中国の「英雄試験飛行員」、殲ー15の死亡事故を語る

 まあこの人も着艦の経験なんてないはずですけどね。

http://military.china.com/important/11132797/20160728/23169170.html


殲ー10首席試験飛行員の徐勇凌、殲-15艦載機の事故原因を解析

(頑住吉注:原ページのここにある画像のキャプションです。「試験飛行員の徐勇凌」)

リード:昨日、ニュースは中国空母艦載機が発生させた飛行訓練の事故を報道した。フェニックス軍事はいち早く殲ー10首席試験飛行員だった徐勇凌に連絡した。試験飛行員として、彼はまたいかに今回の中国艦載機の一等事故を見るのだろうか? (頑住吉注:以後は徐勇凌が語る文となっています。)

中国の空母技術発展に関心を持つお友達たちにとって、遅れてやってきた飛行事故の通報は彼らを心配させて止まないと言える。今年4月下旬、中国空母艦載機が陸上模擬着艦訓練中に一等飛行事故を発生させた。いわゆる一等飛行事故が指すのは飛行員が事故の中で犠牲となったものである。私にとって、この突如やってきた事故は、ちょうど2005年7月の殲ー10飛行機の初の飛行事故同様に、想定内でもあり、また私を扼腕嘆息させた。何故ならあの時殲ー10は飛行総時間が7,000時間を突破したばかりだったからで、我々は「7,000時間の魔の呪い」の懲罰から逃れられなかったらしい。

全く疑問なく、艦載機の着艦飛行はハイリスクの任務である。いわゆるハイリスクとは艦載機の着艦の操作コントロールが極めて複雑なことを指すだけでなく、さらに高難度正確操作コントロールの背後に、我々が「高価値飛行の魔の呪い」と称する技術の怪物がいるからである。「高価値飛行の魔の呪い」とは何かを説明するには、さらに「5種の飛行模式」理論から語り始める必要がある。

2006年10月、長年の飛行理論研究を経て、私は国内で初めて「5種の飛行模式」の飛行操縦学理論を提出し、この理論は人・飛行機一体の飛行理念から出発し、飛行員の飛行操作コントロールを5種の模式に分けた。すなわち本体感知、状態追跡、データ追跡、目標追跡、軌跡追跡といった5種の飛行模式である。

本体感知飛行には多くの説明は必要ない。いわゆる状態追跡は飛行員が飛行機の状態指示を根拠に、操作コントロールして飛行機を予期の状態に進入させ飛行することを指し、例えば特技飛行である。

データ追跡飛行は標準データに照らして操作コントロールして飛行機に計器のパラメータの飛行を保持させる。例えば計器飛行である。

目標追跡飛行とは飛行員が静態あるいは動態目標を根拠に操作コントロールして飛行機に安定して追随する飛行を行わせることを指し、例えば編隊および空中給油である。

(頑住吉注:これより2ページ目。画像のキャプションは「資料画像:中国艦載機の陸上訓練」です。)

軌跡追跡とはああいった正確なコントロールの軌跡を必要とする飛行段階を指し、飛行員は厳格に飛行の軌跡を保持した飛行をし、例えば計器による接近、空母への着艦などである。

研究は、異なる追跡飛行段階では、飛行員が操作コントロールする操縦桿のインプット模式は明らかに異なり、一方追跡模式が複雑になるほど、飛行員の操作コントロールのインプットのランクは高くなり、例えば編隊給油や艦載機着艦飛行の中で、飛行員の操作コントロールのインプットは簡単な一次あるいは二次関数ではなく、ランクがより高い複雑な関数で、その操作コントロールの頻度はより高く、操作コントロールの増益も大きくなっていく、ということに気づいた。

