韓国の新たな機雷敷設艦が進水

 地味な種類の軍艦ですがどういう意味があるんでしょうか。

http://www.hinews.cn/news/system/2015/07/10/017678591.shtml


韓国の新たな機雷敷設艦進水:天安艦事件を反省 米軍とコンビネーション

21世紀に入り、韓国海軍は頻繁に大型艦艇を派遣して遠洋に赴き訓練や演習に参加するだけでなく、さらに「大洋海軍」を対外宣伝の「口頭弾」(頑住吉注:決まり文句などの意味らしいです)としている。だが2010年の「天安」号事件発生後、韓国国内には海軍の発展方向を反省する考え方が興り、韓国海軍は過度に遠洋海軍建設を偏重し、沿岸地域に対する防御を軽視し、特に対潜戦と機雷戦能力が欠乏している、と考えた。今年5月に進水した「南浦」号機雷敷設艦は韓国海軍建設の重点が変わったことを反映している。

「機雷戦」の弱点を補う

5月27日、韓国国防省副大臣の李庸傑は、現代重工造船工場で国産機雷敷設支援艦「南浦」(Nampo)号の進水式を主宰した。この艦は韓国海軍の「未来護衛艦計画」を基礎に「グレードアップ設計」が行われ、目的は韓国海軍の「攻勢機雷敷設」および「快速掃海」能力を向上させることである。

韓国の軍事専門家である金鐘大は、第二次世界大戦後にアメリカ海軍の身に発生した18回の軍艦が傷を負う事件を統計すると、14回は機雷による攻撃に関わる、とする。現在世界の48カ国が海岸に機雷を敷設する能力を持ち、31カ国は機雷を製造でき、将来沿海域で機雷戦が発生する確率は非常に大きく増加する。朝鮮半島の地理的環境について言えば、真に大、中型艦船の停泊に適する海岸の部分は決して多くなく、ひとたび仁川、釜山などの重要な港が機雷による封鎖に遭ったら、すぐに極めて大きく戦略的態勢に影響するだろう。このため掃海と機雷敷設の能力を発展させるのは「極めて戦略的眼光を備えた措置」なのである。

現在韓国海軍三大艦隊の中の第1、第2艦隊はそれぞれ第521、522掃海戦隊を設立済みであるが、第521掃海戦隊(日本海方向)の「元山」号機雷敷設艦だけが「敵前攻勢機雷敷設」能力を持つ。事実、1990年代に建造された「元山」号には本来もう2隻の姉妹艦があるべきだった。ちょうどアジア金融危機にぶつかったため、韓国海軍は止むを得ず予算を削減し、その他の2隻の機雷敷設艦の建造計画を破棄しただけである。ここ何年かになって、韓国海軍はやっと再び大型機雷敷設艦を建造計画に入れた。

遠洋と近海の「機雷敷設の名手」

公開のデータは、「南浦」号の全長が約114m、全幅17.2m、喫水深度4.61m、満載排水量4,200トン、人員編成120人、動力システムは4台のディーゼルエンジン(出力は2.2万馬力を超える)、2軸駆動、最高航行速度23ノット、航行速度15ノットの時の航続力は4,500海里であることをはっきり示している。艦上には1門の口径76mmコンパクト型単砲身艦砲、ダブルバレル40mm口径火砲2基、3連装Mk32型魚雷発射管(口径324mm)2基、4つのミサイル垂直発射ユニット(「改良型シースパロー」対空ミサイルを配備)が装備され、後甲板を1機の中型ヘリの発着に供することができる。この艦の中央部から艦尾までの両側の区域にはいずれも機雷庫が設けられ、自動化された運搬、投下装置が配備される。艦尾の両側にはそれぞれ機雷投下ゲート1つがあり、それぞれのゲート内には3本の機雷投下レールがあり、短時間内に数百の機雷を投下できる。

