「F-22がユーロファイターに負けた」件に関する評価

 「F-22がユーロファイターに負けた」件に関し、さらに詳しく論評したページが出てきました。

http://13856477078.blog.163.com/blog/static/1210183402012629113055487/


猛禽空を衝く 第3世代半はF-22を打ち負かせる?

(頑住吉注:原ページのここにある画像のキャプションです。「EF-2000にあるF-22『撃墜』マーク」)

先日今年度のアメリカ「レッドフラッグ」空戦演習に参加したドイツの飛行員は、彼らがEF-2000戦闘機を操縦して複数回アメリカのF-22を打ち負かし、しかも今回の演習をふざけて「猛禽サラダ」と呼んだ、と暴露した。

だが後に出てきた関係の飛行員の描写から見て、EF-2000の空戦勝利は視距離内空戦で獲得したもので、つまり格闘戦のケースであり、これはF-22に関して言えばあまり大きな意味はない。何故なら第4世代作戦機の主要な優勢は超視距離空戦にあり、このため格闘戦に入るというのは第4世代作戦機にとってまさに「短所を伸ばし長所をなくす」ものだからである(頑住吉注:「長所を伸ばし短所をなくす」というのが普通の慣用句で、それを逆にしたものです)。

我々はF-22のような第4世代作戦機の最も主要な特徴はステルス性であることを知っている。こうした機は一連の措置によって機のRCSを第3世代作戦機に比べ1クラス低下させる。例えば機体の主要なエッジを平行にすることで、このようにすれば機に照射された電波を数少ないいくつかの方向に集中させることができ、すると相手方のレーダーはちらつく信号しか受け取れなくなり、容易に識別できなくなる。また機体表面の突起、隙間をできる限り少なくし、こうして機体表面の散射波も主要な反射波束の中に組み入れ、さらに一歩RCSを減少させる。その他のステルス措置にはさらに、機体に菱型を呈させる、垂直尾翼の傾斜レイアウト(こうすれば側面に照射されたメインの電波が屈折する)、空気取り入れルートに湾曲したルートを採用する(レーダーの電波がエンジンの空気圧縮機やタービンブレードに直接照射されることを避ける)などが含まれ、この他さらに機載兵器を内部装備にし、内部弾薬コンパートメントを採用して兵器を搭載するなどがある。これらはいずれも非常に大きく機のRCSを低下させる。レーダーの探知計測距離の公式によれば、レーダーの探知計測距離とRCSの4乗根が比例する。つまりRCSが1/10に低下すれば、相手方の探知計測距離は半分前後に短くなり、また1/100に低下すると1/3に縮小するということである。

(頑住吉注:原ページのここにある画像のキャプションです。「F-22の外形は波束コントロール概念設計を採用し、比較的良好なステルス能力を備えている。」)

ある情報はEF-2000も一定のステルス措置を採用しているという。例えばレーダー波吸収塗料の採用、機体構造に複雑な材料を採用するなどである。だが全体的に言えばこの機はステルス設計にあまり大きな関心が払われていない。例えばこの機はエンテ式レイアウトを採用し、エンテ翼が生む渦を利用して主翼の気流に対する補充を行い、気流の分離を促進し、したがって機の揚力を向上させている。渦の強さを高めるため、この機のエンテ翼は主翼より上方に位置し、こうすると両者の距離が離れ、渦の発生と強化の助けになる。だがステルス性に関して言えば非常に不利である。まずエンテ翼は1つ反射面を増加させる。この他、レーダー電波が主翼とエンテ翼の間で複数回反射し、互反射効果を形成し、したがって機のRCSを増加させる。EF-2000の空気取り入れルートにはステルス処理がなされておらず、相手方のレーダーは直接エンジンを照射できる。加えてエンジン、空気取り入れルート自体が形成する空穴効果も機のRCSを増加させる。同様にEF-2000の非常に大きい直立した垂直尾翼も相手方レーダーの理想的目標である。このためEF-2000のRCSを比較的低いレベルにまで下げるのは難しい。指摘が必要なのは、F-22に関して言えば機体内弾薬コンパートメントを採用しているため、平時でも空戦中でも、この機のRCSは基本的に不変であるが、一方EF-2000は機体内と機体外に兵器を吊り下げ装備する必要があり、これらの兵器自体にRCSがあるだけでなく、同時に兵器と機体の間でも互反射効果が生まれ、したがってさらに一歩機のRCSを増加させる、ということだ。前述のRCSとレーダー探知計測距離の関係からすれば、同じ条件下でF-22は迅速にEF-2000を探知計測でき、一方EF-2000はF-22を発見するのが難しい、と言える。

