ロシアメディア、中国空母を評す

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http://military.china.com/important/11132797/20130429/17808387.html


ロシアメディア:中国、原子力空母建造へ すでに対空母弾道ミサイルを配備

(頑住吉注:原ページのここにある画像のキャプションです。「殲ー15戦闘機は性能がずば抜けた第3世代大型艦載機である」)

【グローバルネット総合報道】 ロシアの「真理報」4月26日の報道によれば、アメリカは中国が改装した初の空母「遼寧艦」をあざけるが、中国は逆にこれを誇りとし、しかもより多くの数の飛行機を搭載できる国産新型原子力空母の建造を準備していることを暗示している。これと同時に、中国はさらにアメリカ軍空母の破壊を準備しているようだ。

ロシアメディアは、一方において空母は容易に攻撃に遭う目標に相当し、全面的防護と保障を必要とする、とする。他方においては空母はまた強大な威嚇の要素でもあり、大規模でない軍事衝突を自主的に実施できる。アメリカはアジア太平洋地域はその主要な勢力範囲であると言明しており、こうした脅威に対応するため、中国は空母のような威力強大な武器を早急に必要としている。

中国初の空母「遼寧艦」は1998年にウクライナから購入した旧ソ連の「ワリヤーグ」号空母を基礎に改装してできたもので、2012年9月に正式に就役した。現在中国海軍はすでに山東省の青島に、「遼寧艦」空母のために専用の停泊埠頭を建設済みである。この空母は2年のうちに9回の航海試験を終えており、最も近い回は艦隊を組んで出航し、特殊隊形を組成して航路護衛艦艇の特殊な位置も明確に規定された。去年11月、国産殲ー15艦載機が初めて「遼寧艦」甲板上で着艦に成功した。中国は、空母の試験はすでに予期の目的を達成しており、技術試験を完成させ、関係の実験と軍事訓練を行っており、近い時期に初の遠洋航海を行うよう準備している、と言明している。中国メディアは、「遼寧艦」の近い時期における遠洋航海の期間はおよそ3ヶ月であり、この時の航行の最終目標はアメリカ海軍基地の所在する沖縄とグアム島付近の海域かもしれない、と報道している。中国空母が遠洋航海を準備しているとの情報が披露される何日か前、中国国防部当局者は、アメリカが東アジア地域の兵力配備を増加させることは地域の平和と安定の維持保護という利益に符合しない、とした。

(頑住吉注:これより2ページ目。画像のキャプションは「中国が単に遼寧艦という一隻の空母を持つだけということは絶対にない」です。)

ロシアメディアは、アメリカメディアはしばしば中国の「遼寧艦」空母の各種の欠陥を風刺的に報道する、とする。あるアメリカの軍事専門家は日本の「外交家」誌(頑住吉注:実在しません)のインタビューを受けた時、中国空母は補助船舶の同伴の下に艦隊を組んで海に出たが、中国海軍はこの艦隊を完全に配編(頑住吉注:本来音楽の用語らしいですがこの場合の意味は不明です)することはほとんどできなかったようだ、とした。もし対ミサイル駆逐艦が適すると評価されても、ならばどんな力量を用いて対潜防御を行うかは依然謎である。また、飛行人員の養成訓練にも非常に長い時間を必要とする。あるいはこうしたあらゆる欠陥が間違いなく事実に属したとしても、中国は空母攻撃群建設実現方面において明らかにすでに重大な歩みを始めており、今後さらにこの方向で前進を継続することになる。

報道によれば、中国は今後第2隻目の空母建造に着手し、しかもこれは完全国産空母であり、「遼寧艦」に比べより大きく、搭載機の数もより多く、30機を超え、少なくとも2個飛行連隊が配属され、これには戦闘機、偵察機、対潜機、電子戦機、ヘリが含まれる。中国の専門家は、中国海軍にとって1隻の空母では充分にほど遠い、と指摘する。海軍の需要を満足させるため、中国は6〜7隻の空母を必要とする。第2隻目の空母の排水量は5〜8万トンの可能性があり、その後の空母は原子力動力装置を配備するかもしれない。中国の専門家はインタビューを受けた時、中国は原子力空母を研究開発し建造する技術と工業的実力を持っている、とした。

ロシアメディアは、中国は積極的に国産空母を建造するだけでなく、さらにアメリカ空母を抑止できる迎撃ミサイルを研究開発中だ、とする。アメリカ国防省情報局局長フリン中将は4月9日に上院の公聴会で、中国はすでに台湾に対面する東南の沿海に「東風-21D」新型対艦弾道ミサイルを配備しており、その作戦半径は1,500kmに達し得、西太平洋地域の空母を含めた大型艦艇を攻撃できる、とした。このことは、「東風-21D」が照準を合わせるのはアメリカ空母だということを説明している。

