ベトナムの南シナ海へのロケット砲配備は中国への抑止力となるか

 ロシア製かなと思ったらイスラエル製だそうで。

http://military.china.com/important/11132797/20160813/23284411.html


ロケット砲の南沙上陸はベトナムに対し何もメリットがない 中国の遠距離火砲の射程が完勝

【グローバルネット軍事8月12日の報道 グローバル時報特約記者 魏雲峰】 ベトナムが強引に占領した南沙の島礁上に遠距離ロケット砲を配備するとの情報は南海地域の緊張した情勢をより複雑にさせる。一部の「拉偏架」(頑住吉注:喧嘩している時に片方の肩を持つ人)な西側メディアはベトナムがこの種の攻撃性武器を配備することを非難しないだけでなく、逆に「このことは中国の拡張の抑止に有利」であり、水陸両用上陸作戦に対応する利器に属する、と宣揚する。しかしベトナムが島礁上に何門かの火砲を配備することは、本当にこのように大きな威嚇力を持つのだろうか?

ベトナムのロケット砲は一体どんなしろものなのか?

ベトナムの南沙諸島のロケット砲の脅威がどのくらい大きいのかを語るには、まずこのロケット砲から語り始めなければならない。イギリスのロイター社の報道によれば、ベトナムが配備するのはイスラエルから導入したEXTRAロケット砲である。メーカーであるイスラエル軍事工業社の説明によれば、これは「正確で、コストパフォーマンスが高い戦術ロケット砲システム」で、敵サイドの高価値目標を正確に破壊することができ、これには指揮および通信センター、後方勤務および交通施設などが含まれる。このロケット弾は全長4.4m、直径306mmで、射程は20〜150km、標準的な大口径遠距離ロケット砲に属する。説明によれば、通常のロケット砲は長射程で深刻な偏差が出現するため、EXTRAロケット砲はわざわざGPSシステムを採用して正確誘導を提供し、命中精度は10mに達し得る。日本の「外交学者」ウェブサイト10日の報道によれば、ベトナムはこのロケット砲を同国が支配する南沙の島礁上に運び、このことは重さ125kgのハイエクスプローシブ弾頭を付近の中国が支配する永暑、渚碧、美済という3つの島礁上の「飛行場や軍事施設」上に送り込むことができることを意味している。

ベトナムが南沙の島礁を選択してこのロケット砲を配備するのには、さらにその維持保護が簡単なことがある。結局のところ南沙の島礁は高温多湿で塩分が高い環境にあり、精密設備は特に腐蝕を受けやすい。EXTRAロケット砲は密封された一体化発射ボックスを採用し、維持保護の難度を簡略化している。その配備方式はより柔軟で、専用の発射車上に装備して野外機動することもできれば、普通のトラック上に装備して「ヒットエンドラン」することもでき、甚だしきに至っては簡単な固定発射架上で発射することもできる。

(頑住吉注:これより2ページ目)

島礁上の遠距離ロケット砲、どう防ぐ?

EXTRAロケット砲は西側によって神のごとく持ち上げられているが、ある中国の専門家は、体系化作戦の時代、いかなる単一の武器も「天下無敵」ではあり得ず、増してやEXTRAといったような決して先進的と評価されない装備は言うまでもない、とする。

まず、遠距離ロケット砲に関して言えば、打撃対象が目視の範囲外にあるため、その他のプラットフォームが正確な目標パラメータを提供することに頼ることを必須とし、このことはEXTRAロケット砲に対応するためにチャンスを提供している。「ソフト手段」の電子妨害でも「ハード殺傷」の通信指揮車の破壊でも、事前にその外部偵察データのキャッチを破壊しさえすれば、EXTRAロケット砲はすぐに遠方の移動目標に対応できなくなる。

だが周辺の島礁上の飛行場あるいはその他の固定目標に対しては、EXTRAロケット砲は依然、事前に測量した目標パラメータを根拠に射撃を行うことができる。だが相対的に長い飛行過程の中で、ロケット弾はGPS信号を根拠に不断に航行方向を修正する必要がある。アメリカの核心的盟友でない国はGPS軍用コード受信機を使用できないため、ベトナムのEXTRAロケット砲は容易に妨害されるGPS民間用コード信号に頼って誘導を提供するしかない。もしGPS信号が妨害を受け、ロケット弾が普通の慣性制御誘導だけに頼ったら、その誤差はkm単位をもって計測されることになる可能性があり、基本的に正確制御誘導武器の意義を失う。

さらにまずいのは、通常の密集発射を採用し、面殺傷を図る122mmロケット砲とは異なり、EXTRAロケット砲は正確打撃武器に属し、配備方式の制限を受け、毎回の斉射の数が限られ、このことも迎撃システムのために良いチャンスを提供している。現在各国の専用の対ロケット弾迎撃システムは日増しに成熟し、最も著名なものにはイスラエルの「アイアンドーム」システムが属し、それはロケット弾発射数秒後にその軌跡を確定し、しかる後に迎撃弾を自動発射してそれを撃破することができる。ドイツが研究開発した「空中盾牌」(頑住吉注:検索しましたが不明)システムは速射砲と迎撃ミサイルを用いてダブルの厳重な迎撃を構成する。原理的に言って、ロケット弾の迎撃は対ミサイルに比べずっと容易で、超音速ミサイルを迎撃する能力を持つ中国の「陸盾-2000」などの近接防御システムは、少数の「網から漏れた魚」に対応するのに足りる。

また、高エネルギー遠距離レーザーを利用して来襲するロケット弾を遠距離で撃破することも各国の研究の重点で、アメリカ、イスラエルはいずれも戦術レーザー対ロケット弾システムを研究開発中である。説明によれば、中国はすでに、無人機を迎撃できる1万ワット級の「低空衛士」レーザーシステムを研究開発しており、しかもより高い出力のレーザーシステムも研究開発中である。

(頑住吉注:これより3ページ目。画像のキャプションは「中国の遠距離ロケット砲」です。)

南沙の軍備競争を挑発して引き起こすことにメリットなし

各種迎撃手段の他、南沙の島礁は面積が限られているため、その上に配備されるEXTRAロケット砲には身を隠す場所が欠乏し、非常に容易に攻撃を受け、このためその戦時の生存能力は憂慮される。

ロイター社は、ベトナムがEXTRAロケット砲を南沙に配備することは、南海の軍事化が新たな段階に入ることを象徴的に示しているのかもしれない、と認めている。ある分析は、もし中国が対等方式を採用し、同様に遠距離ロケット砲を南沙の島礁に配備したら、ベトナムはさらに顕著に劣勢に立たされる、と考える。結局のところ中国は多機種の現在世界で射程最長のロケット砲を持つのである。すなわち、解放軍に大量装備される国産PHL-03式300mm遠距離ロケット砲は射程が150kmで、多くの国に輸出されている「衛士」系列遠距離ロケット砲は射程がさらに長く300〜400kmである。もしベトナムがあくまで南海地域に進攻性武器を配備することによって軍備競争を挑発して引き起こすなら、西側のいわゆる「非対称の軍事的優勢」を獲得することは不可能である。


 まあベトナム単独で中国に対抗するのには無理があるでしょうが多くの国が結束してあたれば話は別になるはずです。


















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