長さは24.2mmである。弾薬全体はロシアの5.45mmx39とNATOの5.56mmx45を合わせたような感じだが、よりコンパクトで弾薬の装填と排莢に便利である。5.45mmx39弾薬に似て、弾薬の密度と強度も理想的である。95式小銃の銃身長は18.2インチで、銃口初速度は3050フィート/秒に達する。一方95式分隊用機関銃の銃身長は21.9インチに達し、銃口初速度は3182フィート/秒に向上している。手元にある弾薬サンプルは解放軍71工場によるもので、1996年に出荷されている。

中国人はすでに彼らが理想と考える5.8mm弾薬と武器を開発しているが、依然解決しなければならない問題が1つある。周知のように第二次大戦開始から、中国軍は鹵獲した日本製の6.5mm小口径武器を大量に使用したことがある。多くの実戦経験の総括を経て、中国人はこうした小口径武器の殺傷効力に対し満足せず、特に長距離に関してはそうだった。このため小口径武器、特に小口径機関銃の彼らに対する訴求力は大きくなかった。

軍に新世代小口径武器の受け入れを説得するため、解放軍総装備部は部隊にいくつかの5.8mm過渡的タイプを提供し、試用させた。この銃は既存の81式7.62mmアサルトライフルを元に改良設計してできたもので、後に87式小銃と名付けられた。軍はこの小銃をを受領した後、直ちに大規模な対比試用試験を展開した。試験の中で5.8mm武器のパフォーマンスは全面的に既存の7.62mmx39系列を超越した。これらの実物を使った試験結果は中国軍に5.8mmを解放軍の次世代小口径小火器のための第1の選択肢として受け入れることを最終的に決心させた(頑住吉注:ここにもここにもそんなことは書いてありませんが、保守的な軍を説得するために実際に5.8mm弾薬を使用する銃が相当数必要だったので81式をベースに5.8mm弾薬仕様にした87式が作られた、つまり87式自体を大量装備する気は元々なかった、というのはいかにもありそうな話です。ただし87式完成後にこれを大幅に改良した87A式がさらに開発されている事実はこの説と矛盾する気がします。 http://www.gunsworld.net/china/rifle/1987/87a.htm )。

1980年代末におけるこの対比試験が成功した後、中国人は精力を集中し5.8mm弾薬を使用する小口径武器の開発を開始した。それまでとは違い、この時の開発はいかなる単一機種の銃器でもなく、5.8mm口径の汎用銃器ファミリーを開発するものだった。この系列の武器は95式小銃、95式分隊用機関銃、88式スナイパーライフルを含んだが、人を驚かせたのは中国人がさらに5.8mmの88式重機関銃を開発したことだった(頑住吉注:そう言えばこの銃にはあまり触れたことなかったですが、重機関銃ではなく、重機関銃にも軽機関銃にも使える汎用機関銃です。確かに小口径の汎用機関銃は非常に珍しいですね。ただ、例えばミニミをトライポッドに乗せることはやろうとすればごく簡単なはずで、必要ないからやっていないだけだと思いますが。 http://www.gunsworld.net/china/mg/qjy88/qjy88.htm )。新銃器ファミリーの設計は現代小火器発展の潮流に符合し、重機関銃以外の全部にブルパップ構造設計が採用された(訳注:bullpup。英文の元々の意味は「子牛」で、実際にはマガジンを後方に置いた設計を指す。台湾では「犢牛式構造」と融通の効かない翻訳をしている)(頑住吉注:いやブルパップは本来ブルドッグの子犬という意味では)。

伝え聞くところによれば中国人は95式小銃開発過程でSVDドラグノフスナイパーライフルの設計を大いに参考にしたという。例えば95式の閉鎖突起が3つある回転式ボルト、ボルトとボルトキャリアの連動、調節可能なショートストロークガスオペレーション回転閉鎖等々はSVDの影響と見られる。新銃器ファミリーは高強度アルミ合金と複合材料を大量に使用し、しかも人間工学的に改善された。バレルにはコールドハンマー技術が使用され射撃精度を非常に大きく向上させた。人体的角度から、新設計ではさらに次のような物理方面の要素が重点的に強調、考慮された。