ちょっと通俗的に言えば、目標追跡と軌跡追跡の段階において、飛行員の操作コントロールはより複雑多変で、その難度も高くなる。一方潜在的リスクも高くなる。アメリカの何十年の空中給油飛行事故を研究すると我々は、その純粋に飛行員の操作コントロールミスによって引き起こされた飛行事故の率は、離陸着陸、特技飛行などの簡単な科目よりはるかに高いことに気付く。これこそいわゆる「高価値飛行の魔の呪い」である。空中給油機が使用に投入された最初の50年の中で、米軍の空中給油による相互衝突事故は100回近くにも達した。空中給油飛行と同様に、艦載機着艦飛行も典型的な高価値飛行任務であり、しかも初期訓練段階でのその飛行事故の確率はより高い。統計によれば、アメリカの第二次世界大戦期間の新人飛行員の訓練の事故率は10%にも達した。つまり10%近くの飛行員が艦載機着艦訓練の中で飛行事故を発生させたのである。

「高価値飛行の魔の呪い」とは違い、「7,000時間の魔の呪い」は決して直接飛行技術の複雑性によって引き起こされるのではなく、純粋に統計学的意味の上での事故確率である。人を喜ばせるのは、中国空軍、海軍の空中給油および艦載機着艦訓練の中で、我々が成功裏に「高価値飛行の魔の呪い」を避けていることである。我々が現在までに知るところによれば、我々の新しい飛行機の試験飛行や装備の初期、基本的に空中給油および艦載機着艦などハイリスク任務の「事故ゼロ」を達成している。我々は殲ー10の5年8ヶ月の試験飛行の中で安全を確保し、我々は10年近い艦載機地上模擬および着艦試験飛行の中で「事故ゼロ」の優良な記録を創造した。これは世界の航空史上でも唯一無二である。この種の高水準な安全記録は消極的、保守的な飛行策を用いて獲得されたものではなく、我々は殲ー10と艦載機の試験飛行の中で無数の突破、高水準の安全記録を実現したのであって、これは我々が特有の後発の優勢を利用し、その他の国の試験飛行の教訓を総括することを基礎に、科学的な試験飛行管理模式を用いて獲得したものであって、その中の経験は珍重するに足りる。

(頑住吉注:これより3ページ目。画像のキャプションは「中国の南海を遊弋する米軍のステニス号空母が艦載機発着訓練を行う」です。)

しかし、人を遺憾にさせるのは、我々が「7,000時間の魔の呪い」の懲罰からは逃れられないらしいことである。統計学的意味の上での飛行リスクのルールは越え難く、この方面は新型機が採用する新技術は無数の試みを通過して突破することが必須のため、技術の不成熟によってもたらされる故障確率は飛行の安全の最大の脅威である。別の方面では飛行員の新技術に対する不適応も克服し難い。新型機の試験飛行段階で、高水準の試験飛行員はあるいは彼らの豊富な飛行経験によって、リスクを最小の範囲内にコントロールできるかもしれないが、あらゆる飛行員が高水準試験飛行員の状態に到達することを要求するのは不可能である。このため、新型機の装備後の偶発飛行事故は避け難く、殲ー10機もこうだったし、艦載機もこうである。

当然、「7,000時間の魔の呪い」は決して永遠に克服できないものではない。経験型試験飛行員の数の不断の増加、および飛行員の遭遇するリスクの回数の不断の累積と共に、飛行員の団体のリスクに打ち勝つ経験も日増しに増加する。3から5年の適応期を経て、飛行事故率は徐々に低下し、かつある相対的に合理的な水準に保持されるだろう。

我々は、飛行リスクは飛行の一部分であり、そのルールは認識され、掌握され得る、と言う。我々は良好な訓練と科学的なリスク管理を用いて、徐々に飛行事故率を低下させることができるが、絶対的な「事故ゼロ」は達成し難い。事故は決して怖くはない。重要なのは我々が事故の技術的解読の中から、ルール的性質のものと経験を探し出すことである。私は、我々の空母艦載機団体がきっと事故の教訓の総括という基礎の上に、艦載機訓練の安全記録を新たな水準にまで高めると信じる。


 って完全に一般論で全然具体的じゃないですね。これじゃ事故前にこの人の安全問題に関する考え方を語らせたのとほとんど変わらないでしょう。



















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