何故無人機は飛行状態で閲兵に参加しないのか

 閲兵関連、というより無人機関連ですな。

http://military.china.com/important/11132797/20150826/20270016.html


専門家:無人機編隊は何故天安門を飛び越えないのか 衝突の危険あり

(頑住吉注:原ページのここにある画像のキャプションです。「中国のWZ-6無人機」)

マイクロブログ上の「トラックに引かれて行くしかない:大閲兵で無人機編隊が天安門を飛び越えるのは不可能な任務」という名の文章が25日関心を引き起こした。文章は、23日午前に行われた閲兵リハーサルの時、地上スクエアチームの中に我が軍現役の3種の国産無人機が展示されたが、こうした無人機は全てトラックに搭載される形式をもって天安門を通過した、とする。このことは直ちにネット仲間の、無人機は何故編隊の形式をもって空中梯隊に参加できないのか? 無人機編隊が天安門上空を飛行して通過するのは一体どれだけ難しいのか? また中国無人機編隊の技術はどんな水準まで発展しているのか? との疑問を引き起こした。

無人機は何故牽引車に引かれて行くのか

このマイクロブログの文章は、この3種の無人機はいずれもトラックへの搭載を使用し、その他の地上装備のスクエアチームの中に混合編成され、天安門広場を通過した、とする。この3種の無人機とはそれぞれ国産のGJ-1中型長航続時間無人機(「翼竜」の改良型)、BZK-005長航続時間遠距離無人機、および250kg級のJWP02型中距離汎用無人機である。

何故中国の無人機は飛んで検閲を受けられないのだろうか。ある姓名を明らかにされたがらない中国の軍事専門家は25日「グローバル時報」記者に対し次のように語った。世界中で無人機の閲兵参加は全て車載方式をもってし、引かれて検閲を行う。現在まだどの国も無人機を編隊の形式をもって空中から閲兵に参加させたことはない。何故なら無人機の密集した編隊技術は実現が非常に難しいからで、現在まで各国の無人機編隊技術はまだ検証および試験の段階にあり、現役の無人機はいずれも密集編隊能力を持たないのである。

この専門家の説明によれば、1960年代には早くも国外は無人機編隊技術を研究し始めた。だが現在まだ就役する無人機に運用されてはいない。単一の機の無人機の飛行に比べ、無人機編隊飛行はずっと複雑で、一連のカギとなる重要技術の突破を必要とする。まず編隊飛行コントロール技術で、これは比較的複雑なコントロール理論に関わる。次に無人機間の位置検査測定と衝突防止技術である。密集した編隊隊形に対しては、より正確なナビゲーションと位置決定情報を必要とする。現在無人機は広範にGPSと慣性ナビゲーションを結合させたコンビネーションナビゲーション技術を採用しており、無人機の飛行精度をおよそ10m前後にコントロールさせ得ている。だが密集した編隊はデシメートル(頑住吉注:10cm)級に達する技術を必要とする。もしさらに一歩精度を高めるならば、Differential Global Positioning System、レーダー、視覚センサーなどの技術を採用する必要がある。無人機が動揺させられる、あるいは旋回する機動の過程では(特に高速無人機)、衝突発生の危険があり、いかにしてうまく衝突を防ぐかも、無人機編隊飛行のカギとなる重要問題の1つである。第3に、無人機編隊飛行は情報交換の問題を解決する必要があり、編隊飛行中には無人機間の通信もあれば、無人機と地上ステーション間の通信もある。いかにしてこういった間のやりとりをうまく協調させるかも一大問題である。またさらに航行ライン計画、隊形の当初編成、編隊の隊形の策、無人機が機能を失った時の隊形の再構築、密集した編隊飛行の空気動力学的影響など一連の問題に関わる。