1. 銃の全体的重力軸心とバレルの重力軸線を最短距離に保持

2. ボルトユニット全体の重力軸心とピストンの重力軸線を最短距離に保持

3. バレルの重力軸心とガス導入管の重力軸線を最短距離に保持

4. ボルト連動座の重力軸心と銃全体の重力軸心を最短距離に保持(頑住吉注:バレルとボルトなど作動部品との軸線が近い方が射撃時に回転モメントが生じにくくなり命中精度向上に有利になる、というのはよく指摘され、そういうことを言っているんでしょうが一部意味不明です。また「軸心」と「軸線」の使い分けもよく分かりません)

95式設計者自身の言葉で形容すれば、このような設計は「コンパクトな設計でユニット式の全体効果を発揮、銃の平衡と安定性を常に保持、ボルトのスムーズな運動を保証、全体的に銃の重量を軽減、射撃正確性の向上、しかも武器の信頼性を向上させる」ものである。特に注意を要するのは、彼らがさらに新銃器ファミリーの信頼性がAK系列に劣らないことを強調していることだ。

新銃器ファミリーではさらに系列のアクセサリーが選択のため提供できる。これには次のものが含まれる。

1. 光学サイトおよび快速照準補助装置

2. 最新のスターライトスコープおよび補助視察装置

3. 素早く着脱できる35mmグレネードランチャー

4. バヨネット、ナイフ、ワイヤーカッターおよび缶切り等として使える多機能バヨネット

私個人はブルパップ構造に対しあまり多くの研究はしていないけれど、95式小銃は明らかに良好な人間工学的設計を体現している。銃全長は29.3インチしかなく、重量も7.1ポンドしかない(訳注:95式は目下世界のすでに配備されている小銃の中で最も軽く、最も短いものの1つである)。銃の後半部を見ると、M16に類似したキャリングハンドルが装備されており、これには機械式サイト装置が一体化され、光学サイトの底座も装備されている。前半部を見ると、我々にAK系列の何らかの変種を想起させる。コッキングハンドルはAR10に似た設置で、キャリングハンドルの下に位置する。標準マガジンは30連のプラスチック製である。95式小銃の有効射程は400mを超える。注意を必要とするのは、外観からすると前衛的だが、実際には95式はやはり非常に伝統的な小銃であることだ。構造、機能から言えば、95式と伝統的小銃の間にははっきりした違いはなく、ロシアのAN94小銃(1994年に研究開発成功、将来AK74Mに取って代わる)と比べてさえ、95式はより伝統的である(頑住吉注:「さえ」って、あれと比べても革新的な小銃ってG11くらいじゃないですか)。こうではあっても、ロシア人は心から中国人に感謝する必要がある。興味深いことに、実際上AN94の研究開発はずっと中国の95式系列銃器ファミリーの経験を参考にしており、その神髄を吸収し、不足なところを改良したものである(頑住吉注:この訳分からん記述を読んで、例の「福田真央」のケースのように「アメリカ人がこんなことを言っている」と中国人がでっち上げた内容なのでは、という疑念を持ちました)。

小銃の他、95式分隊用機関銃は火力支援武器である。この軽機関銃は小銃と同じボルトヘッド、ボルトの構造を使用し、上下レシーバーおよび給弾装置は完全に一致している。主要な任務は火力支援と制圧なので、機関銃には小銃と比べてより長く、重いバレルが採用され、またバイポッドが装備されている。火力持続性を保証するため、95式機関銃には75連ドラムマガジンが使用できる。当然標準の30連ボックスマガジンも共用できる。私の平時における試射の経験から言うと、ドラムマガジン内部空間の設計が充分整っていないせいかもしれないが、弾薬が運動する衝撃が大きすぎる結果がもたらされており、中国のドラムマガジンの騒音は非常に大きい。この他人をして信じ難くさせるのは、95式機関銃の重量がたった8.7ポンド(頑住吉注:約4s)しかないことだ! いくつかのサブマシンガンと比べてさえまだ軽く、イギリスのSA系列軽機関銃(頑住吉注:L86A1。約7.3s)や我々のM249 SAW(頑住吉注:約7.1s)と比べ、95式は最軽量であると言える(頑住吉注:ちなみにRPK74は4.7s、ただアサルトライフル強化型の軽機関銃と、最初から軽機関銃に最適な設計がなされた支援火器をごっちゃにして論じるのはどうかと思います)。95式軽機関銃の有効射程は600mを超える。

