「アーマタ」の意義は

 またこのテーマですが。

http://www.hinews.cn/news/system/2015/05/08/017548665.shtml


ロシアのT-14が第4世代だというのはその名に恥じないか? 情報化の程度は大きく向上していない

【グローバル軍事報道】 今回の勝利の日閲兵に参加するあらゆる装備の中で、T-14「アーマタ」(画像)(頑住吉注:って画像ないです。引用元にはあったんでしょう)メインバトルタンクは最も人の注目を引く。「アーマタ」というこの名はラテン語から取られ、武器を意味し、古代ロシア語の中では「銃砲」の意味もある。ロシア軍のこの戦車に対する重視ぶりが見て取れる。ロシアメディアはそれは全世界で初の第4世代であり、西側のあらゆる現役メインバトルタンクを制圧できると、歓呼している。イギリスの「デイリーテレグラフ」も、この新型戦車は「西側の武器の冷戦終結後における長期の優勢を終わらせる」ことになると考える。だが「アーマタ」は果たしてこんなに強いのだろうか? そのロシア軍近代化に対する真の意義はどこにあるのだろうか? 「グローバル時報」記者のインタビューを受けた多くの中国の専門家が答案を出してくれた。

三大指標全てに創新あり

イギリスの「週刊ジェーン安全保障業務」が「アーマタ」に対し与えた評価は、「ロシアの武器に1960、70年代以後最大の改変をもたらす」である。ある中国の専門家は、この評価は決してオーバーではない、と考える。ロシア軍現役主力戦車T-90は元々過渡的機種に属し、その車体と火力コントロールシステムは1970年代に研究開発されたT-72やT-80Uを基礎に改良してできたもので、性能は決して先進的とは評価されず、ロシア軍および国外ユーザーにはずっとすこぶる不平がある。

以前の機種の研究開発経験の吸収および関連技術の累積をを基礎に、ウラル車両研究生産社は「アーマタ」戦車を研究開発した。説明によれば、戦車の性能を評価するには主に防御、火力、機動の三大指標を見ることになる。「アーマタ」戦車はまだ決してT-90のように全身に反応装甲をまとってはおらず、自身の防御能力に対しすこぶる自信があることをはっきり示している。「アーマタ」の正面には「耐寒」装甲を採用して作られた前置き装甲防御区が設けられ、対戦車ミサイルの打撃に対抗できる、とされる。またこの戦車は動力システムの上ではそのまま使われて数十年のV2系列戦車用ディーゼルエンジンを放棄し、全く新しく研究開発されたX型12気筒ディーゼルエンジンを採用し、構造が不変という状況下で出力を1,200馬力まで下げ、あるいは2,200馬力まで増圧することができ、ロシア製戦車の出力不足という欠陥を一変させる。同時に車体の転輪も6対から7対にまで増加し、車体の衝撃に抗する、および障害を跨ぎ越す能力を向上させ、機動性を増強することができる。火力方面では「アーマタは半世紀そのまま用いられた125mmの2A46系列スムーズボア砲を放棄し、試験が完成したばかりの125mm2A82スムーズボア砲を用いるよう改めた。この砲は自緊および一部メッキ砲身技術を採用し、現有の砲弾も発射できるし、未来の新型の弾薬種類も発射できる。このためロシアメディアは、現役のT-90などの戦車に比べ、「アーマタ」は情報化、速度、操縦性などの方面でより優越し、ほとんど完全にソ連時代の戦車の影響を脱し、設計理念がより近代的だと考える。

無人砲塔の意義はどのくらい大きいのか?

「アーマタ」戦車の最も外界の目を引きつけるものとして無人砲塔設計以上のものはない。先進的な性能の他に幾分SF的色彩を帯びた外形設計が加わり、ロシアメディアに興奮して「アーマタ」は世界初の第4世代戦車だと言明させている。だが中国陸軍装備専門家の肖磊は「グローバル時報」記者のインタビューを受けた時次のように言った。「私はこの戦車に対する最も正しい評価は、『世界初の無人砲塔を応用したメインバトルタンク』だと思う。無人砲塔の装備はロシア軍が乗員の生命の安全保護強化に重点を置くことの体現である。過去ロシア式戦車には基本的に尾部スペース式装弾器が採用されたことはなく、弾薬と砲手がいずれも砲塔内に置かれ、ひとたび命中弾を受ければ弾薬が爆発し往々にして人員も車両も皆あの世行きという結果をもたらした。無人砲塔は基本的にこの脅威を解決した。しかも(頑住吉注:砲塔内部の)人間工学や環境問題を考慮する必要がなく、さらに内部空間をよりコンパクトに使用させることができる。だがこのようにする代償は、無人砲塔の構造の複雑さの程度がやや高まるだろうことだ。」

かつて解放軍陸軍戦車兵であり、国防大学の専門家の房兵大佐は「グローバル時報」記者に対し、自分は「アーマタ」が全世界で初の第4世代戦車であるとの言い方に対してあまり同意しない、と率直に言った。「この戦車には確かに一部創新の元素があるが、もしこれにより直ちにこの戦車を革命的新世代戦車と性質を定めるならば、大いに議論の余地がある。」 房兵は次のように考える。西側だろうとロシアだろうと、ある新型戦車が世代を越えた製品であると呼べるか否かを定義付ける重要な指標の1つは、火力性能に大幅な飛躍があるかないかである。ロシアは戦後第1世代の火砲である100mmから第2世代の115mmまで、さらに125mmスムーズボア砲まで、それぞれの世代の戦車ごとに必ず前の世代の火砲の口径、威力、精度に比べて向上したが、現在見たところ「アーマタ」の125mmスムーズボア砲は、やはりいくつかの新技術が運用されてはいるものの、本質の上で革命的な向上はなく、砲からミサイルが発射できることも特別な創新とは評価されない。無人砲塔は確かに創新だが、その体積や高さはいくらも減少してはおらず、被弾面積は依然非常に大きく、その効果を大きく割り引かせる。また、「アーマタ」車両クルー人員は依然3人で、決して以前に予期されたように2人に減少してはおらず、このことからも内部の情報化の程度が現役戦車と比べあまり大きく向上してはいないと推断できる。

「車両ファミリー化」の意義はより大きい

これまでのロシア式戦車とは異なり、「アーマタ」は「車両ファミリー化」を実現することになり、すなわち同じシャーシ上に歩兵戦闘車、自走砲、対空ミサイル搭載車など多くの機種を派生させ、「アーマタ汎用作戦プラットフォーム」と総称され、ロシア軍内のより正式な呼び方は「未来大型汎用戦場プラットフォームシステム」である。これはロシア戦車製造史上まだ初めてのことに属し、この挙は極めて大きく装備の研究開発コストを下げ、かつ武器後方勤務保障の一体化を実現し、ロシア軍の戦闘力向上に対し重要な意義がある。ロシア軍は、「アーマタ」は閲兵後就役を開始し、かつ2020年には2,300両の「アーマタ」系列メインバトルタンクおよび歩兵戦闘車が装備される予定である、とする。


 何か昨日紹介した内容も含め、中国の専門家の間ではこの戦車が画期的新世代戦車扱いされることに対する反発が生まれているようですな。


















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