中国の戦車が大会で優勝できなかった原因

 相変わらずいろいろな論が出てきてます。

http://www.hinews.cn/news/system/2014/08/20/016881048.shtml


解析:中国の96A戦車、競技に参加し19発の砲弾が全部命中して何故優勝が奪取できなかったのか

ここのところモスクワ州アラビノ訓練場で行われていた「戦車両項目-2014」競技のように極めて数少ない国際武器競技は国内で全人民が野次馬見物する熱情を引き起こす。戦車、この一般庶民が非常に熟知した「大衆化」された武器がロシアの泥地、坂道、溝、水たまりの間を狂奔し、いかめしくおごそかに自動車オフロードラリー競技を行った。

当然、より重要なカギとなる吸引力は中国チームの初の競技への参加から来ている。南京軍区駐浙江省某部は4両の96Aメインバトルタンクおよびその車両グループと維持保護人員を派遣し、第1段階の順位は第8位、その後奮起してまっしぐらに追い、団体リレー競技に突入し、最終的に総合成績第3位を取得し、表彰台に上がった。

国産メインバトルタンクの機動力にはやや欠陥があるが、96Aの指さす所を打撃する能力はそれにもかかわらず無比のものであり、単一車両競技の期間に中国戦車の主砲は19回発砲して全部命中し、しかも射撃速度が最も速く、唯一主砲を全部命中させた競技参加チームで、ロシアサイドの標的検査人員に中国の標的は検査を免除してよいと言わせることになった。

軍事専門家宋忠平は銭江晩報の特別インタビューを受けた時、今回の競技イベントでは設定の上で極端に機動性が強調され、火力は軽視され、防御性能は完全に無視され、実はこれはすなわちロシアが長所を目立たせて短所を避け、そのT-72をセールスするためだ、とした。もしこのために中国の戦車や装甲兵をけなすならば、それには全く道理がない、と。

火力の正確な表れの鮮やかさに驚く

競技で19発全部目標に命中


競技イベント第1段階で、中国チームはあやうく「ワーテルロー」になりそうになり(頑住吉注:意味不明ですが最下位になりそうになったという意味ですかね)、単一車両競技の順位は12の競技参加チーム中第8位でしかなく、単にクウェート、モンゴル、アンゴラなどのチームに先んじただけだった。

第2段階では、中国の装甲兵は徐々に感覚をつかみ、短距離および速度を競う競技で困難をおして追い上げ、着実に第4位を手に入れた。特に14日の第3段階の身体能力競技では、3つの中国車両グループはそれぞれ第1位、2位、7位を獲得し、絶対の優勢をもって総得点第1位を勇ましく奪取し、同時に単一車両競技3種目総合第3位で、16日の団体リレー競技に駒を進め、美しい「変身」を演じて見せた。

決勝戦の中で、中国チームの出場した806号戦車は急速に前進しながら次々に発砲し、全部標的に命中させた。惜しいことに、競技が終わろうという時に806号は観衆席の前で立ち往生し、乗員は止むを得ず807号車に乗り換えて競技を継続した。最終的に中国チームは1時間30分56秒の成績をもって銅メダルを獲得した。ロシアチームは1時間15分13秒の成績をもって優勝を獲得し、アルメニアは1時間20分03秒の成績をもって準優勝を獲得した。

競技中、96Aの火力の正確度は特に驚異的に表れ、125mmスムーズボア砲が発射した19発の砲弾は全部命中し、第2、第3日目の並列機関銃に失中が出現しただけだった。

ロシアのテレビ局中継ビデオの中に記者は、競技中の静止目標に対する射撃の部分を見たが、96Aは発砲する時全く減速せず、それでもやはり全部標的に命中させた。ロシア戦車は発砲の前、速度を這うのに近いまでに減速し、一方アルメニア戦車はあっさりと停止してから撃ち、それにもかかわらず3発全部失中だった。