88式スナイパーライフルは25.1インチの機械鍛造バレルを採用し、95式と比較するとキャリングハンドルが3〜9倍のスコープに取って代わられている。照準具には見越しの見積もり表示が追加された十字のレティクルが採用されている。応急の場合の補助として、折りたためる機械式サイトも残されている。この他88式スナイパーライフルには一体式バイポッドも装備されている。行動中は支持架をハンドガードと反対向きに折りたたんでバレルと平行にできる(訳注:この筆者はここで小さなミスを犯しているようだ。88式のバイポッドはintegralつまり一体式ではなく着脱可能である)(頑住吉注:うーん、元々の筆者の誤りを指摘しているということはやはりアメリカ人による記述なんでしょうか)。給弾装置としては20連あるいは30連のマガジンが選択できる(訳注:これも小さなミスだろう。88式の標準マガジンは10連である)。85式7.62mmx54スナイパーライフル(SVDのコピー生産品)との対比テストの中で、88式は遠距離においてより正確で、反応速度がより速く、後座力がより小さく、装弾数がより多く、それなのに重量はずっと軽く、携帯や行動により便利だった。実はこの銃は真正の意味でのスナイパーライフルというより、専用に設計された高精度小銃と呼んだ方がよい。現代の戦場の条件下では、セミオートの88式の性能はその他の手動式高精度小銃よりずっと優れているはずで、いくつかの特殊な性質の任務も実行できる。88式の専用のスナイパー弾薬を使用する状況下での有効射程は800mを超える。

中国5.8mm銃器ファミリーの最新メンバーはQJY88式重機関銃である。5.8mm重機関銃研究開発プロジェクトは1989年に始まり、試験環境は酷寒の北国から灼熱の砂漠地帯までに至り、酷寒、酷暑、砂嵐の中でのテストを経て、1999年7月にQJY88式重機関銃は正式定型に至り生産開始された(頑住吉注:部隊に装備されたのは2000年だそうです。なら何故88式という名前なんでしょうか)。QJY88の給弾装置は200連の給弾ベルトで、給弾口内には3つのローラーが、給弾フック上にもさらに1つローラーがあって、最大限に給弾ベルトの進行摩擦を軽減し、ジャムを避け、信頼性を向上させている。QJY88はトライポッドに装備して典型的重機関銃として使用する以外に、バイポッドに換装して軽機関銃の役割に充当することもできる。標準的トライポッドの底座には制退装置があり、有効に設計上の正確度を高めることができ、また対空射撃に便利である。この他QJY88式のバレル内には専用の特殊ライフリングと厚さ0.18から0.28mmのメッキ層があり、高温による侵食を完全に防御することができる。これらの措置は有効にバレルの構造寿命を延長している。中国人はQJY88式重機関銃は使用が簡便で、信頼性が高く、特に携帯が容易(トライポッド全体の重量は26ポンドしかない)で、有効射程が長く、しかも命中精度が高いと称している。専用の5.8mm重機関銃弾薬を使用すると、QJY88式の有効射程は1000mを超える(頑住吉注:なおこの銃の重量は軽機関銃状態で約7.6sあり、やはり本格的な機関銃の設計にすればこの程度の重量にならざるを得ないのでしょう)。