中国は戦略力量完備方面において壮大な計画を持ち、積極的に原潜や水上艦艇を研究開発し、さらに戦略爆撃機もある。今後10年で中国は空母以外にさらに真に要求に符合する第5世代戦闘機を装備することになる。ストックホルム国際平和研究所のデータによれば、中国の2012年の軍事予算は1,660億アメリカドルに達した。アメリカのグローバル透視社は、中国の軍事費は2011年から2015年までに倍増し、アジア太平洋地域のその他のあらゆる国の軍事費の合計を超える、とさえ見積もっている。また中国メディアは、中国はロシアから24機のスホーイー35戦闘機と4隻の「ラダ」級ディーゼル・電池潜水艦を購入し、同時にさらにS-400対空ミサイルシステム、117S大推力エンジン、イリューシンー476輸送機、イリューシンー78空中給油機購入の談判中である、とも報道している。

(頑住吉注:3ページ目)ある分析は、中国の次の空母は原子力動力を採用する可能性があると考える

(頑住吉注:4ページ目)原子力空母の自力持久能力は比較的強く、長時間にわたって遠洋配備任務が執行できる

(頑住吉注:5ページ目)もし原子力動力を採用すれば、中国空母艦隊の制空制海能力は質的向上を獲得することになる

(頑住吉注:6ページ目)東風ー21弾道ミサイルには空母キラーの呼び名がある

(頑住吉注:7ページ目)対艦弾道ミサイルを持てば、有効に空母戦闘群に対し威嚇を実施できる

(頑住吉注:8ページ目)東風ー21が1発命中すれば、即空母の命を失わしめることができる


http://military.china.com/important/11132797/20130425/17800305.html


ロシア:中国はせいぜいソ連時代の空母の「南方図面」を手に入れただけ

(頑住吉注:原ページのここにある画像のキャプションです。「1999年、中国はワリヤーグ号を購入し、2003年3月4日に大連港に到着した。」)

ロシアの「軍事平等」誌、カナダの「漢和安全保障業務評論」などのメディアの報道を総合すると、中国初の空母「遼寧」号というこの中国海軍の主力戦闘艦は再度外界の関心の焦点となっている。ある外国メディアは、中国が「遼寧」号空母の基地を対外的に開放することは、これまでの外界の「『遼寧』号は就役後問題が起きるかもしれない」との噂を打破し、中国海軍の空母プロジェクト推進継続への自信も見せた、と分析する。

「中国の技術者は先端技術を持っている」

カナダの「漢和安全保障業務評論」は、「遼寧」号の就役前、一部の外国の専門家はずっと、中国がこのソ連時代の空母の修復に成功するのは難しいと考えていた、と指摘する。彼らは、もし「遼寧」号が中国海軍に就役しても、きっと「問題が絶えない」と考えた。この空母は1980年代に建造が開始され、基準が比較的高いモジュール化設計が採用されている。もし中国の技術者が図面によってその内部の施設を理解したとしても、仮に建造の材料が不適切なら、修復した空母は装備と人員を満載した状況下で重心が不安定になり、甚だしきに至っては船体の一部にねじ曲げ変形が起こる可能性がある、と。

ロシアの「軍事平等」は、当初多くのアメリカとロシアの軍事工業専門家が、アメリカあるいはロシアの技術的支持がなければ、いかなる国も空母の自主建造は不可能であり、もし廃棄に遭った空母の修復であったとしても不可能だと考えた、とする。何故ならこの種の大規模な作業は極めて複雑な技術と膨大な試験論証体系を必要とするからだ、と。

報道は、中国が対外的に「遼寧」号の停泊基地を開放することは、この空母の就役後、いかなる問題も決して起きていないことを証明し、このことは中国の大型作戦艦艇建造能力が外界の予期を超えていることをも説明する、と指摘する。報道は、解放軍の技術者はすでに先端的な空母研究開発、建造技術を持っており、これにはコンピュータによるシミュレーション実験や設計補助技術が含まれる、と推測する。このため、彼らは「ワリヤーグ」号の内部構造の復旧に成功しただけでなく、さらに異なる品質の材料を用いてこの空母の修復をシミュレーションし、艦体の重心バランスが確保される状況下で適した材料を選択して使用した。シミュレーションでの改装が成功を取得した後、解放軍はやっと「ワリヤーグ」号の改装に着手し、最終的に「遼寧」号を登場させることに成功したのである。

報道は、中国の「遼寧」号改装は、ロシアがインドのために改装する「ゴルシコフ」号に比べずっと成功している、と指摘する。「ゴルシコフ」号は空母の内部構造に対し非常に限られた変更しか行われず、しかもロシアによって生産された空母専用特殊鋼が採用された。

(頑住吉注:これより2ページ目。画像のキャプションは「2001年9月、トルコ政府はついに「ワリヤーグ」号の海峡通過に同意した。」です。)

中国は「南方図面」を手に入れたのか?