ロシア総参謀長が敬服して「中国戦車兵の射撃のレベルは非常に高く、ロシア戦車兵がよく学ぶに値する」と語ったのも不思議ではない。

南京軍区元副司令員王洪光中将は文章を執筆して、競技参加部隊は我が軍で初めて96Aを装備した部隊であり、自分はこの部隊の訓練水準に対し高度に認可し、自信に満ち、「彼らは潜在的相手と比べて全く遜色なく、甚だしきに至っては技が一段優れている」と明らかにした。

専門家、得点を失った原因を解剖分析

何故「射撃術が神のように正確」な96Aの総得点が高くなかったのか


何故「射撃術が神のように正確」な中国戦車の今回の競技の中での全体の得点が高くなく、戦車兵の超越的に強い身体能力に頼ってこそ決勝戦にかろうじて入れたのだろうか?

「何故なら、今回の競技は基本的に戦車が極限の速度をもって各種の複雑な地形を通過する能力を競うものであり、これは旧ソ連時代『ゴキブリの走り』と呼ばれ、実際上戦車の耐える力の極限を測定するものである。これは『戦車の泥地でのぶつかり合いラリー競技』と呼ぶのがより妥当だ。」と宋忠平は分析する。

フルスピードで車を走らせることを論じれば、96A戦車がしてやられるのは全く理にかなっている。96Aは重量43.7トン、エンジン出力はたった780馬力、出力:重量比17.85馬力である。一方10の競技参加隊伍が採用した「公式指定用車」T-72BVは重量44.5トン、840馬力、出力:重量比18.88馬力/トン、ロシアの「オープントレーラー」T-72B3Mは1,130馬力ディーゼルエンジンに換装しており、出力:重量比は25馬力/トンを超え、前の2者に比べ40%大きい。96Aが旧式な手動変速ボックスを採用し、両側の遊星変速ボックスのT-72BVに遜色があり、増してや自動式のT-72B3Mにははるかに立ち後れているからなおさらである。

火力部分は主砲で戦車標的を射撃する、高射機関銃でヘリ標的を射撃する、同軸機銃でRPG対戦車ロケットランチャー標的を射撃する、という3つの部分に分かれた。不思議なのは、主砲射撃のウェイトが何と機関銃と同じで、しかも射撃があたらなくても1分間の成績が差し引かれるだけだということである。このため、第1段階で3発全部命中したが速度がやや遅かった中国戦車は、狂奔したが3回の射撃全部失中したインド戦車の成績に及ばなかったのである。

戦車は誰が速く走れるかではない

競技と実戦の差異はどこにあるのか


宋忠平の見たところ、戦車両項目の競技模式は実戦からの逸脱が深刻である。

「戦場では、戦車は複雑多変な、甚だしきに至っては都市の地形に遭遇し、重点は有効な視察、交代での援護、多目標に対する快速反応である。行軍中未知の地形に遭遇したら、減速して視察すべきで、もしひたすら狂奔したら、1本の溝でもう戦車を壊滅的災いに遭遇させ得る。」

また、狂奔は車両のエンジンやシャーシに極めて大きな損害を与え、戦車の「過労死」をもたらすだろう。今回の競技の中で、7両のT-72が競技から退出し、96Aは何度も立ち往生する姿をさらしたが、衝突されたあの車両を除き、その他は競技から退出しなかった。

宋忠平は記者に、戦車というものは誰が速いかを比べるものでは全くない、と教えた。「もし湾岸戦争だけに着目すると、見渡す限り平らな砂漠地形で、米軍のM1A1は最高時速でも40kmを超えなかった。」 このため各国の装甲部隊には単一の車両を複雑な地形で最大速度で走り回らせる訓練項目は非常に少ない。

王洪光は、この競技イベントは戦車の主砲の威力、防御能力、情報化能力、戦場持続能力、維持修繕可能能力を反映することは全くできない、と考える。「戦場の戦車とは全く別物で、作戦要求を用いて競技、試合を評定する必要はない。」(記者 屠晨マ)


 何度も同じようなことを書きますけど、そういうルールならそのルールで有利な機材を用意すべきで、余りにも現実離れしすぎていると思うなら参加しなきゃいい話でしょう。標的としての戦車、攻撃ヘリ、対戦車ロケットランチャーの比重が同じというのも極端に不当なルールではないように思えますが。














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