これを聞くと素晴らしいではないか? 私にはあなたが今どんな質問をしようとしているか分かる。それはすなわち一体中国の5.8mmx42武器と我々の5.56mmx45やロシアの5.45mmx39を比べた場合どれがいいのか? メリットはどこにあるのか? である。私は言葉を濁しはしない。最近私はラッキーにもいくつかの解放軍の弾道測定試験の資料に接しすることができた(どうやってそれができたのかは問わないこと)。測定試験では5.45mmx39のAK74小銃(標準の7N6弾薬を使用)、5.56mmx45のFNC小銃(SS109とP112 AP弾薬を使用)(頑住吉注:APはアーマーピアシングつまり徹甲弾)、および95式小銃(中国の5.8mmx42弾薬を使用)が使用された。試験項目には距離600mにおける正確性、距離800mまでの弾頭の飛行時間、距離640および700mでのNATO標準3.5mm強化スチールプレートに対する貫通効果、距離310mでの10mm強化スチールプレートに対する貫通効果、そして最後に距離90mでの麻酔した静止状態の家畜に対する射撃の殺傷性能試験が含まれた(頑住吉注:麻酔したら効果がよく分からんのでは)。これらの測定試験過程と結果全ては詳細に記録され図表で対比されている。この対比の中に私はアメリカ海兵隊康迪哥(頑住吉注:「kang di ge」 英語表記不明)基地武器研究部門が1980年代に行った3.5mmスチールプレートの貫通試験データを加えた。

中国の試験結果は5.8mmx42弾薬は射程および貫通力の対比においてM43 7.62mmx39弾薬にいささかも劣らないことを示した。このため次のような結論を出すことができる。中距離においては、現代の小口径武器は弾薬の重量と後座力を増加しないという前提下で理想的性能を確実に保証することができる。同時に5.56mmx45弾薬は距離600mにおける性能でも旧式な7.62mmx51および中国で現役の7.62mmx39(アフガニスタンのテロ分子もこのタイプを使用)を全面的に超越している。一方彼らの5.8mmx42の設計初志は5.56mmx45 SS109を、遠距離性能も含め超越することだった。95式小銃のスコープマウントベースが標準装備であることから見て、中国人は明らかに彼らの小火器の有効射程の改良を希望している。この他、我々には目下いかなる88式スナイパーライフルの性能資料もないが、計測試験の中で距離1000m以上で7.62mmx54のSVDの性能を超越したことは、基本的に皆さんの疑問に回答できる。ロシア軍においてSVDは「Oar」の愛称で呼ばれており(訳注:英文の元々の意味は「船のオール」)、性能優秀ゆえに部隊の好評を得ているのである(頑住吉注:ドラグノフはスナイパーライフルとしては精度が高くなく、明らかに旧式化しており、ロシアもさまざまな新型スナイパーライフルを導入しつつあります)。

スチールプレートの貫通試験中、5.8mmのパフォーマンスは5.45mm 7N6および5.56mm SS109を軽く超え、5.56mm P112 APと引き分けたが、5.8mmの残余運動エネルギーはP112より高かった。注意を要するのは、5.45mm 7N6弾薬が採用しているのはより軽いスチールコアで、公平に見ると新型の7N10高貫通力弾薬を使用して対比するべきであることだ。5.8mm弾薬にはより高い残余運動エネルギー、速度、小口径弾頭特有の高い貫通力があるが、重量が比較的軽いため、小口径弾薬に遠距離において沈下と殺傷力減退が起こることは比較的普遍的なことである。このような小口径弾頭は簡単に人体を貫通するが、殺傷力は大きくない。この種の状況は最も早くは第一次大戦時のイタリアの戦場にまで遡ることができる。かつて兵士が6.5mm弾に肺を貫通された後、1週間以内にすぐ傷が治癒した状況が起きたことがある。最近の例ではアメリカ軍兵士がソマリアとアフガニスタンにおいてM885/SS109弾で撃たれ負傷したが致命傷を負わなかった(頑住吉注:鹵獲した銃で撃たれたんでしょうか、それとも誤射でしょうか)。

