ロシアは中国から軍艦を買うべき?

 「ロシアがこう言っている」という体裁の記事です。

http://military.china.com/important/11132797/20140928/18823469.html 054A


ロシアメディア:ロシアは中国の054A艦を大量購入すべき 明らかにロシアを超えている!

(頑住吉注:原ページのここにある画像のキャプションです。「良好なコストパフォーマンスは中国艦艇の重要な優勢である」)

【グローバル軍事報道】 ロシアの「国防」誌8月号の報道による。中国から買う? 何故買わない? ロシアの極東艦隊を強固にすることは北京にとって有利であるのに。

今日、フランスがロシアのために建造する「ミストラル」級ヘリ搭載ドック上陸艦を引き渡すか否かをめぐる激烈な論争がまだ静まらず、ロシア海軍のために武器装備を輸出する問題を提出するにはタイムリーでないようだが、この話題はそれにもかかわらずかつてないほどの切迫ぶりが目立っているのである。

もし一切がスムーズなら、ロシアがフランスから輸入する「ミストラル」級ヘリ空母は太平洋艦隊を補充することになる。第1隻目の「ウラジオストック」号は来年の年末に永久停泊地に入る計画である。2隻目の「セバストポリ」号はその後1年以内に就役することになる。その時誰がロシア軍の「ミストラル」のために保護、航路護衛を行うのか? 極東の非常に広い海上の戦闘区域の中で、ロシアの水上戦力は極めてお寒い状況である。現役の大型水上戦闘艦には1隻のミサイル巡洋艦「ワリヤーグ」号と4隻の1155型大型対潜艦だけしかなく、しかも全部ソ連時代に建造されたもので、現在まだ高強度で使用されている。それらはしばしば日本海、オホーツク海やその他の近隣の海域に出現するだけでなく、しかもさらにしばしばアフリカ州の角(頑住吉注:ソマリア)に派遣され、対海賊航路護衛任務、および地中海の戦略巡航任務を執行する。太平洋艦隊の3隻の956型ミサイル駆逐艦に関しては、やはり主力戦闘艦ではあるが、すでにいくらの効用もない。それらが航路護衛や対潜任務ではなく、まず攻撃任務執行に用いられるからというだけでなく、このうち2隻はずっと休むことのない長期の維持修理状態にあり、もう1隻の「迅速」号は今年5月にロシアと中国の「海上連合-2014」合同演習に参加したが、太平洋司令部は明らかにあえて冒険的にこの艦を中国東海に比べより遠い海域に勤務執行にまで派遣することはないからでもある。この型の戦闘艦のボイラー・タービンエンジン動力装置はすでに非常に信頼性が低く、956型駆逐艦自身さえ牽引される時絶えず航路護衛され、もって万一のことを防ぐ必要があり、その他の艦船のための航路護衛は全くお話にならない。

それぞれの「ミストラル」級ヘリ空母は少なくとも2〜3隻を必要とし、最も好ましいのは4隻の航路護衛艦艇だ、ということを知る必要がある。だがフランスの「ミストラル」級戦闘艦装備前に早くも、まずカムチャツカ半島に到着するのは2隻の955型「北風の神」級戦略ミサイル原潜「アレキサンダー ニェフスキー」号と「ウラジミール モノマフ」号となり、それらは今年年末あるいは来年年初に出現することになると見られる。こうした弾道ミサイル原潜の常駐基地は水上艦艇、潜水艦、航空隊が遠くあるいは近く、頻繁かつ信頼できる保護をする必要がある。戦略核原潜の安全な配備を保証するためには、同様に水上艦艇が必要なのである。

(頑住吉注:これより2ページ目。画像のキャプションは1ページ目と同じです。)

どこからこうした対潜および航路護衛に必要な水上艦艇を得るのか? ロシア国内の造船業界は勢いをためて発進を待っており、志は必ず獲得することにあるが、困難は非常に大きい。現在アムール造船工場は太平洋艦隊のために2隻の20380型護衛艦をまさに建造中であるが、いつ就役できるかはしばらくのところまだ分からない。第1号艦「完璧」号は承諾によれば2015年の装備が有望である。だが事実はこれにはほど遠く、その進水と引き渡しの期日は再三遅延している。しかも2隻の20380型護衛艦では、たとえ1隻の「ミストラル」ヘリ空母に対する信頼できる保護に関して言っても明らかに少なすぎる。サンクトペテルブルグ北方造船工場は北方艦隊および太平洋艦隊のために新世代の22350型護衛艦を組み立てているところで、第1号艦「ゴルシコフソ連元帥」号は2006年2月1日に建造に着工され、2010年10月29日に進水し、その時から今に至るまでずっと造船工場の艤装埠頭に停泊し、航海に出発することはできていない。原因は多方面にわたり、長期的かつ複雑である。資金不足、個別の武器や電子設備が完備されないという要素もあれば、設備の供給計画が流産したという要素もある。最も楽観的な見積もりによれば、この艦が航海試験を始める時間はこの秋あるいは来春より早くはないだろう。ロシア軍はさらにこの他5隻のこの機種の護衛艦を建造あるいは発注しようとしているが、いつ戦闘力が形成できるか、現在誰も保証できない。