(頑住吉注:原ページのここにある画像のキャプションです。「EF-2000の機動性能は比較的良好だが、ステルス性能は劣る。」)

機載レーダー方面では、F-22は機体のスペースが大きく、電力供給能力が強いため、比較的大口径の機載火力コントロールレーダーを装備し、比較的大きな反射出力を提供している。口径と出力はレーダー探知計測距離のカギとなる重要な2つのパラメータであり、同様の技術条件下ではこの2つのパラメータが大きいレーダーの探知計測距離がより長くなる。関係の資料によれば、F-22が装備するAN/APG-77アクティブフェイズドアレイレーダーのアンテナの直径は1m前後、T/Rモジュールは2000個前後であり、現在のT/Rモジュールの普遍的水準である出力1個あたり10W、効率30%、デューティレシオ10%で計算すれば、AN/APG-77の最大出力は6KW、平均出力は2KW前後であり、このレーダーはRCS=1の目標に対し200km前後の探知計測距離が提供できる。一方EF-2000が現在採用しているのはECR-90機械スキャンレーダーであり、機体のスペースの制限を受けて、そのアンテナの口径は700mm前後しかなく、現代のレーダーの反射機パワー密度には比較的大きな向上が見られ、比較的大きな最大値を得ることができるが、その平均出力は比較的大きな制限を受ける。このため我々はこの機械スキャンレーダーの最大値は10KWを超え得るが、平均出力は1KWに達しないと見る。だが平均出力は機載レーダーにとって非常に重要な指標であると言える。何故ならレーダーの追跡距離と空間捜索能力には、いずれも比較的大きな平均出力とアンテナ口径が必要だからである。このため、探知計測距離ではECR-90はAN/APG-77よりはるか劣るはずである。同時にフェイズドアレイレーダーを利用した電子スキャンの敏捷性、AN/APG-77の複数目標に対する探知計測、追跡、複数目標の同時攻撃方面でもECR-90に勝るはずである。特に空戦の武器がアクティブレーダー制御誘導空対空ミサイルの時代に入ると、戦闘機は複数目標攻撃の時代に入った。先進的な機載フェイズドアレイレーダーは必要不可欠の装備である。さらに指摘が必要なのは、現代のアクティブフェイズドアレイレーダーに関して言えば、それはすでに単なる火力コントロールレーダーではなく、機の総合作戦システムの基本センサーであり、電子戦、電子妨害、データチェーンなど多種の機能を持つということだ。一方機械スキャンレーダーは明らかにこうした能力を持たない。EF-2000もアクティブフェイズドアレイレーダーに換装中だが、同様に機体スペース、電力供給、冷却能力に制限され、そのレーダーアンテナのT/Rモジュールは1000個前後しかなく、対応する口径と出力もAN/APG-77に比べずっと低いはずである。これでは探知計測距離もAN/APG-77に劣るはずである。

(頑住吉注:原ページのここにある画像のキャプションです。「AN/APG-77はF-22に探知計測距離の優勢を与える」)

ステルス能力の向上は機自身に影響するだけでなく、その他の方面にも影響する。これらは皆、機の間の空間に決定的影響を生む。例えば現代の空戦の主力兵器はアクティブレーダー制御誘導空対空ミサイルであるが、このミサイルはターミナル制御誘導レーダーを装備している。ミサイル本体のスペースが小さく、加えて電力供給能力が限られているため、ミサイルのターミナル制御誘導レーダーの探知計測距離は一般に比較的短い。第3世代機(RCS=5、真正面)に対してはおよそ30kmである。だが第4世代作戦機はステルス設計を採用しているため、アクティブレーダー制御誘導空対空ミサイルのこうした機に対する探知計測距離はずっと短くなるはずである。これは第3世代作戦機と第4世代作戦機がアクティブレーダー制御誘導空対空ミサイルを使用して相手を撃てば、第4世代作戦機が発射したミサイルのレーダーはすでにターミナル制御誘導に入り、搭載機が迅速に機動して離脱し得ている時、第3世代作戦機はまだミサイルに対し中継制御誘導を行う必要があるかもしれない、ということを意味している。このためどちらサイドが優位を占めるか一目瞭然と言うべきである。ある人はかつて、EF-2000の装備するシューティングスターミサイルの有効な迎撃距離はF-22の装備するAIM-120Cより遠い、と言った(頑住吉注:「グレードアップ版殲-10でF-22に対抗可能‥‥?」のことですかね)。だがこの言い方はまさに、F-22のステルス性能の空戦兵器に対する影響を過小評価している。もしEF-2000のレーダーのF-22に対する探知計測距離が、シューティングスターミサイルの射程より短ければ、シューティングスターの射程は明らかに発揮しようがない。この他シューティングスターのターミナル制御誘導レーダーのF-22に対する探知計測距離は限られており、搭載機も長時間の中継制御誘導を必要とする。これは搭載機にとっては1つの試練であり、このためシューティングスターミサイルの射程の優勢はF-22に対してということで言えば、おそらく発揮しようがない。