運動する目標に対する射撃試験の結果は小口径弾薬の特性をはっきり示した。試験は、5.45mm 7N6弾薬の殺傷能力は5.56mm SS109および5.8mmx42のいずれよりも高いことを明らかにした。当然この測定試験の距離は非常に近く、90mしかなかった。中国人は5.45mm7N6弾薬に近距離における出色の殺傷能力があることを肯定しているが、試験結果は52グレインの軽量弾頭を使用するがゆえに5.45mm 7N6は射程が600mを超える時、精度、貫通力、殺傷力が大幅に低下することも明らかにした。中国人の報告は同時に5.45mmx39弾薬の加工が簡便でコストの角度から言って非常に経済的であると指摘した。報告はさらにSS109は600m以上の距離で、依然として一定の威力を保持できるが、デメリットはチャンバー圧力の高さ、および銅質薬莢ゆえに価格が比較的高いことにあると表明した。

5.8mm弾薬は貫通力の面で5.56mm SS109を超えたが、精度の面ではやや劣っている。新しい5.8mmの95式小銃の精度が70年代に設計された5.45mmのAK74より優れていることは不思議ではない。AK74の5.45mm弾薬の精度はAKMの7.62mmx39口径よりずっと良いが、AKMは旧ソ連のああした強い火力の持続を精度よりも優先する教条的思想の産物である。中国人は95式の設計においてショートストロークピストン構造を使用したが、この目的は射撃正確度を向上させ、同時に銃の信頼性を保証することに他ならなかった。現在見ても中国人は確実にこの目標を達成している。ただし測定試験中5.8mm系列の正確度はそれでもFNCの5.56mmx45系列より低かった。NATOの5.56mm小口径弾薬は円柱の薬莢を採用しており、テーパーのきつい薬莢を使用している5.45mmおよび5.8mm弾薬と比較して、正確度方面で先天的優越性がある(頑住吉注:薬莢のテーパーが命中精度に関係するものなんですかね。するとしたらどういう理屈ででしょうか)。一部分の正確性を犠牲にしているが、その代わりにテーパーのきつい薬莢は排莢性能がより良くより確実なのである。最後に強調しておく必要があるのは、測定試験では5.8mm弾薬の残余運動エネルギーと速度の指標はSS109より良好だったことが示されたが、その差ははっきりしたものではなかったことだ。

最後にもう1つ問題がある。私はこれは大多数の人が疑問に思っていると信じる。何故中国人はより簡単に既存の5.56mmx45口径をそのまま採用せず、新たに全く新しい小口径系列の武器を開発したのだろうか? 私はその答えは1つしかないと思う。それはすなわち中国軍がかの純防衛の教条的思想の影響を受けているから、というものだ。彼らは中国が侵略を受けても、敵は鹵獲した中国の武器と弾薬を使用できないと考えている。以上の資料は他人受け売りと個人的分析に過ぎず、真の答えはやはり皆さんで考える他ない。新しい5.8mm系列武器の性能は一体どんなものか、我々はさらに未来における実際の働きあるいは作戦過程から少しずつ観察考証する必要がある。現在出せる結論はただ1つである。それはすなわち、旧ソ連のカラシニコフ式およびそのコピー生産品や変種が解放軍の序列の中で現役にいた歴史は間もなく終わる、というものである。


 全体的にどうも中国に対し記述が甘すぎる傾向があるように感じられるんですが、結局この文章は本当にアメリカ人の手によるものなのか、中国人がアメリカ人を装って書いたものなのか分からないままです。もし元ネタを知っているという人がいたらお知らせください。

 だれが書いたにせよもし記述が適切なものなら、小銃用普通弾薬でも5.56mmx45徹甲弾と互角かやや上の貫通力があり、精度は「やや劣る」程度なわけで、それなら重弾薬に近い性能で一本化させ、真鍮ジャケット、6本ライフリングなど部分的に西側に近づけた新弾薬は貫通力がさらに上がり、命中精度も向上していると見られますから、総合的にNATO弾を上回っている可能性がかなり大きくなるでしょう。
















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