中国の航空エンジン関連の小ネタをまとめて

 まずはこちらを。実はちょっと古い記事なんですが後で紹介する記事と関連があり、すでに紹介した情報とだぶっていない部分が多いので。

http://military.china.com/news/568/20121123/17545345.html


ミグ社の幹部、殲ー31はRDー93を装備すると事実確認 アメリカ第5世代機の複製品ではない

【グローバルネット総合報道】 アメリカ国際航空ニュースウェブサイト11月23日の報道は、ロシアのミグ飛行機株式会社(ミグー35戦闘機の研究開発メーカー)の技術センター主任ウラジミール バーカフスキーは、中国が最近試験飛行させた第2のステルス戦闘機、すなわち殲ー31戦闘機はロシアが提供したRD-93エンジンを使用していると事実確認した。彼はさらに、対中国エンジン輸出は、ロシア航空工業の対中国輸出の9割以上を占める、とした。過去2年内、ロシアはすでに中国と、中国に対し数百台のAL-31F、AL-31FN、D-30KP2型エンジンを提供する契約を締結した。ロシアが中国に対し輸出する500台のエンジンは、最初の100台はすでに引き渡しが終わり、次のロットに関する談判は現在進行中である。

報道は言う。中国が最近試験飛行させた第2のステルス戦闘機、すなわち殲ー31戦闘機は、ロシアが提供したRD-93エンジンを使用している。この情報はロシアのミグ飛行機株式会社(ミグー35戦闘機の研究開発メーカー)技術センター主任ウラジミール バーカフスキーの事実確認を得ている。殲ー31戦闘機の大きな縮尺模型は先日の珠海航空展に登場した。殲ー31戦闘機の設計にはなおいくつかの欠陥があるが、今回の航空展に参加したバーカフスキーのこの機に対する評価は、全体的に見て依然ポジティブなものに属す。「見たところこれは素晴らしい飛行機だ。この機は明らかに、アメリカの第5世代戦闘機がすでに試みたことのあるいくつかの設計を採用しているが、これは決して複製品ではなく、完全自主設計だ。」

バーカフスキーはロシア国防省の次世代軽戦闘機を開発しないとの決定に対し遺憾を表明し、これはロシアをこの独特の市場における失敗に遭遇させる可能性がある、とした。ロシアのミグ社最新の戦闘機ミグー29M2およびその輸出派生型Mig-35D戦闘機はいずれも第4世代++戦闘機に属す。バーカフスキーはさらに一歩指摘する。中国の戦闘機メーカーが作り出した製品は、耐久性と維持修繕性方面ですでに大幅に進歩している。また、アフターサービスもやや改善している。

ロシア国防輸出社航空宇宙部門の責任者セルゲイ カーニエフは、珠海航空展の期間に、ベラルーシの顧問と専門の企業の援助の下で、中国戦闘機メーカーはすでにワンセットの適切に実行可能なアフターサービス体制を構築している、とした。この方面において、ロシアはかつて中国に向けAL-31F系列エンジンの大修理と使用寿命期支持文書を提供し、中国を助けて完備されたAL-31F系列エンジンの維持メンテナンス体系を建立した。

11月21日に開幕したロシア・中国政府間軍事技術協力委員会の期間、中ロ両国は軍事技術協力に関する知的財産権の協議を成立させた。これに対しカーニエフは、このことはさらに一歩ロシアの戦闘機とアフターサービス方面における中国に対する知識、技術移転の緩和を可能にする、とした。

対中国エンジン輸出はロシア航空宇宙工業の中国に対する輸出の9割以上を占める。カーニエフは言う。「過去2年内にロシアと中国は、中国に対し数百台のALー31F、AL-31FN、D-30KP2型エンジンを提供する契約を締結した。」 D-30KP2エンジンはイリューシンー76輸送機のために動力を提供し、ALー31F系列エンジンはスホーイー27/30/34系列戦闘機および中国の殲ー11戦闘機のために動力を提供する。また、ロシアはすでに中国国産の殲ー10戦闘機のためにAL-31FNエンジンを提供している。

ALー31Fと似たWS-10A太行エンジンプロジェクトの中でロシアが中国のために援助を提供したかと問われた時、カーニエフは、ロシアが中国に向けAL-31Fエンジンの設計文書を提供したことは全くない、とした。RDー93に言及した時(中国はこのエンジンを中国のJFー17(FC-1)戦闘機に動力を提供するのに利用している可能性が高い)、カーニエフは、中国に対し輸出する500台のエンジンのうち、ロシアはすでに最初の100台の引き渡し作業を完了しており、次のロットに関する談判は現在進行中であるとした。「双方はすでに新たな販売に関するあらゆる法律方面の問題について意見の一致を達成しており、我々の談判は純粋に商務領域の談判で、価格問題も含む。」