韓国海軍の武器庫内には、伝統的なアンカー機雷が貯蔵されているだけでなく、さらにより先進的な自動航行式機雷や改良型の「快速攻撃機雷」、特に水深の浅い区域で使用できる「快速攻撃機雷」(500ポンドのMK62機雷と1,000ポンドのMk63機雷があり、多種の目標探知計測装置が装備される)がある。また、駐韓米軍の倉庫内にはさらに2,000ポンドの薄壁型MK65「快速打撃機雷」があり、随時韓国軍に支援することができる。それらはいずれも沈底機雷で、比較的良好に目標の艦船を照準し、甚だしきに至っては遠隔操作装置を使用して機雷のカーブを遠隔操作することができる。先進機雷の支持下で、「南浦」号はカギとなる重要航路、港に対し攻勢機雷敷設を実施し、敵サイドの海上行動能力を麻痺させることができる。

「南浦」号は2016年10月の韓国海軍引き渡し、2017年4月の正式就役を計画しており、韓国海軍はさらに1〜2隻の同クラスの艦を建造し、もって三大艦隊全てが相当の機雷敷設能力を持つことを確保するのに便とする、とされる。

アメリカの「再バランス」戦略とコンビネーション

強調を必要とするのは、「南浦」号は一方において「門戸封鎖者」の役割を演じるが、別の方面ではまた韓国自らの門戸が他人の「報復性封鎖」に遭うのを防止しようとするものであるということで、このため同様に掃海任務を執行することができる。「南浦」号は日本の掃海支援艦の概念を参考にし、艦内には燃料、淡水、食料、部品倉庫が設けられているだけでなく、さらに掃海電気ケーブル呑吐輪架(頑住吉注:日本語で何と呼ぶのか知りませんけど意味は分かりますよね)や各形式の掃海ツール貯蔵庫があり、完備された機雷戦指揮通信・支援施設が配置され、かつ水中爆発物作業人員のために居住施設と完備された高圧医療設備が配置されている。

軍事専門家は、海上掃海は極めて複雑な作業で、異なる種類の機雷に直面して異なる掃海手段と専門の掃海ツールを採用する必要があり、中、小型の掃海艦艇では同時に種々雑多な掃海設備を搭載し難く、ひとたび掃海領域が本国周辺以外の海域にまで拡大したら、強大な支援艦を後ろ盾として必要とし、「南浦」号はまさにこのような作用を果たすことができる、と指摘する。「南浦」号は戦時に韓国海軍の燕子級掃海艇、金山級沿海掃海艇、洋洋級沿海掃海艇の「支援母艦」に充当することができる。

韓国の「国防時代」誌は、近年来東北アジア周辺海域は「大事なし」の言葉を用いて総括することができるが、風平らで波静かと言おうとすればやはり不正確で、アメリカは何度も北朝鮮は5万余りの機雷を持ち、偽装漁船、潜水艦、ないし低空低速飛行機を利用して機雷を敷設する能力を持つと言明し、かつそれを「潜在的脅威」と見ている。「アジア太平洋地域再バランス」戦略推進のため、アメリカ海軍は日本の佐世保港に配備する掃海艦を2隻から4隻にまで増やすだけでなく、さらに強烈に日本、韓国、オーストラリアなどの軍事同盟国に機雷戦能力を向上させるよう要求している。この意味から見て、「南浦」号の進水は、アメリカが主導するアジア太平洋地域の陰性軍事同盟が連合作戦能力を発展させる方面においてまた前に向け一歩を踏み出したと見なされ得る。

黄山伐


 「第二次世界大戦後にアメリカ海軍の身に発生した18回の軍艦が傷を負う事件を統計すると、14回は機雷による攻撃に関わる」というのは非常に興味深い情報ですけど、それはアメリカ海軍に正面から対抗できるような相手がいなかったからであって、韓国軍がこれを直接的に参考にするのはどうなのかという気もしますけど。















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