「漢和」は、外界のある視点は、中国がウクライナから「ワリヤーグ」号の図面を獲得し、しかもウクライナの専門家が中国に対し非常に大きな援助を提供し、これが中国が成功裏にこの空母を修復した重要なカギのありかかもしれないと考えている、とする。このため、「遼寧」号のスムーズな就役は、中国が空母自主建造能力を持つことを決して説明できない、というのである。だが報道は、中国海軍の設計者たちはずっと、中国が「ワリヤーグ」号を受け取った時、その設計図は手に入れなかったと強調している、と指摘する。

ロシアの「ペリスコープ-2」誌は、ウクライナ国家武器輸出社の人物は最近この問題に対し説明を行った、とする。この人物は、ソ連時代、全てのウクライナで生産される武器システム、特に海軍装備には、全て2つの図面がセットされていた、と指摘する。このうち1つは「北方図面」と呼ばれ、空母の詳細な設計図であってモスクワに保存された。もう1つは「南方図面」と呼ばれるもので、空母建造の時に参照する図面で、ウクライナ造船工場の設計局に保管された。「北方図面」の基準と精密度は「南方図面」より高かった。

報道は、もし中国がウクライナから「ワリヤーグ」の図面を手に入れたとしても、きっとそれは「南方図面」、すなわち建造施工図であり、ロシアが掌握する詳細を尽くした設計図、すなわち「北方図面」が中国に渡されたことはあり得ない、と考える。つまり、中国の「ワリヤーグ」号修復、改装の工程は主に自主的に実施されたのであり、このことは中国が大型作戦艦艇を設計、建造する能力を充分に示している。報道はさらに、「遼寧」号が停泊基地を確定したことは、この艦が中国海軍の序列の中ですでにあるべき作用を発揮していることを説明しており、これは中国海軍の空母プロジェクトを推進し続ける自信をも増強する、と考える。中国の技術者が「遼寧」号改装を通じて積んだ経験は、中国国産空母プロジェクトに対し大いに有益である。

(頑住吉注:これより3ページ目。画像のキャプションは「2004年8月のある日、党中央、国務院、中央軍事委員会は重大な決策をなした。すなわち『ワリヤーグ』号建造に続き、中国空母プロジェクトを始動させることである!」です。)

「中国は他人にできないことをやり遂げた」

「漢和」は、もう1つの要素を外界は軽視してはならない、と指摘する。すなわち、中国が「ワリヤーグ」号を成功裏に修復し、これを「遼寧」号に「華麗に変身」させ得たのに採用したのは、「コストを計算しない」方式だということで、これは全世界のいかなる国の海軍にとってもなし難いことと言え、「だが中国は成し遂げたのだ」。

報道は、当初中国が「ワリヤーグ」号を購入する時には2,000万アメリカドルしか支払わなかったが、この艦がトルコなどの地での逗留に費やした停泊費、また保険金などの費用は、総額1億アメリカドルを超える、とする。

さらに関心を注ぐに値するのは、ウクライナは中国向けに「ワリヤーグ」号を引き渡す前に、あらゆる電線とパイプライン系統を取り外したことだ。これは艦体内部の主要構造に対し行われた破壊で、「もってこれを軍事目的に使えないようにした」のである。これは主に、当時アメリカ、日本などの国が揃ってキエフ(頑住吉注:キエフの首都。ここではウクライナ政府の意)に対し非常に大きな外交圧力をかけ、「中国に強大な戦略海軍を発展させる機会を持たせてはならない」としたことである。この種の状況下で、中国は艦体内部に改めての設計を行うしかなく、このことは極めて大きなマンパワー、マテリアルパワー、ファイナンシャルパワーを費やさせた。この種の「コストを計算しない」発展方式は、中国でのみ採用し得たものであるようだ。

これを根拠に報道は、もし中国が継続して「コストを計算しない」方式を通じてその国産空母を発展させたら、「外界が予期し難い成果」を取得する可能性もある、と推測する。(「上海訳報」から抜粋)

(頑住吉注:4ページ目)2005年4月26日、ワリヤーグ号は大連造船工場のドライドックに牽引されて入り、中国人民解放軍による装備変更および建造継続が開始された。

(頑住吉注:5ページ目)解放軍の目標はこの建造が未完成の空母に対し変更を加えた製造を行うこと、およびこれを科学研究、実験、訓練用途に用いることだった。

(頑住吉注:6ページ目)中国が空母を改造する前は空母の空箱でしかなく、改造作業は完全に独立して完成された。

(頑住吉注:7ページ目)2010年9月、ワリヤーグ号スキージャンプ甲板前端と飛行甲板尾部の、人員墜落防止ネット支持架の取り付けが終わり、フェイズドアレイレーダー支持架が装備された。

(頑住吉注:8ページ目)2012年9月25日、国防部は中国初の空母「遼寧」号が正式に引き渡され就役した、と宣言した。


 中国人はこの空母を非常に誇りに思っているので、「中身はほとんど空だった」、「詳細な図面は手に入れていない」、「改造は自力で行った」と言いたいわけです。これもバイアスかかってますけど、西側に過度に中国の実力を過小評価する見方があることも事実だとは思います。「南方図面」と「北方図面」、シミュレーションのくだりは初めて出てきた記述でもあり興味深かったです。ちなみに「中国が対外的に『遼寧』号の停泊基地を開放する」に「ん?」と思いましたが、これに関するより詳しい報道は見当たりません。


















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