こうした艦船の問題に加え泣きっ面に蜂にさせるのは、ウクライナがロシアの造船工業企業に対するガスタービンエンジンの供給を禁止していることである。今まで、ウクライナサイドは北方造船工場のために2セットの出力6万馬力のM56動力装置を引き渡しただけで、それぞれ「ゴルシコフソ連元帥」号と「カサトノフ」号の装備、使用に供される。その他4隻の同型戦闘艦がこのエンジンを装備する問題は今に至るもなお未解決である。バルト海の「琥珀」造船工場の状況はこれと似ており、この工場は黒海艦隊のために5隻の11356R/M型護衛艦を建造中だが、ウクライナはこのカリーニングラード市に位置するロシアの造船工場のために3隻の護衛艦に必要な3セットの単位出力5.4万馬力のM7N1型ガスタービンエンジンしか供給していない。その他3隻のガスタービンエンジンを製造する契約の資金はすでに支払われているが、ウクライナサイドがこの受注を履行する可能性は高くない。ロシアサイドはまさにだからこそこの系列の第6隻目の護衛艦の建造着工期日の遅延を迫られたのかもしれない。

(頑住吉注:これより3ページ目。画像のキャプションは「中国054A型ミサイル護衛艦性能配備欧米同級製品」で、どう見ても文になってません。なお以後のキャプションは既出のものの繰り返しです。)

これこそ何故中国から船舶用ガスタービンエンジンを購入する必要があるかの道理である。さらには彼らとロシア軍艦船が必要とする動力装置は非常に近いからなおさらである。何故ならそれらはウクライナの「霞光-機械製造」社のガスタービンエンジンをさらに一歩発展させた機種だからである。今日まで、イギリスのロールスロイス社、アメリカのゼネラルエレクトリック社、ウクライナの「霞光-機械製造」企業、および少し前にこの精鋭クラブに加入したばかりの中国企業だけが、やっと船舶用ガスタービンエンジンを生産できるのである。直接中国から作戦艦艇を購入してこそ、やっと非常に徹底してロシア海軍太平洋艦隊の艦艇不足の問題が解決できるのである。

何十年来、中国人民解放軍海軍はずっとソ連とロシアの国防工業の相次ぐ直接あるいは間接の参与の下に建設と発展を行い壮大になってきたのである。だが時間は飛ぶように過ぎ、現在中国という学生はすでに明らかにロシアという師を超えている。特に水上艦船製造領域では。このため中国に向け助けを求めるのは決して何ら悪いことではない。ロシア極東艦隊を強固にすることは北京にとって有利だからなおさらではないか。何故ならそれは解放軍海軍が米日海軍戦力とバランスを取るのを助けることができ、甚だしきに至っては一定の優勢を獲得できるからである。

現在中国は各種水上艦艇を大量建造しつつある。このうちロシア海軍に最も適するのは054A型(NATOの名称は「江凱-II」級)護衛艦である。これらの戦闘艦は2005年から上海の滬東中華造船工場および広州の黄埔造船工場で建造が開始され、その性能はロシアの22350型護衛艦と基本的に同等である。今日まで、解放軍海軍の序列の中にはすでに16隻のこのタイプの戦闘艦があり、別に4隻が進水し、2隻が建造中である。さらに加えて2隻の少量事前生産の、武器配置が比較的弱い何隻かの054型戦闘艦があり、2016年までに中国海軍は24隻のこの護衛艦を持つことになる。