(頑住吉注:原ページのここにある画像のキャプションです。「シューティングスターミサイルの長射程はF-22の前ではおそらく発揮しようがない。」)

より広い角度から言えば、現代の空戦は完備された指揮誘導体系の支持を必要とし、これは現代の戦場が日増しに広大になっているからである。F-22のような先進的作戦機でも、その機載レーダーの探知計測範囲はやはり有限である。このため機は戦闘区域全体の空の状況に対する情報の感知は実現できない。この他現代の電子戦技術水準も上昇中であり、もし現代のレーダーがバースト、フリッカーなどの技術を採用しても、周波数ストレージ技術を採用した電子戦システムを避けることは難しい。このため、現代の作戦機は、外部指揮誘導体系の戦闘区域における空の状況情報の提供を必要とする。こうすれば機はこうした情報を利用して相応の戦術計画を制定し、その後目標に密かに接近し、攻撃を発動することができる。このようにすれば機の攻撃の成功確率を高めることができる。現在、現代空戦システムはすでに早期警戒機、地上指揮レーダー、データチェーン、自動化指揮システム包括した総合的システムを形成しており、フェイズドアレイ、高速通信などの技術導入により、現代空戦指揮システムのカバー範囲はより大きくなり、同時に掌握する目標もより多くなり、提供する空戦情報はより詳細になり、同時に指揮する機もより多くなっている。このため現代作戦機に関して言えば、空戦で勝利を得たければ、まず味方の空戦指揮誘導体系の支援を得、その後敵サイドのレーダーの探知計測を避けられるようにしなければならない。このようにしてこそより良好に自己を保存し、敵を殲滅できる。実際、これが第4世代作戦機がステルス技術を採用する主要な原因でもある。一般的に言って、現代の早期警戒機は第3世代作戦機に対しおよそ400km前後の探知計測距離を提供できる。だが第4世代作戦機に対しては100km強に縮小する可能性がある。こうなれば戦闘機の迎撃に残された時間は比較的限られたものになる。さらに重要なのは、第4世代作戦機は自分の機載レーダーと電子戦システムに頼ってとっくに目標をロックオンし、その後機載遠距離空対空ミサイルを利用して目標に対し攻撃を発動することができる、ということだ。これは何故新世紀に遠距離空対空ミサイルが新たに活躍する趨勢になっているのかの理由でもある。実際F-22就役からほどなく、アメリカ空軍は「高価値目標」の打撃実験を開始した。つまり相手方の早期警戒機を打撃することによって、敵サイドの最重要の空の状況に関する情報ソースを消し去り、したがって全体的に相手方の空戦能力を削減するのである。これは第3世代および第3世代半作戦機にとっては、ほとんど想像もできないことである。

(頑住吉注:原ページのここにある画像のキャプションです。「早期警戒機はステルス戦闘機の主要な打撃目標となる」)