 続いて新しい情報です。

http://military.china.com/important/11132797/20130108/17620060.html


ウクライナ、すでに中国の殲ー31のためのエンジン開発に着手

(頑住吉注:原ページのここにある画像のキャプションです。「ウクライナの2種の航空エンジン。上はLー15原型機が使用するAI-222ターボファンエンジン、。下は文中で、ウクライナが中国市場のために研究開発した殲ー31に使用可能とされているAI-9500ターボファンエンジン。」)

【グローバルネット総合報道】 2013年開始早々、外国メディア、外国刊行物は中国の軍事関連の動向に引き続き極めて大きな関心を注いでいる。カナダの「漢和安全保障業務評論」2013年1月号に掲載された文章は、ウクライナのIvchenko連合体はAI-9500F型ターボファンエンジンを登場させ、設計者は、このエンジンの開発は実際上中国市場に非常に強い希望を寄せ、基本的に中国に焦点を合わせて開発した、ということを率直に認めた、とした。

文章は言う。AI-9500Fエンジンのアフターバーナー使用時の推力は9,500kgで、ファンの空気取り入れ流量は1.8kg/h/kgfである。設計者は、現段階では設計構想の提出だけだが、ひとたびクライアントがあればすぐにさらに一歩の研究開発ができる、とした。設計者は、中国市場に非常に大きな希望を寄せていることを率直に認めたが、現在まで中国は投資を行っていない。中国の専門家はウクライナサイドとこの計画に関し討論を行ったことがあり、このため中国サイドはこのエンジンの基本的技術データを非常に熟知している。

漢和は考える。中国サイドがこの計画に対しあまり興味を持たない可能性が非常に高い。何故なら中国はすでにRDー93に類似したエンジンを研究開発中だからである(梟竜戦闘機が現在採用しているのはRD-93である)。一般的に予測すると、もし中国サイドが上述のエンジンの研究開発中に困難に遭遇したら、ウクライナとの協力を求める可能性がある。中国が研究開発中のF-60ステルス戦闘機(殲ー31)も、9,500kgクラスのアフターバーナー使用時の推力のエンジンを採用する可能性がある。

ウクライナのイフチェンコ連合体が今までに研究開発した最大推力の練習機エンジンはAI-222-25Fであり、アフターバーナー使用時の推力は4,200kgで、ヤクー130、L-15練習機上で運用されている。11月の珠海航空展で、中航工業が展示した推力5,000kgの「岷山」ターボファンエンジンは、中国空軍が使用するL-15のために研究開発されたものである可能性が極めて高い。

(頑住吉注:以後のページは画像とキャプションだけです。2ページ目は「ロシアサイドはすでに、現在殲ー31に採用されているのがロシア製RDー93ターボファンエンジンであることを事実確認している。現在ウクライナサイドには競争に加入する意志があり、殲ー31のエンジンにはより多くの選択肢ができた。」、3ページ目は「外国メディアは殲ー31がロシア製エンジンを採用したことは大きな敗北であり、再度中国航空工業の弱点を暴露したものでもあると考えている。」、4ページ目は「殲ー31は現在試験飛行段階にある。エンジンの問題はしばらくはまだ正式定型の問題に影響するには至らない。だが現在すでに中国、ロシア、ウクライナ3方の複数機種のエンジンを選択に供することができ、より基盤がしっかりした。」、5ページ目は「実際上、現在見たところ殲ー31の未来のユーザーは依然比較的模糊としている。だがより多くの競争への加入はエンジン問題の解決を非常に大きく緩和し安定させた。国際市場へのプッシュでも、自分での使用でも、肝心な時に事件が起こることはもはや考えにくい。」、6ページ目は「中国・パキスタン共同生産の「梟竜」戦闘機が採用しているのもRD-93エンジンである。このことからすると、ウクライナがAI-9500Fターボファンエンジンを登場させた野心は非常に大きい!」、7ページ目は「ウクライナはエンジン領域において伝統的な優勢、強みがある。中国のL-15ないしより早い時期のK-8練習機が採用したのはいずれもウクライナ製品だった。対中国協力関係に関して言えば、ウクライナは決してロシアより弱くはない。」、8ページ目は「珠海航空展でデビューした岷山航空エンジン。L-15練習機のために準備されたものである。将来の国産機市場では、外国のエンジン製品はより多くの競争に直面することになる。このことは国産機の市場開拓展開、発展に有利である。」)


http://military.china.com/important/11132797/20130108/17620040.html


外国メディア、ロシア製AL-31FNの供給があるいはパキスタンが殲ー10を購入するか否かを決定するか、と推測

(頑住吉注:原ページのここにある画像のキャプションです。「資料画像:AL-31FNエンジン」)

