中国が購入するスホーイー35の通信システムは

 ミサイルやレーダーに比べると地味ですが重要な問題みたいです。

http://military.china.com/important/11132797/20151217/20954895.html


中国が買うスホーイー35は何故ロシアの通信システムを別に配備するのか 中国空軍へのとけ込みの問題を解決する必要あり

(頑住吉注:原ページのここにある画像のキャプションです。「8月25日、第12回モスクワ航空展がロシアのモスクワ地域のジューコフスキーで開幕し、航空展の中ではかつて2014年珠海航空展でお目見えしたことのあるスホーイー35S戦闘機がモスクワ航空展でもお目見えして飛行デモンストレーションを行い、再度『UFO』のような機動性を見せた。」)

摘要:スホーイー35Sを導入した後、中国空軍が解決を必要とする問題の1つはS-108データリンクと全軍総合データリンクとの間のデータ交換の問題である。

最新の海外メディアは次のように報道した。中国空軍がスホーイー35Sを購入する時、これとセットで機載通信システムを導入しており、これにはS-108機載総合通信システムとNKVS-27地上基地通信システムが含まれ、こうした通信システムはロシアの新世代機載通信システムである。

ロシアの関連のメーカーの紹介から見て、S-108通信システムはアメリカのLink-16データリンクに相当し、AT-Eデータリンク端末Терминал авиационной системы обмена информацией (типа Link-16)を採用している。ロシアはこれこそロシア版のLink-16だと考えており、このためAT-EはアメリカのJTIDS/MIDSに似て、960〜1200MHZで機能し、つまりL周波数帯で、通信距離はおよそ500km、帯域幅はおよそ25K/秒で、作戦機間、作戦機と早期警戒機および作戦機と地上指揮所との間の戦術データと情報の交換に用いることができ、さらに飛行機のナビゲーション、識別などの機能に用いることができ、こうした性能もアメリカのLink-16とおおよそ同等である。

S-108通信システムの作用距離は1,500kmに到達し得るとする情報もあるが、AT-Eのデータリンク端末の機能する周波数から見て、それはマイクロ波周波数に属し、波長が比較的短く、大気圏内では直線に近い形で伝播され、このようだと戦闘機が数万mの高空を飛行する時、その伝播距離はやはり500km前後のはずで、この1,500kmというのは短波通信の距離に違いない。周知のように周波数が低くなるほど波長は長くなり、伝播距離は遠くなるが、速度は低くなり、秘密保持音声伝播あるいは低速データ伝達しか行えない。もし高速でデータを伝達する時には無線電視距離の制限を受ける。例を挙げると無線電視距離の公式によれば、早期警戒機と作戦機がいずれも9,000mの高空にいる時は、その通信距離も800kmしかなく、無線電信の作用距離を継続して延伸する必要があれば、空中中継キャリアの採用が必須である。

ロシアのS-108データリンクはLink-16のスタンダードに到達しているが、Link-16はすでに役立たずで、Link-16には一連の問題が存在する。例えば動態ネットワーク組成を実現できず、帯域幅が狭く、ネットワークを組む時間が長く、反応時間が長く、抗破壊能力が限られるなどで、特にそれは全方向通信体制を採用しており、隠蔽能力が劣り、このことはステルス作戦機にとって比較的大きな欠点と言える。このためアメリカ空軍はすでにLink-16をF-22戦闘機の配置の中から削除し、取って代わったのは「実戦機間データリンク」のIFDLである。一方F-35が配備するのはMADLデータリンクである。現役の第3世代作戦機に関しても、Link-16データリンク端末の中にTTNTモジュールを配備して通信能力を向上させることを計画しており、その通信速度は2M/秒に到達でき、Link-16よりはるかに大きい。

(頑住吉注:これより2ページ目。画像のキャプションは「ロシアの飛行員の勇猛な操縦の作風を、ネット仲間たちは皆よく知らない。飛行デモンストレーションからはこれを見て取ることができ、このため勇士、雨燕飛行隊は世界で有名である。最近スホーイのアムール共青城工場80周年記念式で、1機のコードナンバー08のスホーイー35戦闘機が飛行デモンストレーションを終え降着する時、スリリングな場面を見せた。08号スホーイー35が小横線に降着する時、風向の妨害に遭ったか、あるいは飛行員のミスか、降着時に機体の傾斜が深刻になる結果がもたらされ、左側の主翼端の搭載架と地面が摩擦して火花を発した。幸いなことに、飛行員が遅れず機体を調整し安全に降着した。08号の飛行員は相当に凄いと言わざるを得ない!」です。)

海外の資料によれば、現在中国空軍が広範に使用する全軍総合データリンクもLink-16に近く、このためS-108機載データリンクの性能も全軍総合データリンクのそれに近いはずである。スホーイー35S導入後、中国空軍が解決を必要とする問題の1つはS-108データリンクと全軍総合データリンクとの間のデータ交換の問題である。データリンク情報の暗号化と解読は国家の核心的機密で、中ロ両国は全方位の戦略的パートナーであるが、まだ相互にこれを開放する程度の状態には到達していないかもしれず、このため解決方法はAT-Eデータリンク端末にアダプターを追加し、2種のデータリンク間のデータ転換に用いることかもしれない。まるでウィンドウズ上で自らのプログラムを運行し、相互にインターフェイスは開放するがオリジナルコードは開放せず、相手方が自らのこの信号の表す意味を知っているだけで良い、ということである。

国内の関連機関が公表する資料から見て、国内のTTNTに相当する新世代データリンクはすでに研究開発に成功し、例えば航空宇宙513所のLink-TDD-Sデータリンク端末は、そのパラメータから見て顕著にLink-16やS-108データリンクより優れており、すでにアメリカのTTNTデータリンクに相当している。それはLink-16/TTNT同様、全軍総合データリンク端末の中にLink-TDD-Sモジュールあるいは相当するシステムを追加し、もって中国空軍作戦機の情報獲得能力を向上させる可能性があると見られる。

(頑住吉注:これより3ページ目。1枚目の画像のキャプションは「スホーイー35Sが配備するS-108データリンク」 続いて2枚目。「S-108が採用するAT-Eデータリンク端末」)

中国とロシアの空軍にとって、現在最も関心を注ぐべきものはやはり第4世代作戦機とセットになる秘密保持、低キャッチ、指向性のデータリンクおよびISR飛行機に用いる高速、速度幅の広いデータリンクの研究開発かもしれない。世界の5大通信設備提供商には中国メーカーである華為、中興があり、国産移動通信設備は甚だしきに至っては日本市場に参入し、このため国内で発達した通信設備製造業に頼って、国産データリンクの発展は長足の進歩を獲得しており、これに比べロシアは関連領域において濃くないに匹敵し難いかもしれない。(作者の署名:鼎盛 小飛猪)

(頑住吉注:4ページ目)S-108と全軍総合データリンクの一体性保持はスホーイー35Sが中国空軍体系にとけ込めるか否かの重要なカギで、中国空軍の当務の急は殲ー20とセットになるデータリンクの研究開発である。


 現状では中ロともアメリカに及ばないようですが、確かに中国の電子製品の普及は目立っており、ロシアよりこの分野でも成長の見込みがあるかもしれません。















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