以上のことから、我々は次のことを見いだすことができる。超視距離空戦の中で、F-22はEF-2000のような作戦機に対し、ステルス、機載レーダーの性能、情報取得などの方面ほとんど全てにおいて比較的大きな優勢がある。最も簡単な例を挙げると、ミサイルを満載したEF-2000に対し、F-22は200km前後においてもう探知計測に至り、その後率先して占位し、率先して攻撃を発動できる。こうすればEF-2000は機動を行って相手方の攻撃から離脱するのが必須となり、このような機動過程では大量のエネルギー消耗を必要とし、もしF-22の第1撃が目標に命中しなくても、続く近距離空戦でも優勢な地位を占めることになろう。湾岸戦争の空戦で、かつてこのような戦例があった。イラクのミグ-25が側転の動作を採ってアメリカのF-15の探知計測や追跡から逃れたが、アメリカの飛行員もこれについていって側転の動作を1回行い、こうしてミグ-25後方の有利な位置を占めた。このためF-22に関して言えば、空戦の中で相手に勝つのは困難でない。この前のアメリカ空軍の演習の中で、F-22と第3世代作戦機とに100以上の交換比があったと言っても自慢は充分でない。この他F-22は近距離空戦でも外界の想像のように弱くはない。推力ベクトルと先進的操縦システムを採用しているので、近距離空戦になった時、F-22には優越した機動性と良好な敏捷性、そして比較的大きな機動仰角があり、特にこの機の過度の失速に陥る仰角はすでに60度を超え、第3世代機より大きいため、この機の近距離空戦教能平均はF-15Cに比べ100%前後高い(頑住吉注:漠然としか分かんないす)。近距離空戦の中には、飛行機の要素以外に人的要素、運の要素さえ含まれる、というだけのことに過ぎない。アメリカ空軍の関連の演習から見て、F-22は将来の空戦の中で、まずAIM-120Dを利用して相手方の早期警戒機に対する打撃を行い、その後早期警戒機の指揮下で戦場に進入し、「猛禽の無壁」を組成して相手方に対する掃討を行い(頑住吉注:最初に出てきた「サラダ」といい、例えがよく分かんないですね)、できる限り近距離格闘に入ることは避ける。このため、この角度から言えば今回EF-2000がF-22を「打ち負かした」ことにはあまり大きな意義はない。

(頑住吉注:原ページのここにある画像のキャプションです。「EF-18GのF-22撃墜マーク」)

実際にはこれもF-22が空戦演習中に撃墜されたのではない。EF-18Gが空戦中にF-22を「撃墜」したとの話が伝わったが、後のある情報は、このEF-18Gが「規則を破って」戦場に進入し、不意討ちを行ってF-22を撃墜したのだとしている。明らかに正々堂々とした勝利ではない。今回も大差なく、まずレッドフラッグ空戦のような多数の国が参加する演習の中では、参加国は自分たちの軍事機密を保護するため、多くの電子設備をONにしない。例えば機載レーダーや電子妨害システムである。このため超視距離空戦のシミュレーションは行うことができない。またF-22は自分の真のRCSを漏らすことを避けるため、いくつかの技術処理を行った可能性がある。このようにすれば超視距離空戦はもうシミュレーションできない。近距離格闘の場合に関してであるが、F-22は以前酸素供給システムの問題のためずっと飛行停止状態にあり、飛行員はシミュレーターとT-38練習機に頼って訓練レベルを保持するしかなかった。またF-22はすでに飛行が再開されているが、関連の問題により、また根本的解決が得られていないことにより、機の飛行パラメータにやはりいくつかの制限がある。こうした状況下で、F-22がEF-2000に打ち負かされたことはさほど不思議ではないという可能性もある。

(頑住吉注:原ページのここにある画像のキャプションです。「F-22は無敵とは言えないが、非常に勝ち難いとも言える」)

まとめると、今回EF-2000がF-22を打ち負かしたことは、基本的にF-22の八百長の結果と言える。アメリカ空軍もこのチャンスを借りてF-22機隊の飛行再開後の戦術、技術レベルがどうかを検証してみたのかもしれない。この例には普遍的な意義はなく、ある韓国メディアはこのチャンスを借りて第3世代機に大規模な改良を行い、アクティブフェイズドアレイレーダー、データチェーン、アクティブレーダー制御誘導空対空ミサイルなど先進兵器を追加装備すればF-22に対抗できると考えているが、この言い方は明らかに第4世代機の第3世代機に対する優勢をトータルに見ていない。

このため我が国に関して言えば、現在急務となるのは殲-20のようなステルス戦闘機の研究開発加速である。このようにして、やっと真にF-22のような第4世代作戦機に勝つことができ、したがってより良好に我が国の安全が維持できるのである。


 全体的に「グレードアップ版殲-10でF-22に対抗可能‥‥?」よりも納得のいく論でした。最後の部分で韓国の先見の明のなさを批判していますが、それは「グレードアップ版殲-10〜」にも当てはまる批判です。しかし多くの国が参加する演習では装備を全開にしないってのは本当なんでしょうか、それでは演習の意味自体がなくなるような気もしますが。













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