この専門家は次のように言う。実験の条件下では中国を含むいくつかの国はすでに無人機編隊飛行を実現しているが、もしこうした技術をすでに就役している無人機に用いたら、比較的大きな改装を行う必要があり、しかも一定のリスクが存在する。このため無人機に編隊飛行で天安門を通過させる必要はなく、もし無人機を1機1機通過させたとしても、無人機のサイズは比較的小さいので、その鑑賞効果は良くないのである。

(頑住吉注:これより2ページ目。画像のキャプションは「空軍の彩虹-4無人機」です。)

無人機編隊に実戦価値はあるか

無人機編隊に検閲を受けさせる問題に対し、あるネット仲間は「見世物」であり全く意義はない、と考える。だが実際には無人機編隊飛行は非常に強い実戦の意義を持ち、無人機大型化、スマート化後の重点的発展方向である。

理論的に言って、有人操縦飛行機編隊がもたらす優勢は同様に無人機編隊にも適合する。例えば、編隊飛行は偵察や捜索の範囲を拡大することができる。カメラの装備角度の調整により、編隊飛行は目標に対する全方位立体撮影を実現し、情報の迫真度を向上させることができる。編隊飛行は無人機の全体としての防御突破および作戦の効率を高めることができる。多数の飛行機が一定の編隊飛行を採用すれば、任務執行時の成功率や突発事件に抗する能力が比較的高くなる。多数の無人攻撃機の編隊飛行はさらに命中率を向上させることができる。実戦機にとって、多数の機での編隊飛行は同時に異なる角度から同一の目標に対し全方位の攻撃を行い、攻撃範囲を拡大し、殺傷力と命中率を向上させることができる。また同時に多くの敵サイドの目標に対し攻撃を実施し、敵の防空体系を妨害し混乱させ、戦闘の適時性を高めることができ、無人攻撃機もまたしかりである。また密集編隊飛行は飛行効率を上げ、燃料消耗を下げることができる。専門家は、無人機の密集編隊技術の1つの重要な現実的意義は、無人機空中給油技術のための基礎を固めることにあり、このことは大型、長航続時間無人機にとって特に重要である、と考える。

だが専門家は、多くの要素が相当長い時間内、無人機編隊技術の需要を決して切迫したものでなくさせてきた、と考える。だがここ何年か無人機の大型化、ジェット化、同時運用領域の増加と共に、やっと無人機編隊技術の研究が徐々にホットになってきた。

中国の無人機編隊技術は立ち後れていない

専門家は、ここ何年かの研究検証により、各国いずれも無人機編隊技術でいくつかの突破を実現した、と説明する。例えば、2012年にアメリカ国防高級研究計画局は2機の改良型「グローバルホーク」無人機の近距離編隊飛行試験作業を完成させ、もってこの無人機の空中自主相互援助給油技術を検証した。2014年、フランスのダッソー社が発表したビデオは、1機の「ニューロン」無人機が成功裏に有人操縦の「ラファール」戦闘機および1機の公務機との編隊飛行を実現したことを示している。

中国は無人機編隊飛行技術方面で決して立ち後れてはいない。西北工業大学および北京航空宇宙大学はいずれも関連の研究と試験を行ったことがある。その実験は、無人機の30m以内の密集編隊飛行を確保できることを示した。2014年11月に行われた第1回軍事訓練機材・先進技術展である無人ヘリが展示され、これは3機の編隊飛行が実現できた。編隊飛行中、それぞれの無人ヘリは一定の自主性を持ち、外界の妨害を受けた時であっても、飛行コントロール技術を用いて正確に操縦し無人ヘリを編隊飛行させ、あるいは隊形の自由な変換を実現することができた。今年年初、中央テレビは報道し、「翼竜」無人機は初の編隊飛行を実現した、とした。


 中国は無人機に非常に力を入れており、閲兵でたとえ3機の無人機が相互に30m程度の間隔を保って天安門上空をまっすぐ通過しただけでもかなりのインパクトを与え得ると思うんですが、それすらしないというのはこの技術が想像以上に難しいということなんでしょうかね。しかしこれでは無人機の編隊での格闘戦なんて夢のまた夢ですわな。

















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