【グローバルネット総合報道】 2013年開始早々、外国メディア、外国刊行物は中国の軍事関連の動向に引き続き極めて大きな関心を注いでいる。カナダの「漢和安全保障業務評論」2013年1月号に掲載された文章は、ロシア武器装備輸出社副社長A.Mikheevが、中国は今年4、5月の間にAL-31F、AL-31FNエンジン購入の新たな契約を締結し、数量は100台以上であると明らかにした、とした。

文章は次のように推測する。最も新しく購入されたAL-31Fは殲ー11A戦闘機のエンジン交換の名目で輸入されたが、それらは一部殲ー15、殲ー16、殲ー11B、殲ー11BS戦闘機に転用される可能性がある。これらはスホーイー27系列戦闘機から派生し、すでに大量生産に入り、あるいは間もなく大量生産に入る。現在殲ー10BはまだWS-10A中国国産エンジンを装備していない。

ロシア国家武器輸出入総局の別の情報ソースは、これまで中国とパキスタンはロシアに向けAL-31FNをパキスタンに販売する殲ー10戦闘機に使用する請求を正式に提出しておらず、このため談判はまだ開始されていない、とする。A.Isaikin総裁は言う。我々はパキスタンがAL-31Fに興味を持っていることを知っている! 我々も興味を持っているところだ。

文章は推測する。ロシアがパキスタン向けに販売される殲ー10にAL-31Fを提供するか否かが、パキスタンが殲ー10を輸入するか否かを左右する主要な要素になる。現在見たところではWSー10Aエンジンを装備した殲ー10がパキスタンに輸出される可能性はまだ高くない。

(頑住吉注:以後のページは画像とキャプションだけです。2ページ目は「AL-31FNは寸法が小さく、推力が大きい。そのタービンは有効な冷却システムと良好な熱力学特性を備える。圧縮機の増圧は急速、エンジンの構造はコンパクトで、機が比較的高い推力:重量比と良好な機動性を持つことを保証する。」、3ページ目は「双発配置から単発配置に改めた機に使用するため、エンジンの付属品は簡略化でき、またAL-31FNエンジンは内外バイパスの分流隔板をなくしたので、エンジンの重量をやや軽減させている。」、4ページ目は「AL-31FNは燃料消費率もやや向上している。このため、AL-31F系列エンジンには依然性能改良の必要がある。」、5ページ目は「スホーイー27SKは最大速度は殲ー10より大きい(スホーイー27は最大マッハ2.35、殲ー10は最大マッハ2.2)が、標準空戦搭載状態(中距離ミサイル4、近距離ミサイル2)での最大速度はマッハ1.7以下にまで低下する。一方殲ー10(中距離ミサイル2、近距離ミサイル2)はマッハ1.9以上である。しかも超音速状態でより良好な機動性を持つ。」、6ページ目は「殲ー10の超越的に高い性能は空対空作戦に集中しており、このため防空の執行でも迎撃任務でも優れた武器となる。」、7ページ目は「殲ー10は80kmの範囲内でミサイルが発射でき、作戦半径は1,600kmを超える。」、8ページ目は「殲ー10は国産のJL-10パルスドップラーレーダーを採用し、捜索距離は100km〜130km、攻撃距離は80km〜90kmで、同時に6つの目標を追跡でき、しかも4つを選んでロックオンし破壊できる。」)


 中国は高性能航空エンジンの国産化に向け、非常に力を入れ、莫大な資金をつぎ込んでおり、時々「ついに難関の突破に成功!」といった記事が出ますが、やはり現時点では国内でだましだまし使うのには何とかならないでもないが、輸出品には使えない、といったレベルのようです。しかし確かに国産が思うようにいかず、ロシアが販売を拒否してもウクライナという選択肢があるというのは中国にとって有利な要素です。










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