054A型護衛艦の満載排水量は4,050トン、全長131m、全幅16m、経済型ディーゼル動力装置を配備し、最大速度は27ノット、航続距離は8,000マイルを超え、船員は165人である。武器装備は2セットの海上および陸上の目標の攻撃に用いるC-803ミサイル4連装発射装置、および32発の「紅旗-16」対空ミサイル垂直発射装置、76mmPJ26汎用艦砲1門、730型30mm7本バレル自動近接防御砲2基、324mm3連装対潜魚雷発射管2門、240mm6本バレル爆雷発射器2セットが含まれる。艦上にはさらに機格納庫が1つあり、Ka-28あるいは直ー9Cヘリが収納できる。

(頑住吉注:これより4ページ目)

何故054A型護衛艦を選択するのか? 原因はいくつかある。第1に、それらはサンクトペテルブルグ北方設計局の参与の下に建造されたもので、この設計局はロシアの主力水上艦艇(11356型および22350型護衛艦含む)方面の先んじた設計機構である。第2に、それらはいずれも主にロシアのサンプル品を基礎にした中国の武器と電子設備を配備し、重量や寸法のパラメータ上非常に容易にロシアの国産製品と交換できる。例えば、「紅旗-16」対空ミサイルシステムはロシアの「無風-1」の中国版で、76mm口径主砲PJ26はロシアのAK-176の軽量級簡略化版である。またさらに「軍艦鳥-MAE-5」、MR-90「胡桃」、「鉱物-ME」艦載レーダーがある。さらにMGK-335型のロシアのソナーがあるとされる。第3に、全く疑いなく、054A型護衛艦はこのクラスの戦闘艦の武器、ステルス性、航行適性、航続力方面の近代化の要求に符合し、それらの航海性能はずば抜け、しばしば太平洋、インド洋、大西洋、地中海、黒海水域に出没する。第4に、少し前の中ロ海軍合同演習の中で、解放軍海軍の054A型護衛艦とロシア太平洋艦隊の「ワリヤーグ」号ミサイル巡洋艦、1155型「パンジェリェフ海軍上将」号大型対潜艦、956型「迅速」号駆逐艦とその他の艦船の間の協同は非常に良く、つまりロシア軍艦艇の「合奏」の中にとけ込むことができ、ロシア海軍の条件下での使用に非常に適しており、これも同様に比較的重要である。

当然、中国から輸入するロシア版護衛艦は054R型と仮定して良い。すなわち「054ロシア型」であり、原型に比べいくつかの差異があることになるだろう。ロシア海軍艦艇は適宜、すでに良好な証明と検証が得られている国産武器システムを装備する。例えば、「ハリケーン-トルネード」対空ミサイルシステムや9M317M型ミサイルを用いて中国の「紅旗-16」システムに取って代わらせてもよい。船体中部のC-803対艦ミサイル発射装置の位置、およびヘリ格納庫の両側には、ロシアの「口径-NK」あるいは「瑪瑙」一体化ミサイル垂直発射装置を配備してもよい。もしこの種の方案が贅沢すぎることが目立つなら、こうしたロシア製ミサイル、および中国のミサイルは全て傾斜式コンテナ発射装置の中に自らの位置を探し出すことができる。また、威力がより強大なロシア製100mm口径A190火砲を用いて中国のPJ26艦砲に取って代わらせ、国産30mm口径12本バレル「二重奏」艦砲を用いて中国の730型近接防御砲に取って代わらせてもよい。当然、対潜武器もロシア国産武器をもって取って代わらせることができ、「パッケージ-NK」魚雷発射管を用いて中国の324mm魚雷発射管に取って代わらせ、RBU-6000を用いて中国の240mm爆雷に取って代わらせてもよい。

ロシアの新兵器や新装備は中国造船工場で直接取り付け、あるいはロシア極東造船工場あるいは「星々」造船工場で組み込むことができる。中国の比較的速い造船速度を考慮すれば、ロシア海軍太平洋艦隊は2018〜2020年までにはもう8隻から12隻の054R型護衛艦を得ることができ、ロシアの太平洋地域における地位を顕著に強固にするに足り、同時にロシアの造船工業がより先進的な新世代先進戦闘艦を製造するのを助けることができる。(編集翻訳:林海)


 ロシアはフランスから軍艦を買ったりしているのに、明らかに立ち後れた分野である無人機すら何故か中国から買おうとしません。それが心理的な抵抗によるのか、中国製品には実は問題が多いと分かっているからなのか、中国から兵器を買わない方がトータルで見て有利だと戦略的に判断しているからなのかは分かりませんが、軍艦を中国から買うという可能性もやはり低いような気がします。フランスから強襲揚陸艦を買う時にもロシア国内には非常に強い反発があったそうですが、中国から買うとなると反発はそれ以上に強くなると思われますし。














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